2010年7月29日木曜日

Grow Your own Rice! 登熟中

ワタクシごとで恐縮ですが、真夏の引っ越しが目前に迫っております。ナニブン筋力の衰えが著しく体力的に自信がないので、明日からしばらくブログは不定期にすることにしましたー。
マニアックな植物ネタのみなのに、(思ったより)たくさんの方々にご閲覧いただきまして感謝・感謝です!!

さて、

ロックウール培地とココ培地の水耕栽培で育てている「イセヒカリ」ですが、7月の一週目に出穂してから、いよいよ「登熟=とうじゅく」がすすんできました。















稲穂のなかのデンプンが固まってくると,重たくなって垂れてくるんだそうです。
まだ内部がブヨブヨの時の稲穂は、いっちばんスズメに食べられやすいそうです。やわらかくって食べやすいタイミングを知ってるそうで。


「生殖生長の登熟期」=「開花期後半の肥大期」とも言えます。

この、もう収穫まで何週もない!という時期には、とくに「ケイ酸」を吸わせると、チッ素を減らして食味を良くして、大きく引きしまったウマウマなお米に仕上がるんだそうで。








水溶性ケイ酸の効能は、いろんな作物で検証され、もはや疑うことなく多くのメリットが実証されてます。

これはペットボトル・ココ培地の水稲です。
コンスタントにケイ酸をあげてます。









葉っぱの一本一本がシダレたり広がったりせず、ピンッと立ってます。
ケイ酸が効いてると細胞がかたくなって病害虫にも強くなって、こんなふうにシュッとするそうです。

これはロックウール培地の水稲です。

葉っぱ各自がスキ勝手な方向へと広がってバッサバサ。マトマリというものがありません。










もうひとつの同じ水耕栽培システムの水稲たちも自分たちで立てないご様子。

ロックウール培地からのケイ酸では、やっぱし足りない様子です。











実を収穫する「なりもの野菜」では、生長期から開花期へ移行する時に肥料濃度をやや濃くするので、EC値をすこしづつ上げていきますよね。このEC値を濃くしていくタイミングで、ケイ酸をあげるのがいいようです。
収穫が近づくにつれて、よぶんなチッ素を燃やしてタンパク質やアミノ酸や脂肪酸なんかの割合をどんどん増やすことが、作物の大きさ・食味・糖度・品質をアップさせるコツなんですが、とくに生殖生長期からケイ酸資材をマンゾクに吸わせると、この効果が大きいそうです。

とはいえ、そもそも土壌じたいの50%もが「二酸化ケイ素=シリカ」でできているとも言われてますし「水晶」や「メノウ」もケイ素の鉱物です。そんなにフンダンにイッパイあるんだから、土で育てるときは、わざわざケイ酸資材なんかあげなくてもいいんじゃないか? となりそうなもんです。

水耕栽培専用の肥料や活力剤に使われる原料の条件は、「吸収性のよい水溶性のミネラルであること」と「植物があんまし好きじゃない塩素とかナトリウムとか、根傷みの原因になるアンモニアとかの余分な成分が多い原料はパスして、ムダな成分でEC値を上げない」などなどです。

つまりハヤイ話が「水耕栽培に向いてる肥料原料は、どうしても高くつくんだよな〜」なので、水耕栽培専用ではない液体肥料と比べると、ちょっとお値段が割高になるんですよね〜。


ハナシの流れには関係ありませんが、エアロ・ガーデンのパリグリーンです。

今回は、光の位置をちゃんと近づけたら「トウダチ」しませんでした。












ハナシはもどりますが、原料がちょっとお高めなのは「水溶性ケイ酸資材」も例外じゃなくて、地球にフンダンにある二酸化ケイ素は1700℃ちかい高温で一週間以上も加熱されて、やっとのことで蒸気になり、晴れて「水溶性ケイ酸」になれるそうです。これはちょっとDIYでは無理そうです。

そして土壌中の約50%をしめる二酸化ケイ素はク溶性で、根っこから出る根酸でジワジワ〜ッと溶かされて吸収されるんです。

いかにも硬そうな葉っぱや茎をしている稲・ススキなどのイネ科やスギナなどトクサ科はこれが得意なんですが、トマトはこの作業が苦手なんだそうで、植物によってケイ酸を吸うチカラがだいぶ変わるので、以前は「ケイ酸資材なんか効かねぇ!」と言われたこともあったそうです。


ということで、次回お目にかかるときは「イセヒカリ、収穫しました!」というトコロでしょうか・・・




2010年7月28日水曜日

GRAPPLE? 歯ごたえはリンゴ味はブドウ

以前に紹介した「フルーツ・ハンター果物をめぐる冒険とビジネス」という本に、ちょっと気になる果物のハナシがありました。その果物は「GRAPPLE〜グラップル〜」。米国で売られている「ブドウ味のリンゴ」だそうです。

キャッチフレーズは、「Crunches like an Apple. Taste like a Grape. 歯ごたえはリンゴ,味はブドウ」ってところでしょうか?













ワシントンの「C&O Nursery」がつくるこの「グラップル」は、GMO(遺伝子組換え)の新品種のリンゴでは決してないし身体にもヘルシーだそうです。




















気になるそのお味は「脳みそが処理できない感覚だ!」とか「人工甘味料を大量に口に詰め込まれた感じ」などなど賛否両論だそうですが、ネライどおりに子どもたちにはオオウケ。

「グラップルが木に実ってるところが見たいよ〜」と子どもにせがまれて困ってる親御さんたちがいっぱいいるんだそうです。

「グラップル」の製造方法は、もちろんトップシークレット&特許の嵐。ですが「フルーツ・ハンター」の作者は、著書のなかで「グラップル」の生みの親へのインタビューから、バックリとした製造方法をリークしてます。

興味のあるヒトは、ぜし本を読んでみてほしいトコロですが、「グラップル」のヒミツを知ってしまったあとは「農薬はホントに悪なんだろうか? そもそも農薬の定義ってナンなんだろう?」と考え込んでしまいました・・・

2010年7月27日火曜日

真夏でもゲンキに生きてます!

毎日,暑いです。

ほどよくザーッと夕立でも降ってくれれば、屋根の熱がさめて夜にはグッスリ眠れそうなものですが。

こんな真夏にこそ、うらやましいほどの絶好調ぶりの多肉がおります。

日中40℃はラクラク超える、カーテンなしの閉めきった部屋の窓ぎわで育てているこの多肉、まさに今が生殖生長期です。

去年の夏に、ベランダで育てたときは、こんなふうには花が咲きませんでした。どうやら直射日光と多湿がNGだけど、高温は大好きなようです。






出会ってから15年ほどの最年長の多肉、はじめて子株を吹きました。
砂漠地帯の多肉植物は、木の根元や岩陰などの直射日光が当たらない高温低湿の場所で生息しているそうです。



夏至をすぎて,花芽がつきはじめたホップです。


これは雌株のホップなので、雌花がつきます。

アザミウマが最大の敵です。
















アカスジカメムシのカップルが、

セリ科のハーブでゲンキです。











全員カップルでした。


「ヒトナツの恋」は、あついですねー。

2010年7月26日月曜日

エンジョイ MANGA Farming!!

近ごろでは、雑誌やマンガの電子化がドンドンすすんでいて、本屋さんもアタマをかかえてらっしゃるようです。
古紙を回収しても、お金に換わるどころか,処分代をとられるそうで、ちり紙交換屋さんの引き売りの声を聞くことも、なくなってきた気もします・・・

読み終わったマンガ本の、粋で楽しいリ・ユース方法,考えた方がいらっしゃいました。

説明不要な

「マンガ農場」です。

おつくりになったのは現代美術作家としてもかつやくなさっていらっしゃる「河地貢士」さん。








こちらのサイトでは、気持ちいい脱力感たっぷりの秀作の数々がみられます。http://www.koshikawachi.com/










スプラウトの根っこが、

ちゃあんと、たくましく張ってます。

ネラった絵に根っこを張らせて組みあわせても、遊べそうです。



















「 お見事!! 」のヒトコトにつきます。

2010年7月23日金曜日

ソレイユの丘とロックウール

横須賀の「ソレイユの丘」に行ってきました。

南仏をイメージしたオサレなソレイユの丘は、ヒマワリ満開・夏全開です。














ここではグリーンハウスでトマトやイチゴなんかを水耕栽培されてます。
その様子はこちらで・・・
夏のあいだは、水耕栽培はお休みだそうです。トマトやイチゴの水耕栽培の培地は「ロックウール培地」だそうです。グリーンハウスの前にある畑には、ちょうど栽培が終わったあとのロックウール培地がすき込まれていました。











粉砕機で細かくされたロックウール培地が、ところどころに白っぽく見えます。

ご存知のとおりロックウールは「ケイ酸とカルシウム」の繊維で、不溶性なんですが、こまか〜くなったロックウールは土のなかで植物が根からだす根酸で、ゆ〜っくりと溶けていくそうです。








ちなみに、世界でいちばんロックウール栽培の作付け面積の広いオランダでは、トマトやキュウリの栽培に使う、大きな細長いロックウールベッドは、2〜3回ほどは再利用してしまうそうです。その際には、古い根っこを分解してくれる作用のある有機活力剤によく浸してから,使うんだそうです。

さすが、キッチリ節約シッカリ屋さんを象徴する「 Going  Dutch! =割り勘 」のお国柄ですねー。

2010年7月21日水曜日

Grow Your own Rice「ブラのお話」

暑い日がつづきます。ホント暑いです。

こんなに暑い日がつづくときは、こういうネタにかぎります。
「ブラジャーがコメ栽培キットに大変身!!」


















いつもユニークな発想でいつも楽しませてくださる「トリンプ」さんの「マイ田んぼブラ」だそうです。もうなんの説明もいらないと思います。


ディティールにも,心ニクいこだわりがちゃんとあります。
■構想・製作日数:約6ヶ月
■特長:
・左右のブラジャーのカップを合わせるとプランター(植木鉢)に変身。





・スズメ除けとしてストラップにはキラキラ反射する素材、ブラジャーのセンター部分には実際の田んぼで使用されている「見張糸(みはりいと)*」を使用。
・カップには広げると「手甲(てっこう)*」になるパッド入り。

・ウエスト部分はホースをベルト代わりに使用。ホースの両サイドには苗が入った試験管と土が入った巾着付き。土をプランターに入れ、ホースで水を入れれば、いつでもどこでも田植えが可能。
・ボトムはミニ丈の「もんぺ」。ヒップ部分には「豊作」の文字入りの取り外し可能な軍手付き。






・・・非売品なことが残念でなりません。

2010年7月20日火曜日

チャドクガの恐怖!

先週、チャドクガにやられました。
重症なヒトは、もう「チャドクガ」という単語を見ただけでカユくなってくるというヒドさです。

チャドクガのケムシの毒毛が肌にささると、痛がゆい湿疹がでます。しかもケムシたちは身を守るためにこの毒毛を飛ばせるそうで、その毛が風に乗って洗濯物にひっついてヤラレタようです。背中と腹に赤いブツブツができてしまいました。毒を中和する薬はないそうなので、ひとまず肌についた毒毛をガムテープなどで取り去ることが最優先だそうです。


日に日にカユミと湿疹がヒドくなりました。病院に行ったらいいんですけどステロイドなどでの治療になるそうです。
ためしに、ご近所でビワの葉っぱをすこし分けていたいただき、カブれたところに貼ってみました。

すこしカユミがおさまりました。

「これは効くかもしれない」と思いましたが、びわの葉っぱを大量に頂くのも気が引けました。






そこで「ビワエキス」をGETしてみました。こちらのほうが有効成分が凝縮されてるそうで、しかも腰痛・歯痛・ねん挫などなど、他にもいろんな痛みに効くそうです。

キッチンペーパーなんかに、ビワエキスをシッカリとしみこませて、乾かないように片面にサランラップを貼った上から温めたタオルをのせて、患部を温湿布をするのが効果的だそうです。









胃が痛くなるほどに重症化した「チャドクガ湿疹」でしたが、2〜3日続けたら水ぶくれがゼンブつぶれて、赤みもホトンドひきました。肌の回復能力が落ちてる年齢のワタシにはアリガタかったです。

ビワの有効成分は「アミグダリン」といって「ビタミンB17」なんだそうで、このB17は身体に不要な物質だけを壊してくれるんだそうです。

昔からビワは民間療法で大人気だったそうで、「ビワの木を庭に植えるもんじゃない」と言われているのは、次から次へと病人がたよって来てしまうから縁起が悪い・・・とのことで、確かにワタシもご近所のビワの木にすがる思いで葉っぱをいただいたわけですから、なるほどです。

そんなこんなで、「 庭のビワの木を知らぬヒトにマルハダカにされてしまった! 」なんて笑えないおハナシも聞くので、興味のあるヒトは「ビワエキス」をGETしたほうがいいかもしれません・・・

2010年7月16日金曜日

Grow Your own Rice! 室内の実り

ロックウール培地の水耕栽培「イセヒカリ」の稲穂がしだれてきました。稲全体もデロデロに倒れているので、横にヒモを渡して支えてる始末です。

ファンで風を送ってますが、そんなに密植してないので

「穂波」がたつほどではありません。












左側のシュッとしてる稲は、ココ培地でそだててる「イセヒカリ」です。倒れたりせず、平均して比べると草丈もロックウール培地よりもたかく伸びました。


ロックウール培地の稲でも倒れる気配がないものは、

根元がしっかり安定してます。











ココ培地のほうの稲の根元です。



今朝、新たに出穂した稲穂です。

葉っぱにつつまれて登場する稲穂は、まるでかぐや姫でも現れたかのような神々しさを感じます。

最近では道ばたのススキの穂さえ、いとおしく感じます。






昨日出穂した稲穂は、

雄しべがベロベロしてます。

モミの部分が

パカァ〜ッと開いて受粉すると、

米が実ります。

2010年7月15日木曜日

水耕栽培「愛だけでは解決しないpH値」その2

水耕栽培で、培養液のpH値(=ペーハー・ピーエッチ)を 5.5〜6.5 の適正レンジ内にたもつことは、やっぱし大切かなと思います。ちょっとガンバって、プチうんちくを書いてみたいと思います。

というのは、培養液のpH値が7.0以上になると根っこが茶色くなって枯死していっちゃうし、逆に4.5以下になっても根っこが鉄のせいで赤く変色したり、肥料養分が吸いにくいものに変わっちゃうからだそうです。で、植物が順調で元気に育ってる場合、大きく生長して根っこが増えれば増えるほど培養液のpH値は、あっというまに上がります。一番ガシガシ食べたい肥料が酸性のチッ素やリン酸だから、それを吸えばpH値が上がるから・・・という理屈です。


なので、培養液のpH値はほとんどの場合で上がることが多くても、4.5とかに下がることは、ほんとにタマァ〜にしか起こらないので、アルカリ性のpHアップ剤よりも、酸性のpHダウン剤のほうが、圧倒的に出番が多くなると思います。

「酸」とつくものは「無機酸・有機酸・アミノ酸 etc 」いろいろあります。

「酸」ならば、なんでもダウン剤にOKかといえば、そうは問屋が下ろさなくて、培養液のpH値ダウン剤としてベストな酸は「無機酸」のみ! だそうで。

そして「硫酸・硝酸・リン酸」が水耕栽培に向いてる無機酸です。

無機酸でも「塩酸」は、植物にとってそんなに欲しくない成分のわりに、やたらムダにEC値が上がるので、pHダウン剤としては、ほとんどお呼びがかかりません。







そして一方の「有機酸」についてですが、バックリいえば「炭素がくっついてる酸」ってことになります。
身の回りにフンダンにある有機酸たちとしては、「 お酢・クエン酸・木酢液・竹酢液 」などなどスーパー、ホームセンター、薬局ですぐGETできるものばかりです。これがpHダウン剤になってくれたら、ほんとラクなのに!! とワタシも思います。


じゃあなんで、水耕栽培用のpHダウン剤に向いてないかといえば・・・それはズバリ!

「 有機酸は、植物の大好物 」だからです。だからせっかくわざわざ有機酸でpH値を下げても「あっ!」というまに吸われてpH値がもとに戻っちゃうので、意味がないそうで。

というのも植物は、自分でもセッセと有機酸をつくっています。ワタシたち人間も疲れたり新陳代謝をあげたい時に「お酢」を摂れっていわれますし、ご高齢でもとってもハツラツ健康な方の多くは、酢の物をたくさん召し上がっているようです。

そしてそれは,植物も同じなんです! やっぱし代謝がよくなるんです! だからといって、有機酸をドバドバあげすぎるのはNGですし、適量与えるときも肥料グイになるので肥料不足に注意です。( 有機活力剤には、だいたい有機酸が入ってますから、それだけでも十分です。でも極端にEC値をあげたいときは、そんな理由から、活力剤の量もある程度増やした方がよいと思います。)
ちなみに有機酸がpH値ダウン剤として向いてないのは水耕栽培だけで、培養土ではOKなんだそうです。理由は、またいつか。


で、水耕栽培の培養液のpH値にハナシを戻しますが、つまりは無機酸で下げたpH値が本命で、有機酸で下がったpH値はほぼシカトしてよいってことになります。




なので、効率よくpH値を調整するステップのひとつとしてワタシのやり方は・・・

新しい培養液をつくる時、家庭用浄水器に通した水道水に「ベース肥料」を入れた段階で、pH値を5.5ほどに下げてます。(バラ科は水道水の原水そのままにしてます)
もしも「ケイ酸資材」など無機・有機をとわず強アルカリ性の活力剤を入れたいときは、ベース肥料の次にアルカリ性の活力剤も入れてしまってからpH値を 5.5 に下げてます。

その後に、中性・酸性の有機活力剤をいれています。もし有機活力剤を入れて、pH値が4.5とかに下がっても放置してます、どうせすぐ吸われるので。
「ベース肥料→(アルカリ性の活力剤)→ pH値を5.5にさげて →有機活力剤」ってかんじです。最後にEC値を計って、範囲内なら植物に培養液をあげてます。次の日の培養液のpH値をはかるとほぼ5.5になっていることが多いです。



で、2〜3日してpH値が7.0以上になったらpHダウン剤で 5.5 程度にさげて、さらに数日後に二度目にpH値が7.0くらいになったら、培養液をゼンブ取りかえてます。

というのも、以前も触れたとおり元気のいい植物は、培養液を新しくしてからたった4日ほどで肥料養分のバランスがガタガタになっちゃうので、pH値が2度目に狂ったら、いくらpH値を調整しても、肥料バランスが崩れた培養液は植物にとって吸えないからだそうです。

たとえば、培養液を減った分だけ、何ヶ月も注ぎ足し注ぎ足ししていると、だいたい生殖生長期(開花期)におかしくなるのは、培養液の中の肥料養分がものすごく偏ってくるから・・・ということなんですねー。







2010年7月14日水曜日

水耕栽培「愛だけでは解決しないpH値」その1

植物だけでなく、なにかを育むのに大切なものは「愛情」だと思います。が、愛情をそそぐだけでは解決しない問題があるのも現実です・・・

黒土、鹿沼土、腐葉土などの園芸用土のかわりに、水に溶かした肥料だけが養分となる「水耕栽培」は、「培養液のなかに、どれくらい根っこが吸える肥料があるのか?」が一番大切なポイントですよね。

以前にもちょこっと触れたとおり、日本の水道水はEC値がだいたい、60〜100ppm くらいで、水道管が傷まないようにpH値は7.0〜7.6程度になってるようです。なので欧米みたいな硬度のバラツキはあまりないので、日本の水道水で肥料メーカーの分量レシピ通りに培養液をつくれば、ほぼ問題ないと思います。

ただ! レシピも守ったうえで、培養液のpH値(=ペーハー・ピーエッチ)も、ちゃんと調整したほうがいいかもしれません。pH値というのは「水素イオンHが、どんだけあるの〜?」という意味です。

よく目にしますが、pH値によって肥料養分の溶けぐあいがこんなに変わるよ、という表です。


















水耕栽培の培養液のpH値は、植物の種類によってすこし変わりますが、pH値5.5〜6.5の間がよいとなってます。それは、このpH値のレンジが一番ムラなく全部の肥料塩基が溶けてるからです。このpH値レンジを外れた状態が長いことつづくと、根っこが茶色く枯死したり細胞壁がペラペラになって病気や害虫が発生しやすくなります。


pH値を調整するには酸性のpHダウン剤とアルカリ性のpHアップ剤が必要です。
水耕栽培に向いてるpHダウン剤は、「硫酸・硝酸・リン酸」などの無機酸類で、pHアップ剤としては「水酸化カリ・炭酸カリ」とカリウム化合物がほとんどですが、「ケイ酸資材」とか「強アルカリ性の活力剤」でも Good だそうです。














重曹は身近なpHアップ剤ですが、

炭酸とナトリウムでできていて、

ナトリウムは植物がスキではないようなので、あまり使われていないようです。








そして、pH値を下げる酸性のものならなんでもpHダウン剤に使えるのかな? ということなんですが、残念ながら水耕栽培に関しては「NO!」なんだそうです。

いったいナゼでしょうか?・・・

2010年7月13日火曜日

Grow Your own Rice! 米はいいな

昨日は「新月」で地球のどっかでは「皆既日食」でした。湿気と強風で、アタマがクラクラする強烈なお天気でした。前の晩から風が強く吹き荒れて、ひたすら「柿」があんまり落ちないことを願ってました。

出穂(しゅっすい)した「イセヒカリ」たち、
ベロベロとはみ出していた「花し」とよばれる雄しべも落ち着いて、コメはなんとか実ったようです。

立ったままの目線で

コメが実るようすを見られるのは、

いいもんです。



部屋のなかで、おコメが育っていると、気持ちがすごく安らぎます。

米稲という植物じたい根っこが強い丈夫ですが、すくすくシャキーンとのびてく力強さが,とても頼もしく感じます。

弓なりにカーブした稲の葉っぱのウラガワに、
虫なんかかがとまって羽を休めているようすは、のどかな田園風景を感じます。

こんなふうにペットボトルでも簡単に育つので、室内で食えるものを育てたいと思ったら、ぜしコメをどうぞ!
ちなみにロックウール培地とココ培地の比較ですが、

ロックウール培地は、分ゲツしてくると根量がたりないのか、倒れてきちゃうものが多いです。

このように、バッサバッサと「人」という字のように、寄りそう仲になってしまってます。


でも、穂全体の長さは、すこしだけロックウール培地の方が長いようです。




いまのところ、ココ培地のイネの方が倒れたりせず、管理がラクです。







でもやっぱし、穫れたコメを食ってみないことには,ココとロックウールのどっちがいいかは、まだ答えがでそうにないです。

2010年7月12日月曜日

やってみました「キッチン・カルチャー」その2

まず、植物の組織培養用の寒天培地をつくりました。

植物のキレッパシから細胞分裂させて大きくするには、植物ホルモンと肥料成分と糖分がいるんですが、植物の種類とか芽を出すのか根を出すのかによって、成分を微妙に変えなきゃいけないそうです。

面倒なので「キッチンカルチャー・セット」にくっついてきた培地セットをそのままつかいました。

寒天をお湯で溶かして、植物ホルモンやら糖分やら「ムラシゲ・スクーグ培地」という植物栄養剤を入れてpH値を調整してから、耐熱ビンにほどよく注ぎました。

「ムラシゲ・スクーグ培地」、ムラシゲさんとスクーグさんが発明した組織培養の定番中の定番な培地です。一般的には「MS培地」なんて呼ばれてるようです。





培養培地の成分は、つまりは水溶性肥料なのでNPKや微量要素を計算できるヒトなら水耕栽培用肥料でもOKだそうです。


そして寒天培地を圧力鍋で殺菌しました。

ほんとは理化学専用器具の「オートクレーブ」を使うところです。ウイルスや微生物は煮沸しただけでは死なないので、「高熱+圧力」で胞子までパチンッとつぶして完ぺきな殺菌をするそうです。






ちなみに容器ですが、たんなるジップロックとかの耐熱プラッチック容器はNGです。溶けました。やっぱり理化学用の耐熱性プラッチック三角フラスコとかパイレックスなどのガラス瓶でないとムリです。フタさえなんとかすれば、ジャムとかのガラス瓶でも大丈夫そうです。


で、いよいよ植物の断片を寒天培地に植えつけます。ムズカシイことはないんですが、手間がとってもかかります。
















こうやって植物片を寒天培地に移植して、フタをとじてしまえばもう無菌状態でなくても大丈夫なので、LEDとか蛍光灯とかの光にあてて「カルス」や葉っぱが出てくるのを待つだけです。でもココからが長丁場なので、殺菌がアマイと、カビがバタバタ発生したりもします。なので無菌ボックスのなかで管理した方が無難だと思います。


培養のビンにかぶせてあるフタは「キッチンカルチャー・キット」で一緒にGETできたんですが、通気できるように、ほんのちょっとだけ、すき間が空いてます。

ところがこのフタにぴったり合う耐熱性のちいさなガラスビンは輸出NGということで、日本でなかなか見つからず途方にくれていたとろ、未練たっぷりに捨てられずにいたワタシの大好物の「べごの乳発 会津の雪」というヨーグルトのビンがぴったり合いました!
このヨーグルトは、ほんとにメチャクチャオイシイです。














そして、だいたい2週間後に「ホワイトセージの茎片」から葉っぱがでてきましたー。
この後、一人前になるまでは・・・・どのくらい・・・かかるのやら・・・ちょっと後悔してます。挿し木の方が・・・ラクだなと思う今日この頃です。