2010年12月6日月曜日

〜養液栽培でつかえる有機活力剤〜その2




ヤサイ類、米や麦などの穀類など果実を収穫するために育てる植物は、発芽してシッカリ根量がふえたら生長期から開花期にと、とっとと移行してくれたほうが後々ラクチンだと思います。とくに、生長と開花が同時に進行するトマトなどの果菜類は、一番最初についた実は大きくなってくれるかわりに熟して食べられるまで時間がかかるので、生長→開花をチェンジできる期間が短ければ短いほどいいようです。

おととい、ぐうぜん見つけた初冬の田んぼのイネです。
このイネはもちろん今年の春に田植えされ秋に収穫後、刈り取った株から新たにでてきた「ひこばえ」です。
春に芽生えてからほぼ1年経ったこのイネたちには、すでに「花咲きホルモン」が満ち満ちていて、ほっといてもドンドン出穂してきます。




東南アジアみたいに一年中気温があったかければ、イネを刈り取ったあとにでてきたひこばえの穂がちゃあんと登熟して「米の二期作」ができます。


ところが、まだ花が咲いたことのない若い株は、この花咲ホルモンがまだぜんっぜん足りてないので、ヒトの手で花芽の分化を助けてあげたほうが移行がスムーズに運びます。

植物の体内で「オーキシン」よりも「サイトカイニン」という植物ホルモンが多くなると生殖生長に切りかわって 「 開花体制 」に突入していくそうです。ただ植物に「花芽」をつくらせる指令をだす物質は「サイトカイニン」ではなくって「フロリゲン」っていう未知のモノで、いまだにすべての植物にマルチに効く「フロリゲン」の抽出は成功してません。この「フロリゲン」が発見できれば、発芽したての植物にも花を咲かせることができるんだそうです。

世界中の学者さんたちが血眼になって探してるのに、ナカナカ発見されないシャイな「フロリゲン」を分泌させるには、例えば「日が長い・短い」で花芽分化する「光周性植物」は、太陽がでてる時間の長さが開花条件にならないと、どんなに開花を促進するモノをあげてもゼッッッッタイに花を咲かせません。なので接ぎ木などしないかぎりは「光周性植物に関しては、花を咲かせられるものはズバリ!日の長さオンリー」なんですねー。

などなどの理由で、今のところ「開花促進作用がある」として流通している有機活力剤は、言い換えれば「花芽を分化させやすくなる有効成分がはいってるよ」というものになります。(市販されてる開花促進活力剤ぜんぶに!!! とは、いいきれませんが、)

なので開花促進有機活力剤ってのは「花が咲く前に収穫するレタスとかサラダ菜なんかの葉もの類」には、ほとんど必要ないってことになります。














で、花が咲きやすくなる条件は日照時間と、あと「体内にたまった無機チッ素を減らす」ってことです。無機チッ素を減らすには、まずは葉っぱにたまった硝酸を→アミノ酸や酵素などのタンパク質などの有機チッ素へどんどんチェンジさせます。一般的に「植物が無機チッ素を吸いすぎてるとサイトカイニンよりもオーキシンのほうが多くなっちゃう」そうです。

なので、葉っぱにたまった硝酸イオンを同化できるだけの炭水化物をたくさんつくらせることも大切なんだそうで。そのためには光合成量をガンガンふやさねばならないので、よくはたらく葉っぱをゲンキにキープすることが大切ですが、「サイトカイニン」には葉っぱの老化を防ぎ若々しく保つ効果もあるそうです。そしてその「サイトカイニン」自体は、根っこの先っちょで作られる植物ホルモンなので、開花の促進と光合成量をいっしょに増やすためには、同時に新しい根っこもバンバン発根させなきゃ・・・となります。

なが〜くなりましたが、そんなこんなで「開花促進作用のある活力剤」には、天然の「サイトカイニン」をはじめ、光合成でつくられる「糖分」とか「開花をたすけるタイプのアミノ酸」とか「開花を促進する作用のある女性ホルモンによく似た物質」が入っています。

そして植物の開花期になると、あげはじめる「リン・カリ肥料」というものがあるんですがリン酸・カリウムのコンビの効果のひとつは「ATP」というチョ〜重要な役割のあるエネルギーを増やすことになるので、体力を使う時期の滋養強壮剤みたいな役割をして、開花用の有機活力剤といっしよに吸わせると花芽分化するための「条件」と「体力」が補えるっちゅーことになるそうです。

・・・つづきます。