2011年6月15日水曜日

「無農薬」の意味ってナニ?

先日ふと立ち寄った新宿で、こんなナイスなレストランを見つけました。

LEDと蛍光灯のグロウランプと水耕栽培システムで、葉ものを育てて食べさせてくれるオサレなレストランでした。

お腹イッパイ食べた直後に、このレストランを見つけてしまったので、こちらのお料理は、また今度トライしてみようと思います。



そして、新宿公園のあたりをブラブラしていると、今度はこんなシーンに遭遇しました!

あの大震災と原発事故から、ちょうど3ヶ月だったこの日には、「No Nuke!」の大行進が行なわれていました。
この日はなんだか、収穫の多い1日でした。









ところで、ハナシは変わりますが、これはなんでしょうか?














もちろん見たまんま、「塩」「砂糖」「エタノール」です。
どこの家庭でも目にするものばかりですが、使い方によっては植物を害虫や病気から守ってくれるので、無農薬または減農薬栽培農家の方たちにとって強い味方でもあります。



そして、これは?  そうです。植物の精油「エッセンシャル・オイル」でっす。














植物は、害虫を寄せつけない防衛策として「芳香物質」を生合成してもいるので、このエッセンシャルオイルたちには、ある程度の害虫から植物を守ってくれる効果もあったりします。

そして、微生物資材や有機資材などにも

害虫や病気をしっかり減らす効果があります。












薬剤にたよらずに、こういった資材で病害虫対策をして育ててくれたヤサイなら、安心して食べられるからウレシイし、すこしくらいお値段が張ってもそっちを買っちゃおうかな? と私は思います。
ところが、農家さんは「お砂糖や精油などを農薬がわりにして、安心栽培をしてます。」と言ってしまうと「取り締まりの対象」になってしまうことがあるんです!




では、これはなんでしょう?


って、正解書いてあります。

「お酢」です。


でも答えは、「農薬」も正解なんです。
(特定農薬というものになります。)









なぜ、こんなヘンテコなことになってしまったのか、説明なしでは意味が分からないと思いますが、2003年に改訂された「農薬取締法」が、いまだに迷走してるからのようです。

農家さんに、安全な「農薬」を使用してもらうために改訂された「農薬法」で、登録されていない農薬を使用して作物を育ててしまうと「取り締まられてしまう」ことになりました。

そこで、問題となったのは「害虫を駆除する効果はあるものの、ほぼ人畜無害」な木酢液や焼酎、その他100%植天然原料、食品に近いものなどをつかった、農家さんの知恵の結晶「民間農薬」をどうするか? でした。

たとえば、お酢・焼酎・黒糖などでつくった「ストチュウ」という資材には、アブラムシ駆除に一定の効果がありますが、害虫駆除につかうと断定すると「農薬」ということになります。でも、「こんな安全なものまで、農薬登録せにゃならんのか?」となってしまうわけです。

そこで農水省では、「どう考えても安心・安全な民間農薬的なものは、農家さんの自己責任でつかってもよい特定農薬というカテゴリーにして、農薬登録なしに使ってもいいことにしよう! 」となりました。

なので「特定農薬」に指定されちゃった方が、今までどおりに自由に作っても使ってもいいわけなんですが、そうなると今度は「特定農薬にしてもらったほうがいいじゃん! ウチでは、あのヤサイのカスも、こんな植物の粉末も、病害虫駆除に使ってきたぞ! だから特定農薬にしてほしい」という声が当然でてきます。

しかし現在「特定農薬」に指定してもらえたのは

食酢


重曹


作物近くの天敵

この3つだけです。
なので、上記で紹介した「砂糖・塩・エタノール・微生物・微生物由来の有機物」などは「病害虫駆除の農薬」として使ったらいけないんです。その他にも「石灰」も農薬としては使ってはいけないことになってます。
ただし、肥料・活力資材・土壌改良資材として「使いました」は、もちろんOKなんです。

・・・左脳がよわい私には、「じゃあ、無農薬栽培の意味がこんがらがっちゃわないのかな?」と思いました。



ちなみに、安心・安全な「特定農薬」ですが、農薬という言葉にはネガティブなイメージが大きすぎるので「特定防除資材」というものに、言い換えられています。