2013年6月21日金曜日

梅雨の夏至と石灰防除

シトシトと雨降りな「夏至」の日となりました。

梅雨の季節は植物の生長もはやく、ふと気がつくと庭やベランダで育てているトマトやらキュウリやらゴーヤやらが、「 別人か? 」と思うほどグ〜ンと大きくなってる頃かと思います。

湿度が高いと水分はもちろん養分の吸収もさかんになるので、とくにトップ(茎頂部)で細胞分裂が活発になって急に大きく生長するんだろうと思いますが、困ったことに細胞分裂がさかんな部分ほど、細胞壁が弱くなりやすいので、病害虫や雨の浸透圧に耐えられなくなってカビ病が広がったり、葉っぱが溶けちゃったりってことが起こりやすいようです。

なので、雨が長く続いたあとは「カキガラ石灰」をバッサバッサと花咲か爺さんのように葉っぱに振りかけまくっています。























「石灰」を葉っぱに振りかけると、夏野菜を中心に多くの植物の免疫力がアップして、病気やストレスに対して、ものすごく丈夫になるという「石灰防除」は無農薬や減農薬栽培を実践している農家さんの間で広まっています。ところが、「消石灰」や「生石灰」では葉っぱが焼けたりする障害が出たケースもあるので、今のところワタシがトライして問題がでなかった石灰資材は、「苦土石灰」や「炭酸カルシウム」です。

カキガラ石灰は「有機石灰」にカテゴライズされますが、主成分は「炭酸カルシウム」なので、酸などで少しずつ分解されると「CO2」も発生させてくれるオマケつきです。そのうえ、水に溶けるとアルカリ性になる石灰資材で、多少なりとも病害菌たちの消毒もできます。

しかし「石灰防除」のメリットは、なんといっても「細胞壁の強化」なんだろうと思います、というのも細胞壁はカルシウムイオンを含んだペクチンでできているので、細胞分裂が盛んになればなるほど、または細胞分裂が盛んなところほど、カルシウムイオンがたくさん必要になるわけで、そこでカルシウムが不足すると、新しくできた細胞たちは壁がペラッペラに薄くなりがちで、浸透圧ストレスに弱くなっちまうっていうことのようです。

そのうえ、以前紹介したように「カルシウム」は植物体内で移動が遅いので、根元から遠いトップ部分ほど不足しやすい肥料でもあります。

数日間雨が続いたあとには、葉っぱにダンゴムシがついちゃってたり、なんとなく葉っぱにハリがない花や野菜の葉っぱに手当り次第にカキ殻石灰を振りまいていきます。一瞬は白く汚れてしまいますが、一晩雨が降った次の日の朝は、どの植物も葉っぱがピーンッッッと起き上がっているのがなんとも楽しいです。























とくに、グリーンカーテンにしているツル性植物に「石灰防除」は効果がでかいと感じているのですが、現在ワタシが屋外やベランダで育てている花インゲンやホップをはじめ、トマト、カボチャ、バラ、ラベンダー、ジャガイモ、そしてゴマノハグサ科の花々すべてに、新芽を中心にカキ殻石灰をまんべんなく撒いています。














今は育てていませんが、雨に溶けやすいウリ科のキュウリやスイカなどには特に効果が大きいようです。
「でも、土がアルカリ性になりすぎないの? ウチでは弱酸性を好む野菜を育てているんだけど・・・」という不安も当然わきますが、ワタシがいままで試した炭酸苦土石灰やカキガラ石灰に限って言えば、障害らしい障害はまったく出ていませんし、農家さんでも出ていないようです。

とはいえ、石灰防除は、二週間に一度くらい、あまりたくさん撒きすぎないのが無難だと思います。また、室内栽培のココ培地やポッティング・ミックス培土では、培養液の成分に影響するので、肥料に詳しくないガーデナーにはあまりおススメはできません。