2013年12月25日水曜日

COCO栽培のイチゴと、ハイドロポニック栽培のトマト。

さて、25日の今日は、どこへいってもクリスマスの雰囲気を楽しめます。日付がかわったとたんに街がいっせいにお正月ムードへと変身するようすを見るのがスキです。


ところで・・・寒いです。

ところが・・・春のような陽気のグロウルームではイチゴが花を咲かせはじめました。

























葉っぱがじゅうぶんに大きく太ったイチゴの苗には、大きな花が咲き、順調にいけば大きな果実が実ります。


















葉っぱがまだ大きくない苗にも、花がつきましたが、さほど大きな花ではないので、さほど大きな果実にはならないと思います。

























大きな葉っぱをつけるには、なにはさておき、根っこをたくさん伸ばしておかないとなりません。10リットルの布製ポットにココ培地をセットして水をタップリ含ませた初期重量は「3.4Kg」でした。 

ココ培地での栽培は、初期重量の60%のほどまで軽くなったら培養液を与えるのが一般的ですが、根っこを思いっきり伸ばしたい場合は、初期重量の30%くらいに軽くなるまで水やりをガマンします。

























↑ ということで、大きな花を咲かせるために、もっと根っこを伸ばしたいので、初期重量3.4Kgの30% = 1Kgくらいになるまで培養液を与えないようにしてます。




イチゴは根っこがナイーブなので、根に酸素が足りないと正常に育たなくなる植物です。そのため、根っこが培養液に浸かりっぱなしの「DWCシステム(ブクブク式)」でイチゴを育てることは、やめたほうがよいです。花が咲くと、根っこがドロドロとくずれてしまうので、果実が実らないか、実っても大きくなりません。
あと、トマトみたいに濃い培養液は、イチゴにはゼッタイにあげられません。


















一方、週ごとにグングン大きく育っているトマトたちです。

























循環式システム「ジェミニ」に植えたトマト苗の両わきにあるのは、あまったトマトの苗です。同時に発芽した苗だというのに、生長にこんなに差が出てしまいます。


発芽して大きくなりつつある苗は、培地の底から根っこが伸びだしたタイミングですぐに、ひとまわり大きな培地か、栽培システムに植え増ししてあげないと、ものすごく生長がおそい苗になってしまいます。
























「発芽培地のままだと、苗が大きくならなくて都合がいいから、しばらくこのままにしておいて、気が向いたら植え増ししよう。」などとヒトサマの都合で植え増しせずにおくと・・・大した苗には育たなくなってしまうんですねぇ〜!!! 

「 あくまでも植物サマのご都合で栽培作業をせねばならんのだなぁ 」と、思い知った失敗経験はシコタマあります。





ところで、フラッド&ドレイン・システム「タイタンS」で育つトマトたち。ハイドロポニック栽培なのに、丈がコンパクトで、しっかりガッシリした育ちかたをしています。気温の低い冬は、暑い夏と比べると水分吸収が抑えられるので、ものすごく徒長しにくいということもあるのですが、根っこがたっぷりと酸素を吸えるようにフラッドしているおかげて、なかなかステキな苗に育っていると思います。



















ちなみに、培養液の肥料濃度ですが、3段目の花が咲くまでは、0.8mS/cmほどと低めで管理しています。トマトは濃い培養液でもヘッチャラな、それはそれは丈夫な植物ですが、生長期に高いEC値の培養液を与えすぎていると、生長が早くても花が咲いてから持久力がなく収穫ピークの短い苗にそだってしまいます・・・このことは、どの植物にも当てはまることだと感じています。

























そして、培養液をフラッドする回数は、ランプ点灯時間をメインに一日6回おこなってます。

モーター機器でも正常に作動させることかできるデジタル・タイマーで、ドレイン口から排水がはじまるまでの3分間だけ循環ポンプをうごかしてフラッドが続くように時間設定しています。

クレイペブルスをセットした大きめのネット・ポットの底から根っこが伸びだしてきました。

























「 根っこもはみ出してきたし、そろそろもう一回フラッドを増やしたほうがいいのかな? 」と、このところ毎日思っていたのですが、ランプ点灯前のトマトたちを観察してみると、葉っぱのフチから「葉つゆ」がでていました。 「 葉つゆがでてるんだから、夜のあいだも培養液が足りてるんだな。ならフラッドはまだ増やさなくても大丈夫だな 」と判断してみました。

明け方に葉っぱのフチに水滴がつく「葉つゆ」は、根っこがゲンキな証拠です。水分や養分を吸い上げるパワーの強い根っこは「浸透圧」が高いので、光合成をしない夜間も、なかば勝手に根っこから水分が吸われてしまうので、過剰になった水分を葉っぱの「水孔」からペペッと吐き出している現象と言われてます。



なので明け方に「葉つゆ」のありなしで、植物が正常にそだっているかどうかの健康診断もできるんですねぇ。ただ、風が強く吹いていたりすると水分が蒸散するので、正常に育っていても「葉つゆ」がつかないこともありますし、花が咲きすすんでいくと次第に葉つゆは少なくなっていきます。

また、「葉つゆ」からは、培養液の肥料濃度がベストかどうか? ということも分かります。例えば、濃い肥料が大キライなイチゴだと、「葉つゆ」がでて乾いたあと、葉のフチにそって茶色く焼けてしまう時は、「 培養液の肥料濃度が濃すぎるよっっっ!!! 」という合図です。



2013年12月19日木曜日

循環式ハイドロポニック・システムでのトマト栽培

昨日の予報は午後から雨か雪、の関東でした。川崎ではかろうじて雪は降りませんでしたが、目がうつろになるほどの凍える寒さとなりました。

室内栽培で育てはじめたミニトマト「千果」ですが、本日は「循環式ハイドロポニック・システムGEMINI」で育つ苗のご紹介です。肥料は循環式システム用に開発されたCANNA AQUAをつかってます。




























循環式ハイドロポニック・システムってのは、リザーバータンク内の培養液をくり返しドリップして植物に水分と肥料を吸わせる原理で、培養液をドリップするので「ドリップ・システム」に分類されます。


ドリップ・システムに分類される代表的なものには「循環式システム」と、「かけ流し式システム」の2種類があります。

GEMINIのように、循環ポンプで培養液をくみあげて培地にドリッブし、培養液がリザーバータンクへ落ち、そこから再び培養液を循環させるか、または、エアーポンプの空気圧で培養液を押し上げてドリップするエアーリフトタイプの「 循環式システム」と・・・

培養液を培地にドリップしたあと、リザーバータンクに戻さず捨ててしまう「かけ流し式システム」があります。

循環式システムには、スキマが多くて保水性が低く培養液を劣化させたり肥料バランスをくずさない培地・・・つまり、クレイペブルス培地がベリーベストです。




かけ流し式システムは、同じ培養液を二度と使わないので、保水性と保肥性が高い培地・・・ココ培地でもポッティング・ミックス培土でも・・・そして実はロックウール培地もかけ流し式システムがベリーベストです。









さて、クレイ・ペブルス培地をつかった循環式ハイドロポニック・システムでの管理のコツは、なんといっても「ドリップするのは一日でほんの数回」ということで、これはフラッド&ドレイン・システムと同じです。

というのも、植物の根っこは「培養液のドリップがとまって、ほどよく培地が湿っている + 空気がたくさんある状態」のときに、肥料と水分をいっぱい吸える、からです。


なぜかといえば、根っこが水分と養分を吸うためには酸素が必要なので、水に浸っていると圧倒的に酸素が吸えないので、ドリップがとまって培地が少しずつ乾きつつつある時に培養液の吸収量がマックスになる、からです。


そんなこんなで循環式システムの栽培ポイントをまとめると・・・



保水性の少ないクレイペブルスをチョイスすることがベストなので、循環システムで発芽からスタートさせることは困難です。ちいさなロックウール培地で発芽させて、根っこが培地の底からはみ出してきたら、5cm角か10cm角のひとまわり大きなロックウール培地に植えまししてから、循環式システムにセットします。これがイチバン確実でカンタンだと思います。

苗が小さなころは、1日にたったの1回、15分間だけ培養液をドリップ、でOKです。しかし、夏場などで培地の乾燥が早すぎて苗がシオれてしまう時は、ランプ点灯時間帯にドリップ回数をもう1回ふやしたほうがよいと思います。


だんだん大きくなってきたら、1時間おきに15分間だけドリップするのが一般的ではありますが、クレイペブルスをたくさん使う大きい循環式システムの場合は「4時間〜5時間にたった1〜2分間だけのドリップがイチバンいいんだ」、というガーデナーもいます。

このあたりの、なんともアイマイな説明に関しては、「クレイ・ペブルスの量と乾く早さと植物のコンディションを見ながら、最終的には自分で決めてください」ってことです。




























たとえば、ドリップ回数を少なくしていて、水切れで苗がシオれてしまうならドリップ回数を増やした方がいいし、ドリップ回数を多めにしていたら、根っこが茶色くなったり花が咲いても実がならないなどの酸欠症状がでれば、ドリップ回数を減らした方がいい・・・って感じで判断したらいいと思います。

ところで、葉っぱがシオれた時はいつでも水が足りないとはかぎりません。根っこが傷んだり腐ったりして水分を吸えなくなった時も葉っぱはシオれてしまうので、水切れだと思ってドリップ回数を増やすと逆効果です。水切れでシオれるときは、葉っぱだけでなく茎も一緒にシオれます。





培養液の管理は、1週間〜2週間ごとにリザーバータンク内をすべて取りかえるか、数日ごとに2リットルずつ培養液を入れかえるか、どちらかをおこないます。
培養液を取りかえた翌日は、生長がさかんな時ほど老廃物でEC値がすこしだけ上がるはずだし、肥料バランスがすぐに崩れるのでpH値も変化しやすくなります。リザーバータンクの容量が大きくなるほどpH値とEC値は安定しやすくなりますが、EC値がおなじでも肥料バランスは崩れているので、定期的に培養液を交換した方が無難です。
また、培養液を交換してから一週間経っていないとしても、pH値が5.5〜6.5くらい(これは肥料メーカーによってちがいます。)から2回目に外れたら培養液をすべて交換した方がいいです。

あと、クレイペブルスの表面に白く肥料が固まってしまうような時は、培養液でクレイ・ペブルスをいったん洗い流します。んがっ!!! 培地に肥料が固まってしまう時は、植物が肥料を食べ残しているってことも原因のひとつなので、肥料濃度を濃く与えすぎてないかも、チェックしなおした方がよいかと思います。

循環システムには循環ポンプをつかうので、ポンプが空中で空回りしてしまうことがないように、培養液の量をまめにチェックして継ぎ足しをおこないます。



気温が10℃以下になってしまうような場所では、サーモヒーターなどで培養液を温めてからドリップしたほうがいいです。低温障害で葉っぱが紫色になってしまうような場合は、夜のあいだも温めた培養液を1時間ごとに15分間ドリップをくり返す、という解決策もありますが、ドリップ回数が多すぎると根ぐされなどが起こりやすくなります。

一般的に、植物は花を咲かせると根っこの生長が衰えます。この時に根っこに酸素が足りなくなると急激に根っこが茶色くなり、ボロボロとちぎれたりしてしまいます。

ドリップ回数が多すぎると根が傷みやすいケースは、水温が高くなる夏場ですが、植物の種類でも起こりやすくなります。
例えば、キュウリなどのウリ科、イチゴなどのバラ科は、根っこのまわりに空間があって酸素がたくさん吸える状態じゃないと花が咲いてからドロドロと根っこが老化しやすいです。なので、個人的にはイチゴ栽培はココ培地がイチバンお気に入りです。

トマトは根が酸素欠乏にわりと強いのでドリップ回数がすこし多くても、根っこが培養液に浸かりっぱなしのエアロスなどのDWCシステムでも問題なく育てやすいです。
なので、育てたい植物は、酸素がいっぱいないと正常に育ちにくいのかどうか? ということをあらかじめ調べてから、どのハイドロポニック・システムがベストか? ココ培地なのか? いやいやポッティング・ソイルなのか? などの栽培方法を選ぶと、あとあとラクチンだと思います。




2013年12月16日月曜日

フラッド&ドレイン・システム栽培のトマト

エジプトでは100年ぶりの雪がふるほどの寒波が襲来した週末でした。「プラプラと、どこへでも半袖で歩けていた夏がなつかしい・・・」と、なんとも身勝手な気持ちで寒そうに歩く人々を見つめてしまいます。

さて先週はビッグサイトで恒例の「エコプロダクツ」が開催されていました。年をかさねるごとに名だたる大企業のブース面積が増えている気がするなかで、各都道府県や大学によるマニアックにエコロジカルな出展ブースで、ついつい時間を費やしてしまいます。


















日本土壌肥料学会さんのブースでめっけた、ステキなステキな土壌の断面図の展示です・・・右端の川崎でもよく見かける黒ぼく土(=くろぼくど)の地層断面図は、縄文時代に降りつもった火山灰に植物などが枯れて、ものすごい数の昆虫、そして微生物が分解して堆積し、ながぁ〜い年月をかけて黒く腐植がすすんだ土壌です、と教えてくださいました。
虫は健康な土の友達!


























さて、身近な土壌をきちんと知ってしっかり活かして、肥料も農薬もなるべく使わないエコな循環型ガーデニングが、ワタシの理想でありゴールでもありますが・・・

欲をはらず、今はハイドロポニック・システムで楽しくガーデニングです。


















MHランプで育てていたミニトマト「千果」たちでしたが、昼間の室温が20℃をこえなくなってしまったので、光量が大きいHPSランプへとチェンジして40cmくらいまで近づけたら、あっというまに2段目の葉っぱが展開しグイグイ大きくなってます。

フラッド&ドレイン・システムの「タイタン・S」と、ワンプラント栽培用の再循環式システム「ジェミニ」で育ててますが、いまのところ生長スピードはおなじです。





フラッド&ドレイン・システムはリザーバータンクにサーモヒーターを入れて培養液を加温しています。ランプ点灯30分ほどまえに一回、ランプ消灯前に一回、そして夜中に一回、というように、一日に計3回培養液をフラッドさせてます。

ポットの底から根っこがはみだしてきたので、そろそろフラッド回数をもう一回増やすころだと考えています。ランプ点灯時間帯に増やします。
培養液をフラッドさせる水位は、培地のトップから1cm以下までが限界で、その水位よりも上まで培養液を溜めてしまうと、トマトの苗たちが横だおしになり、ぷっかぷっかと漂流し、培養液が排水された後はまるで台風の後の田んぼのようになってしまいます。

























ちなみに、フラッド&ドレイン・システムは培養液のフラッド側(IN)よりも、ドレイン側(OUT)のほうの径を大きくするとGOODです。

ドレイン口のスクリーンが、ちぎれた根っこや培地などで目づまりを起こして排水スピードが遅くなり栽培テーブルから培養液があふれてしまうトラブルがなきにしもあらずなので、ドレイン口を19mmや25mmの大きめな径にしておくとよい、ってぇことです。

※あたりまえですが、ポンプがとまったあと栽培トレイにたまった培養液がゼンブ排水されるのは「フラッドぐち」からとなります。なのでリザーバータンクにもどってくる培養液中の異物をことしるインライン・フィルターは、ポンプのすぐ上=フラッドぐちのほうにつけておきます。

























つぎに、フラッド時に使う循環ポンプの大きさですが、「リザーバータンク」から「栽培トレイのフラッドぐち」までの高さを汲み上げられればOKなので、揚程の高さでポンプのサイズを選びます(基本的には)。

リザーバータンクの大きさは、最低でも栽培テーブル体積の1.5倍以上の培養液量が入れられるサイズが必要で、既製品のフラッド&ドレイン・システムはそのへんの計算がいらないことと、排水がスムーズにできることが最大のメリットです。





発芽したホワイトセージたちも、すこしずつ「ホワイトセージらしく」なってきました。
























ココ栽培のイチゴたち。ココ培地の表面はすっかり乾いてますが、持ち上げてみるとずっしりと重いので、まだ水やりはしません。

























6リットルのポットにココ培地とイチゴの苗をうえ水やりした直後は、重さが3.4Kgくらいありました。葉っぱがまだ小さいので、大きな葉っぱがでてくるまでは、もうしばらく根っこを伸ばしたいところです。なので重量が1Kgを切るまで水やりを待ちます。

左側のイチゴにツボミがつきましたがまだ葉っぱが小さいので、たいした実にはなりません。葉っぱが小さいうちについたツボミはプチプチと摘花しています。
右側の葉っぱが大きい苗だけツボミを取らずに咲かせるつもりです。




















今年は室内栽培のスタートが遅れたので、このイチゴたちは先月まで屋外で管理していました。室内にいれて急に春のような暖かさになったので、葉っぱの裏で「アブラムシ」たちがビッシリと目をさましはじめてしまいました・・・んがっ!

↓ぷう〜ん、ぷう〜んっっっと飛び交うハムシが!!!  去年アブラムシ対策にGETした天敵農薬「アブラバチ」たちも復活してくれました! 
焦ってケミカルな農薬をまき散らかさなくて、ホントによかったと思いました。





















そして今年は、もうひとつ「ギークでおバカ」なヒミツ兵器が!
















ドライミスト・ノズルを利用した「炭酸水のドライ・ミスト」で保湿作戦です。
炭酸水ミストの生長促進効果のほどは、この寒さでハッキリしませんが、炭酸水ミストを入れた日には、低温に強いレタスの苗が一日でギュンッッッと大きくなってビックリしたことがあります。

※室内でおこなう場合は電化製品が濡れないようにしないといけないので、おススメはしません。

2013年12月9日月曜日

わりとカンタン!!! DIYでエアロポニック

ホームセンターが大好きです。
ニッポンのホームセンターは、世界に類を見ないほど、カユいところに手が届く便利グッズの宝庫だからです。


つい先日も、「はっ!これナニかに使えそうだ!」とGETしてしまったのが、こちらの「ローラーバケット」です。耐薬品性が高いPP素材のバケツと、本来はバケツの内容器にすべきものをプロパゲーター用カバーとして、ご活用です。


























ローラーバケットに、循環ポンプ360°マイクロスプレーをプチプチッとセットすれば・・・


























エアロポニック式クローンマシーンが、でけました!!! 

























【 注 】フタ代わりにした「内容器」は密閉性がよわいので、このままだとスキマから飛沫がもれます。



エアロポニック・システムで、スプレーするパーツは、このようになってます。

テッペンが赤い色の360°マイクロスプレー、ホースとホースを90°でつなげられる13mmエルボ、そしてホースの末端をふさぐ13mmホースエンド吐水量が大きめな循環ポンプ、最後に、内径13mmの散水ホースです。




















 ホースの長さや配置デザインは、容器に合わせて決めたらいいと思います。

360°マイクロスプレーは18コの穴から細かなスプレーが360°に噴霧されます。マイクロスプレーに届く水圧が低いと気持ちよくスプレーされないので、ちいさな循環ポンプはNGで、800L/H以上の循環ポンプが必要です。

また、360°マイクロスプレーは、6mmチューブにピッタリはまるのですが、6mmチューブだと、かかる水圧が足らずにスプレーできないので、内径が大きな13mm以上の散水ホースにチューブパンチホースパンチで穴を空けて、360°マイクロスプレーをはめこんで使います。
















市販されているアクアリウム用循環ポンプ(=水中ポンプ)の吐水口の径は、13mm、16mm、20mmなどから選べるようになっています。

なので、汲み上げる高さやホースの長さで流量サイズを決めたうえで、身近で入手しやすい散水ホースとホース継手の径サイズにあわせるとラクチンです(培養液を汲みあげる高さと、ホースの長さの距離が長くなるほど、大きな流量の循環ポンプが必要です)。

ここでは吐水口の径が13mm循環ポンプを使いました。塩ビ製のやわらか〜なホースならば、径が1〜2mmくらい小さくてもピッタリはめられて、ホームセンターでGETできます。しかし、日本でレギュラーな水道の蛇口は16mmなので、ホース用継手の種類は16mm用がメインで、13mm用継手は少ないです。

















↑でつかった黒いホースは、「内径13mmポリエチレン・パイプ」というもので、柔軟性があまりない材質なので、カットしたり穴を開けるのがものすごく大変です。そのかわり経年劣化に強く、環境にもやさしく、肥料もヘッチャラな耐薬品性の高いし、なによりも黒いので培養液か光にあたって劣化する心配もないし、吐水口が13mm径の循環ポンプに直結させたいならばOKだと思います。しかし、継手パーツをとりかえたり、長さを変えたり、配置を変えたいとなると、奥歯を噛みしめるほどの力が必要となり、ヘトヘトになります。


ち・な・み・に、360°マイクロスプレーを使ったエアロポニック・システムは、クローン・マシーンがベリーベストだと思います、というのも、大きく育ったプラントの根っこには、高い水圧のスプレーは衝撃が強すぎるので、あまりよくないといわれているからです。




2013年12月5日木曜日

フラッド&ドレインと循環式とCOCOとTERRA

あっっっ・・・というまに12月です。10月から11月は、モコモコのウールを着こんだと思ったら、次の日はTシャツ一枚で歩く人を見かけるほどのポカポカ日より・・・という妙な秋でした。

とはいえ、空気はキッチリ乾燥しきっていることを、マダァ〜ムとマドモアゼールの皆様は身にしみて感じてらっさることでしょう。乾燥する季節に気をつけなくてはならないことは、なにはともあれ火の用心ですが、こんな時こそ日本のすぐれた水道水で安上がりな保湿対策です。

いつもの洗顔の仕上げにパッシャパッシャと30回ほど冷たい水道水でお肌をパッティングし、その後、間髪入れずに保湿クリームをベッタベッタと塗りまくると、しっとりパツパツになりました。保湿クリームでなくても、白ごま油やマカダミアナッツ・オイルをペタペタ塗っても、エエ感じでした。もう20年も前に小耳にはさんだことですが、人の肌は、水と油を融合させる作用があるそうで、酸化しにくい植物油をお顔になじませていると、シュルッと肌になじんでいくのを感じます。


さて・・・本題です。
2013年、室内栽培はじめました。

私の担当は、いつものごとく「あかねっ娘」です。ココ培地とポッティング・ミックス培土で育てていきます。イチゴはダレにもまかせられませんっっっ!!!


























そしてトマトは、Flood & Drain システムの「タイタンS」と、再循環式システム「ジェミニ」でじぇじぇじえっっっ!と育ててもらいます。
















フラッド&ドレイン・システムは、フラッドさせる水位と回数がポイントになります・・・


























上段の栽培テーブルいっぱいにクレイ・ペブルスを敷きつめるのか?
↓のようにポットにクレイ・ペブルスをいれて栽培していくのか?

でフラッドする回数も変わります・・・というのもクレイ・ペブルスが完全に乾くまえに培養液をタンクからくみあげて培地全体を湿らせるため、培地の量で乾くまでの時間が変わるからで〜す。


























寒い季節は、培養液の水温がとうぜん15℃以下に下がってしまいます。15℃以下の冷水は根を傷めてなにひとついいことがないので、サーモヒーターなどで温めてから培養液を栽培テーブルにフラッドさせてます。



















昼間と夜の温度の気温差は10℃以内にするのが理想的ですが、なかなかそうもいきません。 ところが、冬でも根のまわりだけを温めて管理すると、室温が低くてもちゃんと生長したと専門雑誌で知りました。

そこで、ランプが点灯する30分ほどまえにサーモヒーターで温めた培養液を一度フラッドしておくと、ランプがついて室温がグングンあがっても根は培養液を吸えているので、葉っぱがしおれたりしません。

















肝心の培養液のフラッド方法は、生長するにつれて詳しく・・・





ひとまず、まだこんなチビッコの苗の時は、一日に1回〜2回のフラッドだけでOKです。

フラッドさせる水位は、ドレイン(排水)口のスクリーンの高さで調節しますが、根っこがぜんぜん張ってない幼苗の時は、発芽や発根させたロックウール培地の底のあたりまで水位がくるようにします。

(水位が高すぎると、苗が栽培テーブルをプカプカと漂流することになります。)

















そしてフラッドするタイミングは、24時間タイマーで循環ポンプのスイッチをON/OFFさせて制御します。

一回のフラッド時間は一般的に15分間といわれてますが、フラッドされた培養液がたまっていってドレイン口から排水が始まったら、すぐにポンプのスイッチを切るのがベスト・・・

ということで、15分間隔のタイマーではちょっと難しいのでデジタルタイマー(モーター機器に対応のもの)がベストです。