2014年1月7日火曜日

明けまして2014。国際家族農業年

2014年、明けました。今年もよろしくお願いいたします。





さて、明けた今年は「国際家族農業」だ、そうです。
http://www.fao.or.jp/detail/article/1170.html

食料の流通量や自給率の低さから飢餓に悩むアフリカ、アジア、中南米、中近東の農村部のうち、とくに小規模農家の生産性をあげるべく、なにをどうやって助けていったらいいのか? という問題を考えてみましょう・・・という年なんだそうで。

一方の先進国では、生産された食料のうちの1/3の量が食べられもせず廃棄されてしまう「フード・ロス」問題もなんとかせねばならんところですが、まずできることは「出されたものは、残さずいただく」ということだと思われますので、ワタシが低炭水化物ダイエットに挑戦する日は永遠に来ないものと思われます。

ちなみに、食材として出荷される前に、生産性重視の無理な飼育がたたり病死してしまう家畜の数も相当な数にのぼるようで・・・

映画「ありあまるごちそう」


貧困問題の多くが食料自給率の低さと直結してしまっているのは、アフリカをはじめとした開発途上国だけの、遠い国のおハナシではなく、たとえ先進国の都市であってもスラム街やホームレスが多い地区を見れば、それは一目瞭然です。カナダやアメリカなどの都市では、経済活動がストップしてしまっている貧困地域で自力で活性化をうながす訓練としての「アーバン・ファーム」という農業サポートがおこなわれています。
Urban Farms in Vancouver B.C.

一方の我が国ニッポンでも、もちろん深刻な貧困問題は存在すると思われますが、一面アスファルトにおおわれた都内の下町などを歩いてみると、必ずといっていいほど発泡スチロールに土を入れてネギやシソなどの薬味的なものが軒先に植えてあるわけです。多摩川の河川敷では、そこに住み着いた方がいつの間にか畑をきっちり耕して「地産地消」ならぬ「ゲリラ産ゲリラ消」をなすっていたりもします(撤去されちまいますが)。

いったん農耕民族のスイッチが入ってしまうと、とどまることを知らずに作物を育てたくなるニッポン人DNAのおかげで「植えるがゆえ飢えにくい民族」なのかな?と思います。

ということで、まんまと農耕DNAスイッチが入ってしまったニッポン人が、ココにもいるわけですが、「 根っこの酸素量で生長にこんなに差が出る! 」的な結果をおひとつ・・・

↓タネからスタートさせたホワイトセージの実生苗で、ココ培地とポッティング・培土をはんぶんずつ混ぜて使っています。
























↑左側がタテにスリットが入ったポットで、右が底面に穴のあいた一般的な四角いポットです。両方とも3号くらい(約300ml)の同容量のサイズです。
左側のスリットポットの方が全体的に早く大きく育っています。正直、こんなに差が出るとは思っていませんでした。スキマの多いスリットポットのほうが根っこに酸素が豊富になるので早く育つ、そのかわり乾くのも早いので水やり回数は増えます。




ココ栽培のイチゴたちも、培養液を与えるたびに「ぎゅ〜んっっっ」と大きくなります。ポットごと手で持ち上げてみて、手応えがほとんど感じられないくらいまで軽くなってから培養液を水やりすると、翌日には目で見てわかるほど大きくなってます。
























水やり方法は、まず受け皿をポットの下に敷いてから、ポットの20%〜30%くらいの培養液量を培地の表面から与え、

30分経ったら受け皿に残った排水量をチェックして(排水量が、与えた量の10%〜15%ほどになっていれば最適です)、

受け皿を外して排水はすべて捨ててしまいます。

こうすると培地全体に培養液をムラなく吸収されるし、与えた量がベストだったかどうか毎回確認できるし、培養液を溜めたままにせずにすみます。

きちんと酸素が吸えてるイチゴは、受粉作業などせずとも、ちゃんと果実が実ります。花が咲く、実がつく、などなどは、すべて植物ホルモンの作用ですが、根っこが酸欠になるとヘロヘロと徒長しやすく花や実がつきにくいホルモンバランスになってしまうんですねぇ。培養液が冷たすぎる、温かすぎる、などなどで根っこの元気がなくなってしまうときも、同じことが起きやすくなります。




















光の量はもちろんですが、気温、水温、湿度、CO2濃度、空気の動きも、肥料に負けず劣らず大切な生長要因です。
グロウルームの室温はだいたい21℃、湿度は75%〜80%になっています。


























CO2の添加はランプ点灯中にだけおこない、だいたい650ppm〜750ppmになるようにしています。個人的には1000ppm以上はムダが多いと思っています。

朝にランプが点灯して30分たったら、その日一度目のCO2添加をするようにしてます。
そのあとは、たまにグロウルームをのぞいてみてCO2濃度が600ppm以下になったら、ペットボトルの炭酸水を加圧ポンプでくみあげてドライミスト・ノズルで10秒間ほどだけスプレーしてます。
炭酸水は自作カーボネーターでつくってますが、炭酸水を2Lつくると、CO2濃度もふくめて2〜3日ほど持つので、おもったより経済的です。電化製品が濡れないように、いろいろ工夫しながらやっているので、誰にでもおすすめできる方法ではありません。
ちなみに、スプレーをした後は、葉っぱが長い時間濡れたままだと光合成を休んでしまうので、ファンでやさしく風をあてています。





















さて、フラッド&ドレイン・システム「タイタン・S」のトマトたち、ゲンキにそだってます。フラッド回数は、だいたい4時間に一度のペースでおこなっていて、ランプ点灯30分前に1回、その後4時間ごとに5回、合計6回です。

フラッド・サイクルでは、モーター機器対応のデジタルタイマーで3分間だけ循環ポンプを作動させてまして、ポンプが止まったあとフラッド口から汲み上げた培養液すべてが排水されるまで約10分くらいかかります。これで15分間以内のフラッド・サイクル実現です。

















































冬の培養液は、最低18℃以上をキープしたいところです。気温が20℃にならない場合は、培養液を24℃以上にしてもOKかと思いますが、「エアロス」などのDWCシステムなど培養液に根っこが浸かりっぱなしのシステムでは、加温しすぎると根っこが腐りやすくなるので十分に気をつけた方がいいと思います。

ちなみに、約40Lの培養液が入っているリザーバータンクにはサーモヒーターを入れて培養液を加温してます。いまのところ50Wのヒーターで問題なさそうですが、ココ最近ものすごく冷え込んでいるので、ヒーターを70Wのものに変えようと思いました。

























と、いうのもサーモヒーターを入れてない循環式システム「ジェミニ」のトマトの苗が、寒さでへにょっと萎れるようになってきたからです。ジェミニのリザーバータンクには、培養液がだいたい10L〜15L入れてあるので、こっちに50Wのヒーターを入れて加温を始めようと思いました。ジェミニも、一日に合計6回だけドリップをおこなっていますが、15分刻みのタイマーしかないのでポンプ作動は仕方なく15分間です(ホントなら3分間くらいだけでいいと思います)。



















最近では、アクアリウム用品が高性能化しつつお手ごろプライスになって、うれしいかぎりです。便利な機能がぎっしりつまった製品もありますが、愛用しているのはこれです。
























ヒーターとサーモスタット一体式の↑をはじめ、水中専用の加温ヒーターは空中で作動させるとイッパツで壊れてしまいますので、なにかのひょうしで空中に釣りあげてしまったり、リザーバータンクの水位が低下しすぎないように、ものすごく気をつけています。
あと、プロテクターから取り外しができるヒーターは、きちんとセットしないとプロテクターに接触して焦がしてしまうことがあるので、これもまた定期的にチェックしております。