2014年11月17日月曜日

夢で知らされたオリーブ挿し木の発根

「今朝さぁ、オリーブの根がバサッとでた夢を見たからさぁ、まさかと思ってみてみたら、ホントに根が出てた!!!」んだそうです。かれこれ9月の終わり頃に剪定したオリーブの枝を ついでにココ培地に挿しておいたことなど、スッカリ忘れかけた先週のことでした。



























衣類を冬物に衣替えしたときにあまった衣装ケースに、ココ培地に挿したオリーブの枝を入れて、時々根の活力剤をあげていました。















オリーブなどの樹木を挿し木にする場合は、年内にでた枝を挿し木にします。

まだ緑色をした枝を挿し木にすることを
「Softwood Cutting = 緑枝挿し(りょくしざし)」

新く出た枝が数ヶ月経ち、やや茶色く木化した枝を挿し木にすることを
「Semi-hardwood Cutting = 半熟枝挿し(はんじゅくえだざし)」

など、樹木をはじめとした宿根草は、その年にでた枝ならば挿し木にできるので、枝の選択肢に幅がある一方、発根するまでに数ヶ月以上かかることがザラです・・・
なので起こりがちな失敗が「あまりに根が出る気配がなくて、途中でジャマになって捨ててしまう」とか、「挿し木にしていたことをスッカリ忘れて、培地をカラカラに乾かしてしまって、枯れ死なせる」、の2つがあげられるかと思います。



培地表面に根っこが少しだけ出てきたときには、培地内にはすでに根がたくさん張っています。今回夢にオリーブがでてきた理由は、「せっかくガンバって根を出したんだから、忘れずに世話してくれよ〜!!! 」という彼らの声なき叫びだったのかも知れません・・・


























まだ根がでていない枝にも、「カルス」ができていました。カルスは、根へと変化する細胞のカタマリです。カルスができていれば、その後ほぼ100%発根します。
























一方、途中で孵化した「スズメガ」の幼虫に食い荒らされてダメになった挿し木枝もありました。あいつらは、大きくなってツノを出すようになると、正露丸のようなフンをしやがります・・・


























根が出た挿し木たちは、ひとまわり大きなポットへ植え増ししました。ここから一人前に育つまでには、かるく東京オリンピック後になると思うと気が遠くなりますが、そのときには、この写真をみて懐かしみたいと思います。



























そしてこちらは、プロパゲーターで葉ざしと芽ざしをした多肉植物。やっとこさ新芽がでてきました。「多肉がたくさん欲しいなら、ケース買いしたほうが早いかも・・・」という心のつぶやきも聴こえてきます。お金を惜しむのか? 手間と時間を惜しむのか? どちらかを選ばなくてはならないのは、すべてに共通することかと思います。手間と時間をかけることのメリットといえば、お金を節約できることよりも、寄り道の途中でいろんな発見がまってることでしょうか???



























生長がスロウリィすぎる宿根草たちを尻目に、ものの3〜4日でベロベロと発根したトマトたちの挿し木。




























トマトなど一年草の挿し木とりは、発根まで数日だけなのでDIYエアロポニック・システムを使ってます。宿根草など発根まで数ヶ月かかる植物は、システムの管理が長丁場になるので、エアロポニック・システムを使うことは、あまりおススメできません。

ちなみに、クローンマシーンは、DIYでカンタンにできます。是非お試しを・・・
http://desktopfarmer.blogspot.jp/2011/09/diy.html
http://desktopfarmer.blogspot.jp/2013/12/diy.html




宿根草とちがって一年草は、発根ホルモンである「オーキシン」がプラント全体にあるので、とてもとてもとてもとても発根しやすい植物のタイプです。(トマトも、ホントは宿根草ですが、日本では冬を越せないので一年草扱いとなります。)


























一年草の挿し木とりで気をつけることは、挿し木をとる数日前から、親株に濃い肥料をあげてはいけないことと、根元の方の古い枝を選んだ方がよいということです。濃い肥料を吸った親株や、一年草の新しい枝には窒素がタクサン含まれるので、発根する前に腐りやすくなります。
あと、保湿、保温、新鮮な空気、ほどよい光は、挿し木とりのマスト事項かと思います。