2016年10月20日木曜日

収穫の秋と、欧州の庭を変えた日本の原種

カボチャの大変良いところは、ある程度の広い地面さえあれば、テキトーにペロペロッと種をまいても、秋にはほぼ確実に収穫ができるところです。

ということで、収穫できました。ヘチマかぼちゃです。


















「スクナかぼちゃ」が本名で、岐阜県高山市丹生川地域で昔から育てられてきた、珍しいカタチをしたかぼちゃです(これはロングかぼちゃという名前で種が売られていました)。地面いっぱいにモリモリと 葉とツルをのばして、実が大きくなってきたころから、「これ、ヘチマでしょ?」、または、その見た目から「これ食べられるの?」とよくたずねられました。
はたしてその味は・・・・ほんっっっとうにオイシイ!!! ホックホクしていながら果肉がしまっていて、とてもあまくオイシイかぼちゃです。
煮くずれることもなさそうで、煮物でもテンプ〜ラ〜でも、半分に割って数分レンジでチンしてからチーズとベーコンの細切りをのせてオーブンでこんがりと焼いても、普通のかぼちゃ同じように調理してオイしく食べられます。

これは在来種なので、たんまりと残った種を大切にとっておいて、また来年蒔こうと思います。



ということで、在来種、固定種というのは、非常に長い年月をかけて交配と選別をくりかえし、その土地と気候に最適な性質をもつ遺伝子が確立された品種をさします。

それとともに、大昔からその土地に存在する植物やその種類を「固有種」ともいうそうですが、先日訪れたシーボルト展を通して、日本は固有種天国だったことを知りました!


























シーボルトが日本を訪れた19世紀当時、ヨーロッパの庭は多様性に乏しく、ユリやアジサイをはじめ、さまざまな固有種に恵まれた日本の植物たちを生きたまま持ち帰ったそうです。ユリやアジサイ以外にも、日本固有だった「ギボウシ」は耐陰性が高く「日当たりの悪い庭の救世主」として今日のヨーロッパでも大変重宝されているそうです。

日本の固有種の数は、日本とほぼ同じ面積を持つドイツで約2,600種に対して日本は約7,500種に及ぶそうです。そのなかの約2,600種は日本にしか分布していない植物もあり、来日したシーボルトは、日本の植物の多様性にハマってしまったそうです。




















ちなみに、東京科学博物館で開催されていたシーボルト展に伺いましたが、常設もまた大変面白いものがありました。
日本の人口累計は、約1億5千万年前の縄文時代からカウントして平成の現在で約5億人だそうです。今日の日本の人口が約1億2千万人ということを考えると、昭和からの人口が全体の25%を占めるという、ものすごいものがあります・・・今日の人口密集地の住宅事情のきびしさにもナットク・・・

























日本の地層の展示にあった北海道のピート レイヤー=泥炭層の高位ピートの様子。長繊維で保水性と酸度が高く、色が白っぽいホワイトピートとされる層です。