2017年10月27日金曜日

〜SANlight 2017 〜 室内栽培実験はじめました。

雨やら台風やらが多くて,ウンザリ気味なついこの頃ですが、秋はやっぱりお天気の方がいいですね。木漏れ日が、キラキラとうつくしく見とれてしまいました。


















仕事場からすぐちかくの緑地エリアです。今年の暮れには、この木々の葉もすっかりおちてしまうでしょう。






































さて、昨今の室内園芸用品で、今もっとも入れ代わりが激しい商品のひとつには、まちがいなく栽培用LEDが挙げられます。
一方、理屈くさく、疑い深い私は、栽培用LEDナンテ、暗い、パワー不足、葉ものしか育たない。というゴリゴリの固定観念とともに、遠巻きにチラ見していました。
ところが、「これはHPSランプと同じくらい育つランプだ !」と、テンションが一気に上がり、夢中になった栽培用LEDが、やっと欧州オーストリアから届きました。


オーストリアの栽培用ランプ開発製造メーカー「 SANlight 〜サンライト〜」のLEDです。気になる「 SANlight LED」のLED光の色は、今までの栽培用ランプで例えるとHPSランプに一番近いようです。


栽培面積60cmスクエアのグロウボックスに SANlight M30 でじゅうぶんな明るさです。 幼苗期にM30ふたつ設置すると強すぎたせいで、わずかに光障害がでました。


























床面に反射された光の色を見ると、青から赤までの可視光線がすべて入ってます。
太陽の可視光線と同じスペクトル、ということです。




















従来の栽培用LED 140W、色、明るさ補正ゼロの画像です。ランプ照射面から50cmの位置。
























こちらは、「 SANlight S4W 140W」の同距離、無補正画像です。
白く飛んでしまう部分が少なく、苗の葉も緑色に見えます。


























ふたつのLEDの明るさを照度計で比較すると、中央部分は従来のLEDより明るいのですが、なによりもグロウルームの壁面が、M30ランプの照射面をさかいに、くっきりと明るくなっていて、グロウルームのすみっこが暗くなっていません。

つまりデッドゾーンがない、ということになるのですが、このことは、栽培面積あたりの収穫量と品質を向上させるうえで、ランプ光の強さやスペクトルとおなじように、またはそれ以上に大切なポイントです。
























そもそも栽培用LEDの評価は、「光が当たっている床の一定の面積に、光合成に効果が高い色の光のツブツブが、どのくらいのあるのかな? 」なので、「光をエネルギーで測る照度計」で栽培用LEDを評価することは正しくないのですが、栽培効果の大きさと照度の大きさは、ある程度比例しますので、まったく意味がないともいえません。



光の測り方、今と昔をばっくりと説明すると・・・

一般照明や、以前のグロウランプは、光をエネルギーで測ってました。
現在のグロウランプは、光を「光量子」というツブツブの数をカウントする方法です。

例えば、ランプの明るさに使われる光束(ルーメン/単位は lm)は、ランプが自体がバシバシと発する光のエネルギーのトータル量、という意味です。光束が大きなランプほど明るいです。

一方の栽培用で光束にあたるものが、光合成有効光量子束=PPF(単位はμmol/S)・・・ながいっっっ!!! です。
PPFの意味は、栽培用ランプ自体が、光合成に効果の高い光の粒を、一秒間に何粒だせるかな? ということです。PPFが大きなランプほど、光合成効率が高くなります。最近主流となっている、とくに明るい光が出せる高出力の園芸用HPSランプ600WのPPF値で、1100μmol/Sほど、同ワットのSANlight S4Wは、1200μmol/Sです。



60cmスクエアのグロウボックスなら、M30ひとつでじゅうぶんです。冷却ファンがついてないので作動音が静かで、LEDレンズ以外が先に故障してしまう要素がとことん少ないのも魅力のひとつです。





















と、いうことで、PPFの数値以外に栽培用ランプの良し悪しを判断するポイントを、光を測るさまざまな単位から、詳しく見ていきたいと思います。