2018年11月28日水曜日

秋から冬の寄せ植え。花つき回復には葉面スプレー。

さて、11月も今週で終わりです。意外なことに果実の肥大が続くパパイヤですが、そろそろ室内に入れた方がよさそうです。





















一方で、ルッコラやリーフレタスなどの葉もの野菜は、居あわせた人々に配りまくらねば消費が追いつかないほどに収穫ラッシュが続いています。



















さて、春から夏に寄せ植えた花々も、すっかり花が咲かなくなり茎が茶色く伸びて「もう咲けません・・・さようなら。」と訴えているかのような姿を無視しつづけられない頃となりました。




ということで、ビオラだのなんだのをかき集め秋冬の寄せ植えをしました。





















小さなポットをニギニギしく見せるため株数を多めに植えるので、植える時に花の根っこを小さくカットしています。となると根を切られた花々は、ストレスで花付きが悪くなってしまいます。さらにこの季節は、土がなかなか乾かないので、回復を早める活力剤などを薄めた培養液を与えるタイミングもあまりありません。


















ということで寄せ植えた翌日から、花付きの回復を早めるための葉面スプレーがオススメです。

花付きを良くするための「Tama PK」と「フレバリン」を中心に、根っことなる細胞分裂を促進して回復を助ける「フィッシュ・ボーン」、「カルマグルト」、花いろを鮮やかにする微量要素群活力剤「トラッキン'」などを1000倍希釈して、日々スプレーしています。


























とくに日当たりが悪い場所にある花々の葉っぱの裏側を中心にスプレーすると効果的です。










































センテッドゼラニウムは、夏のあいだに丈がメキメキ伸びたので根元の土が見えてしまいました。すっかり植え替えるなんてメンドーなことを回避して、土のスキマに花をなんとか差し込んで、見た目をとりつくろうのがズボラな私の定番術です。

























一年前に寄せ植えの脇役として植えてた「フォックスリータイム」でしたが、もはやこの子しか生き残っていません。

















タイム、リシマキア、ヒューケラ、アイビーなど寄せ植えの脇役にできるカラーリーフは丈夫なので、バツンバツンと乱暴に株分けしてしまっても、こまめに活力剤を葉面スプレーしてあげれば、ものの1週間で新しい葉っぱを展開しはじめる頼もしい存在です。
凝りだすとキリがない寄せ植えを少しでも安上がりにするために、あまったプランターで、脇役にできるカラーリーフをキープすることにしてます。



2018年11月22日木曜日

不耕起+無肥料栽培の打木源助大根の収穫とグリーンLEDの効果

タネを土壌に直播してから70日を過ぎ、古い葉っぱがクタッと伏せてきたので、そろそろ収穫の時期を迎えた「打木源助大根」です。


















日没後にセンサーで数時間点灯するグリーンLEDスポットライトに照らされ、スクスクでかく育っていた源助大根と、グリーンLEDの光があまりあたらない源助大根を抜いて比較してみました。


























右側のでかく育った方がグリーンLEDに照らされていた源助さんです。

















引っこ抜いた瞬間に「うわぁ〜、こんなに大きさがちがうぅぅ〜」と思わず声をあげてしまうほどに、大きさに差がでました。ちなみに、いずれも株間は同じだけ空けました。「とにかく大根は、発芽してからの間引き作業が命!」をキモに銘じ、葉っぱがふれあった時点で、弱い苗を引っこ抜きまくったのです。

とはいえ、たった一度の結果では、この大きさの差が、個体差による結果なのか、グリーンLEDの効果なのか、については、なにひとつ断言などできません。さらにグリーンLEDソーラーライトの光に強く照らされる苗にしか、生長促進効果がないようなので「一株につきライトひとつ用意するってのは、割高だよなぁ・・・」と当然感じます。


ただ、夜間の緑色の光で産卵しなくなるという蝶々や蛾のイモムシは、すべての大根の苗に一匹もつきませんでした(バッタには、ムカつくほど葉っぱを食べられましたが)。



そして、収穫した野菜を味わう瞬間は、とても気分がいいものです。はたして不耕起+無肥料栽培、さらに在来種の大根「打木源助大根」は、どんな味がするのか???




















それはそれはジューシーで、自然な甘みと風味がおいしかったです。こんな素直な味の大根を食べたのは、あの時以来でした・・・・その昔「野口種苗」さんの講演会で、固定種のタネを「不耕起 + 無肥料栽培」なさっている生産者の方が、穫れた大根やニンジンなどを会場でふるまってくださった時です。


















今回のテーマは、「ズボラで飽きっぽく、手間をかける時間もあまりない私が、露地栽培するのなら、地面に直播きしても勝手にたくさん発芽するうえに、トラブルなく丈夫にたくさん育って、しかも極上のうまさをもつ野菜が収穫できる。もし収穫しそこなって花を咲かせてしまっても落ちたタネで同じ品種が生えてくる。」を実現すべくチョイスした品種やライトを使ってみた結果です。

大根と同時期に、緑肥として種まきしたクローバーは、大根の苗の葉っぱにふれたものだけをバシバシ引っこ抜いて、肥料として大根の株元に置いていく・・・ということをやってみましたが、これが大根にとってどこまでプラスとなったのかは、正直よくわかりません。ただ、モンシロチョウはクローバーばかりにタマゴを産みつけていたので、少なくともバンカープランツして役立ってくれてました。

ということで、「ただひたすら、葉がふれあったら苗を間引いていけば、まちがいなく収穫までこぎつけられる」成功率が高い在来品種の不耕起+無肥料+無農薬栽培栽培は、多忙な現代人のガーデニングにとてもオススメです。




ただし、土とか虫とかミミズとかが、どうしてもダメな人にはやっぱり「室内+ハイドロポニカリーな栽培」がベストです。


2018年11月16日金曜日

GROW BIG! ハイドロポニックス&オーガニクス2019配布中です。

ということで、2019年のHydroponics & Organics は、

GoGro + CANNA COCO パーフェクトマニュアルです。

オンラインショップで、お買い上げのうえ、ご希望いただいた方に配布してます。





自動底面給水栽培は、マニュアルさえきちんと守れば、

誰でも勝手に大きくおいしく手間なしで育つ、たくさん収穫できる、

そのうえ、ローコストでローメンテナンスな栽培システムです。

忙しくて排水を捨てる時間や手間がメンドーな

ココ・グロワーにとってもおすすめ!!!





キャナ・ココについて世界一熟知なさってるキャナの栽培技術指導者Pieter氏に、ヨーロッパで、自動底面給水システムCANNA COCOの栽培管理ポイントについて、じっくりたっぷりお聞きした内容を冊子にまとめました。









植物が育つにつれて、培地内のEC値とpH値が変動していく理由と、それに対応するためのCANNA COCOの栽培管理ポイントは、目からウロコです。このロジックは、底面給水栽培でなくても、通常のCANNA COCO栽培に応用できます・・・






ということで、英国ジャイアント・ベジ協会ケビン・フォーティさんのインスタグラムでは、GoGro + COCO培地のコンビネーョンで、彼の野菜どもが勝手に大きく育つ様子も紹介されています。 


2018年11月14日水曜日

秋の色と光の色

季節の色


11月とは思えないほどあたたかくなった先週末は、お散歩日和でした。
ツタや街路樹が美しく紅葉していました。




































はるばる車で出かけて観にゆく山々の紅葉も格別ですが、住宅街の中で見つける紅葉には、人々が暮らす情緒を感じられて好きです。



















こちらは日比谷花壇大船フラワーセンターで咲いていたグレヴィレア。オーストラリア原産のヤマモガシ科の植物です。


















これは、私が育てている、同じくオーストラリア原産ヤマモガシ科のリューカデンドロンですが、グレヴィレアやキングプロテアとおなじくリン酸系肥料を好まないため、与える肥料には気を使います。「根からリン酸を吸わせちゃいけないなら、葉面スプレーでTama PK1,000倍希釈を与えてしまおう!」ということで、3日に一度くらいのペースで、フレバリンスーパースライブとともに薄めにつくったTama PK1,000倍希釈液を葉っぱにスプレーしたところトップが赤く色づきはじめ・・・



















ティーツリーの幼木は、花を咲かせ始めました。

























Tama PKをはじめとしたリン・カリ肥料は、例えばヴィオラなど季節の花々で寄せ植えをしたあとに、花の勢いを回復させたいときなどに葉面スプレーしてあげると、ツボミがあがりやすく花色が鮮やかになります。
しかし気温が高い季節にリンカリ肥料を与えすぎると、カリウム過剰で葉っぱが焼けやすくなるので、くれぐれぐれも1000倍希釈を守り、曇りの日や涼しい時間帯に与えるのがコツです。




光の色

不耕起・無肥料栽培で育てている在来種の白菜。イモムシ避けに緑色のソーラースポットLEDを夜間当てています。日が落ちるとグリーンLEDが点灯しはじめ、こんなアヤシい景色になります。


















おもしろいことに、光が強く当たってしまうスポットLEDライト近くの苗ばかりが、でかく育つ傾向があります。



















虫に食われてしまったため、あわてて先月種まきしなおした白菜の苗。ライト近くの苗がグイグイでかくなりました。












































こちらは在来種の大根。やはりグリーンLEDの光が強く当たる大根が、大きく緑鮮やかに育つ傾向があります。




























「緑色の光が当たってる方が、ほんのりとだけ大きく育ってるかなぁ・・・」などという差ではなく、「緑色の光が当たってる方が、デカく育ってる!!!」と、一目で見てわかるレベルなので、ひっじょ〜にワクワクします。 緑色光は、長日野菜の生長促進にも効果があるかもね! と実感できました。






















さて次は、LED栽培の「トホホ・・・やっちまったなぁ!!!」的な失敗例もつつみ隠さずご紹介。 フルスペクトルな光を放射する「SANlight LED M30」を苗から40cmまで近づけすぎて光障害を起こしてしまったミニトマトとパプリカの幼苗どもです。
LEDのレンズから放射される光は、葉に強く強く当たるわりに温度があがらないため、光合成運動がスムーズにいかず、葉緑素が破壊されてしまったようです。
























幼苗期から生長期は、その野菜の適正かつ最短の期間内におさめることが、病害虫を防いで栽培コストを抑える第一条件なので、ここで光阻害を起こしてしまったことはイタイです。ということで、苗をあっためる効果もあるメタルハライドランプ400Wへと、大急ぎで取りかえてから展開した新芽の葉っぱは、葉緑素が保たれています。

























幼苗期にLEDを使うときは、やや注意が必要だ、ということが、悲しいほど理解できました。



これは、「何ワットのLEDにすれば大丈夫なの?」 というお話ではなく、LEDレンズの発光のしくみ自体が原因だと思うので、幼苗期から生長期初期は、蛍光灯やメタルハライドを離して育てた方が確実だと思いました。

2018年11月2日金曜日

CMH315W V.S. HPS400Wの温度テスト

栽培効果がもっとも高い、フルスペクトル放射のセラミックメタルハライド315W
ルミ・ソーラーCDM315」を発売以来、度々いただくのが

「HPS400WとCMH315W、どっちの方が温度上がるの?」

というご質問です。

電気方面の知識に明るい方は「ワット数=発熱量なので、基本的にはワット数が大きい方が温度上がるよね。」と思われるでしょうが、実際にテストしてみないと見落としていることもあるかも・・・ということで「まずは論より証拠で、実際に温度を計ってみよう」となりました。





60cmX60cmX90(高さ)cmのグロウボックス、換気なしの密閉状態でLUMIi SOLAR 315Wと、HPS400Wを15分間点灯させてみたところ・・・



  •  HPS400Wランプは、15分間で16.5℃室温を上げました(バラストは室外)。



の結果となり、HPS400WランプよりもLUMIi SOLAR 315Wフィクスチャーのほうが室内温度が上がる、ということはありませんでした。



1. CMH315WとHPS400Wの温度上昇テスト

LUMIi SOLAR 315Wフィクスチャー点灯前の室温は18.9℃、湿度43%でした。

























LUMIi SOLAR 315Wを15分点灯させると、室温は31.2℃に上がり、湿度は33%に下がりました(温度が上がると、相対湿度は下がります)。 

























CMH315Wは、60X60X90cmのグロウボックスの温度を12.3℃上昇させました。LUMIi SOLAR 315Wは、バラスト一体式のフィクスチャーなのでバラストの発熱量も入れた温度です。






























そして次に、HPS400Wの温度テストです。HPS400Wの点灯前は、温度が19.1℃、湿度が50%でした。


























点灯させてから15分後、温度は35.6℃に上がり、湿度は23%に下がりました。


























ということで、HPS400Wランプを15分点灯させると、60X60X90cmのグロウボックスの温度が16.5℃上昇しました。 ナノラックスバラスト400Wは、外に設置したので、この温度にはバラストの熱は含まれません。
























2. ランプの発熱量について

1Wは0.86Kcal/hなので、ランプの発熱量の計算は :

ランプのワット数 X 点灯時間 X 0.86Kcal/h

LEDだと1Wあたりの発熱量が低くなる、ということはなくて、使用電力が400Wであれば、LED、HPS、CMHをそれぞれ1時間点灯させれば、

400W X 1時間 X 0.86kcal/h = 344kcal

発熱量は同じ344kcalとなります。ただし、各照明の発光体自体の温度は、同じではなくて、例えばLED発光素子自体は、HPSランプのような触れないほどの高温にはなりません。とはいえ、LEDは発光素子以外の部分で熱を発しているので、ワット数が同じならば、結果的にほかのランプと同じくらい環境温度を上げることになります。

よりくわしい説明は、照明のプロフェッショナルでらっさるこちらでドーゾ。




さらに、そのランプがどれだけ温度をあげるのか?は、空間の広さだけでなく壁の材質の蓄熱性や伝熱性の高さで変わるとのことですが、今回のテストのように、CMH315WとHPS400Wをまったく同じ場所でそれぞれ点灯させれば、どちらのランプのほうが、より温度を上げるのかを正確に比べることができます。


ところで「ルミ・ソーラーCDM315」はフルスペクトルなので、HPSやMHの400Wと比較すると植物への光作用が強いため、400WクラスのHPSやMHよりも植物との距離を取る必要があり、接近戦は苦手です。
一方、おなじフルスペクトル放射のSANlight S4W LEDは、発光素子自体は熱を持たないので、「ルミ・ソーラーCDM315」よりもはるかに植物に近づけることができます。





3. CMHは、HPS何ワット相当なのかな?

最後にもうひとつよく受けるご質問が、

CMH全般の話として、HPSランプの何ワット相当なの?

ということです。

この答えは、照明として使うのか?、栽培用として使うのか? で答えが変わります。

  1. 施設照明のCMH315Wは、HPSランプや水銀ランプ600W相当
  2. 栽培用CMH315Wは、HPSランプ400W、CMH315WX2つだとHPS1000W相当


人の目は黄色よりの緑の光を一番明るく感じるので、照明としてCMHを使う場合は2倍のワット数のHPSや水銀灯と同じ演色効果があります。


一方、植物の栽培効果の高さ=演色効果の高さではなくて、光合成に有効な光量子の数だとか光の色のバランスが栽培効果の高さになるので、栽培用ランプとしてのCMHは、約1.2〜1.5倍のワット数のHPSの栽培効果に匹敵します。