2018年11月2日金曜日

CMH315W V.S. HPS400Wの温度テスト

栽培効果がもっとも高い、フルスペクトル放射のセラミックメタルハライド315W
ルミ・ソーラーCDM315」を発売以来、度々いただくのが

「HPS400WとCMH315W、どっちの方が温度上がるの?」

というご質問です。

電気方面の知識に明るい方は「ワット数=発熱量なので、基本的にはワット数が大きい方が温度上がるよね。」と思われるでしょうが、実際にテストしてみないと見落としていることもあるかも・・・ということで「まずは論より証拠で、実際に温度を計ってみよう」となりました。





60cmX60cmX90(高さ)cmのグロウボックス、換気なしの密閉状態でLUMIi SOLAR 315Wと、HPS400Wを15分間点灯させてみたところ・・・



  •  HPS400Wランプは、15分間で16.5℃室温を上げました(バラストは室外)。



の結果となり、HPS400WランプよりもLUMIi SOLAR 315Wフィクスチャーのほうが室内温度が上がる、ということはありませんでした。



1. CMH315WとHPS400Wの温度上昇テスト

LUMIi SOLAR 315Wフィクスチャー点灯前の室温は18.9℃、湿度43%でした。

























LUMIi SOLAR 315Wを15分点灯させると、室温は31.2℃に上がり、湿度は33%に下がりました(温度が上がると、相対湿度は下がります)。 

























CMH315Wは、60X60X90cmのグロウボックスの温度を12.3℃上昇させました。LUMIi SOLAR 315Wは、バラスト一体式のフィクスチャーなのでバラストの発熱量も入れた温度です。






























そして次に、HPS400Wの温度テストです。HPS400Wの点灯前は、温度が19.1℃、湿度が50%でした。


























点灯させてから15分後、温度は35.6℃に上がり、湿度は23%に下がりました。


























ということで、HPS400Wランプを15分点灯させると、60X60X90cmのグロウボックスの温度が16.5℃上昇しました。 ナノラックスバラスト400Wは、外に設置したので、この温度にはバラストの熱は含まれません。
























2. ランプの発熱量について

1Wは0.86Kcal/hなので、ランプの発熱量の計算は :

ランプのワット数 X 点灯時間 X 0.86Kcal/h

LEDだと1Wあたりの発熱量が低くなる、ということはなくて、使用電力が400Wであれば、LED、HPS、CMHをそれぞれ1時間点灯させれば、

400W X 1時間 X 0.86kcal/h = 344kcal

発熱量は同じ344kcalとなります。ただし、各照明の発光体自体の温度は、同じではなくて、例えばLED発光素子自体は、HPSランプのような触れないほどの高温にはなりません。とはいえ、LEDは発光素子以外の部分で熱を発しているので、ワット数が同じならば、結果的にほかのランプと同じくらい環境温度を上げることになります。

よりくわしい説明は、照明のプロフェッショナルでらっさるこちらでドーゾ。




さらに、そのランプがどれだけ温度をあげるのか?は、空間の広さだけでなく壁の材質の蓄熱性や伝熱性の高さで変わるとのことですが、今回のテストのように、CMH315WとHPS400Wをまったく同じ場所でそれぞれ点灯させれば、どちらのランプのほうが、より温度を上げるのかを正確に比べることができます。


ところで「ルミ・ソーラーCDM315」はフルスペクトルなので、HPSやMHの400Wと比較すると植物への光作用が強いため、400WクラスのHPSやMHよりも植物との距離を取る必要があり、接近戦は苦手です。
一方、おなじフルスペクトル放射のSANlight S4W LEDは、発光素子自体は熱を持たないので、「ルミ・ソーラーCDM315」よりもはるかに植物に近づけることができます。





3. CMHは、HPS何ワット相当なのかな?

最後にもうひとつよく受けるご質問が、

CMH全般の話として、HPSランプの何ワット相当なの?

ということです。

この答えは、照明として使うのか?、栽培用として使うのか? で答えが変わります。

  1. 施設照明のCMH315Wは、HPSランプや水銀ランプ600W相当
  2. 栽培用CMH315Wは、HPSランプ400W、CMH315WX2つだとHPS1000W相当


人の目は黄色よりの緑の光を一番明るく感じるので、照明としてCMHを使う場合は2倍のワット数のHPSや水銀灯と同じ演色効果があります。


一方、植物の栽培効果の高さ=演色効果の高さではなくて、光合成に有効な光量子の数だとか光の色のバランスが栽培効果の高さになるので、栽培用ランプとしてのCMHは、約1.2〜1.5倍のワット数のHPSの栽培効果に匹敵します。