2019年5月16日木曜日

バラのブラインドとボール化 葉面スプレーの効果

すでに遠い昔のようにも思えますが、今年のゴールデンウィーク前半は、冬にもどったかのような寒い日がつづきました。 寒すぎてストーブをつけたおかげで、ひさびさにうちのネコたちがストーブの前でスリスリしてくれました。








和猫といえども、換毛期にブラッシングを怠ると 床、階段、全ての場所が毛だらけになります。










昨年末に、植えかえたツルばら「ピエールドロンサール」は、日当たりの悪さも手伝って、新たに伸びた枝のほとんどがブラインドになってしまいました。ブラインド化の大きな原因は、植えかえのせいで根が枝に養分を十分送っていないせいなので、枝の先端で不足している養分を 葉面スプレーでダイレクトに葉っぱに吸収させることにしました。

すべてのブラインド枝の先端を折り取ったあと、光合成不足で足りなくなるアミノ酸,糖分、そして不足しやすいリン酸とカリウム,マグネシウム、イオウ、微量要素、さらに細胞分裂に欠かせないカルシウムと、少ない光で光合成量を増やすケイ酸を交互に補っていきます。







直射日光が当たらない時間帯や くもりの日に フレバリン( 抗ストレス力と花付き効果の高いアミノ酸群、マグネシウム、糖分、発酵由来の植物ホルモン )と 養分をすばやく花に届ける効果が高いTama PK(リン・カリ)の1,000倍希釈液を 葉うら中心にスプレーしました。
曇っていたら翌日、晴天なら3日以上あけてから、トラッキン' (吸収されやすい微量要素群)と フィッシュ・ボーン(吸収性が高いアミノ酸と核酸で細胞分裂を促進)を これもまた1000倍希釈した液を葉うらと新芽を中心にスプレーしました。

根元にある古い葉っぱよりも 新しく展開したばかりの若い葉っぱの方が 気孔の数が多いため 葉うらに付着した養分をたくさん吸収します。同時に若い葉っぱは 肥料焼けもしやすいため、直射日光が当たらない時間帯に 活力剤を通常よりも薄めに希釈した培養液をスプレーすることがポイントです。 とくにPK肥料は カリウムをふくむため吸収性が高いと同時に、葉焼けを起こしやすいので 1000倍〜2000倍に希釈したものでなければ 葉面スプレーには不向きです。

雲が多く直射日光があたらない日は 葉うらにスプレーした成分が、効率よく吸収されるうえ,空気の湿度が高い日は 葉が焼ける心配が少ないので、葉面スプレーにベリーベストな日です。

さて、上記の要領で葉面スプレーを続けたところ ものの1週間で新芽が立ち上がってきました。今朝はもうツボミがでてきていました。








ウドンコなどカビ病が心配なバラは、 クリスタルアップ(アルカリ性のケイ酸カリム)の1000倍希釈を pH調整しないで葉面スプレーします。 チッ素が効きすぎたり、蒸れるとカビ病が出やすくなりますが、クリスタルアップで葉のpHをアルカリ性に傾けてあげると、葉っぱにたまった亜硝酸イオンを流転してくれて厚みのある葉っぱになります。









次はバラのボール化です。花びらがすっきり開かず、きれいに咲かないトラブルが「Balling」です。 ラレーヌヴィクトリアがボール化してしまいました。






トップについたバラのほうが,ボール化がひどかったので、水分が不足しているせいかと思いました。







そこで、ボール化した花の枝カットして,花びんにさしたところきれいに開きました。
やはり風が強い日に水切れを起こし、枝全体が水分不足になったことが原因だとわかりました。







よく観察すると、風が強く当たらない場所のバラは,ふわっと開いています。朝、昼、夕方に、スーパースライブ希釈液をバラ全体にたっぷりとスプレーしました。








翌日はちょうど小雨が降っていたおかげもあり、ボール化したバラがきれいに開いてきました。







とくにボール化がひどかったトップに咲いたバラも、すこしフワッと開きました。





前日の全体の様子と、スプレーした翌日の様子を比べてみると、わかりやすいかと思います。
スプレー前





スプレー後






さて、最後にグリーンLEDハンディーライトです。意地でも農薬を使わないと決めてから、カビ病は完全に抑えられるのですが、このハバチ幼虫だけはどうしても防除できずにストレスでした。日没後バラについた害虫駆除にとても役立ってます。 ハンディーライトでバラの葉の裏側から照らすと、害虫のシルエットが浮かび上がります。





いちいち葉っぱをひっくり返さなくても一目瞭然!  ハバチの幼虫は、バードフィーダーに集めて小鳥たちにふるまってます。