2025年3月27日木曜日

CANNA記事 「LED栽培でのCANNA肥料のEC値」「光と色が植物に与える影響」

 CANNA日本オフィシャルサイトに記事がアップされました。

LEDグロウライトにおけるCANNA肥料の 最適な電気伝導率(EC)管理

以前の植物栽培専用グロウライトといえば、MH(メタルハライド)やHPS(高圧ナトリウム)などのHIDランプが当たり前でしたが、現在はLEDグロウライトがポピュラーになりました。


LEDライトは、HPS(高圧ナトリウムランプ)やMH(メタルハライドランプ)に比べて、電力を効率よく光に変換できる上に、光合成の効率や生長段階ごとに最適な色や波長の光を自在に組み合わせることができます。つまり省エネでなのでエコで植物の栽培効果が飛躍的に高まったわけで、なによりなにより、のはずでした。しかしLEDは熱放射が非常に少ないため、点灯中は危険なほど「あっつあつになる」HPSに比べると、LEDの光は葉面温度が上がらず、気孔からの水分蒸散が致命的に少なくなる、という側面があります。

特に冬場に夏野菜を室内で育てている場合、葉面温度が上がらないと、植物体内で移動性が低いカルシウムやマグネシウムが新芽や新しい葉っぱで欠乏しやすくなります。なのでLED栽培にはカル・マグ資材が不可欠、という意見も多くあります。

しかしCANNAの各シリーズ液体肥料の場合は、EC値を高くするだけでいいんだよ、という心強い記事です。室温が低い時はEC値を高く、室温が高い時はEC値を低くするだけで欠乏症の心配なく健康に育つよ、ということを言いたい記事です。




光の波長(色)ごとに植物に与える影響がまとめられています。植物が光を必要とするのは可視光領域の「PAR 光合成有効放射」だけでなく不可視光線領域のUV(紫外線)も生長に大きく影響します。



2025年3月19日水曜日

循環式ハイドロポニック・システム GEMINI開花期の管理

 前回の、CANNA ROOTPLUGS→ロックウールポット→循環ハイドロ・システムに植えるステップでは、ロックウール・ポットから発根した挿木苗を再循環式ハイドロポニック・システムGEMINIに植えたわけですが、GEMINIに定植したあとは根を伸ばすために培養液をドリップするフロウ・タイムは1日一回だけで管理します。

生長期(苗が小さく花芽が出てくるまで)のフロウ・タイムは、1日1〜2回 (循環ポンプを動かす分数は、ポンプの吐水量、培地の量、根のコンディションによりますが、だいたい10分)光が当たっている昼間におこないます。夜間はおこないません。

その後、根が伸びるにつれて培養液を吸収する量が増えると、クレイ・ペブルス培地の乾きが早くなるので、培地がカラカラに乾く前に培養液がドリップできるように、フロウ・タイムの間隔や回数を増やしていきます。 再循環式ハイドロポニック・システムで、もっとも大切なポイントとなるドリップ回数とドリップ時間、つまり循環ポンプを動かす回数と時間ですが、ドリップする分数と回数を最低限にとどめることが、このシステムの最大のポイントです。


同じく培養液を再循環させるNFTシステムとよばれる薄膜式ハイドロポニックシステムの場合は、培地を使わず根がダイレクトに培養液に触れているので、1日24時間ずっとポンプを作動させないと、苗がすぐに萎れてしまいますが、再循環式ハイドロポニック・システムは、クレイ・ペブルス培地の使用量が多く保水時間が長いので、培地がすっかり乾く前に培養液をドリップする、という管理をします。循環式システムの概要、使い方について詳しくはこちら


 さて、再循環式ハイドロポニック・システムGEMINIに定植したトマトの挿木苗には一段目の花がついたので、開花期の管理に変わります。



再循環式ハイドロポニック・システムでは、乾きつつあるクレイ・ペブルスに根がたくさん張ります。このように、根がさかんに伸びるのはクレイ・ペブルスがほどよく乾いている間なので、培養液をドリップする時間と回数は最低限にしたほうがいいのです。



開花期移行のサインと培養液

花芽が出てきたら開花期の培養液に変えます。または、生長期用の培養液を与えた翌日にpH値が下がるようになったら開花期に移ったサインです。

2パート肥料 CANNA AQUA の場合

生長期用の液体肥料CANNA Aqua Vega から 開花期用の液体肥料CANNA Aqua Flores に変えます。2パートの液体肥料 CANNA Aqua Flores A/B各パート=1:1の割合で水で希釈します。10cc以下の少量だけ必要な場合は、Aパートか、Bパートのどちらかが多くなると肥料バランスが崩れてしまうので、小さな計量カップスポイトを使うのがおオススメです。




3パート肥料 Dutch Formula の場合

3パート液体肥料 Dutch Formulaは、各パートの分量を調整するとすべての生長段階に対応できます。

水道水 1リットルに対して




どちらの肥料も、品質が非常に高いうえに使いやすく失敗が少ないのでオススメですが、CANNA AQUAは、培養液のpH値が外れにくい肥料比率で、非常に吸収性が高い原材料を使用し、手間なく生長が早いのが特徴で、Dutch Formulaは3本だけで全てのライフサイクルをカバーできシンプルで、ココ培地やソイル栽培にも使える汎用性の高さがあります。

2025年3月12日水曜日

CANNA COCO培地 水やり管理〜 開花期〜

これまでの経緯で、CANNAルートプラグで発根させたミニトマトの挿し木をCANNA COCO培地に定植しました。その後ミニトマトが大きく育ち、開花期に移行しました。




ミニトマトの秋冬栽培は登熟するまで日数がかかるので、とても甘くなります。どなたに差し上げても「甘いっっっ! おいしい!! ホントにあなたが育てたの?」というお声をいただきます。



仕事の合間をぬって片手間で育てても、極ウマのミニトマトが無農薬で多収穫できる理由は、ひとえに最高品質の肥料と培地のおかげです。

 

しかしテキトーで気まぐれな水やりは、収量が減ってしまうだけではなく根を傷めてカビ病発生につながるので禁物です。ということで今回は、CANNA COCO培地栽培で開花期間の水やりポイントを紹介します。


開花期に入った植物は、養分のほとんどを花や果実に優先的に送ってしまい、根元にはあまり送らなくなってしまいます。すると次第に根が伸びなくなるので、水やりは積極的に与えます。
具体的には、生長期のようにCANNA COCO培地の表面が乾いてから水やりをするのではなく、CANNA COCO培地の表面が乾く前に水やりするサイクルになります。



他のココ培地とちがい、CANNA COCO培地は、ココ繊維本来の硬質多孔構造がちゃんと保たれているので根がポットいっぱいに張っていれば毎日水やりできます。パーライトを混ぜる必要はありませんし、特別な理由がないかぎり、CANNA COCO培地を100%使うことを強くお勧めします。

ただし、水やりの間隔を短くするほど花や果実は大きく生長できるのですが、CANNA COCO培地であっても常に湿った状態で酸素が少ない状態がつづくと、植物それぞれ持つ風味、糖度、そしてビタミンやテルペンなどの栄養価が低下することがわかっています。つまり収穫物の品質が下がってしまいます。

開花期のCOCO栽培で、根に酸素を適度に吸収させて最大限の多収穫と高品質を保つには、培地重量が 50%重量になった時に水やりをします。確実に酸素を供給することができます。

  • CANNA COCO培地を使った栽培では、水やりは液体肥料を希釈した培養液を与えます。フラッシングの必要がない限り、水だけを与えることは避けてください。毎回、ポットの底からしっかり排水させます。(排水率20%以上 = 培地量の40%以上の培養液を与える)

  • 培養液を与える量が少な過ぎて、排水量が不十分だと、肥料焼けなど生育トラブルが起こりやすくなってしまうので、しっかり排水させてください。

  • 受け皿にたまった排水は、ためたままにはせず捨ててください。

CANNA COCO培地には、専用肥料のCanna Coco A/B 肥料がおすすめです。肥料は生長期と開花期共通の Canna Coco A/B 肥料 だけでOKなので、とてもシンプルで簡単なうえにCOCO培地のバッファリング剤としても機能します。

植物それぞれの風味や栄養成分の品質をさらにアップしたいときは、生長段階にあわせて 即効性の高いCANNAの活力剤シリーズである Canna Boost, PK13/14(使い過ぎに注意!), CannaZym, Rhizotonic がおすすめです。

また、季節が変わっても乾くタイミングはあまり変わらないように、乾きの遅い冬は6Lから10L程度の小さめのポット、夏に水やりの回数を減らしたい場合は、17L以上の大きめなポットを選択する、という工夫も手間なくおいしくたくさん収穫するコツです。