2025年9月1日月曜日

CANNA記事 一般的に利用されている園芸用微生物の種類と効果

 CANNA JAPAN オフィシャルサイトに新しい記事がアップされています。

一般的に利用されている園芸用微生物の種類と効果



植物と養分などのやりとりをしたり、免疫を強化して、互いにメリットをもたらす共生関係にある菌類、微生物、バクテリアを「園芸用微生物」とか「有用菌」とか「土着菌」とか、よびます。

キャナ・ジャパンのサイトでは、代表的な「園芸用微生物」として以下の3つが説明されています。

  1. 菌根菌 = 植物の根の内部や表面に共生し、根から糖分(炭素源)を受け取る代わりに、根が届かない土壌中に菌糸を広げて、リン酸や鉄、亜鉛などの固定化された栄養素を溶かして植物に供給します。特にリン酸の少ない環境でその効果が顕著です。


  2. トリコデルマ菌 = 糸状菌(カビ)の一種で、リン酸などの難溶性養分を有機酸によって可溶化する能力があり、さらに根腐れ菌などの病原菌に寄生したり、抗菌物質を分泌したりして病害を抑制します。


  3. 根粒菌 = マメ科植物の根と共生し、「根粒」と呼ばれるコブを形成します。その中でリゾビウム属などの細菌が空気中の窒素(N₂)をアンモニアに変えることで、植物がチッソ養分を得られるようになります。


日本の民間農法では、これらの植物の生育に有利な働きをする自然由来の有用微生物群を総称して『土着菌』と呼んでもいます。『土着菌』は、森林の落ち葉層や腐葉土に自然発生し、人の手を借りずとも有機物を分解し、生命の循環を支えています。

『土着菌』
に含まれる微生物には、

・細菌 (枯草菌や乳酸菌など)
・放線菌 (ストレプトマイセスやアクチノプラネス)
・カビ(糸状菌、コウジカビ、ムコールなど)
・酵母
・光合成細菌

などがあり、その中から特に、植物へのメリットが大きな菌や繁殖力が強い菌が選ばれて、農業用資材(ボカシ肥・堆肥スターターなど)として活用されています。

かつて日本では、トイレが水洗になる以前、下肥(しもごえ)や落ち葉などを活用し、ボカシ肥を中心とした自然循環型の農法でさまざまな作物を育ててきました。なので「園芸用微生物の利用が最先端の農業だ!」とか「バイオスティミュラントが熱い!」とか言われても、「何をいまさら・・・」とポカンな部分もあります。

しかしながら、肥料や農薬の使用を抑え、環境への負荷を軽減しながら、栄養価が高くおいしい農作物を効率よく収穫するためには、園芸用微生物(有用菌資材)の活用は現代でも大きな意味があります。

その土地の風土でずっと栽培されてきた伝統野菜などの固定品種は、微生物と切っても切れない強力な共生関係を築いているので、肥料をたくさん入れなくも毎年きちんと育って収穫ができます。

しかし、肥料成分が十分に得られるハイドロポニック栽培環境で育つ植物は、これら有用菌類の働きがなくても早く大きく育ち、たくさん花を咲かせることができます。とくに、品種改良されたF1品種の野菜や花苗は、根域微生物との付き合いが下手だといわれます。

ココ培地ポッティング・ミックス培土など有機質の培地では、微生物が定着しやすいのですが、とはいえ1年以内で収穫を終わらせる短期収穫が大前提なので、微生物を定着させる意味が薄くなる実情があります。

そのため、ハイドロポニカリーな栽培での園芸微生物資材とは、微生物そのものを繁殖させる目的ではなく、植物ホルモン・アミノ酸・菌体残渣(菌の死骸)・抗菌成分など、微生物の代謝副産物(ポストバイオティクス)を活用する目的が中心です。

ココ培地ポッティング・ミックス培土を問わず、すべての培地で、ピシウムなど根腐れ病が発生しやすくなるのは真夏だといわれますが、しかし実際には、病気が発生する前段階で水のやりすぎや培地の温度が高くなるなどが原因で、すでに根が酸素不足(酸欠)によって変色し始めているケースが非常に多いと言われています。
このため、微生物資材が手元になくても、季節に応じた栽培方法や環境のコントロール(温度・酸素供給・養液管理)を適切におこえば、多くの病害虫の発生は未然に防ぐことが可能です。

2025年8月20日水曜日

日本の最高気温更新! 2025年の酷暑を乗り切る

 「記録づくめの今年の夏」なんだそうです。とにかく暑い!
それにしても、これから夏が来るたびに「最高気温更新!」なんてことになりやしないかと心配です。

暑さにうんざりした心をリフレッシュするために、丹沢の山に足を運びました。往復20Kg歩くことになりましたが、河原にアクセスできるところで足を浸すと、歩き疲れてヨボヨボになった足があっという間に軽くなりました。



前の週に降ったゲリラ豪雨で、ところどころプチ土砂崩れが起きていましたが、小さな滝がたくさん出現していて、それはそれはキレイでした。


河原には、チョウカイアザミの群生がひろびろとした葉を広げて、色鮮やかな花を愛でることができました。もう半月もすれば、河原いちめんにこの花が満開になる様子がみられると思います。


鮮やかな赤い花が目を惹く「マルミノヤマゴボウ」が、あちらこちらで咲いていました。



大好きなハイゴケが、まるで雑草のように路肩や土留めブロックにはびこっていて、「室内で育てるとあれだけ苦労するのに、やっぱり植物は最適な環境でグイグイ繁殖するのだな」と改めて思い知らされました。



目的のユーシンブルーはダムの放流でみられませんでしたが、白い花崗岩でできた渓谷に流れる川の水は、どこで眺めても美しく鮮やかなブルーでした。



丹沢の渓谷とは対照的な日本科学未来館では、素敵なオブジェクトがありました。




どんなに酷暑が続こうと、もう2週間もすれば晩夏の気配が色濃くなります。















2025年7月31日木曜日

挿し木や幼苗をパワフルにサポートする「スーパースライブ」は開花期以降も強い味方!

「あっ! やっちまった!」ついうっかり苗を萎らせてしまったり、植え替えにミスって苗がしょぼんとしてしまったり・・・そんな時は100%安全原料の「SUPERthirve〜スーパースライブ〜」 が強い味方になります。



あらゆる植物の根を活発にして健康をたもつスーパースライブには、抗菌作用、根の伸長、ストレス耐性アップ効果のあるビタミンBが含まれているので培養液をクリーンに保ち根腐れ病を防ぐ効果があります。

スーパースライブは、わずかな量でも効果がでるので、世界中のスーパースライブ・ユーザーの中には、生長から収穫までをとおして、培養液 4L に対して スーパースライブ数滴を加えて与えつづけるハイドロポニック・グロワーもいるので、すべてのハイドロポニックシステムで開花期以降もスーパースライブを培養液にくわえて与え続けることをおすすめします。


スーパースライブに含まれるビタミンBが活力の高い根域をキープして、元気な植物を維持します。


2025年7月22日火曜日

循環 式システムGeminiで検証、CANNA ルートプラグの約4ヶ月後。

 CANNA ルートプラグで発根させたトマトの挿し木苗をロックウール・ポットに植え、循環式ハイドロシステムGeminiにセットしたのが、今年の2月末でした。

CANNA ROOTPLUGSは ロックウールポットへの定植も簡単!

CANNA ROOTPLUGS→ロックウールポット→循環ハイドロ・システムに植えるステップ


あれから約4ヶ月たちました。


 CANNA ルートプラグは、ココ培地100%の植物繊維でできた有機培地です。有機質の培地は、ハイドロポニック栽培との相性があまり良くないと思われがちですが・・・


ロックウール・ポットへの根張りもスムーズで相性が良く、力強く根が張り根量が増え、ハイドロポニック・システムで大きく速く生長させることができます。





2025年7月16日水曜日

THE 「コダヌキ」 of 2025

 ということで今年もちゃんと産まれていました、コダヌキども。緑地の坂道を全力で駆けまわっていたかと思えば、小鳥の水飲み場のためにつくったバードバスに足をつっこんで水浴びを始めたりと見ていて飽きません。

本当は4匹いますが、警戒心の強い子は父母タヌキにビッタリくっついて行動していて、なかなか姿を表しません。



この子はアップで見ると、渋い大人顔です。



兄弟なのに顔つきがまるで違います。この子は臆病ながら好奇心に勝てず、初対面となる私の姿をじっっっっと見ていました。


毎年6月から7月になるとタヌキの夫婦がコダヌキを連れて姿をあらわすので、多分4月〜5月ごろに生まれるのだと思います。ヤダケとヤブマメがワサワサしているところに天然のトンネルをこさえて暮らしています。


危険を感じると、このトンネルにスポンッと逃げ込み、数メートル離れたところから突然ズバッと姿を表します。


ワタシがはじめてコダヌキに気がついたのはつい数日前でしたが、今思えばネコたちは夜になると、窓から暗闇に包まれた緑地をジイーーーーッと見つめていました。「ずいぶん前からあいつらはいるぞ。何をいまさら驚いているんだ?」とでも言いたげです。


それでもコダヌキたちが奇声をあげて野原を駆けまわりはじめると、興味深くその様子を眺めています。



モワッとした梅雨時期あるある、ですが、観葉植物から突然生え広がるキノコ、「コガネキヌカラカサタケ」です。




ある日、とつぜんニョキニョキと生えてきて黄金色のカサを広げることから、幸運が訪れる縁起がよいキノコという人もいるそうです。毒があるので食べられませんが、みなみなさまに幸運が訪れますように。



2025年7月10日木曜日

CANNA COCO栽培で見るCANNAZYMの効果

挿し木で増やしたミニトマトを育ててきて約4カ月後、暑さもピークとなったので栽培を終了しました。


挿し木の取り方
CANNA ROOTPLUGS Review 〜楽勝! トマトの挿し木〜

発根した幼苗を植え還るステップ
CANNA COCO培地はパーライト不要。一番カンタンによく育ちコスパの良いココ培地!

AeroPot6Lと、CANNA COCO培地で育ててきたミニトマトは、4m以上大きく育ちました。撤収後、CANNA COCO培地に張った根の様子を観察してみました。


このミニトマトには、CANNA COCO A/B肥料と、酵素系活力剤CANNAZYM(キャナザイム)を与えていました。

ひとくちに「酵素」といっても、市販のすべての酵素系活力剤が、古い根を分解できる効果があるわけではありません。CANNAZYM(キャナザイム)には、ビタミン群や多肉エキスも含まれますが、本来の目的は、根腐れ病を起こすピシウムのエサとなる枯死した根を速やかに分解することです。

CANNAZYMの主要酵素群は、ペクチナーゼとセルラーゼです。この2種類を組み合わせると細胞壁全体を分解して、枯死した根の細胞に含まれていたミネラルや糖分を培地に放出できるので、植物はこれらを栄養分として再利用できるようになります。



大きく育つ植物を夏場に育てる場合は、AeroPotの6Lサイズではやや小さく培地が乾くスピードがとても早くなってしまうので、AeroPot10Lか17Lをおすすめいたします。

(一方で、培養液の水やり回数が増えることが苦でなければ、培地量が少ない方が培養液を与える回数が多くなり、酸素と養水分の吸収量が増えるので、花つきや実つきがよくなる傾向があります。ただし栽培環境が崩れると一気に萎れやすくなるので手間がかかかります。)





栽培終了後のCANNA COCO培地を切ってみました。培地内部まで細かい根でいっぱいです。パーライトなしでも、内部までビッシリ、ミッチリと健康的な白い根をキープできます。


蒸気殺菌処理をしていないCANNA COCO培地は、コヤシ繊維本来の多孔質構で固いスポンジ状のままなので、このフワフワ状態が長期間保たれます。

パーライトなんか混ぜなくても、4カ月の栽培期間 根腐れすることもありません。

むしろパーライトを混ぜてしまうと保水量がへってしまい肥料がムダになるだけでなく、根が張るテリトリーがへって収穫量も減ります。


CANNA COCO培地はとても簡単に再利用できるので、100% CANNA COCO培地だけを使うことをおすすめします。



ココ培地の再利用 – あなたが思うよりもカンタンで安全!







2025年7月4日金曜日

Advanced Bacto Force〜アドバンスド・バクトフォースの使い方〜

Advanced Bacto Force は有用バクテリア、酵素、糸状菌類を含む土壌改良剤で、ココ培地、ポッティング培土、土壌に加えて植物の耐病性を効果的に高めます。根の生長を助ける培土へと改善し、必須ミネラルの吸収性を高めるとともに余分な肥料塩類を取り除きます。

植物の根の発達を促進して安定した生長をサポートするだけてなく、ココ培地や培土にカルシウムをおぎないます。 



ということで、使い方ステップをご紹介します。

Advanced Bacto Force はポット10Lにつき 25g 使います。
30mlの計量カップにすり切り一杯が、ちょうど25gになるのでエアロポッ10Lに対して計量カップ1杯です。わかりやすいですね。


CANNA TERRAプロフェッショナル培土またはCANNA COCO培地などの有機培地を、10Lのエアロポットのふちから5cmくらい下まで、ギッチリと敷き詰めます。培地に空間ができると、根がしっかり伸びなくなるだけでなく、培地の保水量が低下してすぐ乾いてしまい培養液のロスがでるので、培地の表面を手でぎゅっとしっかり押さえてギッチリと詰めてください。



エアロポット10Lに対して計量カッ30mlいっぱいのAdvanced Bacto Force を培地の表面全体にまんべんなく、まきます。



その後 CANNA TERRAプロフェッショナル培土 や CANNA COCO培地を5cmほど足してエアロポット10Lをいっぱいにしたら、水を培地に与えて一日置きます。



翌日、CANNAルートプラグなどで育苗した幼苗を植えます。




仕上げに、ルート・スティミュレイターや CANNA Rhizotonic(オランダの発音でリゾトニックなどの根の有機活力剤を希釈した培養液を水やりすれば完了です。CANNA COCO培地の場合は、CANNA COCO A/B肥料も培養液に加えて与えます。



数日後、Advanced Bacto Force を入れた培地の表面に白くフワフワとした菌糸が発生することがありますが、有用微生物や糸状菌が活性化している証拠です。


2025年6月30日月曜日

収穫が2.5倍! Dysonのハイブリッド回転垂直栽培システム。

Dysonは自社の商業栽培施設において、LEDグロウライトと回転垂直型ハイドロポニックシステムを組み合わせ、いちごの生産を行っています。すでに収穫された作物は、イギリス国内のスーパーマーケットなどで販売されており、実用段階に入っています。



このプロジェクトは、ジェームズ・ダイソン氏が設立したDyson Farmingによる最新の取り組みであり、イングランド北部・リンカンシャー州カリントンにある26エーカー(約10.5ヘクタール)の大規模ガラスハウスで展開されています。

近隣に設置された嫌気性消化装置から供給される熱エネルギーとバイオガスを活用することで、冬季においても安定的かつ持続可能な栽培を実現しています。また、常時回転するタワー型の栽培システムにより、LED光が作物全体に均等に届く設計となっており、従来比で約2.5倍の収量向上がみこまれている・・・とのことです。すごいですねぇ・・・


広大な農地はうらやましい限りですが、まずは1mX1mの栽培スペースをきちんと極めることがミニマムなコストと手間でマックスな収穫への近道だと信じています。


ほんの数本のバラ苗とはいえ殺虫剤や農薬を使わずに育てることは、実に気苦労と手間ひまがかかります。それでも毎年のように小動物たちが庭を訪れてくれることに、何にも変えがたい豊かさを感じます。



風呂場の腰窓を開けたら、このアオダイショウの子供が目の前にいたのですが、「わぁ、ヘビだぁ!」と脳が認識するまで、たっぷり1分以上かかりました。





さてさて、やっと雨が降ったと思ったら、ザーザーぶりのゲリラ降雨。近頃の梅雨はもうずっとこんな感じです。「ガーデニング好きマダム」という生物の習性として、手当たり次第にバケツに雨水を溜めておこうとすることでしょう。ほんの数十リットルの水を溜めたところで、たった1〜2日で水やりで使っちまいますので、ボーフラがわく心配もありませんし。

しかし、雨水を溜めたバケツに昆虫がはまって溺れ死ぬ問題をなんとかしたい、とずっと思っていました。クワガタのメスもたくさんいますし最近ではタマムシもよく目にするようになり、虫たちの水難事故をなんとか防ぎたいとずっと思っていました。しかし浮力の高い割り箸とかは風で飛ばされてしまうんですよね。

そこで、ガーデニング好きマダムなら誰もが絶対に持てあましている「ポット・フィート」をバケツのフチに引っ掛けておくことにしました。



こうすれば、水に落ちた虫たちは自力で這い上がれます。極めて地味なオハナシではありますが、自宅にプールがある海外ではリスやカエルなどの小動物があやまってプールにはまって死んでしまう事例が非常に多く、「FrogLog」などの小動物用脱出スロープを設置する家庭が増えているそうです。






2025年6月26日木曜日

猛暑日になってもたくさん実るCANNA COCO栽培のミニトマト

 梅雨に突入したばかりなのに、35℃近くになる猛暑日がめずらしくありません。そのうえカラツユ気味な日が続いたせいで、早くも農作物がダメージを受けているという知らせも聞こえてきます。

そんなときでもCANNA COCO培地とCANNA COCO A/Bベース肥料のコンビネーションで育てているミニトマトたちは絶好調です。




100%ヤシガラ原料でできたCANNA COCO培地は、無数の小さな穴が空いた難分解性の硬いスポンジのような植物繊維でできているので、保水性が高く空気をたくさんキープできる肥料成分をふくまない有機培地です。




CANNA COCO培地の発売当時のキャッチコピーは、「次世代のロックウールでした。

毎年実るヤシの果実のカラが原料なので、地球環境にやさしく土にも還るうえ、厳密で正確な肥料設計で育てられます。つまりCANNA COCO培地は、有機栽培用培地ではなく、養液栽培専用培地として開発されました。CANNA COCO培地は、CANNA COCO A/B肥料と一緒に使ったとき、誰もがパーフェクトな肥料比率を植物に与えられるよう設計されています。

CANNA COCO A/B肥料は、CANNA COCO培地のバッファリング剤としても機能します。なのでこのコンビネーションで育てている限り、ココ培地にありがちなカルマグ欠乏症やカリウム過剰症状が起こらないよう設計されています。

CANNA COCO培地とCANNA COCO A/Bベース肥料のコンビネーションは、経験が少ないビギナーはもちろん、誰にとってもシンプルな栽培管理で、確実にちゃんと育てられるようデザインされています。