2026年10月9日金曜日

奇形のホップ・コーンと、LED栽培のレアプランツたち

ようやく秋晴れがつづくようになりました。今年の夏は、来る日も来る日も、あまりにも雨が降ったので、花たちに毎日かかさず水やりをする、という夏から秋のマスト・ルーティンをすっかり忘れていた今日この頃です。

チヌーク・ホップの収穫をしました。こんなにも毬花がいくつもくっついた奇形花を初めて見ました。


栽培専用LEDライトでアロカシアとビカクシダを管理するようになってから、皆様ぐんぐん育つようになったので、60W出力(120Wを50%に調光)のLEDライトを50cm下に下げて、ライト直下の一番高い葉面位置で、PPFD 約206 µmol/m²/sの光強度にしました。ライトから50cm直下のPPFDは 約206µmol/m²/s、同じ位置で50cm左右ずらした位置のPPFDが約158µmol/m²/sです。色温度は光合成効率の高い暖色系の白です。暖色系の白は、植物を鑑賞するにはあまり向きませんが、一番よく育つ色だと実感しています。


高性能な植物栽培用LEDライトは、壁面にあたって反射する光も考慮し、グロウスペース全体に光がバランスよくいきわたるように設計されています。

LEDチップから放射される光がどう拡散するかは、LEDチップを保護するする光学レンズやLEDチップの配置で決まります。たとえば光学レンズを装着している場合は、一般的な栽培用白色系LEDの場合、約120°の広い配光角を持つものが多いです。一次レンズには効率よく光を拡散させて消費電力を抑える役割もあります。

さらに一次レンズを二次レンズで覆うように装着するLEDは、光の進行方向や広がり方を制御し、照射対象に効率よく光を届けるよう設計されていることがあります。この二次レンズには90°〜150°など、さまざまな配光角の製品がありますが、120°以上の広角になると、広範囲をカバーできるように思えて、実際には光が栽培エリア外に飛んでしまいムダになる光量子が増えやすいと言われています。

LEDライトの配光バランスの良し悪しを視覚的に確認する方法のひとつが、植物を置いた状態で床面の明るさや、植物の影の出方を見てみることです。配光バランスが良く、さまざまな方向から光が届く環境では、植物の葉が重なっていても影が比較的薄くなり、床面にも光が届きやすくなります。つまり下の葉にもまんべんなく光がとどき、株全体の葉が均一にバランスよく生長して、横枝の花や果実も大きくなるということです。(ただし、床面の明るさはあくまで目安です。実際の光の均一性は植物の葉面におけるPPFD分布を計測することが確実です。)


暖色系の白、3400Kの色補正をするとこんな感じです。培地が軽くなったら、ハイドロポニック肥料の薄めの培養液をたっぷりと与えています。


植物育成LEDライトとハイドロポニック肥料でアロカシアやビカクシダを育てると、根がよく動いて増えるので生長スピードが加速します。まだ小さいうちは、最適な気温と湿度環境で、PPFDが100〜200 µmol/m²/sのあいだでよく育つようです。



PPFDメーターを持っていないので、分光照射メーターで計測した分光分布図と照度(ルクス)のデータをPPFDに変換してます。分光照射メーターは「その照明が、何色の光を、どれくらい出しているか」を示す、こんな画像です。


分光照射メーターで計測した分光分布図はこんな感じでした。今回使用しているLEDの仕様書の分光分布図と、まったくと同じです。光合成に有効な400nm〜780nmのブロードバンド・スペクトルをバランスよく放射する理想的な栽培用LEDです。



そして、同じ位置で計測した照度は11,400ルクスでした。ルクスからPPFDに換算する計算式はとても複雑です。


照度(ルクス)をPPFDに換算する方法は・・・

1. Lux→PPFD換算係数を求める

分光データから2種類の量を計算します。ひとつは、人間の視感度を考慮した照度に相当する量。もうひとつは、400~700 nmの光子数に相当する量です。この比率から、LED専用の換算係数 k が得られます。
k = PPFD / Lux
単位は、µmol/m²/s/lxです。相対分光分布を S(λ)、人間の明るさに対する標準感度を V(λ) とすると、波長をnmで扱う場合の計算式は次のようになります。
k = [10⁻³ × ∫(400~700) S(λ)λ dλ] / [683 × N_A × h × c × ∫(380~780) S(λ)V(λ) dλ]
ここで N_A はアボガドロ定数、h はプランク定数、c は光速です。この計算では、相対分光分布の倍率は分子・分母で打ち消し合うため、校正された相対スペクトルであれば、絶対放射照度がなくても換算係数を求められます。ただし、分光測定器の感度補正や測定範囲の制限による誤差は残ります。

2. LuxからPPFDを推定する

求めた係数をLuxに掛けるだけです。
PPFD = Lux × k
さらに、1日の照射時間を使えばDLI(1日に受け取る光の総量)も計算できます。
DLI = PPFD × 照射時間 × 0.0036


・・・はぁぁぁ? 何を言ってるんだか、サ・ツ・パ・リ・わかりません。

なので、そのLEDのメーカー仕様書にある分光分布図と、計測したルクスの数値をAIになげて「このLEDライトのPPFD換算係数を出して!!!」と頼めば、ルクスからPPFDに換算できる係数を教えてくれます。カンタン、カンタン!

ただし、数千円からお手頃な価格でGETできる照度計でもルクスを計測できますが、お手頃な照度計は人の目で感じる明るさ=緑色光を中心に測るので、正確なPPFD値に換算できないことが多いことに注意が必要です。

左の一番大きいのがビカクシダ・リドレイです。貯水葉の直径が11cmほどになり直径8cmのネットポットから貯水葉がはみ出してきましたので、来週もう一度培養液をあげたら板付けしてみようと思います。

3週間ほど前に到着した同一人物たちです。この時のリドレイは5〜6cmほどの大きさでした。みなさまスイッチが入ったかのように、結構なスピードで生長しています。



熱心な愛好家の方は、よくご存知だと思いますが、ビカクシダは赤色光(R)のほうが遠赤色光(FR)よりも多いとコンパクトに育つ、遠赤色光の方が多いと葉の一枚一枚が大きく早く広がる、と言われています。とくにR/FR比率が気になる方は、使用しているグロウライトの波長領域を正しく評価できる分光照射メーターは便利だと思います。

しかし、この2016年の研究では青、赤、遠赤の3色LEDでしかテストしていないので、もっと幅広いPAR領域を放射するLEDで育てたらどうなるのか?
光の色にこだわるよりも根張りを重視して、バランスの良い肥料、根の活力剤、古い根を分解する酵素活力剤と、保水性と通気性のよいココ培地で育てたら生長スピードや草姿がどうなるのか?
これからとても興味があります。

2026年9月28日月曜日

アロカシアとビカクシダ。高効率LEDにチェンジしました。

来る日も来る日も雨、あめ、雨です。

長雨のせいだからだと思うのですが、国道の中央分離帯では、飛んできたこぼれ種が発芽して、大きく育ったランタナだのバーベナだのが生き生きと花を咲かせていました。歩道のアスファルトのスキマから芽生えたトウモロコシは、3つの実が大きくなっていました。ましてや畑と道路をくぎる生垣には、キュウリのツルが畑を抜け出して、まるでクズのように大きく長く伸びていました。

例年であれば、とっくに水切れで枯れていたと思われる場所で、思いがけず野菜や花が育っているのをたくさん目にしました。


さて、アロカシアたちとビカクシダたちのハイドロポニカリー栽培が面白いほどよく育つので、LEDライトを30Wから120Wにチェンジしました。常温時でもPPF効率が>3μmol/Jほどにもなる脅威の高効率タイプの育成LEDなので90cm距離を保ち、さらにディムで光出力を50%に弱め120Wから60Wにしています。


草丈がさらにぐんと伸び、とても大きな葉が展開したヴェノム。



やっとヴェノムらしくなってきました。このヴェノムはCANNA COCOのラインナップで育ていますが自作の培養土よりも生長が早いです。


ヤシガラを粉砕して作られたココ培地は土ではありません。ココピート、ココ・コイアなどいろいろな名称で流通していて価格にも幅がありますが、安価なココ培地には浜辺の砂が付着していることが多く、そうとう水洗いしないと塩害で葉が茶色く焼けることが多々あります。そのようなココ培地は、水をたっぷりと張ったバケツで洗浄してみるとわかります。すすぎの時にバケツの底に砂が残ることがよくあります。

CANNA COCO培地は、海水をきちんと洗浄したのち清潔なコンクリートの上で最適な期間熟成して繊維を適度にやわらかくします。その後の生産ロットごとにバッファリング剤を調合し、カルシウムとマグネシウムで保肥性を復活させます。雑菌や雑草が混入する心配がないため、蒸気殺菌もしていないので、低EC値で清潔で発芽や挿し木用の培地にも使うことができるうえに、昨今の酷暑でも分解されにくく、約一年間はココ繊維特有の多孔質構造が保たれ、保水性と通気性が長くつづきます。






独特の赤い銅色の新葉がでてきたクプレア。成熟すると、葉が人の顔よりも大きくなり、草丈も置き場に困るほど大きくなるんですね。まだまだ幼苗です。




ビカクシダは、リドレイがグングンと育つ感が強かったのですが、200WLEDにチェンジしたらウイリンキーOMGの貯水葉が立ち上がってきました。シルバーリーフの品種は強い光が得意ではないと思ってましたが、きちんと反応を見ながら光強度を段階的に強くすると、思ったより早く生長してくれそうです。













2026年9月16日水曜日

レアプランツをハイドロポニカリーに育てる。アロカシアとドワーフたち

曇りがちな1日でしたが、夕暮れ時にすばらしい虹が出ました。何か、とってもいいことがありそうです。


さて、サトイモ科の観葉植物ほど、昭和の時代からインテリア・プランツとして貢献してきた植物はないのでしょうか?  サトイモ科は、とにかく耐陰性がつよく、たやすく増やすことができ、葉が長持ちして美しい・・・

昭和の頃からなじみぶかいサトイモ科といえば「ポトス」や「モンステラ」、植物園に足を運ぶようになってから、この2名は恐ろしく巨大化することを知りました。平成の頃から都内のオサレな園芸店で圧倒的な存在感を放っていた根上りのクッカバラやセロームもサトイモ科ですが、セロームを育てていて知ったのは、南関東では屋外で越冬できることでした。寒さで葉が落ちても5月ごろにはほぼ復活します。

そして世界的に空前の園芸ブームがつづき、ますます個性的な植物をもとめるようになった令和の現在、マニアを中心にサトイモ科のアロカシアの人気が高まっています。 半年ほど前に小さなプラグ苗を入手して育てているアロカシアたち。ヴェノム、バンビーノ、クプレア、テレタビーズ、サンデリアナがいます。


ほんの1週間ほど前からフルスペクトラムLEDの30WとCANNA COCO培地+ベース肥料で管理するようになりました。ハイドロポニカリーな栽培(養液栽培)です。


修正なしのフルスペクトラムのLED光はHPSランプににたオレンジ色ですが、青、黄緑、緑、赤色の波長を90°アングルで放射します。LEDは放射領域も大切ですが、LEDレンズの放射角度が90°であることも、とても大切です。120°の放射角度では光量子が広い範囲に拡散しすぎるため、90°と比較すると葉が受け取る光量子が少なくなり光合成効率が落ちるからです。


見やすい色調に編集した画像です。たった1週間でほぼすべての株に新葉があがってきました。



2名のヴェノムにも新しい葉が上がってきました。培養液の濃度は水道水のEC値含めて幼苗で上限0.6mS/cm、中苗で0.8〜1.0mS/cm、成熟した苗で上限が1.2mS/cmほどだそうです。微量要素を含めて必須肥料要素すべてがふくまれたハイドロポニック肥料の生長後期レシピが適しているようです。


そしてアロカシアと同じ環境で育てているのが、先週到着したビカクシダのドワーフたち。ハイドロポニックの培養液を与えています。



先週到着した頃のドワーフたち。


今朝の様子です。胞子葉がひとまわり大きくなりました。


また、葉が光に向かって立ち上がっているのもわかります。このように目に見えてわかる反応があると、観察するのがますます楽しくなります。




2026年9月14日月曜日

1年目のホップ苗 ヴィスタ初収穫です。

晩夏に草花の世話をしていると、バッタがどれだけ食いしん坊かわかります。こやつらがピョンピョンと飛び去ったあとの葉っぱにはたいがい大きな穴が空いています。




さて、定植1年目のホップ苗「ヴィスタ」。初収穫です。来年からは、もっと早く、もっと大きく収穫できると思いますが、ひとまず無事に大きく育ってくれて、非常にうれしいです。



毬花のアロマの強さは、根域の広さだとか株の成熟度に比例するので、定植一年目のヴィスタの球果はこれといった強い特徴はまだ感じられません。ただ、カスケードやチヌークのような強い柑橘系の香りは弱かったです。そして思ったよりも丈夫で、育てやすい品種だと感じました・・・というよりホップ自体がとても強靭な植物です。









2026年9月8日火曜日

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2026年9月2日水曜日

9月に入りました。ホップとアロカシアの様子

 坂道を歩いていると、花のよい香りがただってきました。紫色をしたクズの花がフサになって咲いているのです。手入れがされていない緑地や道路わきの木々のほとんどが、クズでおおわれているのを本当によく目にします。すべて駆除することを想像しただけで、軽いめまいがします。

その昔は田畑を耕す牛たちのエサとして重宝されていたそうですが、牛どころか畑もメキメキへっていく今となっては、ただの厄介者として扱われています。香りはとてもいいんですけどね。


8月は雨が多かったおかげで、ホップたちがグングン育ちました。とはいえ、水害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。


チヌークは、今年二番目の毬花が大きくなり始めています。


今年からそだてはじめたホップ「ヴィスタ」。プランターで育てている株はやっと毛花がでてきました。今まで育ててきたカスケード、チヌーク、センテニアルの毛花と大きく違う点は、ヴィスタの毛花はベロベロと伸びます。開花の遅さと伸びる毛花というヴィスタの特徴は、たまたま今年だけかもしれません。



9月に入ってから、突然花数がふえたハイビスカス「パープル・レインボー」。晩夏からたくさん咲く性質だそうです。


ネオンカラーをしたパープルレインボーの蕊柱(ずいちゅう)。花びらがブルーとパーブルのニュアンスカラーのなので、一層引き立ちます。蕊柱は雄シベと雌シベが一緒になって柱状をした部分だそうです。


さて、今月からアロカシアの室内栽培を本格的にスタートさせました。
品種はヴェノム、バンビーナ、テレタビーズなどなどです。


今年の5月、6月にGETしたときは、すべての苗が葉が1.5枚ほど、草丈は5cm程度でした。






これらの苗は手に入れてすぐに、スクエアポリポットS(1L)に、
にそれぞれ試験的に植えてから2ヶ月ほど15Wほどの弱いLEDバーで管理していました。
草丈は30cmほどまでグングンと伸び、葉かずも増えましたが、葉が大きく広がらないので光不足と判断し、昨日からフルスペクトラムLED30Wで管理を始めました。

このLEDは青と赤だけでなく黄色〜緑色光もふくまれたスペクトラムを放射します。光の波長とワット数は最適なのですが、アロカシアは光が強すぎると葉が焼けやすいので、ひとまず2〜3日は50cm以上はなして少しずつプラントのトップに近づけていこうと思います。


レア・プランツを短期間で大きく育てることには、たくさんのメリットがあります。幼苗期を短くし、十分な根量・根茎・葉数を持つ大きな株になるまで最短期間で育てることで、個々の小さな環境変化や栽培ミスに対する回復力が大きくできるだけでなく、高価な幼苗を長期間“トラブルに弱いコンディション”で管理するより、最初の数か月〜1年に光・温度・湿度・根域・肥料をしっかり最適化して、早く丈夫なサイズまで持っていく方が、長期的なリスクを下げやすくなります。


2026年8月18日火曜日

イヌビエ・・・ふたたび・・・とほほ。

千葉県において、水害による被害に遭われてしまった皆様に心よりお見舞い申し上げます。


思い返せば昨年の夏休みは、とにかくずーっと暑くて雨が降らず毎日植物に水やりをしてましたが、2026年今年の夏は、涼しくてたくさんの雨が降ったお盆休みとなりました。 

玄米を発芽させて(と思っていた)育てているバケツ稲ですが、「なんだか水稲にしてはおかしくない? 以前に育てていた時はこんなに草丈のびたっけ???」という、イヤァ〜な予感が的中し、気がつけば「イヌビエ」だったのでした。



いえ、玄米は確かに10粒ほど発芽していたのですが、カビ防止にかぶせておいた「モミガラ」にまざっていたタイヌビエが発芽して、いつの間にかグングン伸びてしまい、それを大切に大切に育てていたのです。タイヌビエがあまりにも丈夫なので、いっそタイヌビエをおいしくいただける食用に品種改良してしまえば、いいんではないのかと思いました。




自分のマヌケさに呆れながら「バケツヒエ」を撮影していると、緑地から親ダヌキがじっと私の様子を観察していました。今年は2匹生まれたようです。





一ヶ月ほど花瓶にさしっぱなしで、ずっと咲いていた秋色アジサイのフェアリーアイが発根していました。「また、アジサイが増えてしまうなぁ」と思いながら、ついつい挿し木にしてしまうんですよねぇ・・・


これは精油や香水のベースとして有名なパチュリの花です。さぞかし花は良い香りなんだろうなと開花を楽しみにしていましたが、いざ花が咲くとそれほど強い香りはしませんでした。ちぎった葉っぱのほうがむしろアロマを強く感じました。多年草ですが、耐寒性が低いので11月ごろから室内で管理しようと思います。



なつかしい植物に再会しました。「ミシマサイコ」です。生薬には根を使いますが、以前「ミシマサイコ」のタネをくださった方から葉っぱをパウダーにした物をいただいたことがありました。自律神経を整えて胃腸を整えたり、血圧を下げるなどよい効能があり高齢者の方から好評だそうです。



私が育てていたミシマサイコは3年目に長雨で蒸れて枯れてしまいましたが、秋になったらまた種蒔きしようかな?と思っています。




ミシマサイコの種子は、発芽率がとても低いことがよく知られていますが、6年前に発芽にチャレンジした時は、エアレーションした水に浸すことで、よく発芽しました。