2024年7月26日金曜日

酷暑のガーデニングの新常識! 有機マルチに「コイヤーマット」

話題のロカボ食もなんのその、このうえなくお米が大好きです。
普段は、手頃な価格の玄米30Kgを購入し、家庭用精米器で5分づきにしています。

ところが! いま店頭から玄米30Kgが姿を消しました。昨年の夏の酷暑と雨量不足が重なって米が不作となり、そこに外国人旅行者の日本食ブームも重なって、現在は米が品薄状態となっています。

毎年酷暑の夏が当たり前になってしまった今、せめて家庭菜園で少しでも野菜をまかないたいものですが、日中の気温があまりにも高くなりすぎると、朝晩2回水やりをしても苗が萎れてしまう! それでなくても暑くて何もする気にならないのに・・・

ということで今、生産者さんたちの間で大流行の有機マルチを家庭菜園でも試さない手はありません。有機マルチの資材として活用されているのは、生分解性のポリシートをはじめ、モミガラや緑肥の残さ、強者は伐採した竹を二つに割って地面に敷き詰める、などなど。
すべての有機マルチにおいて、根域の水分の蒸発を抑えられるだけでなく、雑草の抑制、土壌の微生物の活性化による改良効果と病原菌の抑制効果、そしてなにより、有機マルチをしていない時よりも手間なく収穫量が上がるそうです・・・が、モミガラだの竹だのは室内栽培にはハードルが高い!


ということで、有機マルチとしても鉢底ライナーとしても大活躍の「コイヤー・マット」新発売です。ヤシ繊維でできた有機質のシートなのでココ培地ポッティング培土との相性がとてもよいです。(水に浸りっぱなしでもECやpHの変化はほとんどありません。ロックウールの上に置くのもお勧めです。)





使用するポットやプランターに合わせてコイヤー・マットをカットして、ココ培地ポッティング培土などの有機培地のうえにかぶせておくと、培地の乾燥を抑えられます。同じ日に水やりをしたポッティング培土です。コイヤー・マットをカバーしたポッティング培土と、カバーしていないポッティング培土では、乾き方がこんなに違います。ランプの放射熱のストレスからも根を守ることができます。





難分解生のコイヤー・マットは、ゆっくりと分解されるので鉢底石のかわりにポット・ライナーとしても大活躍です。



上の写真の小さなビニールポットにココ培地をセットして、トマトの挿し木から発根した苗を植えました。数日後には、コイヤー・マットにも白い根がスクスクと伸びだしたので、収穫まで使うファイナル・ポットへ定植するタイミングでになりました。コイヤー・マットは有機繊維なので、土壌やファイナル・ポットにコイヤー・マットごと植えてしまうことができます。




たとえばお花屋さんなどで、たくさん苗を買った時などにもらうこともある、底がメッシュになった花カゴトレー。トレーの底にコイヤー・マットを敷いておけば、ポット苗をたくさん置いて水やりしても、鉢底から流れてしまう土をキャッチしてくれて、さらに根を蒸れや乾燥から守ってくれます。適度な水分と空気を保つことができる有機質の植物繊維ならではのメリットです。




インテリア・プランツとして楽しむコーデックス、多肉、ビカクシダなどお部屋をスタイリッシュに演出してくれるだけでなく、空間にうるおいも与えてくれるアーバン・ガーデニングが、大・大・大流行していますが、それはそれは非常にイラッとさせられてストレスになるのが鉢底からこぼれる土です。



あるいは、ベランダや軒下などのコンクリート敷きの上に置いたプランターの鉢底から、水やりやゲリラ豪雨のたびに流れ出る培養土は、キレイ好きのマダムをイライラMAXにさせることでしょう。


ポットやプランターの底一面に、鉢底石の代わりにコイヤー・マットを敷いておけば鉢底から流出する培養土ストレスから解放されます。ゲリラ豪雨にあたっても、鉢底石に比べると鉢底から培養土が流出しにくいので、土が減りません。

従来のココヤシマットよりも薄くて繊維が丈夫なので、カットや加工がしやすくピッチリとライニングしやすいのもおすすめな点です。





2024年7月19日金曜日

花をつけたプロテア挿し木苗とジャガイモの実

 なんとなく梅雨が開けました。太陽が雲に隠れた涼しい日々か終わるのかと思うと、晴れた日が恨めしくも感じます。


ラベンダーの花にめずらしいハナアブがやってきました。お尻だけ青いシマシマの「ヘリヒラタアブ」だそうです。全身が青いブルービーほどは珍しくありませんが、このハナアブを目にするとなんとなく良いことがありそうな気がして、うれしくなります。



これも、ちょっと珍しいできごとです。ジャガイモの果実です。紫色のジャガイモ「シャドークィーン」の花が、実をつけました。




2年前にGETした「プロテア・ホワイトレペンス」の苗が、今年初めてツボミを上げました。開花が楽しみです。入手した当時は、ほんの15cm足らずの挿し木苗でした。思ったよりも生長が早く、うれしいかぎりです。


今年3つ目の花をつけたキング・プロテアです。咲き終わったツボミは、早めにカットした方が次の花が早く大きく咲くようです。


2024年7月5日金曜日

アドバンスド・カルマグ新発売です。

 日本の軟水の強い味方、Advanced CalMag 新発売です。

カルシウムとマグネシウムの含有量が少ない日本の一般的な水道の平均のEC値は0.2mS/cmです。欧米のハイドロポニックメーカーが基準としているEC値0.4にするには、Advanced CalMag を2,000倍希釈(=水道水1Lに対してAdvanced CalMag 0.5ml )で使用します。



EC値がゼロになるROウォーターを使う場合は、Advanced CalMag を1,000倍希釈(=水道水1Lに対してAdvanced CalMag 1ml )で使用するとちょうど良いです。






欧米のハイドロポニック肥料メーカーがこぞってカル・マグ活力剤をリリースしている大きな理由は3つあります。

ひとつめはハイドロポニック・システム栽培よりもCOCO栽培がさかんになってきたことです。きちんとバッファリング処理がされていないヤシガラ培地は、過剰なカリウムをはじめ余分な塩類の含有量が多く、カルシウムとマグネシウムが欠乏しやすくなります。また、人によってはヤシガラ培地専用ではないベース肥料を使うケースもたくさんあるため、不足しやすいカル・マグのサプリメントへのニーズが高まったわけです。

また、CANNA COCO培地とCOCO  A/Bベース肥料など高品質な培地とCOCO培地専用肥料をつかっているかぎりカル・マグ活力剤は必要ないですが、使用した方が根の活着が良くなるのは確かです。

ふたつめは、世界の水道水事情です。
海外では、日本のようにクリーンで軟水の水道水に恵まれてない国や地域の方が圧倒的に多く、特に大陸の内陸部では石けんが泡立たないほど硬度が高い地域もたくさんあります。そのような水しかハイドロポニック栽培に使えない場合は、水道水をROフィルターに通してミネラルを全部フィルタリングしてEC値ゼロの純水にしてから培養液を作るのですが、すると今度はカルシウムとマグネシウムの欠乏症がでてしまうのです。ピュアな水ほどよいわけでもなく、EC値を0.4にしてからベース肥料を希釈して培養液を作るニーズが高まったのです。

みっつめは、LEDライトでの栽培はカル・マグ欠乏症を起こしやすいからです。ピンポイントで狭い範囲に強い光を照射するLEDレンズの光は、葉緑素の消耗がはげしくなります。葉緑素の中心となるミネラルはマグネシウムなので、LEDライトの強い光に負けずに光合成をたくさんしてもらうためにはマグネシウムの補給が欠かせません。また、LEDライトは赤外線をあまり放射しないため、太陽やHPSライトの熱をともなう光のように葉の温度が上昇しないので、結果的にカルシウムが欠乏しやすくなります。

このような複合的なニーズから、カル・マグ活力剤がリリースされています。




2024年6月21日金曜日

UV-A近紫外線ブラックライトLEDで、無農薬栽培のバラみごと回復

今年もブッドレアが咲きました。アゲハ蝶、モンシロチョウ、いろいろな蝶々がこの花の蜜を吸いにやってきます。


今年初めてカシグルミが実りました。クルミの木は思いのほか生長が早く、定期的に主幹を切り戻して低樹高で育てようと思います。



さて,植物の性質として花を咲かせる生殖生長(開花期)に入ると、花や果実に養分のほとんどを使ってしまうので根の生長が止まります。そのため、花が咲き終わると、必ずと言っていいほど黒星病が出て多くの葉を失います。しかし、ハナバチたちをこよなく愛する私としては、意地でもバラを無農薬で育てたいので、新しい葉っぱや根の生長を促進しつつ、葉っぱのカビ病を殺菌できる(と言われている)紫外線を活用することにしました。




380nm付近を中心とした、いわゆるブラックライトの光は紫外線A波とも呼ばれる近紫外線のUV-Aが多く含まれ、植物に対しては、「徒長抑制、抗酸化成分の増加  コンパクト化。クチクラ層を肥大させ葉を厚くしてカビ病の侵入を防ぐ。UV-Bよりも安全に免疫を強化させる」といった効果があります。






雨ざらしでもへっちゃらで、しかも太陽光でバッテリーをチャージできるガーデンソーラーLEDライトですが、日本では手頃な価格のブラックライトソーラーLEDがなかなか見つかりませんでしたが、ハロウィンがさかんな海外諸国では、蛍光色のデコレーションを際立たせるためにブラックライトLEDがたくさん流通していました。


このブラックライトLEDは、日没後センサーで点灯します。そうとう怪しい光景になりますが、その効果は期待以上でした。ブラックライトの光が照射されている茎から新芽がたくさん出てきたのです。



このバラは今月はじめのブラックティーローズです。シーズンスタートの大切な時期に新芽のすべてをバラゾウムシにくわれ、花が一つしか咲きませんでした。葉数が少なくなりすぎると苗自体がダメになってしまうので、ブラックライトLEDを当ててみました。


日没後にブラックライトLEDを照射するようになってから数週間で、ここまで復活し、花芽がスプレー状につきました。バラゾウムシが減る時期でもありますが、正直ここまで回復するとは思っていませんでした。日没後のブラックライト自動点灯で、紫外線の効果と日照時間の延長のダブル効果が出たのだと思います。



近紫外線の波長を放射するブラックライトがバラの生長促進に有効なのではないか、と思った理由はアフリカのケニアで生産される農作物の品質の高さです。アフリカのケニアは、赤道直下で昼夜の長さがほぼ同じ12時間となり、昼夜の寒暖差が10℃以上です。また、標高が1800m以上になるエリアに生産地が多く、平地に比べると紫外線が10%強くなります。

日照時間の長さ、昼夜の寒暖差、そして紫外線の強さなどの好条件で、ケニアで生産される農産物、特にニエリ地区のコーヒー豆は世界に類を見ないほど味と香りのクオリティーが高いうえに、健康に良いポリフェノールを豊富に含むので大変注目されています。以前には、ニエリ地区のコーヒー豆が全く買えなくなるほど人気が高騰しました。実際、ケニアのコーヒーを愛飲していますが、生豆には驚くほど欠点豆が少なくピッキングの手間がほとんどかかりません

そしてケニアのコーヒーと同じく、品質の高さで世界中で高い人気となっている農産物が、バラの切り花、ケニア・ローズです。日照時間が長く紫外線の強いケニアで育つバラは、太い茎と照りと厚みがある葉、独特のうつくしい色に育ちます。完全無農薬栽培で育てれば、美容サプリや美白コスメにできるほど豊富にファイトケミカルを含んでいるのではないかと思います。



(ところでアジサイに一番安い食酢を100倍希釈くらいで水やりしていたら、花弁の色がより鮮やかになりました)



近紫外線に対する植物の反応は、植物の種類、生長段階などで大きく変わるので活用方法はまだ確立されていませんので、光周性の反応に注意が必要ですが、例えば病害虫に弱い苗の段階や、カビ病に弱い葉ものやブドウなどフルーツの家庭菜園で近紫外線を当てれば、徒長防止、免疫力アップ、カビ病の予防、抗酸化成分やビタミンなどの栄養価がアップするなど、メリットは少なくないと思います。

2024年6月11日火曜日

香港 – アーバン・ファームを備えたコンドミニアムで「ファームトゥテーブル」の実践

 香港で話題となった究極の「地産地消マンション」では、CANNAの肥料、活力剤、培地が採用されています。



 

レタスやハーブなどの葉もの野菜は、CANNA AQUA肥料CANNA RHIZOTONICと垂直型ハイドロポニック・システムのコンビネーションで栽培されてます。 



栽培期間が長く、栽培難易度が高い果菜類は CANNA COCO肥料と培地が採用され、高い安全性と安定した生産性を確保しています。



スター・プロパティーズが手がけたな都市開発プロジェクト「アフター・ザ・レイン(ATR)」コンドミニアムで生産されたフレッシュで安全な農作物は、ATRの居住者たちに提供されています。


 



 


2024年5月31日金曜日

キング・プロテアの開花とブルベリーの収穫


 


育てはじめてから今年で3年目のキング・プロテア。今年は主茎が3本になりツボミも3つつきました。一本の茎からはひとつの花しか咲きません。そして生長がとてもおそい植物なので、一年に一本しか茎が増えません・・・いまのところ。


サザンハイブッシュ系のブルーベリーの果実が熟しはじめました。ブルーベリーの果実は、ひとつひとつ甘く熟すタイミングが違うので色づいた実をすべて収穫してしまうと、まだスッパイ果実もあります。触ると簡単にポロッと取れる果実は甘く熟していますが、ひっぱらないと取れない果実は未完熟です。





バラの開花ピークが終われば、次はアジサイの開花シーズンです。毎年咲くたびに花色に見惚れてしまうハイドロランジア「アムステルダム」。秋色アジサイになる品種です。かれこれ3年以上たいした手入れも植えかえもしていませんが、たまに肥料を与えるだけで見事に咲いてくれます。




本当にアジサイが大好きなのですが植える場所がもうないので、これ以上増やさないためにも「最優秀賞受賞のアジサイ」だの「殿堂アジサイ」だの「新品種アジサイ」だの「日本人育種家のアジサイ」などのキーワードを検索しないことにしました。ということで「はじめて育てるならレアで個性的なアジサイ」と思うマダムは、このキーワードで画像検索することをお勧めします。

2024年5月24日金曜日

4年ぶりの花菜ガーデンと、土壌を鮮やかに守るリビングマルチたち

花菜ガーデンを訪れるのは4年ぶりです。



バラのアーチは「お見事!」のひとことにつきます。



カップ咲きのつるバラ「ポンポネッラ」。ウチでも育てていますが、病害虫だけでなく半日陰にも強く育てやすいうえ、コロンとした小さめの花が房咲きでこぼれんばかりに咲きます。しかも、同じカップ咲きのイングリッシュローズとはちがい、花持ちがとてもよいので毎朝あわてて散りそうな花をカットしまくるという手間もかかりません。コロコロとうつむき加減で咲くので、高めのアーチで誘引して仕立てると、花の形がものすごく引き立ち、うらやましがられます。




マダムに大人気のイングリッシュ・ボーダーガーデン。トライしてみて実感するのは「気を抜くと雑草に占領されて手抜きがバレる庭」ということです。



そびえ立つ「エキウム・ウィルドプレッティ」


このブルーの花もエキウムです。


同じエキウムでも、まるっきり別世界のフォルムの花を咲かせます。



ところで今年もそびえ立ちはじめたホワイトセージの花茎たち。



となりの桃の木と一体化してしまいました。ちなみに花茎が長く伸びはじめる今頃からアロマがぐんぐん強くなります。水やりの時、着ているものが葉っぱにフワッとふれただけで「ホワイトセージの近くに行ったね!」と気が付かれるほどです。



育てはじめてから、かれこれ13年目になるカスケード・ホップとチヌーク・ホップ。毛花がではじめました。昨年は酷暑で立ち枯れしてしまったので、今年はしっかり水やりをしたいと思います。




酷暑が当たり前となってしまった夏。地温の上昇を抑えて、土壌をフカフカ、肥沃にして作物や庭の花々を高温や渇水から守ってくれるのが「リビング・マルチ-生きた被覆植物」です。大木が伐採されて、すっかり日当たりがよくなった斜面ですが、土をむき出しのままにしておくと、風の強い日には部屋の床中が砂だらけでザラザラになってしまうので窓を開けられなくなります。
緑肥で地面をおおうために、昨年の秋に「フラックスフラワー」、今年の2月ごろに「クリムゾン・クローバー」「ハゼリソウ」の種を撒いたところ、3ヶ月ほどですべて花をつけはじめました。


イチゴのような赤くかわいいクリムゾン・クローバーの花は、秋になるまで咲かないと思っていたので、たった3ヶ月でいっせいに咲きはじめてくれて、非常に幸せです。



ハゼリソウ「アンジェリア」は2月に種まきしてから、たった3ヶ月で紫色のかわいい花を群生で咲かせはじめました。一面に花が咲くだけでなく、アメリカセンダングサ、ヤブガラシ、クズ、ヘクソカズラなど手強い雑草たちを見事に抑えてくれています。



緑肥や牧草などに使われる植物で土壌をおおうリビング・マルチは、根で土を耕してくれたり、チッ素を固定して土壌を豊かにしてくれるだけでなく、雑草よけになるので草むしりなどの手間も不要で、花が咲けば昆虫たちの蜜源になったり、虫が集まれば益虫の狩場になって育てている花木の害虫も食べてくれて農薬もいらなくなるし、根が深く張るので土の排水性を高めながら土壌をホールドするので、土の流出を防いで斜面崩壊から家屋を守ってくれたり、35℃ごえの酷暑でも地温を24℃ほどに涼しく保ってくれて花木や作物を高温から守ってくれたり、秋になれば種が野鳥や野生の小動物の食糧になったりとメリットは数え切れません。


ただ、惜しむらくは緑肥のほとんどが一年草なので、毎年種を蒔き続けなくてはなりません。
ということで、マメ科の宿根草「クラウン・ベッチ」なら、日当たりさえよければ、毎春から小型のエンドウ豆のような葉つるをグングンと伸ばしはじめ、ものすごい繁殖力で空気中のチッ素を固定しながら雑草も抑えてくれます。しかも、ピンクのかわいい花がたくさん咲きます。

コスパ最重視でリビング・マルチの恩恵にあずかりたい人には「クラウン・ベッチ」がピッタリです。