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2019年12月4日水曜日

師走の根菜栽培と 匠のシクラメン

毎年9月をすぎたら、あっという間に年末! と感じるのですが、いよいよ12月に突入しました。その年のしめくくりとなる12月は、お世話になった方々へお贈りするお花選びが恒例となっています。

今年選んだお花のうちのひとつは、千葉県成田市の大栄花園さんがおつくりになったシクラメン「プリマ・ドンナ ゴールド」です。





























19世紀ヨーロッパのマドモワゼルを彷彿とさせるフリルと色彩に、しばしウットリと魅入ってしまい、差し上げるのが惜しくなる前に先方へお届けしました。




























さて、固定種の大根どもは順調に育っていますが、雨降りがつづいて間引きがおろそかになり、どこから手をつけていいのか、わからない状態に。



















生長がおそい苗を間引きするうちに、冬越しの準備にはいるテントウムシをめっけました。ここにも・・・あそこにも。





























これは、バブリング・プライマーで発芽させたヒヨコ豆どもです。発芽直後は、ナメクジに食われましたが、それを乗り越えた苗は順調に育っています。

























ハトウガラシを収穫するために蒔いた「伏見甘長トウガラシ」でしたが、順調に実っています。収穫せずそままにしておき、落ちた種が来年たくさん芽生えることを期待しています。 落ちた種から勝手に育つ苗は、親株がその土壌にすでに順応しているので、手間いらずで収穫できることに、味をしめているのです。







ついうっかり収穫しわすれていたジャガイモは、いつしか種イモとなり、年々なんにもしなくても大きく生え広がっていきます。使い終わったココ培地や炭酸カルシウムをたまにバラバラと撒くくらいで、世話らしい世話はまったくしてません。




















「ズボラ家庭菜園」の強力な助っ人となってくれるのがクローバーやオーツなどの「緑肥」です。今回は、土壌中に豊富な糖分をおぎなってくれる「ソルゴー」も蒔いてみました。



















間引きの宿題を放置してしまった「ミヤマコカブ」。土がまだ湿ってやわらかいうちに、間引き作業を済ませたいと思います。




2018年11月22日木曜日

不耕起+無肥料栽培の打木源助大根の収穫とグリーンLEDの効果

タネを土壌に直播してから70日を過ぎ、古い葉っぱがクタッと伏せてきたので、そろそろ収穫の時期を迎えた「打木源助大根」です。


















日没後にセンサーで数時間点灯するグリーンLEDスポットライトに照らされ、スクスクでかく育っていた源助大根と、グリーンLEDの光があまりあたらない源助大根を抜いて比較してみました。


























右側のでかく育った方がグリーンLEDに照らされていた源助さんです。

















引っこ抜いた瞬間に「うわぁ〜、こんなに大きさがちがうぅぅ〜」と思わず声をあげてしまうほどに、大きさに差がでました。ちなみに、いずれも株間は同じだけ空けました。「とにかく大根は、発芽してからの間引き作業が命!」をキモに銘じ、葉っぱがふれあった時点で、弱い苗を引っこ抜きまくったのです。

とはいえ、たった一度の結果では、この大きさの差が、個体差による結果なのか、グリーンLEDの効果なのか、については、なにひとつ断言などできません。さらにグリーンLEDソーラーライトの光に強く照らされる苗にしか、生長促進効果がないようなので「一株につきライトひとつ用意するってのは、割高だよなぁ・・・」と当然感じます。


ただ、夜間の緑色の光で産卵しなくなるという蝶々や蛾のイモムシは、すべての大根の苗に一匹もつきませんでした(バッタには、ムカつくほど葉っぱを食べられましたが)。



そして、収穫した野菜を味わう瞬間は、とても気分がいいものです。はたして不耕起+無肥料栽培、さらに在来種の大根「打木源助大根」は、どんな味がするのか???




















それはそれはジューシーで、自然な甘みと風味がおいしかったです。こんな素直な味の大根を食べたのは、あの時以来でした・・・・その昔「野口種苗」さんの講演会で、固定種のタネを「不耕起 + 無肥料栽培」なさっている生産者の方が、穫れた大根やニンジンなどを会場でふるまってくださった時です。


















今回のテーマは、「ズボラで飽きっぽく、手間をかける時間もあまりない私が、露地栽培するのなら、地面に直播きしても勝手にたくさん発芽するうえに、トラブルなく丈夫にたくさん育って、しかも極上のうまさをもつ野菜が収穫できる。もし収穫しそこなって花を咲かせてしまっても落ちたタネで同じ品種が生えてくる。」を実現すべくチョイスした品種やライトを使ってみた結果です。

大根と同時期に、緑肥として種まきしたクローバーは、大根の苗の葉っぱにふれたものだけをバシバシ引っこ抜いて、肥料として大根の株元に置いていく・・・ということをやってみましたが、これが大根にとってどこまでプラスとなったのかは、正直よくわかりません。ただ、モンシロチョウはクローバーばかりにタマゴを産みつけていたので、少なくともバンカープランツして役立ってくれてました。

ということで、「ただひたすら、葉がふれあったら苗を間引いていけば、まちがいなく収穫までこぎつけられる」成功率が高い在来品種の不耕起+無肥料+無農薬栽培栽培は、多忙な現代人のガーデニングにとてもオススメです。




ただし、土とか虫とかミミズとかが、どうしてもダメな人にはやっぱり「室内+ハイドロポニカリーな栽培」がベストです。


2016年10月20日木曜日

収穫の秋と、欧州の庭を変えた日本の原種

カボチャの大変良いところは、ある程度の広い地面さえあれば、テキトーにペロペロッと種をまいても、秋にはほぼ確実に収穫ができるところです。

ということで、収穫できました。ヘチマかぼちゃです。


















「スクナかぼちゃ」が本名で、岐阜県高山市丹生川地域で昔から育てられてきた、珍しいカタチをしたかぼちゃです(これはロングかぼちゃという名前で種が売られていました)。地面いっぱいにモリモリと 葉とツルをのばして、実が大きくなってきたころから、「これ、ヘチマでしょ?」、または、その見た目から「これ食べられるの?」とよくたずねられました。
はたしてその味は・・・・ほんっっっとうにオイシイ!!! ホックホクしていながら果肉がしまっていて、とてもあまくオイシイかぼちゃです。
煮くずれることもなさそうで、煮物でもテンプ〜ラ〜でも、半分に割って数分レンジでチンしてからチーズとベーコンの細切りをのせてオーブンでこんがりと焼いても、普通のかぼちゃ同じように調理してオイしく食べられます。

これは在来種なので、たんまりと残った種を大切にとっておいて、また来年蒔こうと思います。



ということで、在来種、固定種というのは、非常に長い年月をかけて交配と選別をくりかえし、その土地と気候に最適な性質をもつ遺伝子が確立された品種をさします。

それとともに、大昔からその土地に存在する植物やその種類を「固有種」ともいうそうですが、先日訪れたシーボルト展を通して、日本は固有種天国だったことを知りました!


























シーボルトが日本を訪れた19世紀当時、ヨーロッパの庭は多様性に乏しく、ユリやアジサイをはじめ、さまざまな固有種に恵まれた日本の植物たちを生きたまま持ち帰ったそうです。ユリやアジサイ以外にも、日本固有だった「ギボウシ」は耐陰性が高く「日当たりの悪い庭の救世主」として今日のヨーロッパでも大変重宝されているそうです。

日本の固有種の数は、日本とほぼ同じ面積を持つドイツで約2,600種に対して日本は約7,500種に及ぶそうです。そのなかの約2,600種は日本にしか分布していない植物もあり、来日したシーボルトは、日本の植物の多様性にハマってしまったそうです。




















ちなみに、東京科学博物館で開催されていたシーボルト展に伺いましたが、常設もまた大変面白いものがありました。
日本の人口累計は、約1億5千万年前の縄文時代からカウントして平成の現在で約5億人だそうです。今日の日本の人口が約1億2千万人ということを考えると、昭和からの人口が全体の25%を占めるという、ものすごいものがあります・・・今日の人口密集地の住宅事情のきびしさにもナットク・・・

























日本の地層の展示にあった北海道のピート レイヤー=泥炭層の高位ピートの様子。長繊維で保水性と酸度が高く、色が白っぽいホワイトピートとされる層です。







2012年8月7日火曜日

固定種の強さ! うかつに撒いても・・・

いつものように、プラプラと趣味の散歩を楽しんでいると・・・めっけてしまいました、「もちあわ」が生えています。

え〜? どこどこ〜? と思ってしまうほど、非常に雑草っぽい粟です。











これが、「もちあわ」です。

このプラントは、まだ出穂(しゅっすい)していない、ステップ1状態です。










ステップ2になると、「こんにちは〜」とでもいいたげに、穂がお出ましになります。

粟(あわ)もイネ科なので、育ちかたが水稲とそっくりです。

でで〜んっっっ、と見事な穂がでた、ステップ3状態の「もちあわ」です。

これだけでかい穂がでてると、さすがに雑草っぽさは、もうあまりありません。むしろ「作物」っぽさ満点のみごとな穂です。









穂が重たすぎるのか、地面をはうようにのびて、トップから登熟しはじめた「もちあわ」の穂です。穂のトップ部分は、カメムシにたべられてしまっているので、脱穀後の穂のようにスッカスカになってます。




らせん状にさいた花が次々に結実して、つぶつぶの粟(あわ)になっていきます。

「もちあわ」は、粟の中でも甘みが強くて、モチモチとした食感のYummyな粟なので、とっても人気があります。













それにしても、私たちはなぜ「もちあわ」だと、すぐに分かったのでしょう・・・?



理由はカンタン!
昨年の秋、このあたりに「もちあわ」のタネを落として、ばらまいてしまったからです。

ま〜さ〜か〜、芽がでてこんなりっぱな穂ができてるとは、思わなんだ!!! というわけです。粟はカメムシがよってきてしまうので、水田ではひたすら駆除せねばならぬそうですが、この畑は現在休耕中なので、残してくれているご様子です。



ちなみに、この「もちあわ」は、バリバリ?の固定種です。数年前のアースディでGETしました。静岡で固定種/在来種の野菜のタネを販売してらっさる浜名農園さんの「もちあわ」でした。
http://www2.tokai.or.jp/waka3/engei/mebukiya/top.htm


タネを買ったあとにすぐ、この「もちあわ」をプランターでそだててみましたが、密植しすぎたのか、こんなに大きな穂にはなりませんでした。
http://desktopfarmer.blogspot.jp/2011/09/de-urban-garden.html


プランターに実る、ささやかな「もちあわ」の穂・・・








野良にそだった「もちあわ」は、プランター栽培の3倍以上の大きさです。










「浜名農園」さんのモチアワ種子のパッケージに書かれていた

「一粒万倍」

というステキすぎるキャッチフレーズのとおりでした〜!




2011年6月20日月曜日

あやかりたい、トマトたちの生命力

ここ数年で、春から夏にかけて、おウチでトマトを育てる方がさらにドンドンふえてきてるようです。

トマトをおウチで育てる魅力といえば、まず「穫れたての完熟トマトが味わえる!」ことかなと思いますが、トマトのホビーガーデニングがここまで定着できたのは、なんといっても「トマト自体が生命力がつよくて、育てやすい」ことも大きいと思います。

今年の春に、F1品種ミニトマト「千果」の挿し木をついうっかり、地面に植えてみました。

「枯れてもいいかな」くらいの気持ちで植えつけてしまいましたが、現在はもうこんなことになっています。











花も咲いて、実が房なりになってます。

トマトは根っこが強いので、地面に植えても根っこが勝手にたくましく張ってドンドン花も咲くようです。
「じゃあ、カワいいトマトたちのためにワザワザ肥料だの培養土だのプランターだの買いそろえた意味はなっだったんだ!!!」
とも思いますが、トマトは毎年同じ場所で育てられない「連作障害」を起こしやすい植物なので、栽培スペースが広くないのなら、やっぱしプランター栽培のほうが毎年安定した収穫を楽しめます。






つづいて、半ゲリラ栽培的なトマトの様子です。
ウラの空き地スペースに落ちた実から見事発芽しまくったトマトを見つけました。














ミニトマトの「千果」をポイッと投げておいたら、ワサワサと発芽してきています。
トマトのフタバは特徴があるので、種から実生で育てたことのあるヒトなら、すぐにわかると思います。















悲しいかな、このトマトたちは「千果」のF2品種ということになるので、実つき、味、ともにミゴトに親とは正反対となると思います。一代交配のF1品種は両親のイイトコ取りですが、そのコドモのF2品種は劣性遺伝子が強くでるので、このようなことになります。

植物の品種とは? については、過去こちらでちょこっと触れました。
http://desktopfarmer.blogspot.com/2010/04/2.html
もっと詳しく知りたいヒトは、このブログでも何度かご紹介している「野口種苗」さんのサイトを是非見てください。ヤサイの品種の問題は、私たちの生活にとてもとても大きく密着している問題があったりします。

それでも、これを毎年繁殖させて、F1品種の特徴がよくでた苗だけをピックアップして、その実の種だけを蒔いて、F4、F5、F6・・・と根気よく育てていけば、めでたく「固定種」となることもあるそうです。いったん「固定種」になっちまえば、まいた種がゼンブ親ソ・ツ・ク・リに育つので、自家採種もできるし新しく種を買う必要もなくなります。
ただ、手間も時間もスペースもたっっっくさんいるので、「よし! やってみよう!!!」という気には、なかなかなれないのが悲しいところです。



そしてコリもせずに、また桃太郎ヨークから「Crazy Tomatoe」を育ててしまいました。















今回はフタバがきれいに展開しています。これもF2ってことになります。














ミニトマトの「千果」があまりにもオイシいので、ついつい大玉タイプの「桃太郎ヨーク」の収穫を怠った結果です。

2010年9月6日月曜日

ミツバチ・フォーエバー!!

早朝のミツバチたちが、ポーチュラカの花に夢中でした。

ポーチュラカは、ひとつの株にいろんな色の花が咲いてくれるし、じょうぶだし、土にさせば簡単にふえてくれるし、ズボラなワタシにはつよい味方です。














足にガッツリと「花粉だんご」をひっつけたミツバチ。太い足がかわいく見えるのって,死ぬほどウラヤマしいんですが。
















ところで



現在スーパーに行ってGETできるヤサイたちは、遺伝子に異常を起こさせて花粉をださなくなったプラントを配合させてつくった「F1品種」も少なくないそうです。昔の交配方法は、雌雄同種のプラントの花のツボミから花粉をぬきとって雄性がない状態にして、異品種と交配させてF1をつくってたので、もちろん遺伝子は正常だったそうです。

で、日本古来のヤサイの種を守りつづけている野口種苗さん
「現在生産されている、ほとんどのヤサイたちが雄性不稔の異常遺伝子をもつF1品種であることと、雄性不稔のオスミツバチが増えてきて女王バチがタマゴを産まなくなったことと無関係ではないかもしれない」
と心配されていました。


「ヒトのものが、よく見えちゃうタチのハチ」

どこの世界もおんなじですね。













野口種苗さんは、雌雄不稔のF1ヤサイとミツバチ減少の因果関係は、ちゃんと調べてみないと結論はでないと、おっしゃってました。
ただ、それは当てずっぽうな理論ではなさそうです。

というのも、植物も、動物も,もちろんワタシタチ人間も、日々新しい細胞をつくり出して成長したり子孫を残したり病気とたたかったり若さを保ったりして、生命をつないでます。















んで、新しくできる細胞の中心が「DNAとRNAをひっくるめて核酸」なんですが、遺伝情報やらが入ってるその「核酸」は命のモトと言えたりします。そしてその大事な大事な「核酸」は、1からせっせとコシラえてもいるんですが、ヤサイやら肉やらの食べたもののなかの「核酸」を一部再利用したりしてショートカットで新しく細胞をつくってもいるそうです。

そんなわけで、遺伝子が異常を起こしちゃってる「F1品種」や、ガン細胞をつくるウイルスやガンマ線あててつくった「GMO遺伝子組換え」のヤサイ作物の安全性をうたがう声があがるわけです。

GMO作物を反対する理由はもうひとつあって、どうやら「種会社にすすめられて、高いカネダしてGMO蒔いたけど,遺伝子が不安定でぜんっぜん収穫できなかったじゃあないかっ!! 」という生産者さんの声を、種苗会社がスルーしたことでもあったらしいです。

そして、野口種苗さんがおっしゃってたことに深く納得してしまいました。

ノルウェーに種子銀行ってのができたそうですが、本当にそんなもの必要でしょうか?ひとつの苗がたくさんの種をつけて地面に落ち、それがくり返されて植物の品種は絶えることなく存続します。それができなくなっている今が異常なのであり、それをなんとかしなくては・・・」

ですよね〜。

2010年5月27日木曜日

健康なヤサイは、どこへ?

「雄性不稔〜ゆうせいふねん〜」、つまりオスの生殖能力がない奇形プラントを利用したF1交配は、米国カリフォルニアで花粉のでない赤タマネギがみつかったことがキッカケだったそうです。

花粉がでない赤タマネギと、健全な黄色のタマネギを交配させると、50:50の割合で赤と黄色のタマネギのタネができるんですが、その子どもたちは100%みーんな花粉がでない「雄性不稔」になります。
その子どもと、健全な黄色いタマネギを掛け合わせて・・・ということを何度かくり返していくと、色は完全に黄色だけど「雄性不稔」のタマネギが誕生します。こうしてF1品種に便利な雄性不稔の黄色いタマネギが大量にできてしまうというわけです。

米国では、こんなふうにトウモロコシとか、いろんなヤサイの「雄性不稔」のプラントを探し出して、F1品種の開発をすすめていったそうです。

そもそも花粉がでない「雄性不稔」の突然変異の植物は、どうやってできてしまうのでしょうか? 
それは

「遺伝子が活性酸素でキズついてしまうから」

だそうです。


しかもこの「異常な遺伝子」は父親からは引き継がれません。
植物でも動物でも、受精のときにオスの遺伝子は消滅してしまってメスの遺伝子だけが子どもに受け継がれるそうです。








なので、「雄性不稔」の異常な遺伝子をもつプラントと、正常なプラントを交配させると、子どもは100%異常な遺伝子をもった「雄性不稔」になってしまうということです。でも「雄性不稔」の異常プラントなんて、数千本にひとつでるかでないかという確率で、そうそうカンタンに見つかるものではないそうです。

でも、「雄性不稔」の親株がみつからないと、F1品種づくりはとても効率の悪いものになってしまいます。だからどうするかというと・・・

空気中のCO2をありえない濃度にあげると、普通なら交配なんてしない遺伝子がちがう異品種どうしが交配してしまうんだそうです。ちなみにワタシたちが呼吸している空気は、窒素が80%で、酸素が20%、そして二酸化炭素が0.03%=300ppmほどです。

その二酸化炭素濃度を5%=50000ppmまであげると、植物はあまりの異常事態におかしくなって「このさい誰でもいいから交配しちゃえ!」となってしまうそうです。この方法をつかえば、ダイコンの雄性不稔プラントと、正常なハクサイやキャベツが交配できてしまうので「雄性不稔」がゾクゾク! ということです。

そして50000ppmのCO2濃度では、ヒトや動物は昏睡状態になって、その後ご臨終となってしまうので、高濃度CO2でもヘッチャラな「ミツバチ」が交配に使われるそうです。

ヒトの細胞のなかの遺伝子=DNAは、活性酸素でキズついても修復機能がちゃんとあるので、ふつうならキチンと修復されて、また元気に細胞分裂を始めてくれます。が、大きなストレスを感じすぎたり紫外線をあびすぎたり発がん性物質なんかのせいで活性酸素が多すぎると、DNAが破壊されすぎて細胞分裂ができなくなっていって老化とか成人病など、いろんな病気へとつながっていってしまいます。植物はDNAが傷つかないように、アントシアニンとかカロテンとかの「抗酸化物質」をもっています。

なので「雄性不稔の女性化した」プラントには、ある意味で「破壊した遺伝子を修復する自己治癒力のないチカラがない」ってことにもなります。で、ワタシ達は食べ物の栄養素を吸収して細胞分裂なんかにつかっていくんですが、その食べ物のなかのDNAだってもちろん吸収してカラダをつくっています。

・・・ストレス社会といわれる現代では、ありとあらゆる健康法や美容法があります。そのほとんどで口をそろえて言われてることといえば「あなたの身体は食べるものからつくられています。」なんですよねぇ。



2010年5月26日水曜日

やっぱり大切、種のハナシ。

4月すえに開催された東京インターナショナル・フラワー&ガーデンショーで講演なさっていた「 野口種苗 」さんが、最後に「次回は川崎で講演をやります」と言うのをけっして聞き逃したりはしませんでした!

ということで先週の日曜日、ウチから歩いて15分のトコロが野口種苗さんの講演会場という奇跡にクラクラ・ワクワクしながら、しかとおハナシを拝聴してきました・・・主催してくださった(社)かわさき福祉・保育研究所さま、心よく部外者の希望者を受け入れてくださって、ほんとうにありがとうございました。

野口種苗さんは埼玉県にあるタネ屋さんで、ミヤマコカブをはじめとして日本の固定種/在来種のヤサイや穀類の種を販売していらっしゃいます。

前回、野口種苗さんについてふれた時に、固定種/F1品種/GMO(遺伝子組換え)作物のメリットとかデメリットとかをツラツラと覚えていたことを書きました。









毎日お買物にいくスーパーや八百屋さん、ホビーガーデンのためにセレクトするおヤサイの種、そのどれもがすべてと言い切ってよいほどF1品種、つまり一代交配種のヤサイや作物たちです。

F1品種とは、かけ離れた土地でそだった同類の植物どうしを交配して、親の優性遺伝子だけをあわせもった新品種が誕生することです、が!

まずまずビックリだったのが、世界ではじめてF1品種を誕生させたのは、なんと日本だったそうです。大正13年、埼玉農事試験場で日本伝統種の黒い色のナス「真黒茄子(しんくろなす)」と、東南アジアからわたってきた青い色のナス「青大丸茄子(あおだいまるなす)」をかけ合わせ、じょうぶに育ってたくさん実をつけるナスができたそうです。
その後、トマトやスイカなどの交配が実現していったそうです。

当時の人工交配でF1品種をうみだす方法は、ツボミから雄しべを抜き取ったり雄花だけを取りのぞいたりと、とてもベーシックなものでした。つまり健全な生殖能力をもった健康なヤサイから、どちらかの雄を連れ去って受粉させていました。

ところが、最近のF1品種は、雄しべをわざわざ取る手間のいらない、
「雄性不稔(ゆうせいふねん)の、プラントで交配させる」
つまり雄しべも雌しべもいっしょにつく種類の植物なのに花粉がでない「オスの生殖能力がないオカマな奇形」を交配させているそうです。

それがもしかしたら「地球規模の多種多様な生物の少子化につながってるかもしれないから、ちゃんと調べた方がいいかも! タネ屋だからわかるんです。」と野口種苗さんは訴えます。

そういえば、ミツバチの女王蜂がタマゴを産まなくなってきて、生産者のかたが作物の受粉作業に困ってるとききますし、スズメだって世界規模でナゾの減少をしてます。

なによりヒト! 世界規模で男性の精子の数がへってきていて、ココ5年間、毎年ワースト記録が更新されてしまっているそうです。専門家は「これは工場などから出るケムリや廃棄物のなかの女性化作用のある環境ホルモンのせいだけじゃなく、もっと直接的に摂取しているものに原因があるようです。」と分析しているそうです。

その原因が、雄性不稔で交配させたF1品種のヤサイにあるかも・・・ってことですが、なぜなんでしょう?

2010年4月28日水曜日

ガーデンショーで「タネ マモル オカタ」3

つまり固定種の野菜なら毎年タネを買い直さなくてもOKですが、F1品種の野菜だと、どんなに立派な実がなっても、翌年のタネとしては使えません。

でもF1品種だって固定種化は、できるんです。

そもそも、いま固定種として残っている日本独特の品種も、始まりはF1品種だったはずです。おなじF1品種どうしをF2、F3、F4・・・とくり返し交配させて、その都度にF1品種の特徴をもった株どうしだけを交配させていくと、F1品種のよさが安定していって、F7くらいで晴れて固定化となります。
ただ、F2、F3、F4・・・のたびに大量にタネをまくことになるそうで、とっても時間がかかります。














ベーシックなF1品種のつくりかたですが、ホップやパパイヤ、キウイなど雄カブと雌カブがべつべつの雌雄異種ならカンタンです。雌カブに、交配させたい別品種の雄カブとを受粉させればOKです。
でも植物の花の多くは、雄しべと雌しべが一緒になっているので、ほっとくと勝手に受粉して永遠にF1品種は生まれません。

そこで雄しべが役に立たない「雄性不稔」、つまりオカマな突然変異がでてくるのをひたすら待ちわびるか、無理矢理つぼみから雄しべだけをコツコツ抜き取ったりと地道すぎる作業が必要でした。

ところが最先端の「遺伝子組換作物=GMO」のつくりかたは、やり方がすこしばかり乱暴です。
ひとつは植物の細胞核内のDNAに放射線をあてて,人為的にDNAに異変をおこさるやり方。

もうひとつは植物の細胞にガンを起こさせる病原菌の遺伝子をくみかえてから植物に感染させ、ヒトサマが意図したような突然変異を起こさせるというものです。

そこに植物の意思なんてものはなく、なんとも心がざわざわとしてしまいます・・・





F1品種にハナシはもどりますが野口種苗さんのおハナシによれば、企業が肥料食いのF1品種ばかりをデザインした意図は肥料と農薬をいっぱい買ってもらうためだったそうです。

第二次世界大戦がおわったら、たくさんの国が食料不足になって
「タネを制するものが世界を制する」モードになりました。
化学兵器のニーズがめっきり減ったところで、化学兵器をつくっていた大企業は、肥料やら農薬やら除草剤やらF1品種やらの開発をはじめました。こうして食糧自給率130%の米国の農業は、合理性と利益性ばかりを優先した化合物まみれの巨大化した農場、ファクトリー・ファーム化ばかりが進んできました。




日本にF1品種の野菜や穀物がなだれ込んできたのは、食糧不足の絶頂だった戦後だそうです。アメリカは、戦争が終わっていらなくなった爆弾を肥料にして日本に買ってもらうために、肥料食いと農薬好きなF1品種の作物のタネとともに日本に売り込みました。
(ある肥料成分は爆発性が強いので、いまでも厳しく管理されています。)


そして今、スーパーに並ぶ野菜はぜんぶといっていいほどF1品種です。


ところが近ごろはオーガニックブームが盛り上がって、人気のある野菜は減農薬と減肥料の安心そだちへと変わりつつあるみたいです。








新しい品種のトマトのタネには「耐病性にすぐれ肥料もあまりいらない。とっても甘くておいしいトマトが盛夏でもよく実り、スズナリに」という能書きを目にすることが多くなってきました。
でもでも「これは昔ながらのやり方で交配させたF1品種なのかな? もしかして遺伝子組換作物(GMO)じゃないのかな?」なんていう不安が頭をよぎります。

それにしても、タネの権利を独占的に独り占め&販売することに、そんなに大きな価値があるんでしょうか? 世界的な大富豪さまは、ノルウェーに世界中の種子の銀行をおつくりになるくらいなので、きっとキレイゴトではない側面もあるのかもしれません。

そこで「野口種苗」さんは、ひとりよがりな商業主義がまきおこしそうな地球規模での生態系の破壊を防ぐために,現在も「固定種/在来種」の保存と大切さを訴えつづける活動をなさって多忙を極めていらっしゃるというわけです。

多少ムシに喰われたって不格好だって、ホビーガーデンならオイシくて安全なのがいちばんです。おウチで育てるなら,ゼシ固定種を!! っていうことなんですね。


以上、「ガーデンショーに行ってきました」というおハナシでした。


2010年4月27日火曜日

ガーデンショーで「タネ マモル オカタ」2

明日、4月28日は満月です。

わたしのツタない経験からだと、関東地方ではゴールデン・ウィーク近辺の満月が害虫の産卵の第1ピークだと思います。外で育てているバラやミカンなどは無農薬で育てたいのですが、この時期の害虫の繁殖力はハンパないです。木酢液やニーム程度ではヘコタレませんから、タマゴが産みつけられてしまったら仕方なく薬剤を使うことがあります。

害虫がいっせいに孵化する満月の3日後なら、たった一回の薬剤散布でも効果がデカイです。明日から3日後だと5月1日です。そのためだけにGWのお出かけをガマンするヒトもいるとは思えないのですが、このタイミング以外でダラダラと薬剤をかけても害虫をイチコロにできないだけでなく虫に耐性がついてしまったりします。

昨日にひきつづき、「東京インターナショナルフラワー&ガーデンショー2010」のおはなしです。














「ネスト=鳥の巣」というオーストラリアのメーカーのデザインです。まんなかは、ベッドになってます。ゴロンと寝たら気持ち良さそうです。


どうやってベッドまでたどり着くかといえば
「入らないでください」から入ります。

「夏ここでビール飲んだらヨサゲだけど蚊取り線香がいるなぁ・・オーストラリアならゲッコーが近くに来てくれるかなぁ・・」
などと妄想はつきません。







ところで、なぜ野口種苗さんは固定種にこだわるのかといえば、こちらにヨクヨクご説明があるのですが、野口さんの講演会でお聞きしたことをバックリとまとめると、「オイシくてヒトにも環境にも安全で栄養価の高い農作物が,安くつくれるから」だそうです。

だったらF1品種は「マズくて危険、栄養がカスカスで、高くつく」のかといえば全部がそうとも言い切れませんが、「流通に便利」なことを最優先にデザインされたF1品種の作物たちに関していえば、当たらずとも遠からずだそうです。

そもそも「F1品種」というのは・・・

大きくちがう特徴をもつ親どうしが交配すると、その子どもは親の優勢遺伝子だけをいつなんどきでも引き継ぐ両親のイイトコ取り状態。ところがF1品種どうしが交配して「F2」の子どもができたら,今度は親の劣性遺伝子しかでてこない。っていう、いわゆるメンデルの法則ってやつです。

これは野菜にかぎらず動物でも人間でもおんなじで、人間の優性な遺伝子の特徴は、たとえば「色素が黒,髪はちぢれる」です。
アフリカ系の肌が黒く髪がちぢれた方と、アジアの肌が黄色く黒髪ストレートヘアの方がご結婚されると,産まれてくるお子は、肌と髪が黒く髪はちぢれます。アジアの方と北欧の金髪の巻き毛で肌が抜けるように白く瞳がブルーな方とが、ご結婚なされた場合は、髪は黒くストレートで瞳も黒・・・という遺伝子が強くでます。

例えば、流通の都合だけを優先したニンジンのF1品種をつくろうとしたら

「やたら丈夫で、でっかく育つ家畜用のニンジン」

「ちっちゃいけど、栽培期間の短くてすむニンジン」をかけあわせると・・・

「でっかく育って栽培期間が短くサイズも収穫時期もビシッとそろう、それほどオイシくないニンジン」ができるわけです。


一方で、「固定種」の特徴ですが、「エアルーム・トマト」のグリーンゼブラやタイニーティムのように、遺伝子がすっかり安定していると、穫れたタネは親とおなじ特徴を受けつぎます。つまり固定種の品種は「自家採種」ができるってことです。
固定種の品種は、その土地に適応しているので、肥料が少なくても丈夫に育つし害虫の耐性もついているので薬剤もほとんど使わずに元気に育ちます。

ただ、固定種のデメリットは「発芽の時期と収穫の時期、作物の大きさ」がそろわないことです。固定種はとっても個性的なコが多いってことですね。

厳しい自然環境のなかをたくましく生き残ってきた固定種は、台風や干ばつなどの自然災害が起きても全員が死なないように、同時に発芽させないとか、個体差を大きくして少しの養分でも生き残れるちっさなヤツもいる、という知恵をもっているそうです。

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2010年4月26日月曜日

ガーデンショーで「タネ マモル オカタ」

東京インターナショナル・フラワー&ガーデンショーに、行ってきました。
立川駅ちかくの昭和記念公園「みどりの文化ゾーン」で開催されたこのガーデンショーは、オープンエアな空間がとってもよかったです。

青空のしたの芝生に直接エクステリアや庭園のデモンストレーションが展示されているので、館内のエキスポみたいに人いきれでウンザリすることもなく、風に吹かれながら気持ちよく楽しめました。














会場内で人気があつまっていたのが、エクステリア・ブースです。
これはイギリス製のエクステリア(だったと思います。)














メルヘンチックな中庭です。こんなテラスが庭にあったら・・・というよりこんな広い庭すらありません。











「No Enrty」のサインも、こんなにオサレです。

無機質な「立ち入り禁止」よりも、効果がありそうです。











どこにレンズを向けても絵になります。

ところでこのエキスポで、思わぬうれしい再会がありました。


公園内の施設館内のフラワーアレンジメントのブース、
「日比谷花壇」さんが主催で講演会がおこなわれていました。

足早に通り過ぎようとすると、なにやら気になるキーワードが耳に入りました。





「固定種の・・」、「F1品種は・・」、「遺伝子組み換えは・・」おおっ!もしかして!

なんと日本のタネのマモリビト「野口種苗」さんの講演だったのです。急いで空いてる席を見つけお話を聞くことができました。

「ホビーガーデンなら、固定種の野菜を育てたいな」と思ったキッカケが、そもそも「野口種苗」さんでした。

2・3年前に、偶然にもおなじ立川で拝聴した「野口種苗」さんの講演会に参加したからでした。その時は固定種野菜の無肥料栽培に励んでいらっしゃるココロザシの高い生産者さんのご提供で、固定種のニンジンやカブを試食できましたが、肥料無施肥なのに、なんとも甘くて味が濃厚で風味が豊かだったのを覚えています。「コレがほんとうの野菜の味です」という言葉にふかぁく納得しました。

さっそく「時無三寸」という固定種のニンジンの栽培をはじめたくらいでした。スキルが低すぎてニンジンは5cmくらいにしか育ちませんでしたが,味は濃くてオイシかったです。
自然栽培の「コシヒカリ」の種モミも格安であります。

そもそも、なぜ野口種苗さんは出荷に不利な固定種の野菜にこだわるのでしょうか?
また,F1品種ってなんなのでしょうか? そしてF1品種ばかりだと、なにが悪いんでしょうか?

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