2019年5月29日水曜日

京成バラ園@2019

5月の中旬になってようやく、「バラたちが咲きそろいはじめました」というお知らせを見つけ、今年も京成バラ園のローズガーデンに伺いました。 

















気品のある剣弁高芯咲きのバラは、どアップでじっくり見ていると、花の中心に吸い込まれて、異次元に連れていってくれそうな果てしなく続く美しさがあります。



































「ローズ・トラップ」ともいうべきバラの恐ろしさとは、バラ園でお気に入りの品種を見つけ、なんとかひとつに絞りこんで うまく咲かせたとしても、「 バラ園って、いろんな品種が咲いた時の樹勢のバランスや、カラーコントラストが、とってもよく考えられてるのね。あら、アタクシのバラにあのバラを組み合わせたらステキだわ、きっと。」
こんな調子で、バラ園に足を運ぶたびにバラを増やしてしまうことです。
ということで、バラたちの奏でるカラーコントラストにも、注目してみました。

まずは、ひとつの品種でも、ブッシーに育ちつうえに美しいカラーコントラストが楽しめるバビロンローズをはじめ、咲き進むと色変わりがするバラ、そしてバイカラーのバラたちです。
















































































咲き進むと色が変化してく、つるバラのエメラルドアイルは、実際に見たほうが豊かな表情をしています。






































広さにゆとりがあるお庭に万が一にも住めることになれるとしたら、存分にこだわりたい異品種のバラでのカラーコーディネート。京成バラ園さんに伺うたびに、色彩表現はバラ園のウデの見せ所、ということをマザマザと見せつけられます。








































































































そして、バラが奏でるグリーンにも注目してみました。
バラのパーゴラを見上げると、新緑のグラデーションと木漏れ日が、なんとも心を和ませてくれます。

















房咲きは日本の原種バラの特徴のひとつですが、この原種バラは葉の形がめずらしかったです。ツボミはまだ固く閉じていたので、どんな花が咲くのか、いつか是非見てみたいと思いました。















2019年5月22日水曜日

今年のカスケードホップ根茎の様子

毎年お配りするホップ根茎は、そのコンディションを確認するために いくつかを栽培テストしています。

今年株分けたカスケード根茎のうち、ひときわ小さかったホップ根茎をポットに植えてみましたが、ホップ強いです。シュートがいくつも伸びて、しっかりしたツルに生長しました。







ホップ根茎を鉢植えや地植えにした時点で、腐ってしまった・・・というお声を 非常によく聞きます。 北米の代表的なホップの産地であり、年間を通して雨量が少ないヤキマバレーと、春に雨がとても多い日本を比較すると 東京はヤキマの約7倍の雨量があります。 そのため 日本でホップ根茎をスタートさせるには、ちょっとコツが必要なようです。
























失敗なくホップを大きく育てるポイントは :

  • 根茎は、いきなり定植せず、まずは 1L 程度のポットでツルと根っこを伸ばします。 この時に、一度水やりをじゅうぶんにおこないます。根茎からすでに白いシュートがいくつか伸びている場合は、シュートを土から出して植えてあげると 芽が腐らずに伸びやすくなるようです。 


  • ポットに植えた後、土の表面が乾かないかぎり、水やりはNGです。ホップの根茎からは、根っこよりもシュートが先に生長します。シュートがツルになって葉っぱが展開しても、まだ根っこが伸びていないことが多いので、この時に水やりをしすぎると根茎が腐ります。 
    もしも5月に夏日が続き、ポットが軽くなったら水やりをしますが、基本的には定植できる大きさに生長するまでは、1〜2回しか水やりの必要はありません。


  • 定植する場所の土が硬いと、根っこが伸びにくく、ツルが細くなり花が少なくなります。 地植えの場合は、30cmほど穴をほり、ココ培地やピートモス、腐葉土や堆肥などの有機繊維質で根っこが伸びやすい園芸用土を敷いてからホップの苗を定植してください。 地植えや大きなプランターに定植した時にたっぷりと水やりをしたら、少なくても2週間は水やりを控えます。 梅雨に入りましたら、水やりはほとんど必要ありません。 真夏は、夕方にたっぷり水やりをします。


  • 太いツルには、大きな花がつきます。太いツルの先端は ゼッタイに折らないでください。 追ってしまうと、脇芽がツルとなって上に伸びだすまで、エラく時間がかかり、花がでるまで時間がかかってしまいます。 とくにグリーンカーテンにしたい場合は、折らないよう気をつけてください。 


  • ホップは肥料ぐいです。液体、固形を問わず NPK=1:1:1比率の肥料を少しずつ、しかしマメに施肥してください。 毛花がではじめたら、リンとカリを含む肥料を少しずつ与えると、花が大きくたくさんつきます。


  • 根元に近い葉っぱは、ハダニや虫に食われやすいです。農薬を使いたくない場合は、55℃ 〜 60℃の温水で葉っぱの虫を落としてから、カキガラ石灰など炭酸石灰を葉っぱに直接かけてください。雨が降る前日におこなうと、効果的です。
    アブラムシが大量に着いてしまった時は、バグ・フロスタを葉っぱにかけたところ、翌日すっかりいなくなりました。








今年のカスケードホップ根茎も テスト栽培でりっぱな苗に育ちましたが、困ったことに植える場所がまったくありません。

そこで先月 すでに根茎をご希望いただいた方にご都合を伺って、引き取っていただけました。よろこんで引き取っていただいて、本当にありがとうございました。「大切に育てます」という  ひとこと が なによりのはげみです。

2019年5月17日金曜日

キングプロテア葉面スプレーの効果 その2

毎年この季節は、さまざまな花が咲きそろい、写真が溜まりすぎてしまいます。

4月の終わり頃から 矢車草がいっせいに咲きはじめたのを見つけ、昨年の秋に景観植物のタネをまいておいたことを思い出しました。 クリムゾンクローバーもちょうど咲きそろい、プチ天国のような景色になりました。



















さて、1年前にGETした「キング・プロテア リトルプリンス」です。拡大培養した「バグ・フロスタ」を2月から定期的に土に入れて培養土内の微生物層を増やしてきました。

プロテアを育てている人はよく知っている通り、共生している微生物がリン肥料に弱いので、強い肥料をはじめ とくにリン酸石灰を与えるのはタブーとされています。 とはいえ開花にはリン・カリが欠かせません。 そこで、新芽が伸びはじめてから 週に一度リンカリ肥料の TamaPKを 2000倍希釈にして葉面スプレーしています。



























リンカリ肥料は、プロテアの根域にはタブーとされているので、根元にはかからないように気をつけて TamaPK 2000倍希釈液を 直射日光が当たらない日陰か夕方に、新芽を中心にスプレーします。

















ツボミが上がってきました。

















オリーブの新芽にもPKスプレー。 トマトなど夏野菜の薄い葉っぱは、寿命が約30日ほどと短く 葉面スプレーは即効性が高いのですが、オリーブやプロテア、ツバキなどの成熟した葉っぱは寿命が長いので、厚みがでて深い緑色をした葉っぱは、葉面スプレーの効果があまりありません。


















プロテアが すくすくと育つ土壌のpH値は : 4.5 〜 5.5です。酸性土壌を好む植物は、一般的に硫酸イオンを好むので、月に一度 ブルーベリー用の硫黄粉をひとつまみ根元から離して置いておきます。

















プロテアはリン酸が苦手とされているので、ついつい肥料を与えることを控えてしまいますが、マグネシウムと鉄分があった方がよく育つとされています。
詳しくは こちらで

エプソムソルトは、硫酸マグネシウムなので プロテアに限らず 土壌栽培のバラやお茶などの植物の栽培には最適です。マグネシウムは葉緑素となり光合成量をふやす重要な養分であることはもちろんですが、もうひとつの硫酸イオンは 実は開花とフレーバーに大きな大きな影響を与えます。葉や花のフレーバーが強くなり、花付きと生長も促進するので、お茶やバラ栽培で欠かせない養分と考えられています。
エプソムソルトもまた 月に一度くらいのペースで バラやプロテアの根元にティースプーン一杯ほど置いておくだけです。週に一度 トラッキン'を1000倍希釈で水やりすると鉄分をはじめとした微量要素群を 補えるのと同時に土中の「硫化水素」の発生防止にも役立ちます。



ところでプロテアは「ヤマモガシ科」の植物ですが、土留めのすき間からヒョロヒョロと伸びだしたのは「ヤマノイモ」のツルです。恥ずかしながら、去年おとなりさんに教えていただくまでは、ヘクソカズラだと思ってブチブチとひっこ抜いてました。





















昨年の秋、植木鉢の欠株したスペースを埋めるようにして植えたネメシア「インプレシア」。年が変わる寒さがピークの時期から ものすごい勢いで咲きはじめ、さみしくなりがちな冬の景色をずいぶん華やかにしてくれました。今もまだ満開です。








どんなにでかくリッパに育って、毎年真夏に枯れ腐っていくホワイトセージ。決して一年草ではありません。毎年秋になると、もはや意地になって種まきをしてしまいます。地植えにすると、根張り不足で あまり大きく育たないので 50Lの大きな布製ポットに ソイルレス・ポッティングミックスをたっぷりと入れて植えました。ついこの間まではアブラムシ牧場になっていたので、現在はテントウムシ牧場に変わりました。

























西洋オダマキもたくさん咲きました。とにかく丈夫で手入れいらずで、あまり日当たりがよくなくても かわいい花がたくさん咲く宿根草です。珍しい花や希少価値の高い植物に夢中になってもきましたが、結局は丈夫で毎年勝手に咲いてくれる宿根草が一番好きです。

2019年5月16日木曜日

バラのブラインドとボール化 葉面スプレーの効果

すでに遠い昔のようにも思えますが、今年のゴールデンウィーク前半は、冬にもどったかのような寒い日がつづきました。 寒すぎてストーブをつけたおかげで、ひさびさにうちのネコたちがストーブの前でスリスリしてくれました。








和猫といえども、換毛期にブラッシングを怠ると 床、階段、全ての場所が毛だらけになります。










昨年末に、植えかえたツルばら「ピエールドロンサール」は、日当たりの悪さも手伝って、新たに伸びた枝のほとんどがブラインドになってしまいました。ブラインド化の大きな原因は、植えかえのせいで根が枝に養分を十分送っていないせいなので、枝の先端で不足している養分を 葉面スプレーでダイレクトに葉っぱに吸収させることにしました。

すべてのブラインド枝の先端を折り取ったあと、光合成不足で足りなくなるアミノ酸,糖分、そして不足しやすいリン酸とカリウム,マグネシウム、イオウ、微量要素、さらに細胞分裂に欠かせないカルシウムと、少ない光で光合成量を増やすケイ酸を交互に補っていきます。







直射日光が当たらない時間帯や くもりの日に フレバリン( 抗ストレス力と花付き効果の高いアミノ酸群、マグネシウム、糖分、発酵由来の植物ホルモン )と 養分をすばやく花に届ける効果が高いTama PK(リン・カリ)の1,000倍希釈液を 葉うら中心にスプレーしました。
曇っていたら翌日、晴天なら3日以上あけてから、トラッキン' (吸収されやすい微量要素群)と フィッシュ・ボーン(吸収性が高いアミノ酸と核酸で細胞分裂を促進)を これもまた1000倍希釈した液を葉うらと新芽を中心にスプレーしました。

根元にある古い葉っぱよりも 新しく展開したばかりの若い葉っぱの方が 気孔の数が多いため 葉うらに付着した養分をたくさん吸収します。同時に若い葉っぱは 肥料焼けもしやすいため、直射日光が当たらない時間帯に 活力剤を通常よりも薄めに希釈した培養液をスプレーすることがポイントです。 とくにPK肥料は カリウムをふくむため吸収性が高いと同時に、葉焼けを起こしやすいので 1000倍〜2000倍に希釈したものでなければ 葉面スプレーには不向きです。

雲が多く直射日光があたらない日は 葉うらにスプレーした成分が、効率よく吸収されるうえ,空気の湿度が高い日は 葉が焼ける心配が少ないので、葉面スプレーにベリーベストな日です。

さて、上記の要領で葉面スプレーを続けたところ ものの1週間で新芽が立ち上がってきました。今朝はもうツボミがでてきていました。








ウドンコなどカビ病が心配なバラは、 クリスタルアップ(アルカリ性のケイ酸カリム)の1000倍希釈を pH調整しないで葉面スプレーします。 チッ素が効きすぎたり、蒸れるとカビ病が出やすくなりますが、クリスタルアップで葉のpHをアルカリ性に傾けてあげると、葉っぱにたまった亜硝酸イオンを流転してくれて厚みのある葉っぱになります。









次はバラのボール化です。花びらがすっきり開かず、きれいに咲かないトラブルが「Balling」です。 ラレーヌヴィクトリアがボール化してしまいました。






トップについたバラのほうが,ボール化がひどかったので、水分が不足しているせいかと思いました。







そこで、ボール化した花の枝カットして,花びんにさしたところきれいに開きました。
やはり風が強い日に水切れを起こし、枝全体が水分不足になったことが原因だとわかりました。







よく観察すると、風が強く当たらない場所のバラは,ふわっと開いています。朝、昼、夕方に、スーパースライブ希釈液をバラ全体にたっぷりとスプレーしました。








翌日はちょうど小雨が降っていたおかげもあり、ボール化したバラがきれいに開いてきました。







とくにボール化がひどかったトップに咲いたバラも、すこしフワッと開きました。





前日の全体の様子と、スプレーした翌日の様子を比べてみると、わかりやすいかと思います。
スプレー前





スプレー後






さて、最後にグリーンLEDハンディーライトです。意地でも農薬を使わないと決めてから、カビ病は完全に抑えられるのですが、このハバチ幼虫だけはどうしても防除できずにストレスでした。日没後バラについた害虫駆除にとても役立ってます。 ハンディーライトでバラの葉の裏側から照らすと、害虫のシルエットが浮かび上がります。





いちいち葉っぱをひっくり返さなくても一目瞭然!  ハバチの幼虫は、バードフィーダーに集めて小鳥たちにふるまってます。