2011年5月31日火曜日

ピート? ピートモス? その1

今日でもう5月も終わりです。そしてとっとと梅雨に突入してます。














さて、ソイルレス・ミックスってのは、おもに施設や室内でのプランター栽培専用の「養液土耕栽培」の培地です。欧米では「Soil =ソイル(培土)」 とか「Potting Soil=ポッティング・ソイル(鉢植え用培土)」にカテゴライズされていますが、このソイルレス・ミックスは植物由来の有機培土をメインに使っているので、赤玉などの無機培養土も含む「Soil」と区別するために、「Organic Soil=オーガニック・ソイル(有機培土)」とも呼ばれます。

そもそも養液土耕栽培ってのは、施設栽培の土壌に合わせて調合した培養液をドリップして植物を育てる栽培方法なので、土壌そのものには元肥などの肥料を入れることは、あまりありません。でも欧米のソイルレス・ミックス栽培では、コンポストをはじめ、ミミズのフン、バッドグアノや骨粉、ケルプなどク溶性や可溶性の有機肥料を元肥にして、プラス培養液を与えるハイブリット的な養液土耕栽培が主流です。この方法ならば100%有機栽培ができるってことで人気が高いようです。


(ちなみに養液栽培ってのは、植物を植えた培地そのものには肥料を入れないで、水溶性肥料を希釈した培養液で植物をそだてる栽培方法ですが、水溶性肥料って?については詳しくはこちらで)
http://desktopfarmer.blogspot.com/2010/12/or.html

肥料を溶かした培養液メインで植物をそだてれば養液栽培にカテゴライズされるので、ハイドロポニックス・エアロポニックス・ココポニックス(ココ栽培)も養液栽培っていうことになります。

しかし、ココ栽培とソイルレス・ミックス栽培は、ハイドロポニックス・システムのように培養液をタンクにためたり循環させたりするのは、まっっったく向いてません。

自動ドリップシステムか、自分で定期的に培養液を水やりします。一見メンドクサそうですが、植物の繊維を培地にした有機質なので、有機成分や有用菌とも相性がよくって、酸素が豊富で、もし間違えてEC値が高い培養液をあげてしまっても、根っこへのクッションになってくれるのでハイドロよりも根傷みが起こりにくく、水溶性の有機肥料をつかえば、安心・安全な100%オーガニック栽培ができるっちゅ〜メリットもあります。


ならば、ココ栽培とソイルレス・ミックス栽培はなにが違うの?と思いますが、ココ栽培がさかんな欧米では、「バックリと分類すれば、ココ栽培はハイドロポニックスだよ。まぁ、細かく見てけば、ハイドロとの違いはイロイロあるんだけどさ。」とのことです。
例えばロックウール栽培だと培地が乾かないうちに、ほぼ毎日培養液をかけ流ししますが、ココ培地でもこの給水方法ができます。つまり、ココ培地はロックウール培地と同じように使えるよという認識です。

発芽培地にココをつかった、モチアワが発芽しました。














ところが、ソイルレス・ミックスロックウールのようには使えません。ソイルレス・ミックス栽培は土耕栽培に入る「養液土耕栽培」です。基本的には、ココ栽培のように培養液は毎回あげません。水やり2〜3回に、培養液1回のペースです。(生長段階によって変わります。)




そして、ソイルレス・ミックスにメインに配合されているベース素材は「ピート」という有機質の土です。「ピート」は「泥炭」とも「ピートモス」とも呼ばれますが、「ピートモス=ミズゴケ」ではありません。ピートモスは、スパグナム属にはいる200種類ほどのミズゴケだけから形成されたピートのことで、スパグナム・モス=ピートモスではないそうです。

一方、「ピート」とよばれてるほうには、このスパグナム属のミズゴケだけでなくアシやヨシなどの水生植物が含まれることも多々多々あるので、産地によってピートに含まれてる植物の種類がちょっとづつ違ってます。そして学術的にはピートピートモスは、植物資材ではなく「土壌」というカテゴリーに入ります。

本来は、植物の繊維質が腐植するなどで細かくなったものをひっくるめて「PEAT=ピート」と呼んでいるようです。なのでヤシガラを細かく粉砕したココ培地も「ココピート」とよぶので混乱しますが、ただたんに「ピート」といえば水生植物由来の土壌「ピート/ピートモス」のことという認識でOKなようです。

ところで、
ハモグリバエにやられた葉っぱを見つけました。


多少の食害なら、植物にとって免疫を強化する刺激になるので、放っときました。











このピート層ができ始めたのは、紀元前12000年頃の氷河期スタートだそうです。
ピートは、寒冷地にある湿地帯で枯れた水生植物たちが、寒さのため微生物に分解されずに残っていって、枯れた上に生える・・・生えて枯れる・・・枯れた上に生える・・・ってのをエンエンとくり返してできた地層です。

年月の経ったピートほど炭化がすすみ、腐植酸が分解されて酸度は中和されていて、燃えやすくなります。なので「Low Peat=低位泥炭」とよばれる低位にあるピート層のほうが、酸度が低く、ほとんど黒色に変色がすすみ石炭に近くなるとのことです。

となると、「High Peat=高位泥炭」とよばれる上位のほうにできた比較的新しいピート層は、色がまだ白く腐植がはじまって間もないので腐植酸などの有機酸がタップシ含まれていて酸度が強くなります。こんなふうに、ひとくちにピート層と言っても、下部・中部・上部でかなり性質が変わってきて、この辺の違いから植物の栽培にむいてるピートと、向いてないピートにも分かれてくるんですね〜。


長くなるので、つづきます。

2011年5月27日金曜日

ソイルレス・ポッティング栽培のTomaoteたち

バラって虫がつきやすいし肥料の好みもあって、とっても繊細で手がかかる植物かと思えば、実はなかなかタフで打たれ強い面もあります。あれだけゴージャスでアイキャッチングな花を咲かせるのに、水さえあれば新芽を出そうとする根性は、歳を重ねても老いを感じさせない女優さんに似てるなと思います。

おそらく一週間ほども前から折れていた茎についたバラのツボミです。「どうもブラブラするツボミがあるなぁ」とよく見てみたら根元の方で茎が折れてました。

折れてた茎を水切りして水に挿しておいたら
翌日には、ちゃんとツボミが開きました。

ディズニーランド・ローズというバラです。

あまった茎はもちろん挿し木にしましたが、もう置き場がないので、うまく根づいたら、だれかにあげようと思います。









ところで、今日の本題です。
ココ栽培のトマトたちから挿し木でとったトマトの苗たちは、「Soilless Potting Mix=ソイルレス・ポッティングミックス」で育てています。

ソイルレスポッティングミックスとは
私なりに訳すと
「植物原料由来の鉢植え栽培専用の有機培土」

長い・・・











ソイルレス・ポッティングは、欧州で長いあいだ愛用されてきた歴史があって、メインの原料は「ピート(ピートモスなど)」です。そのほかに保肥性や含気性、排水性を調整するために配合される素材はココ培地や完熟の腐葉土をはじめ、無機培地のパーライトが配合されてるものが多いです。
一口に「ピート」といっても、その性質や特徴はさまざまざまで、欧州ではその昔(いまも?)、冬に石炭の代わりにストーブの燃料にするほど、燃えやすく炭化が進んだものまであります。主に北欧などの寒いところがピートモスの産地となっていて、国内では北海道でも採れます。
とてもとても長い説明になるので、ピートの種類や品質のチガイについては、また今度・・・

グラスハウスなどの施設栽培やホビーの室内栽培のために作られたポッティングミックスの場合、キホンは水耕と同じく養液で育てるので、水溶性の液体肥料に適したピートをメインに使います。養液栽培に適したピートってのは、pH値を中性に調整してあってEC値が低いのでココ培地に似てもいますが、ココ培地よりも保水性と保肥性がずば抜けて高いのです。
な・の・で、ココ培地よりも更に、手間とコストがかからなくてすむってぇわけです。

数十年前に欧米でハイドロポニックスが流行りはじめると、無機の肥料と培地だけで育てる水耕栽培に「疑問」? 「飽き」?  「コスト削減指向」? などなどの新たなニーズがでてきて、伝統的な有機培土「ピートモス」で養液栽培にトライしたものの、マニュアル化がむづかしくウマくいかず、新たな有機培地「ココ培地」が誕生し、ほぼ水耕栽培とおなじ手軽さがウケたんですが、やっぱし培養液をたくさん使うので肥料代がバカにならず、グロウ・バカなスペシャリストたちは、もう一度「ソイルレス・ポッティングミックス」を研究しつくし、「いろんなピートを試行錯誤でミックスしてみて養液栽培に近い配合を考えたよ! 有機培土なんだけど水耕栽培みたいにカンタンに育てられるよ!!! ピートだと乾きが遅いから、水やりも回数も減るし液肥も毎回あげなくていいし有機肥料も使えるし、お財布のヒモが固いヒトにもピッタシ!!!」

というバックリしたストーリーがあるようです。

ちなみにこれは「ソイルレス・ポッティング培土+専用の化学(無機)肥料」で育ててる方のトマトです。この後に紹介する有機肥料よりも吸収がいいようで、培地の乾きが早く強い草勢に育ってます。














こっちは「ソイルレス・ポッティング培土+専用の100%有機肥料」で育ててる方のトマトです。苗がまだ小さい頃に、仕立ててたら茎をボッキリ追ってしまいまして、皮一枚でつながってたんですが、テーピングしておいたら、ガンバって育ってくれました。














ということで、無機肥料の方がやっぱり根の吸収率が早いんですが、カンジンの実は、なぜか100%有機肥料のほうが、花数が多く咲いて実も多いんです。











こっちは無機肥料の培養液をあげてるほうです。

実は大きいんですね〜。















ソイルレス・ポッティングミックスは、酸性のピートを中性にするために予め石灰(カルシウム)を入れて中和させているうえ、保肥性が高いです。そんなこともあってココ培地とちがって肥料の培養液は、水やり2回〜3回に一度くらいの割合で、例えばトマトなら2段〜3段花が咲き実がついてくると体力が落ちてくるので、その辺りから培養液のEC値を本格的にあげていったり、培養液を毎回か2回に一度にしたり・・・って感じです。(苗の調子が良ければ、培養液を毎回あげてしまっても、思ったよりヘッチャラそうです。)

ココ培地よりもバツグンに吸水性が高いので、同じサイズのポットで育ててるココ培地のトマトより、水やり回数も肥料の減りもとっても少ないです。つまりココ培地より手がかかりません。(もちろん乾く速度は、ポットの大きさによって変わります。)

あとは「味」です。
ココ培地の場合、肥料EC値をある程度までちゃんと濃くしないとトマトが甘くなりにくいのですが、ソイルレス・ポッティングミックスはどうなるでしょ〜か〜???
楽しみでス。




2011年5月25日水曜日

不要品を支援品に・・・

こんなトマトがなりました。植物ってやっぱりオモシロい!












ゾウの鼻みたいです。

さて、昨日までの冷たい雨があがった今日は、

とてもさわやかな空気に満ちてます。











ところで、震災の被害状況や復興への足がかりが見えてくるこれからが、いよいよ被災地を支える心が必要になってくると思います。阪神・淡路の震災の時には、時とともに世間からの関心が薄くなっていった頃に仮設住宅での孤独死や自死が起きてしまったそうです。

とはいうものの、人それぞれ生活というものがあるので、現地でボランティア・・・というのもなかなかムズカしいものです。
こちらのサイトでは、Amazonのほしい物リストを活用して、避難所へ直接必要な物資を送ることができます。
http://amazon-wish-japan.appspot.com/
ただ、せっかく注文して贈ろうとしたものの、必要な物資はどこでもかぶるらしく、在庫切れで発送まで数週間かかってしまう商品もありますし、「新品でなくてもいいなら、家に使ってないものがあるのに・・・」ということも多々あるかと思います。

そこで、まだ使えるけど新品に買いかえたからと家に眠っている家電製品をガッツリ被災地へ送り届けてくれる「家電プロジェクト」が、はじまるそうです。

「家電プロジェクト第一段」
2011年5月31日(火)9:00~21:00
場所:東京都板橋区高島平3-13-3 旧高島第七小学校
募集品目:炊飯器、電子レンジ、テレビ、電気ポット、コタツ、電源タップ、小型冷蔵庫、掃除機、ミシン、アイロン、透明の衣装ケースなど
(詳しくはこちらで)
http://fumbaro.org/news/2011/05/twitter521.html
http://fumbaro.org/news/2011/05/post-24.html


支援希望の家電は、現地ですぐ使えるように、動作確認したものをキレイにお掃除してほしいとのことです。さらに取扱説明書が必要なので、もし取説がない場合は各メーカーのホームページからダウンロードしてプリントアウトしたものを同封してください、とのことです。その他、作業の負担を少なくするために支援品の送りかたには、イロイロとお願いがあるようです。

とくに大型の家電製品は、配送業者さんでもサイズオーバーで送ることができなかったり、送料がバカ高くついてしまったりしてましたが、今回は運送業の青年組織の方が直接被災地へ運んでくれるそうです。(そのため、輸送のためのガソリン代やボランティアの方へのドネーションもお願いしますとのことです。)

春の引っ越しシーズンになると、スキのある道ばたで、家電など生活用品の不法投棄を見つけることがとっても多くなっちゃったりして、ザンネンな気持ちになりますが、チョットした心意気で、不用が支援に変わります!!!

2011年5月24日火曜日

魅惑のバラたち。

ようこそ!!!


私のお庭に・・・














と、言いたいところですが、川崎市にある「生田緑地ばら苑」です。この膨大なバラの株数!! おもにボランティアの方達がお世話していらっしゃるそうです。











生田緑地のばら苑は、バラのシーズンとなる春と秋に、一般公開してくださいます。

天気のいい週末には、ものすごい来苑者の数で、たどり着くまではヒタスラ上り坂なので、飲み物持参をおすすめします。












まだ開ききっていないバラのツボミの香りを嗅いでまわるのも、タノシミのひとつです。それにしても、バラの色数と品種の多さといったら気が遠くなります。


どのバラが一番好き?

と聞かれてもヒトツだけ選べるわけもありません。









こうしてばら苑を訪れるたび、

ついつい新たにバラをGETしたくなる誘惑に

打ち勝つのは至難の業です。










でもバラは、日当りと風通しが命!

密植は、枯らすために植えるようなもの・・・

建て込んだ住宅街では、なかなかベストな場所が確保しにくくもあります。






首が重たそうに垂れ下がったバラを見つけました。
家のバラも、これとおんなじことになったことがあります。

花が開く時に水切れになったか、肥料のあげすぎか、どちらかが原因みたいです。








ひたすらタクマシく、ささやかな一重咲きの「ノイバラ」です。

ばら苑のまわりの木が生い茂る斜面でも、ノイバラがいくつも元気に咲いてましたが、バラだと気がつく人も少なかったようです。

バラにしちゃあ見た目が地味だもんな〜。




日本のノイバラや、中国のコウシンバラなどは、プラントハンターの手によって海を渡り
欧州のバラたちに劇的な品種改良をもたらしました。

そんなアジア原産のバラたちの面影がのこる「ミニチュア・ローズ」たちは、丈夫で育てやすく、ツルがよく伸びるので、スクリーン仕立て(垣根仕立て)になってました。






ばら苑の片隅のグリーンハウスでは、挿し木などで繁殖されたバラ苗の販売もされています。

2011年5月20日金曜日

手ぬきマル見えのTomatoes!

ガラス越しの西日が、日ごとにその暑さをジワジワと増してきてます。急いでホップを窓辺に植えこんで、「緑のカーテン」スタンバイです。














午後に西日があたりはじめると、顔がまっ赤になるほど暑くなるので、はやくホップに育ってほしいです。
ホップ(Humulus lupulus)の苗は、日本ではなかなか手に入らなくて苦労しますが、一度根づいてしまえば毎年勝手に出てきてくれます。ホップはジャガイモの害虫を寄せつけない性質があるので、ジャガイモのコンパニオンプラントとしてもGoodだそうです。



さて、26℃を上回る初夏のような陽気がつづくので、トマトたちは摘んでも摘んでも追いつかない程の早さで、つぎつぎに赤くなってきました。














これは、一段目についたミニトマト「千果」の実です。スズナリ・・・といってもいいでしょう!











これはおなじミニトマト千果なんですが、5段目についた実です。

きちんと管理してれば、一段目とおなじくらいスズナリに実がなってくれたはずなんですが、
手抜きしたらしただけ、そのまま実の少なさに反映されました。







これはゴールデンウィーク中に、きちんと光量管理と肥料濃度をしなかったせいです。・・・だと思います。植物は、育てたいように育つんではなく、育てたとおりに育つ・・・おハズカシい!

2011年5月19日木曜日

オトナリの国のスイカ爆弾

衝撃的なニュースが目に飛び込んできました。収穫を間近にむかえたスイカたちが、畑でつぎつぎに破裂しているというものです。

【 中国でスイカが爆発─新たな食品スキャンダル勃発 】












ニュースに目を通せば、なるほどですが、スイカを破裂させていた犯人は「ホルクロルフェニュロン」というフニュフニュしたネーミングの合成ホルモンです。日本でも果実栽培の多くに使われていました。
このホルクロルなんとかの、バックリとした効果は「細胞を増やして大きくする!」です。
細胞分裂をうながして細胞の数自体をふやしてくれる・・・というサイトカイニン効果と、分裂した細胞を大きく肥大するのをうながすジベレリン効果があるっつーことです。

この「ホルクロルフェニュロン」の効果は、果実それぞれで適量がちがうようですが、結実して実がついたあとじゃなくって、花芽が咲いて満開になってるときに薄めを散布する・・・が一番効果が大きいそうで、隣国のスイカの場合、散布する時期が遅かったのが原因らしいです。

合成ホルモンは、ほんとに効き目がシャープで、分かりやすく言えば効きすぎるのが問題みたいです。雑草を枯らす「除草剤」には、「合成オーキシン」が使われているものがあります。
このへんの説明にもってこいのサイトを発見しました。「理科ネットワーク」さんの「植物の生活と環境」のコンテンツは、「植物学全般について、もっと分かりやすい説明求む!!」というヒトにピッタリです。
(リンク先のご指定によりトップページのみ貼らせていただきました。)


ということで、バイオ技術がめざましく進む昨今、次から次へと「この資材は画期的!!! これさえあれば、もうバッチシ!!!」と思わず飛びついてしまいたくなる農業資材がでてきますが、私のつたない経験から思うに、「これさえあれば!」という単品の資材はないと思ってます。最強とも言える合成ホルモンでさえ、すべての植物に同一な効能はでないそうです。

なぜなら、もしすべての植物に共通して、何代にも渡って、まったくおなじ効果を発揮しつづけられる資材があるとすると、逆にいえば地球上すべての植物がイッセイに枯れてしまうリスクがあるからかなと思います。ひとつひとつの植物にとってベストな環境がすこしづつ違うのも、同じ種類の植物でも発芽が早いのもあれば遅いのもあって個性がある・・・っていうのも、とっても大切な種の保存の原理が働いているからだとおもいますし、「今年はアノ害虫に食い荒らされて、たくさん種子を残せなかった、来年はアイツに負けない遺伝子を残そう。」という年をまたいでリベンジをする、したたかな植物たちのたくましさに出会ったこともあって、植物っていう存在はやっぱり、ヒトサマの都合にあわせて操れる相手ではないかもしれません。

使ってみたら、よい効果がでる肥料や活力剤、ホルモン剤などの農業資材は、ほんとにいっぱいあるんですが、その単品資材だけの力量というよりは、「元気に生長するために必要な体内サイクルのうちの、どこかの歯車を回して、循環をよくしましたよ!!!」ということかなと思います。

例えば、水耕栽培用の肥料資材ひとつを見ていても、実際に育てくらべてみると最先端の肥料と、昔からスタンダードに売られている肥料のそれぞれの魅力やメリットを再発見したりして、そうなってはじめて「活力剤」の意味が理解できたりなんてことも多々あります。

「温故知新」は,いつの時代でもかわらないテーマでありつづけるようです。




2011年5月18日水曜日

春の野草でシフトチェンジ

今朝ご近所の方から、「ノビル」をいただきました。ごちで〜す!!!


















季節の変わり目のちょうど今ごろは、身体のなかでは、脂肪を減らしたりホルモンが分泌されたり・・・と冬から春へのシフトチェンジがあれこれ必要なので、いつもより多くの酵素やビタミン群などを消耗しちゃったりします。

なので、どうしても疲れやすくなったり、気分が勝手にもりあがったと思えば、ズドーンと落ち込んだりと変わりやすくなりますね。ストレスをなくしたり寝たいだけ寝たりすれば、身体が勝手にリカバリーしてくれると思うんですが、現代社会はそうもいきません。

寒い冬をジッと耐えて、春に新芽を出す野草や旬の野菜には、人の身体のシフトチェンジをガンガン助けてくれるパワーと栄養素がたっぷしつまってるそうです。そしてビタミン群や酵素群も豊富なので、生で食べられる野草は、ぜひ加熱しないでいただきたいところです。

ノビル味噌」にすれば、生のまま食べられるし保存も効きそうでヨサゲです。
ノビルをよく洗って一番外側の皮をむいて刻んで味噌とカツオブシと合わせて一晩置けばできてしまうそうです。
甘辛いのが好きな人は、レンジでチンしてアルコールを飛ばしたミリンをすこし入れたり、オツな味が好きな人は、胡麻か、ごま油なんかも入れて、お豆腐にのせるだけで薬味のきいたツマミになりそうなもんです。
先日紹介した「塩麹」をすこし入れると、大豆とお米のパワーの相乗効果で、ますますヨサゲです。

ということで、心も身体も大切なのはバランスですよね。

この宇宙のすべてのものを「陰と陽」に分けて、バランスで食事や生活をすることで、心も身体も幸せになろうという「マクロビオテック」の創始者「桜沢如一」さんによる、こんな本があります。

















マクロビオテックの考え方を野菜の栽培に取り入れている生産者さんもいらっしゃって、季節から肥料にいたるまでの植物がそだつ環境すべてのものを「陰と陽」に分けてバランスをとってあげると、農薬や多くの肥料なんかなくても、スクスクのびのびオイシイ野菜ができるんだそうです。

興味のあるヒトは「陰陽農法」でググってみてください・・・

2011年5月17日火曜日

ライフラインが絶たれた時に便利な一冊。

生まれて始めて、デジカメのセンサー掃除をお願いしています。ということで、手元にカメラが帰ってくるまでは、ヒトサマのフンドシで相撲を取らせていただきます。

今回の震災や原発事故で、ガソリンに灯油、そして電気が手に入らなくなったら、ごく普通の生活がカラキシまわらなくなってしまうと、ものすごく実感しました。

そんなときに、そんなときでなくても、家庭にあるとゼッタイ役立つ、目からウロコの、この一冊!!!



















野菜の皮でヨゴレを落とす

ありふれた食材で、いやなニオイを消す

そのへんの草が、極上入浴剤に大変身。

これぞ本物、オーガニックなボタニカルコスメもDIYで!
ゴロゴロ生えてる/手に入る植物で、髪も肌も歯もピッチピチ! アトピー知らず!!!

はたまた手作りのお風呂/トイレ/石窯/小屋まで。

バイオエネルギーだって、DIYでできちまうぞ!

はぁ〜、お金で買わないと成立しないと思っていた暮らしのほとんどが、ヤル気さえあれば自力でまわせてしまうもんなんですね〜。ということで、お守りがわりにこの一冊、ぜひおすすめします。

2011年5月14日土曜日

香りのハーブのアーバンガーデニング

先週の金曜日に更新しようと思いましたら、「blogger」がメンテナンスのため、更新できませんでしたので、今日することにしました。

うだるように暑くなったらと思ったら、ウールを着込みたくなるほど肌寒い日になったりと、ジェットコースターのようなお天気が続きます。

鉢が小さくなったので、ひとまわり大きなポットへと植えかえたホワイトセージでしたが・・・
みるみるみるみる

ぐんぐんぐんぐん

伸びました。

葉にふれるだけで、よいカオリがして
気分転換になります。










そして、今年のグリーンカーテンと趣味をかねて、とある方から分けていただいたアロマホップ3種類の根茎を植え付けました。左側の、一番乗りで新芽が伸びてきているのは「センティニアルホップ」という香りのよいアロマホップです。











ホップは雌雄異種の植物で、雌花(=ホップコーン)によいカオリがあるので、雌株がメインに繁殖されています。

そして種よりも根っこでどんどん増えていきます。

これは、アロマホップの中ではとっても人気の高い「カスケードホップ」です。カスケードホップのホップコーンには、グレープフルーツのような柑橘系の香りがします。







そして、これは「チヌークホップ」という、アロマホップの新芽です。チヌークもカスケードとおなじくらい、よい香りがします。














この子たちを大切に育てて、窓辺の遮光用にグリーンカーテンにしてみようと思います。
ホップは肥料グイですが、地植えにしたほうがホッタラカシ気味でも勝手に育つ感があって楽なんですが、できるだけ大きなプランターで育ててみようと計画しています。

2011年5月10日火曜日

連休明けのイチゴたち

ゴールデンウィークがあけて、もう夏の陽気さえ感じられる日もあります。
野良なクサイチゴたちにはもうプリッとした実がついて、赤く熟しています。














放射性物質の影響がある地域では、春の野の草や実を摘んで食べることに抵抗を感じるかもしれません。もう夏野菜のガーデニングシーズンが始まっています。今年は震災や原発の影響で、いろんなものの物価が上がってしまいそうです。そんな時こそ、ホビーガーデニングで食費を浮かせたいところですが、「汚染されているかもしれないから露地栽培は不安・・・」という人もいるかもしれません。

今不安とされているのは「放射性セシウム」と「放射性ストロンチウム」ですが、セシウムはカリウムがじゅうぶんにあれば野菜の吸収を防げますし、ストロンチウムはカルシウムと似ているそうなので、カルシウムをしっかり効かせれば放射性ストロンチウムが根から吸われることも防ぐことができます。

カリウムという肥料は、基本的に土壌で栽培をしていれば不足することは少ないそうなので、苗を植えこむ一週間ほどまえに草木灰や備長炭、モミガラくん炭などを適量だけ混ぜ込んだり、実がつきはじめたタイミングで、定期的に根元にふれないように回りに少量づつをぐるっと撒いてあげれば大丈夫だと思います。

ところが日本の土壌は火山灰土質が多く、火山灰にはカルシウムがわずかしか含まれていないそうなので、日本の農産物はカルシウム不足であることが多いそうです。
カルシウムは土壌に撒かれると、リン酸とすぐに固まってしまって不溶性になってしまったり石灰資材の種類によっては肥料焼けを起こしやすくなるので、一番扱いやすい石灰資材はカキガラなどの有機石灰資材です。有機石灰資材は過剰症状がほとんどなく、土に撒いたあとすぐに苗を植えこんでもOKです。
また、いつかこちらで書いたように、直接ぱらばらと葉面に石灰を撒いてしまっても、かなり効率的にカルシウム不足を解消できます。(葉面に散布できる石灰資材は、かぎられているので気をつけた方がいいです。)
















そして、これは植物だけじゃなくて、人間さまでも同じなんですが「カリウムとカルシウムは、あまり仲がよろしくない相性」です。
カリウム or カルシウム、どちらか一方が多くありすぎたり食べすぎると、どちかが吸収できなくなってしまいます。
分かりやすく言えば、例えば人間だったら、チーズやヨーグルトなど吸収のよい酢酸カルシウム(←乳酸カルシウムでした!)がたくさん入った食品をめいっぱい食べたあと、バナナやナッツ、ココアに海藻などカリウムの多い食品を食べても、カリウムが吸収されにくくなってしまう・・・的なことが起こります。(ホントはもっと複雑な反応だと思いますが)


なので、ヨーグルトやチーズなどカルシウムとタンパク質が豊富な食材と・・・納豆やひじき・ナッツなどカリウムが豊富な食材は、朝と夜などに分けて食べるなんとことが良いのかもしれません。
少なくても植物栽培では思いっきりその通りで、カリウムとカルシウムは交互に効かせる! が、なかばお約束です。


カリウムは、あればあるだけ吸われやすい肥料ではありますが、ホウ素・マンガン・鉄と仲がよくってマグネシウム・カルシウムと仲がよろしくありません。

そして、植物の根っこは、なぜかカルシウムを積極的に吸いたがらないところもあるそうなのですが、








カルシウムは、根っこでは水といっしょに吸われやすいので、一番効果的なカルシウムの効かせかたは、「水不足で、苗がくたっとなったタイミングで水とカルシウムを一緒にあげる」と、根っこは水のついでに、カルシウムもたくさん吸ってくれるそうです。

このとき、リン酸やカリウムは、カルシウムの吸収をジャマするので、PK肥料をドバドバあげすぎてると、カルシウム不足になって果実が肥大しなかったり病気に弱くなります。




逆に有機酸やアミノ酸は、
カルシウムの吸収+ご活躍にベストな相乗効果があるので


有機酸の入った有機活力剤といっしょにあげるのは、とってもナイスなアイデアです。

2011年5月6日金曜日

天然酵母起こし

もうずいぶん前のことなのですが、収穫したパッションフルーツです。
フト気がつけば時おそし!!! しょぼしょぼになってしまってました。














でも割ってみると、完熟していて、それはそれは麗しい香りがポワァ〜ッと広がりました。















パッションフルーツの香りが大好きなので、天然酵母を起こすことにしました。果実につく酵母でパンなどを仕込むと、その果実の香りがほのかにします。酵母は、大昔から世界中で発酵食品や保存食に利用されてきたので、ホントにたくさんの種類が存在してます。
その種類によって好きな環境・食べ物が違いますが、穫りたての果実に水とお砂糖と、ほんのちょっとのお塩で、酵母は元気になります。












フタをゆるめに閉めて、1日1回容器を軽くふると、

今の季節なら、2〜3日で、プクプクと泡が立ってきます。


泡が少なくなってきたら、密閉して冷蔵庫に入れておくと、一ヶ月くらいは使えます。









無農薬の果実から起こした天然酵母の発酵液からパンも仕込めますが、パンづくりは大変なので、ドレッシングにちょっと入れたり、ヨーグルトに混ぜたり、カクテルに混ぜたり、そのまま飲んじまっても身体に悪いことはありません。これも活きた食べ物といえます。