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2024年9月6日金曜日

CANNA記事「栽培環境」収穫にこだわるなら飽差(ほうさ)、これがすべてさ。

 CANNAのサイトに新たな記事が更新されました。

「栽培環境について」パート1パート2 

今回の栽培環境では植物をとりまく光、温度、湿度、そして培地が、植物の育ち方にどう影響するのかの説明ですが、一言でまとめると・・・


「どのメーカーがいいのか悩むよりも、きちんと環境をコントロールしたほうが、はるかにはるかにはるかに効果高いよ〜!」です。そのために温度・湿度・光・培地・空気をどうすればよいか、がまとめられています。


栽培環境 パート1

  • 気孔を開かせる! それがすべて!
  • 気孔を開かせるための気温と湿度の関係
  • VPD=飽差(ほうさ)を制するものだけが最大の収穫を可能にできる


栽培環境 パート2

  • 根がカンタンに水分を吸える培地、吸えない培地。
  • EC値が高いと根は乾いていると感じるトリックの活用方法。
  • 酸素は大事
  • 根の吸収力と葉の蒸散量のバランスは草姿(そうし)で判断




収穫と品質にこだわるなら飽差(ほうさ)、これがすべてさ。

やっと飽差の重要性について語れるチャンスが来ました。で栽培管理する具体的な方法が紹介された当初、「作物の生育が見ちがえた! 」 「収穫率がぐんぐん上がった! 「しかもコストが下がった! 「もっと早く知っときゃよかった! 」とニッポンの生産者の方々から大反響が起こったそうです。

農業関連の方や施設栽培生産者の方々にとって、今ではかなり耳タコの「飽差(ほうさ)、英語ではVPD(Vapor Pressure Deficit)で、それを最大限にカンタンに説明すると「空気中にあとどれだけ水分が蒸発できる余裕があるのか」、つまり湿度を示す指標で、単位は欧米ではkPa(キロパスカル)、日本ではg/m3が使われています。


「   最適な飽差の範囲  」は、植物の種類や生長段階ごとにかわりますが、葉ウラの気孔が開いて水分を蒸散しつづけられる飽差範囲になるよう気温と湿度をコントロールしましょう、というお話です。









最大限の収穫を目指すにあたって、肥料よりも、光よりも、飽差が、なぜそれほど重要なのか? それは、葉の気孔を開かせるためです。

植物が光合成をする間、気孔が開いていないと水も肥料もCO2も思うように吸収しません。

そして葉ウラの気孔が開いて水分・養分・CO2をたくさん吸収できるのが、空気中の飽差が最適範囲になったときだけです。なので気孔が開いていないと、どんなにスペシャルなグロウライトを使っていても肥料や活力剤を与えていてもCO2を添加してあげても気孔が閉じてしまったら、根っこや葉っぱは動かず吸収しないので、与えてる効果が半減しちまいます。


気孔が閉じてしまう要因は、光が強すぎたり空気が乾燥しすぎていたり根が水分を吸収できなくなると気孔を閉ざして体内の水分をキープしようとします。その反対に、空気中の湿度が高すぎると気孔から蒸散した水分が入るスキマがないので、せっかく気孔が開いていても水分が蒸散されないので根が養水分を吸収するのをやめてしまう、ということもあります。この負の連鎖2パータンが起こらないのが、「   最適な飽差の範囲  」です。

最後に、飽差管理を最適にできている上で、さらにした方がいいことは・・・・
  1. 夜間も最適な飽差管理をつづけるとクチクラ層からの蒸散が促され、根が伸びやすくなり生長がよくなります。同時に花が咲いてから果実が実る開花期には夜間の温度を下げたほうがベターです。

  2. 湿度が上がりすぎたり下がりすぎて最適な飽差範囲から外れてしまったからといって、一気に冷たい|暖かい空気を取りこんで一発解決しようとするのは、ものすごく逆効果です。湿度がガツンと変わったとたん、気孔がしばらく閉じてしまうからです。すきま風のように外気を少しずつ取りこんで、なだらかになめらかに湿度を上げ下げして最適範囲にすすれば、気孔が開きつづけてくれるのでベリーベストです。

  3. 葉からの蒸散がつづくと培地の乾きが早くなったり培養液の減りが早くなります。
    かといって、ココ培地やポッティング・ミックス培土は、適度に乾いてから水やりしないと根が酸素不足になり逆効果です。与えた水分の50%が吸収されてから水やりのサイクルをキープします。

  4. 培養液に根が浸りっぱなしのDWCシステムでは、培養液の温度が30℃近くになってしまうと溶存酸素量が極端に減ります。DWCシステムは、もっとも根が酸素不足になりやすいハイドロ・システムであり、根が酸欠を起こすと、肥料成分を吸えない、細胞が軟弱になりヒョロヒョロと徒長する、やがてカビ病が発生する、根が茶色くポロポロと腐って終了。という負のスパイラルが起こります。いっそ真夏はDWCシステムを使わないのが賢いチョイスだと思います。





2024年4月18日木曜日

CANNA記事「NPKレベルで肥料を選ぶ」

 CANNAオフィシャルサイトに新しい記事が公開されました。

栽培ビギナーへ
NPKレベルで肥料を選ぶ

ハイドロポニック市場では、さまざまなブランドが「ウチがナンバーワン!」的なセールストークとともに液体肥料を発売しています。


今回の記事では、NPKの含有量で液体肥料を選ぶ方法についてガイダンスされており、

「ラベルに書かれているNPKの比率が高ければ高いほど、ボトルにはたくさんの肥料が入っているからお得だよね。」という、ありがちな先入観をバッサリ切る内容になっています。

例えば、N-P-K=3-3-2と記載されている液体肥料よりも、N-P-Kが26-23-29と記載されている液体肥料のほうが、はるかにお得だと判断しがちですが、1リットルの水に希釈する肥料の分量は全く同じだったりします。なんでこんなことになるのか?ということが少々こむずかしい理論で説明されております。


結論から言えば、ラベルに表示されているNPK比率から、そのボトルには水溶性のチッ素、りん酸、カリウムが何gづつ含まれているかを読み取って計算するのは相当めんどくさすぎるので、

全く同じ水温にした水1リットルに、メーカーが推奨する使用量をそれぞれ希釈してみて、ECメーターで測ればいいじゃん! EC値が一番高くなったメーカーの液体肥料が一番お得だよ!

ということです。


ちなみに培養液のpH値を管理しなくてはならない理由は、ただひとつ! すべての肥料をまんべんなく吸収させるためです。言いかえれば液体肥料を全く加えていないのであれば、水分のpH値変動は植物にってほぼ意味がないということです。




水のpH値を弱酸性に保つメリットには病原菌が繁殖しにくいから、ということももちろんありますが、それは何週間も水を取り替えてないとか、弱酸性でよく増える有用な微生物を増やしたいから糖分を入れたとか、かなりイレギュラーな場合です。

培養液のEC値が低いほど、そして植物に対して培養液の量が少なくなるほど、pH値はすぐに適正範囲から外れてしまいますが、植物は体内を弱酸性に保とうとするので、しまいには水の水酸化イオン(OH-)だけを吸収しはじめて、水はますますアルカリに傾きpH値が上昇します。

また、ただの水道水に1日エアレーションしつづければ、翌日にはpH値が8以上に上昇してしまいますが、それは当たり前のことです。水道水には一定量の炭酸が含まれていて、エアレーションで炭酸がCO2に気化して抜けてしまうからです。

液体肥料を希釈した培養液にはpH値の緩衝作用が生まれますので、ただの水と比較するとpH値の変動はかなり抑えられます。

とくにCOCO培地での栽培では、生長期の植物は、酸性でよく溶けるチッ素成分をたくさん吸収するので培養液のpH値は5.8の低めでスタートさせ、ツボミがでて果実が実る段階になると、やや高めのpH値でよく溶けるカリウムをたくさん吸収したがるので、培養液のpH値は6.2でスタートさせるのがコツです。




ただし根っこが常に培養液に浸っているDWCシステムは、培養液のpH値が最も変わりやすいハイドロポニック・システムなので、草丈が1m以上に大きく育つ夏野菜の栽培では、一株あたり培養液を10L以上確保することも大きなポイントです。



2023年9月11日月曜日

CANNA 記事「硬水と軟水」がアップされました

 CANNAオフィシャルサイトに新しい記事「硬水と軟水」がアップされました。


水溶性の肥料を水に溶かした培養液で、すべての肥料を植物に与えるハイドロポニックスでは、肥料を溶かす水道水の水質を正しく把握することが大切です。EC値が0.2mS/cm(100ppm)前後である日本の水道水は(一部地域をのぞく)、世界標準から見ると超軟水であるだけでなく、有害物質や汚染物質も含まない安全な水質なので、ハイドロポニック栽培にとても有利です。
硬水とは、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどを120ppm以上含んだ水ですが、まちがいやすいのは、ppm値=水の硬度ではない、ということです。詳しくは記事をご参照ください。


この記事のポイントは、肥料と水の肥料成分の合計が、下図「ハイドロポニック栽培での化学成分の推奨値」以内に収まるよう管理しましょう、ということです。



軟水の日本では、水道水に含まれている成分が大きな問題を起こすことはほとんどなく、あまり気にする必要はないと思いますが、水道水の硬度が高い国、地域や、ナトリウムなどが多い地域では、水質検査やROフィルターでの「ろ過」が必須な場合があり、使用する水質の管理にも余分なコストがかかってしまう、ということです。


2023年4月20日木曜日

CANNAマスタークラス・シリーズ「ECについて」

今回のマスタークラス・シリーズでは、EC値について紹介しています。

例えば、その昔は海だった土地では、今でも水道水にナトリウムが多く含まれていたり、海までの距離が長い大陸では、水が地中を延々と流れるうちに、水に含まれる炭酸が土のカルシウムやマグネシウムを溶かしていくので、硬度の高い水道水になります。

山と海が近い日本列島は、降った雨が地中を通過する期間が短いため水質が軟水になるので、水道水の水質にはとても恵まれています。




半袖で歩けそうな陽気がつづくようにると、室内栽培のミニトマトたちにはわき芽がどんどんでてきます。そのわき芽をROOT!Tスポンジに挿して、挿し木取りをしました。


カットした“わき芽”や“横枝”をROOT!Tスポンジに挿した初日は、しおれることがありますが、
きちんと夜の時間をつくってあげれば翌朝ピンとしているはずです。


挿し木取りにおすすめのアイテムは、
  1. ROOT!Tスポンジ

  2. ROOT!T ジェル

  3. ROOT!Tカッティング・ミスト

  4. CANNAスタートセット



気温が上がるにつれ、中南米から南半球が原産のパプリカやプロテアたちは、ドンドン活発になってきました。




夏日になった今日は、鮮やかに咲いたクリムゾンクローバーの花に、ミツバチたちが蜜を集めにやってきました。



毎年緑肥を巻いて、土壌改良を続けていると、たくさん生えてくる雑草の顔ぶれが変わってきました。今年の春、一番最初にあたり一面に繁殖した「ハコベ」の勢いが衰えてくると、今度は「アメリカフウロソウ」がものすごい勢いで生えてきました。「フウロソウ」はゲラニウムの和名ですが、「アメリカフウロソウ」にはまだ薬効は認められていません。


一方で、在来種のフウロソウのなかでも薬草として重宝されるのが「ゲンノショウコ」です。腹痛の万能薬として日本三大民間薬のひとつに数えられています。ちなみにあとの二つは、ドクダミとセンブリです。


ゲンノショウコとおなじく薬効を保つ「ヒメフウロソウ」ですが、こちらは紫外線ダメージでできるシワを予防するエイジングケアの効果があるそうです。つい先日までかわいらしい花を咲かせてくれていました。



花々の色がいっそう鮮やかに目に映る季節です。


2022年3月22日火曜日

CANNA ECO BAGキャンペーンのラストはキャナ・ココ。CANNAウェブ講座pHについて

キャナ・エコバッグのプレゼントキャンペーン。

CANNA COCO A/B肥料をお買い上げの方に、差し上げています





CANNA グロウ・コンサルタントであるピーターさんによるpH講座です。

ロックウールクレイペブルスココ培地TERRAポッティング培土バイオキャナなど、培養液で養分を吸わせるハイドロポニカリーな栽培においてpH値は重要です・・・

なんで? どうして? 何に気をつけたらいいの? 何をしたらいけないの? それはどうして?

ピーターさんの講座を見れば、ハイドロポニックにおけるpHにまつわる、あの疑問、この疑問が(ほぼ)一発解決!?






2018年3月26日月曜日

春と桜とCO2

「雪!  しかも積もってるよ!」だった先週から一転、都内を中心に南関東で桜が開花し、ポカポカ陽気に恵まれた週末は、ノースリーブで花見をなさる人々を公園で見かけました。


























仕事場のイチゴやらビオラたちも、花ざかりです。

























蜜源植物のひとつであるボリジはミツバチを呼ぶので、イチゴの花もいっしょに受粉してくれるコンパニオンプランツです。

























最低気温が10℃を下回らなくなったので、シダ系の寄せ植えハンギングを外に出しました。窓の外に吊るしたハンギングバスケットは、なにかと便利です。忙しい朝には、部屋の中からスプレーで水やりもできるので、いちいちスッピン顔を気にしてわざわざ外に出て水やりする必要もありません。


















「風通しをマックスにしたいからカーテンなしで開けっ放しにしたい小窓・・・でもおとなりさんの窓と向かい合わせになってるので、開けっ放しはアチラのオタクに気がひける・・・」こんなときこそ、スマートで見た目もGoodなアーバンガーデニングで解決! ハンギングプランターを窓の外につるせば、いろんな意味でCOOLにプライバシーを確保できます。ハンギングプランターや植える植物にしても、ひとつ税込108円のショップでそろえられる時代です。


ところが! 問題は、トイレや風呂場の小窓や腰窓に備えつけられているアルミの面格子にとりつけられるハンギングバスケット用のブラケットが、なかなか売ってない!!!
そこで、「柱用のブラケット」を面格子に取り付けることに決めました。近場のホームセンターでGETしたまではいいのですが、そのままではネジが長すぎて壁と面格子の間にはまらないので、パイプカッターでネジをちょうどよい長さにカットして、無事ブラケット装着完了です。めでたし、めでたし。(切断面がギザギサになるので、精度を求めるおヒトには、ホムセンでネジのカット加工をお勧めします。) 


























来年は新たな年号へ変わることですし、女性男性中性をとわず、料理もDIYもできるにこしたこたぁないねっ、という時代になりつつあると思います。



さて、室内栽培の新たな必須アイテム???になるかもしれない、「シイタケの菌床栽培バッグ」です。購入してから最初の収穫を終えたので、つまようじで菌床培地にプスプスと穴を開けて吸水性を高めてから、バケツの水にドボンと一晩浸して、マックスに吸水させてからというもの約一週間、またもやニョキニョキと収穫の時期を迎えました。



















シイタケのCO2作戦でもハンギングバスケットが大活躍です。こんなふうにグロウランプよりも上の、暗めになる高さに吊り下げておくと、シイタケが大きく育つにつれてCO2を大量に吐き出すので、下で育てているメインの野菜たちの果実の肥大促進ができるんです。しかも安くて安全でキノコも食べられる、ヒトツブでなんどもオイシイCO2発生方法です。
























ランプ点灯から3時間ほどたつと、CO2濃度は864ppmに。6時間をすぎたころには1000ppmを超えていたようです(CO2が1000ppm以上になると、ピーピーなって教えてくれるCO2メーターなので、わかりました)。



















菌床栽培バッグのおかげで、パプリカの果実はサイズアップできるし(気温が高くなったせいもあります)・・・


















シイタケも、穫れました。





















ミニトマトの株をあたらしくしました。秋から育てていたトマトのわき芽から育てた挿し木苗です。



















ランプ点灯直後は、こんなふうに葉つゆがでていて、根っこが元気に動いていることがよくわかります。今年のミニトマトも、「フルーツみたい!!!」と、ご近所さまたちに大好評でした。



















一方のパプリカは「甘くてオイシイ!  でもサラダや炒め物以外には、どうやって食べたらいいの?」とご質問をうけました。ガスコンロで皮を黒く焼いて皮むきしてみじん切りにしたら、溶かしたバターにみじん切りを加えて炒めてから、冷やご飯加えて塩胡椒で味を整えれば、ピーマン系苦手なお子たちに気づかれることなく、リコピンを摂取してもらえます。





2018年3月9日金曜日

インドア・グロワーに最適! シイタケの同居で安全たっぷりのCO2

「どうせ枯らすか、地植えになるだろうな・・・」と思いつつ、2月に梅の花が咲き始めると、いてもたってもいられず花もの盆栽の苗木をGETしてしまいます。

そして、先週盆栽鉢に植え替えると、今週になってツボミが開いた「ボケ」。


















ボケの苗木の植えかえ、植えかえ後、ほぼ毎日「スーパースライブ」を葉面スプレーしました。活着のよさと速さが、(まるで)違うようです。新芽の展開がはやい、はやい!

























さてさて、2015年に「Mushroom Farm」をご紹介してからというもの、毎年冬はさまざまざまな「キノコ」を育てることにしています。
http://desktopfarmer.blogspot.jp/2015/12/blog-post_21.html

ところが、エリンギなどはカサがいまいちしっかり広がらず「霧吹きのしすぎなのか、足りないのか???」と頭を悩ましていました。





























「キノコの菌床栽培では炭酸ガスが発生しますが、

炭酸ガスの濃度が高すぎるとカサが変形しやすくなります・・・」

という記述を見つけました。「炭酸ガス! CO2! そうかキノコの菌糸が張るにつれて菌床培地を分解して養分にするからCO2が発生するんだ! 」

「炭酸ガスの発生量は、多い時には1500ppmほどにもなるので、

炭酸ガス耐性が弱いキノコ類には

ダメージが出るので、炭酸ガス濃度を下げることが課題・・・」


「炭酸ガスの有効活用方法なら、イヤというほどと知っています。」ということで早速、室内栽培のパプリカどもの天井に「シイタケ栽培キット」を吊るしてみました。ものの数日で、ニョキニョキとシイタケどもの出現です。(ハンギングポットは別売り)







1日2回、朝と晩に水をスプレーして湿度を高く高く保ちます。すると、ハンギングポットのスリット部分からもシイタケどもの群生が確認できます。



























真上から見ると、もうこんな状態に! 




















栽培スタートから一週間経過の頃のCO2濃度は、約600ppmほど。
CO2濃度が一番高くなるのは、菌床栽培スタートから約1ヶ月ほどだそうです。

スタート三週間目に当たる昨日は、1mX2mのグロウルーム内で約1345ppmまで上昇しました(ほぼ密閉状態で)。

























CO2濃度は気温や湿度によって変化しますが、室内栽培では常に600ppmほどのCO2濃度をキープすると、もっとも収穫のアップ率が上がるとのことなので、ムリなくムダなくCO2を入れるのにはもってこいの方法ですし、なによりもコストが安くて安全なうえ、キノコも食べられる!!!

また、設置のポイントはリフレクターよりも上の、ちょうど弱光がもれて温度が高い位置に吊るし、さらにファンで室内全体の空気を循環させることも大切です。

菌床の管理ですが、1日少なくても一回、水をたっぷりとスプレーして袋内の湿度を維持するだけです。ファンで空気が動いてCO2がパプリカのトップに降りそそぐうえに、ランプからの弱い光と温かな空気がシイタケの栽培バッグ全体を包むので、キノコにとってもパプリカにとってもベストな共生環境ができあがります。

シイタケ栽培スタートのタイミングは、ちょうど野菜の開花が始まって果実の肥大がはじまる1ヶ月前を逆算すると、ナイスだと思います。






菌床全体にシイタケが大量に発生すると、サイズが小さなシイタケとなります。大きな失敗の1番の原因は、「大きくなるまで待ってから収穫しよう」で、大きくなるまで待ちすぎると、シイタケのカサが開ききり味気なくなってしまうので、そのまえに全部収穫しましょう。

















収穫する時のポイントは、シイタケの石づきの根元から、ひとつひとつハサミでカットして収穫していくことです。石づきを手でちぎって収穫してしまうと、菌床表面の菌糸もはがれてしまい、次回の収穫が少なく遅くなってしまいます。

一度目の収穫を終えたら、菌床全体を数時間水に浸し てから再び付属のビニール袋に入れて栽培スタートさせます。環境がベストなら、二日後には次のシイタケが出現し始めます。



2015年11月17日火曜日

R-DWCシステム。開花期用肥料にチェンジ。

この秋に、なんとかDIYでつくってみたR-DWCシステム。

4つのグロウバケツと、ひとつのリザーバーバケツ で培養液をやりとりするタイプの再循環式DWCシステムでカラーピーマン? パプリカ? を栽培してきていますが、今朝培養液のpH値を測ってみると・・・




























おやおやっ? 培養液のpH値が5.0を切っています。




























先週の金曜日に培養液をとりかえpH値5.8スタート。5日後の今日pH値が自然に下がり、だいたい4.7の弱酸性になっていました。



























培養液のpH値が自然に下がった原因は・・・?
もちろん! 「開花期スタート」だからです。




















よく見れば、やっぱりツボミが小さく見え始めてます。




























果菜類にかぎらず、植物ほぼ全般に共通することで、生長期には酸性の窒素をさかんに吸収しますが、花芽が作られ始めるとカリウムを多く吸収するようになります。

培養液で育てるハイドロポニックだと、その養分要求変化がpH値にモロでるので、とてもとても分かりやすいと思います。つまり、生長期には培養液のpH値が上がりやすく、開花期が進んでいくほど、pH値が下がりやすくなります。




とくに根っこが培養液に浸りっぱなしのDWCシステムは、生長期の移行による変化が、ダイレクトに培養液のpH値変化にあらわれます。なので、培養液のpH値が自然に下がるようになったということは、「生長期用の肥料は、もうお口に合わないのよね!」と植物が教えてくれてるので、「生長期専用のベース肥料CANNA AQUA VEGA」から、間髪いれずに「開花期専用のベース肥料CANNA AQUA FLORES」へと切りかえます。


















正しいタイミングで、培養液を開花期用にすべて交換してみれば、数日後にpH値が下がってしまうことは、もう起こらないはずです。

が、それでもpH値が勝手に下がってしまう場合は、なにか別の原因があります。

  1. CO2、炭酸ガスをテキトーに入れすぎてやしませんか?  エアーポンプがグロウルーム内にある場合は、空気中のCO2をエアーポンプが取り込んで培養液にどんどん吹き込んでる状態になってることがあります。
  2. 栽培期間が半年以上など長くなる植物では、死んだ根っこが分解されず発酵して「酢」になってる場合があります。培養液を定期的に取り替えないか、エアー量が少なくなったせいで、死んだ根が沈殿したまま担ってる時などに多く起こります。

    これを防ぐためには、「CANNAZYM」や「ZYM-ZYM」など古い根っこを分解する酵素を含んだ活力剤を与えて、最低週に一度は培養液を取り替えます。
    また、培養液を取り替える時には、エアーポンプやエアーストーンから十分な量の空気がちゃんと出てるかチェックしたほうがいいです。
  3. ピシウム、フザリウムが原因で起こる根ぐされ病などは、発生初期に培養液のpH値が下がり、その後に植物が降参してしまうとpH値が上がってくことが知られてます。
  4. 植物に対して、培養液量が少なすぎてませんか? 1メートル以上の丈に育つ植物なら、一株あたり最低5L以上は培養液が必要です。培養液が少なすぎるとpH値やEC値がコロコロ変わってしまいます。



と、いうことで早速開花期用の培養液に交換することといたしました。
リザーバータンクから各グロウバケツに培養液を流入させるメインホースを「13mmチーズ」と「13mmインライン・コック」で分岐させて、排水させれば、培養液の取りかえが楽チンです。
























ちなみに、フラッド&ドレイン・システムなど、根っこが培養液に浸る時間が短いシステムは培養液のpH値があまり変わらないので、肉眼で花芽をチェックして開花期肥料にチェンジします。







2015年2月10日火曜日

水やり3年。でもルールさえ知ればコワくない!

プランター栽培のエアルーム品種「三浦大根」、第1号をめでたく収穫です。パチパチパチ・・・















30cmほどと小ぶりなデキでしたが、スティック状にカットして生のまま食べてみると、
「なんとまぁ、大根とはこんなに甘くてジューシーなものなのか?」
ヒトクチかじるたびに、何度も感想を口にしたくなるほどのオイシさでした!!!
大根の栽培初心者さんには、秋冬栽培がおススメだとのことですが、今回はホントにヤッツケ栽培だったのに、オイシく育ってくれてラッキーでした。

室内栽培の培養液の廃液に活力剤を足して水やりし、思い出したようにカキガラ石灰を葉っぱにバサバサとまき散らし、実が太りだしたらモミガラくん炭をバラバラと撒いたくらいです。

雨や雪が降ることもあるアウトドア栽培は、こんなヤッツケ栽培でもなんとかOKですが、栽培環境をすべてコントロールできるインドア栽培では、そうはいきません。


室内栽培でメジャーな培地には、ロックウール、クレイペブルス(ハイドロボール)、ココ培地、ポッティングミックス培土などがあって、それぞれ保水性、保肥性がちがいます。なので、具体的な水やりテクニックは、培地ごとに少しずつコツがありはします。


「水やり3年」と言われるほど、植物に水を与えるタイミングの見極めには経験がいるものとされてきました。が、ポイントを覚えちゃえば難なく?クリアできます。

























まず、夜間は水やりしないことと、水温や肥料濃度がちょうど良いことが前提です。

室内栽培では、1mX1mの栽培面積を標準とすることが多いです。

1mスクエアのグロウスペース全体に葉っぱが広がっている状態では、植物は1日に約4〜6Lの水分を消費します。まだ苗が若く葉っぱにすき間がある時は1日に消費する水の量は約3L前後です。

大事なポイントは、1mスクエアのグロウスペース全体が葉っぱでおおわれるほど大きく育った状態では、例えばトマトが2本だろうと10本だろうと、健康な根っこをしていれば、1mスクエアあたり、1日に消費する水の量は4〜6Lほどです。
もしもこれより培地の乾きが遅いならば、室温が寒すぎるか、湿度が高すぎるか、根っこに問題が起きているか、のどれかが原因として考えられます。
 
そして、水やりした水分が50%減ったら、水やりのタイミングです。

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たとえば、1mスクエアでトマトを10Lポットで6株、ココ培地で育てているとします。
培地が適度に乾いたので、約25L前後の培養液を水やりしました→6株のトマトの苗全体で、1日に約4Lの培養液を吸収したとすると、だいたい3日〜4日後に水やりした培養液量が50%減った状態になるので、そこでまた約25L前後の培養液を水やりすることになります。

























「思ったり乾くのが早かったり遅かったりする時は1日に吸う水の量が変わるんだから、どうやって50%になるときを確かめればいいのかしら???」と、思い悩まないように、水やりの前と水やりの直後の重量差を計っておけば安心です。

これはロックウール、ポッテング・ミックス培土など固形培地単体での栽培ならばどれにでも共通して使える水やりメソッドです。

もうひとつ、大切なポイントは「培地全体に水がいきわたるには10分間かかる」ということです。10Lのポットに培養液を5Lドリップしようが、40Lドリップしようが、10分後には同じ量の培養液しか含めないので、むやみにたくさんの培養液を与えすぎないようにすることもムダ・ムラをへらすポイントなります。
しかし、根っこはエアレーションなしの水に20分間以上使っていると問題が起きてしまうので、例えば受け皿などに培養液をためて吸水させる場合は、10分したらすぐに受け皿を外して排水させることが理想です。

・・・「イヤイヤ、数字とか覚えるのメンドクサすぎ!」と、感じるおヒトもいるし、最終的な数字は環境によってかわるので・・・

最適な栽培環境で順調に育ってるときは、1mスクエアにつき4日ごとに25L〜30Lくらいの培養液をあげるペース。夏場や真冬はのぞきます。
排液量が適度に出るように培養液の量を調整しましょう。CANNA COCO培地、CANNA TERRA培土は20%〜30%の排液です

って感じです。