2010年1月22日金曜日

有機 V.S. 無機 ? ハイドロ V.S.土 ??

昨今のオーガニックブームで、ちょっと肩身のせまい感がつのる「 化学肥料 = 無機肥料 」ですが、その功績と世界に与えた影響の大きさについては、知れば知るほどびっくりです。
ものごころついた頃から肥料といえば「 化学肥料 」があたりまえで、有機肥料といえば「  臭い肥料=糞尿や堆肥 」という貧しい印象しかありませんでした。

以前にもちょこっとふれましたが、20世紀に化学肥料が世界で広まってから、たったの100年で人口は16億人から63億人へと4倍ちかくも増加したそうです。( 農地面積は世界でたったの1.2倍にしか増えていないとのこと。)

チリでグアノが発見されてから19世紀の間に硝石・カリ鉱石・リン鉱石が発見され肥料源へと利用されていったそうです。

当時、肥料の原料になる天然資源をめぐって、国どうしの対立や侵略・戦争がたくさん起きてしまったそうです。
むずかしいことはわかりませんが、今でいう石油やレアメタルなどの資源争奪戦みたいなものでしょうか?






21世紀になった今でも「 化学肥料 」がなくては世界の人口の多くは、瞬く間に食料不足になってしまうかもしれません。化学肥料全部を有機肥料に変えようとしたら、食べられるものまで肥料にしなくちゃっていう変なことにもなりそうです。

ところで、水耕栽培の先進国アメリカの専門雑誌「 GROWING EDGE 」に、「 Tomato Hydro or Dirt ? 」という特集がありました。( 残念ですが現在は休刊です )



Hydro( 水耕 )大好きな大学の先生が、馬糞堆肥を使ってDirt( 路地栽培 )でトマトを育てているご近所さんとお互いのトマトを交換しているうちに、「 ホントは、どっちがおいしいのかな? 」と比べてみたくなってみたとのことです。








彼の学生さん9人に「 味・風味・果肉の質・色 ・香り」のポイントで「 Hydro or Dirt ? 」で、どちらがいいと思うか投票してもらったそうで、結果は・・・・














「 Hydro 」が好き・・・9人中5人
「 Dirtが好き」・・・・9人中2人
「引き分け」・・・・ 9人中2人

Hydroは、色・味・風味で勝ち
Dirtは、香りと果肉の質で勝ち


とのことでした。水耕栽培で育てた作物は水っぽいし日持ちが悪いとはよく聞きますが、一方で糖度も高くなるし土臭さがない風味の強い作物になると思います。

化学肥料は過剰施肥がいちばん大きな問題になっていると思いますが、じつは有機肥料も撒きすぎれば同じことが起きます。ただ、植物はもともと土の中の微生物と肥料のキャッチボールをしながら進化してきたので、化学肥料だけでは補えない栄養もあるし有機成分の方が、根っこが増えやすいそうです。

個人的には 「 有機 」 も「 無機 」も使えるココ培地が好きです。