2010年11月30日火曜日

有機チッ素と無機チッ素

先週末からイチゴの「花房=かぼう」に、またまたアブラムシだのコナジラミだのがフワフワとまとわりつきはじめたので、ハーピン・タンパクという「害虫忌避剤」を葉っぱに散布してみました。


ハーピン・タンパクってのは、農作物に発生した害虫が合成するタンパク質のことで、植物がこのタンパク質を感じると、免疫力を強くするディフェンス・スイッチをONにします。ついた虫を殺す効果はありません。
















なので、ホントは「害虫が発生するまえに定期的にスプレーすると、虫がついたと勘違いした植物が免疫を高めるので虫がつかなくなりますよ」というものなので、害虫が発生する前に定期的にスプレーしておくというのが、つかい方としては正解です。














ですが、タンパク質やアミノ酸なんかの「有機チッ素」は根っこから吸わせるよりも「葉面散布=ようめんさんぷ」したほうが植物はよく吸えて、それはハーピン・タンパクも同じで、ハーピンを吸えば植物にとって養分として使えます。植物からしたら有機窒素を吸った方が、のちのち自分でやらなきゃイケナイ手間がはぶけてラクなんですが、無機チッ素よりもでっかくて根っこからは吸いにくいので「しかたなく無機チッ素を吸ってる」感もあるそうです。
そして今回スプレーした「ハーピン・タンパク」資材には鉄なんかの「微量元素群」も入っていて、実はこっちの成分の方が本命だったりなんかします。


植物がいっちばんタクサン必要な肥料はチッ素なのに、植物には空気中に80%もある気体チッ素は固まりすぎてて吸えないので、土壌中の微生物や菌が「気体のチッ素」を「無機チッ素」にチェンジしてくれてはじめて、植物は肥料としてのチッ素をGETできるんです。
この微生物の働きのプロセスを「チッ素固定」っていいます。

「気体チッ素」を「無機チッ素」へと固定してくれるアリガターイ菌で有名なのは、マメ科の根っこにすみつく「根粒菌」です。なので肥料を減らしたい生産者さんは、クローバーやレンゲなどのマメ科植物を畑に植えてチッ素代を節約したり土をフカフカにキープしてりできてます。ただ、悲しいことに「根粒菌」は肥料過剰な土や農薬の散布で、いともカンタンにメキメキと減ってしまうので、「肥料の過剰施肥や農薬散布は、有用菌も減っちゃうから、ますます肥料と農薬がいるようになって悪循環のはじまりだよ」という説もでてくるわけです。


で、水耕やココなどの養液栽培では、硝酸態やアンモニア態の無機チッ素を水に溶かして根っこから吸わせてます。

ものすごく乱暴にいうと、植物は吸った「無機チッ素」に炭素だのアレコレとひっつけて、さまざまな「アミノ酸」や「タンパク質」の「有機チッ素」を合成してまして、これを「チッ素同化」というそうです。







植物の体内で同化された有機チッ素は、新しい葉っぱや根っこや花や実など植物のカラダのもとになったり、「オーキシン」「サイトカイニン」などの大事な大事な植物ホルモンにもなります。

なので植物が「チッ素の同化」をすればするほど早くゲンキに育つしたくさん花も咲いて実もおっきくオイシくなるので、ものすごぉ〜く大切なんですが、無機チッ素をグングンと同化するのにはイロイロと材料が必要なわけで、その材料とはズ・バ・リ!!
「リン・モリブデン・ホウ素・鉄・マンガン・亜鉛・銅・カルシウム・カリウム・塩素・酸素・水素・炭素などチッ素以外の必須元素ぜんぶ+最近ではケイ素・ナトリウム」ってぇことです。(ホントはもっと複雑な複雑なおハナシですが。)

ちなみにこの「必須元素」の「元素」は、あたまりえのことですが「ミネラル」とか「要素」とかに置きかえられたりもします。


植物はその材料をつかって・・・なかでも主に微量ミネラルたちで「酵素」をこしらえてます。ヒトでも植物でも微生物でも、み〜んな食べたものを消化するのに「酵素」が必須なことは有名だと思います。年末になるとよく流れるCM「食べすぎ・飲み過ぎ・胃もたれにはXX製薬の○○!」という胃腸薬も消化を助ける酵素をつかってます。

ハナシはもどって、ナゼいろんな種類の酵素が必要なの? は、ヒトツの酵素ができるお仕事はヒトツだけだからです。なのでチッ素を同化するには、アタマがいたくなる複雑で多くのプロセスがあるので、そのプロセスの数だけ「酵素の種類」が必要になります。

そんな理由から、チッ素をタップリ&マンゾクに吸わせられる水耕栽培で逆に足りなくなっちゃうのが、光合成でつくられる「炭水化物」、そして微量ミネラルでつくられた「酵素群」です。

なかでもリン酸・カルシウム・微量元素群は「培養液にあっても、すぐに固まって吸われにくかったり、吸われても根っこでジ〜ッと動かないヤツがいて、一番必要な新芽に届かない」なんてことも実はよく起きています。そうなると葉っぱでは「消化待ちの硝酸」がふえていっちゃって、葉ものや果実であれば硝酸チッ素が多くてニガマズくなったり、葉っぱがうすくなって害虫がよってきたりデメリットがボロボロでてきてしまうようです。


ということで、前置きが長くなりましたが「微量ミネラルがはいってるハーピン・タンパクを葉面散布すると免疫力がアップして、そのうえ葉っぱにたまった硝酸も同化されて虫もよらなくなるからメリットいろいろ」

・・・なんだそうです。








そしてそんなわけで水耕栽培用の「活力剤」には、水耕栽培で不足しやすい酵素や糖分そして有機酸に天然の植物ホルモンなどがはいっているわけです。



水耕栽培でつかえる「微量ミネラル資材」はチマタでイロイロでてますが、もし葉面散布して効かせたい時の注意点は、「直射日光に弱いし、鉄とかは酸化すると葉っぱが傷むから、スプレーするなら、日が照らない夕方か曇りの日にドーゾ」ということのようです。

2010年11月29日月曜日

Farmer's Market @青山

お天気がよかった先週末、オサレな青山通りを歩いていると「ファーマーズ・マーケット」が開催されてました。














会場のフードワゴンで販売してらしたウマウマなロコモコ弁当をガッツリ・バッチシいただいた後に、出店者さんたちの丹誠こめられた新鮮なおヤサイや果物、ジャムにジュース、そして切り花、ショッピングバッグなどなどをゆっくり拝見しました。
果汁100%のリンゴジュースや、オーガニックなハチミツにジャム、パッツパツにみずみずしい大根に、焼けば蜜があふれる種子島の「安納イモ」などなど・・・
ゼッタイにウマいにきまってる農産物がてんこ盛りでした。

ヤサイたちは車で来た時にめいっぱい買うことにして、

それはそれはカワイらしいビオラをGETいたしました。

この夕焼けのようなチャーミングな花色にホレました。










徳島県の「ももいちご」でチョー話題沸騰の「あかねっ娘」の苗も売られていたので、もちろんGETしました。

去年枯らして、一個もたべられなかった品種のイチゴです。






「寒い・暑い」でしか季節を感じにくいビルの群れのド・ど真ん中で開催されている「ファーマーズ・マーケット」は、季節や自然の美しさや厳しさとともにヤサイやお花を育てている生産者さんと直接お話ししながらお買物ができる貴重な市場です。
育てた方の収穫の喜びや、オイシイ食べ方のコツなどの会話が、おウチでいただく時に最高の調味料になるのかもしれません。



ハナシはすっかり変わりますが、10月下旬に種まきした「松」がようやく発芽しました。

「松の種」は、もちろん「松ぼっくり」に実るんですが、種が古くなるほど発芽見込みは低くなるそうです。

この種は4年ほど前に海岸で拾ったものです。
ゼッタイに発芽しないだろうなと思ったいたら、一ヶ月経った今さら発芽しました。

カワいいです。






これは9月に剪定したミニバラの枝を挿し木にしたものです。
バラやイチゴって、根っこがちゃんと伸びる前に葉っぱがどんどんでてきます。なので、もし根っこが傷んだりしてても、気がつきにくかったりします。
バラの挿し木も、発根する前に新芽がドンドン出てくる思わせぶりな性格で、まんまと安心してると枝が茶色く腐ったりしちゃいます。






9月に挿し木にしてから、ようやく発根しました。

もちろん、適温に保温してあげればもっと早く発根するんだと思います。








たとえば古い種ほど発芽しにくくなるのは、酵素力が弱まったり酸化しちゃったりするからだそうですが、酸素と酵素をちゃあんと補ってあげれば発芽しやすくなるそうです。なので今回は、資材のテストがてらに松の種とバラの挿し木には、発芽や発根促進効果のある「菌根金」や「枯草菌」「トリコデルマ」などがはいった水耕用の「有用菌資材」をあげてみていました。
どうやらヤッパシ、発芽・発根効果はあるみたいです。

たとえば「トリコデルマ」が優先的にふえると、ばい菌が繁殖するのをふせいだり古い根っこを分解する酵素を出してくれたりします。発芽や発根の速度がちょっと遅くなりますが、そのぶん根量がしっかり増えたり丈夫になったりとメリット盛りだくさんです。「トリコデルマ」は「繊維質」が大好きなので、ココ培地でよく増えますす。シイタケなど「キノコの栽培」にとっては有害菌ですが、ヤサイの根っこには悪影響がありません。ココ培地には植物の根っこを丈夫にする「リグニン」っていう成分も含まれてるので、さらにさらに根っこの生長にいいんだそうです。

2010年11月26日金曜日

GOPANが受注停止!「ソノ発想ハ、ナカッタワ」

わざわざ米粉をGETしなくとも、おウチにある精米した米粒からダイレクトにパンが焼けちゃうライスブレッドクッカーの「GOPAN」が人気沸騰で受注中止という事態にまでなっちまったそうです。








お米を挽いた「米粉」でパンやスイーツを作ると、小麦粉よりもモチモチ・シットリとした食感がタノシめるし、小麦粉アレルギーのヒトでも食べられるし、過剰な備蓄米の解消にもバッチシだね!ということで「米粉」の可能性に注目が集まっていました。

ワタシは数年前からホームベーカリーで食パンを焼いてます。材料を放り込んでスイッチ押せば数時間後にはパンが焼けてるというズボラなワタシにはベストなシロモノです。
なので「米粉」でパンを焼いてみようかとも思いましたが、小麦粉をすでに買い置きしてあるので、さらに「米粉」を買うのは気が引けてましたし、かといって新たに「GOPAN」をGETするのは現役のブレッドメーカーがカワイそうです。

そしたらぬわぁんと「GOPANじゃなくっても、あったかいゴハンを使えば、いつものホームベーカリーでライスブレッドが焼けちゃうよ!!!」という耳を疑うような記事を目にしたのです。
いつも焼くパンの小麦粉の20%〜40%くらいをホッカホカのゴハンに変えて自動パン焼き機に放り込んじゃえば、モッチモチ・シットリの「ライスブレッド」ができちまうというのです。
これは朗報!と、さっそくトライしてみました。

ワタシのホームベーカリーはチョーがつく「ローエンド・モデル」なうえに、コゲコゲで年期がはいってるので全体イメージは差しひかえます。

要は「大昔のホームベーカリーだって、ライスブレッドはできちゃうよ」ということをお伝えしたいのです。


100%お米のパンではありませんが、たとえば中途ハンパな量のゴハンが余っちゃったときなどに、ゴハンの分量だけ小麦粉をへらしてパンにしちゃえばOKなのでかなりヨサゲです。



・・・ということで、ナニヒトツ新しい材料や器具をGETしなくとも「ライスブレッド」が焼けてしまいました。パンをとりだす時にトップが分離して凹んでしまいましたが、メデタシ・メデタシ。














実は記事をちゃんと読まなかったワタシは「冷や飯」を仕込んでしまいました。冷たいご飯だと生地にうまくなじまず焼き上がったパンにゴハン粒が残ったりするので、炊きたてゴハンか、チンしてホッカホカにしてから仕込むことを強くおススメします。そして5%〜10%くらい仕込む水分を減らした方がシッカリふくらむみたいです。

・・・で、カンジンのお味ですが、小麦粉100%のいままでのパンは、バターや油を入れてもパサツキがあって口の中の水分が吸い取られるカンジがするのでバターやジャムをつけないとガシガシ食べにくい感がありましたが、ゴハンが入ったパンはシットリして朝からスルスル食べられます。

いままではクルミやレーズン、チーズなどを具にしてパンを仕込んでましたが、ゴハンを入れたパンなら小豆なんかも合うかもしれません。

そして今日、ご近所の方から柿やリンゴ、そしてカリン・・・

こんなステキな秋の味覚をいただいたので、

食べきれない分があったら

天然酵母をとったりジャムにして

ゴハンのパンに仕込んでみようかな・・・と思ってます。

2010年11月24日水曜日

月暦でユッタリ栽培

今年の柿は、幅9cmと例年よりもひとまわりデカイのが収穫できました。この夏の猛暑でほとんどの柿が落ちちまったので、残った柿たちは大きくなれたようです。














それに昨日の満月にあわせて柿を収穫してみました。地上部に実る果実やヤサイは満月の時に収穫すると重量がふえてオイシくなるそうです。

逆に地下部に実るイモ系なんかの根菜類は、満月の収穫は逆効果で、地下部に水分が集まる新月のころに収穫するといいそうです。さらに細かく見てくと、収穫したら貯蔵用に乾燥させて使うドライフルーツや薬草などなど、ベストな収穫時期はちょこっとずつ違うようなので、興味のあるヒトはコチラの本をどうぞ!

満月といえば、植物は生殖生長型=開花期に傾いた生長をするそうです。新月から月が満ちるまでは、新芽の出や伸びがとまり花芽がつきやすくなるそうです。

・・・が「室内で植物を育てても月の満ち引きは関係あるのかな??? 」という疑問はず〜っとつきまとってました。でも室内栽培ココ培地の6つのイチゴたちのうち、5つのイチゴには、いっせいにツボミがついて花が咲きました。「思いこみなんじゃない?」とも感じますが、「思いこみ」も植物にうつるような気がしなくもないです。














「地面から離れたところで育てる室内栽培にも月暦はあてはまるのかな?」というハテナは、キチンとデータをとらないとハッキリしないとは思いますが、「月暦」で植物を育てるメリットは「 四角四面にキッチリとした環境で植物を育てればサイコーによい結果が得られる!!! 」というよりも、「ちょっとくらいテキトーに育てちゃっても、ポイントさえ押さえれば、ちゃんと育つよ。気楽に行きましょー。」的なことかなと思いました。

大変にモノ覚えのよろしくないワタシとしては、ある日思いつきのように種を蒔いて、あとあと「あれ? この種いつ蒔いたっけな?」となってしまいます。でも「種まきは満月のあたりの休日」と決めておけば、何ヶ月か経ったあとでも、いつ種を蒔いたのかラクラク思い出せるってえわけです。














「種まきや収穫は満月・植えかえや剪定は新月」とはいっても、ズバリ満月の日・新月の日だけにしかやってはイケナイのではなくって、その4・5日前後くらいの期間を目安にやればOKなようです。「植物じたい、みんな個性があるのでキチキチッと管理しても必ずしも育ちぐあいは同じじゃないよ」ということらしいです。

たとえば、水耕栽培の培養液には植物の生長に必要な必須元素16種類の「チッ素・リン酸・カリウム・カルシウム・マグネシウム・イオウ・鉄・ホウ素・マンガン・亜鉛・銅・モリブデン・塩素・酸素・炭素・水素」がぜぇ〜んぶ入ってますが、植物の根っこは16種類の必須元素ぜんぶを同時にバランスよく吸ってるわけじゃないんですねー。まずはイチバンたくさん必要な酸性の「チッ素・リン酸」あたりをガツガツ吸って体内のpH値が酸性に傾いちゃったら、アルカリ性の必須元素を吸ってバランスをとってるようです。

なので、4〜5日かけて必須元素を吸っては消化するようなので、一度新しい培養液に取りかえたら毎日毎日キッチリカッチリpH値を5.5にあわせなくってもいいんですねー。それよりも一週間に一度は確実に培養液を取りかえた方が植物にとってはアリガタイんだそうです。







と、いうことで「月の満ち欠けで育てたり・暮らしたりする月暦」ってのは、ついついキチキチ・数値データ重視になってしまいがちな現代社会で「そんなに気を張っても結果はたいして変わんないかもよ? もうちょっと肩の力を抜いてタノシく行こうよ! 」という先人の知恵なのかなと思いました。








2010年11月22日月曜日

「小雪〜しょうせつ〜」とイチゴの花

今日は「小雪」です。晩秋というより初冬という気配が濃くなってきました。とはいうものの、晴れた暖かい日には、まだモンシロチョウがヒラヒラと飛ぶのを見かける今日のこのごろです。


ココ培地&室内栽培のイチゴに、いよいよ花が咲きました。




花はおっきめで3.5cmほどあります。

おっきな花には、おっきな実がつきます。



でもアップで見てみると・・・







アブラムシが、なんか夢中で吸ってやがります。栄養満点でしかも無農薬栽培です「さぞ、ウマかろうよ! 」とクヤシいかぎり。














こちらは、ツボミがやっとついたものの、ふたつの花がくっついちゃってるし花びらが広がっちゃってる「乱形花」です。このツボミは、残念ですが摘みました。














こちらにはマトモなカタチのツボミがついてくれました。














イチゴは作物のなかでも、秋から春まで半年以上と栽培期間がながく、生産者のかたがたは、この長いあいだに少しでも大きくてキレイでオイシいイチゴをたっっっくさん収穫するために、十人十色のさまざまな工夫をなさってるようです。

2010年11月19日金曜日

秋の色・イロイロ

新芽のあざやかな緑がまぶしい春は、すべてがイキイキとして見えますが、野の草木が葉を落として土に還っていく秋の色彩には、色っぽさみたいなものを感じます。

とりたてて鑑賞価値のなさそうなセイタカアワダチソウも、とても目を引く鮮やかな黄色い花を咲かせます。














緑からオレンジ、赤へと紅葉してきてます。「秋っぽさ」をグッともりあげてくれるこの色彩ですが、オレンジや赤の色素は「カロテン」と「アントシアン」だそうで、花びらの色をつくってる成分とほぼおんなじで「抗酸化物質」です。


「カロテン」は「葉緑素」とおんなじで光合成色素だそうなんですが、「葉緑素」のほうが「カロテン」よりもはやく分解されてしまうので、葉っぱが老化して枯れてくると「カロテン」だけが残って黄色く見えるんだそうで。

で、秋になると「アントシアン」がつくられて赤く紅葉していくんですが、「アントシアン」100%になったまっ赤な葉っぱは、もう光合成してないそうです。

人の皮膚でもアントシアンがつくれれば、いちいちUVクリームを塗りたくる必要もなくなって日焼けなんて気にしなくてもすみそうです。が、そうなるにはヒトの遺伝子を組み換えするしかないと思うので、そこまでして「赤色人種」になる勇気はありません。

ところが、そういえば子どものころ、冬のあいだ毎日当たり前のように大量のミカンを食べていたんですが、友達から「足のウラ黄色いね。どうしたの?」とビックリされて始めてミカン食いすぎると足の裏が黄色くなるんだと気がつきました。ミカンの黄色は高酸化物質のカロテンなので、そっちなら気合いでなんとかなりそうですが・・・素直にUVクリームぬった方が安上がりですね。


多摩川の土手に群生するススキの親戚の「荻=おぎ」の穂です。アントシアンに守られたボルドー色のタネモミをたわわわわわ・・・に実らせた荻の種を食べに、今年巣立った若いスズメたちが大量に群がってました。


チョット物音がしようものなら、スズメたちがいっせいに右へ左へ上へ下へのオオサワギ。















食事をジャマされて、ネト〜ッとコチラをにらむ(ように見える)若いスズメたち。なんともカワいかったです。




























世界中でナゾの減少をつづけるスズメたち。みんな元気に大きくなってほしいので、食事のジャマをするのはヤメました。

2010年11月17日水曜日

これからの水温管理

今朝の水道水の温度は13℃でした。
15℃以下の水温が根っこにダイレクトに触れてしまうと、大事な大事な「根毛」が一瞬で消え失せてしまって、植物ホルモンがつくられにくくなって徒長したりオイシくなくなったりしてしまうそうす。

と、いうことで水耕栽培の培養液を作るときは、お湯を足して水温を18℃〜22℃くらいにしてあげることにしました。
有機酸がはいった有機活力剤を入れたあとなので、

pH値は4.2と低くなってます。













でも有機酸で酸性になってる有機活力剤のpH値は、あんまし気にしなくてよいとのことです。「有機酸のpH値は関係ないの? ナゼナゼ・ドウシテ???」については、こちらでどうぞ!!!













そして、すっかり湿度のことを忘れてたせいで、

乾燥した空気とともにお出ましになった「ハダニ」も、

加湿器と石灰攻撃で治まりました。

めでたしめでたし。










ちなみに適度な湿度は30%〜60%ほどですが、湿度が高すぎても低すぎても植物にはよくないそうです。なぜなら、適度な湿度でないと葉っぱのうらの気孔が閉じてCO2を吸わなくなって、根っこも水分と養分を吸うのが遅くなるので、生長がおそくなるんですね〜。
イチゴのツボミがようやくでてきました。左側が葉っぱの「新芽」で、右側のネグセのついた頭のようにバサバサッと広がってるのが「花芽」です。











そして、GETしたときから不調だった

イチバンちっちゃいイチゴのプラントも・・・


最近では、ノビノビと大きな葉っぱが開くようになってきました。

やっと根っこが張ってきて本調子になったということだと思うので、もう枯れてしまう心配はないと思います。










水温が低い方が酸素はたくさん溶けているので、夏場みたいに酸素不足になる心配は減りますが、これからは培養液の水温や乾燥に気をつけてあげたいと思います。

2010年11月15日月曜日

支えあうから、ゲンキです!

いよいよ秋も深まってまいりました。
紅葉が深まるこの季節、葉を落としたり枯れていった草木が地表につもって、それをバリバリ・ガシガシたべる有用菌たちにとっては、食べ物が豊富だし地温も低くなってライバルも減るのでゼッコウの繁殖期となるそうです。

バックリザックリひとことでいえば、野の植物と有用菌はお互いにチッ素や微量ミネラルなどの栄養分をキャッチボールしながら毎年繁殖してます。人の手で肥料を入れたりしなければ、このサイクルはエンエンとつづいて、そうなると当然植物も有用菌も粗食ぎみになるんだと思います。

人もそうですが、植物も粗食だと体内バランスがよくなって

病気に強くゲンキになるようです。

土手に自生してた「ノイバラ」です。
もちろん肥料なんてヒトからもらってないはずです。











ハダニもアブラムシもアザミウマもみあたりません。くやしいほどに葉っぱの1枚1枚が無傷でぴっかぴかでした。














新鮮な新緑がきれいなノイバラ新芽もイキイキ・ノビノビと葉を展開してました。うちの箱入りムスメのバラたちときたら、ムダな新芽をとりのぞいてあげないと体力が足りず花がすっきり咲かないというのに・・・














野良なノイバラがヒトの手入れもなしにこんなにゲンキなのは、この環境になじんでるからですし、生存競争に負けて枯れてしまったノイバラのほうが多いんじゃないかな?  と思います。そのかわり「品種改良のバラみたいに、ゴージャスでウットリするような大輪の花を咲かせる」なんてことはありえません。














でも肥料や農薬をつかわなくっても、毎年けなげに花を咲かせて実をつけてます。













と、いうことで植物も微生物も虫たちも、

みんなGIVE & TAKEしながら

支えあって生きているからゲンキなんですねー。

2010年11月12日金曜日

多肉たちが生きぬく知恵

マクロで見れば見るほど、不思議ワールドがひろがる植物のひとつは、ワタシにとっては「多肉」です。

キョーレツな日射と高温・乾燥のなかで生きぬく知恵をあみだした多肉・サボテンたちのどの部位を見ても「いったい、どうやってこんなことに・・・・」とため息がもれます。

「白星」というサボテンです。芽もハネも、まぁるく360℃にひろがってます。

























「オブツーサ」をアップで見ると、透明なバルーンがポコポコと浮かんでるみたいです。テッペンが透きとおって色素が抜けてるのは、強い光を吸収しないように・・・なのでしょうか???














植物が緑色に見えるのは「光」を吸収するための色素「クロロフィル=葉緑素」が光の波長のうち赤と青をメインに吸収しますが、あんまし吸われない緑色の光波長がはね返っているので、ヒトの目には緑色に映るんだそうです。















そんで、植物たちは吸収した「光」と「二酸化炭素」と「水」を 反応させる光合成運動で炭水化物をセッセとつくってるわけですが、「二酸化炭素」をGETするためには、葉っぱの気孔をパカアッと開けて吸わなくちゃならないわけで、高温で乾燥の激しい砂漠でそんなことをしたら、あっという間に気孔から水分が蒸発してしまって、カラッカラに干からびちゃうわけです。なので多肉たちは、昼間は二酸化炭素を吸うのを我慢して、日が沈んだ夜間に気孔を開いてCO2を吸うっていう知恵を持ってるんだそうです。


ところで、先週ふと気がつくと、夏に花が咲いてた多肉のヨコッチョから、この多肉の赤ちゃんが発芽してました。マクロで撮ったので、でっかく見えますが直径1.5mmくらいしかありません。でも一人前に緑色してて、カワいいったらありゃしませんっ!!!














 せっかく発芽しても、ここから一人前に育つまでがものすごく大変です。多肉の達人曰く、「まだ小さいうちは直射日光は禁物で、そしてゼッタイに土を乾かしちゃあ、ならねぇ。」だ、そうです。
なので、早速小さなポットに植えかえてあげました。でもポット自体が小さいから存在感がなくって、ふとポットを倒してしまったりして、ベイビー多肉くんが大人に育つまでの試練には、人為的なものもあるわけです・・・

2010年11月11日木曜日

イチゴの花芽と病害虫対策

11月に入って、ようやくココ培地のイチゴに「花芽=はなめ・かが」がつきました。ツボミがようやく出てきました。














植物が「新芽」をだすのが遅くなっていって、花になる「花芽」が小さくできることを「花芽分化」というそうです。このときの花芽は顕微鏡で見ないとわからないほど小さいそうですが、去年から同じ条件でイチゴを室内で育てているので、「花芽が分化してきたかな?」という「シグナル」が、なんとなく分かるようになってきました。
そ・れ・は・・・・














害虫です!!! 花芽が分化しはじめると害虫や病気がでてくることが多いと感じてます!!!
これ↓は、バラのツボミですが、イチゴとバラはおなじバラ科なので、育ちかたにはイロイロと共通点があります。例えばトマトやキュウリなんかの夏野菜と違ってバラ科は冬の寒い気温でも根っこは酸素をよく吸います。夏野菜は地温や水温が低くなると根っこが酸素を吸わなくなるので冬には加温してあげないと枯れちゃうんですねー。














そして、このバラのツボミにアブラムシがいらっしゃるように、イチゴもバラも花芽分化するころになると、害虫や病気が出てきやがります。薬剤を使って駆除してないので、その周期がさらに分かりやすい気がします。

トマトやキュウリなどの一年草はタイムリミットがあるので花も咲かせながら根っこも生長もするという同時進行ができますが、イチゴもバラも宿根草だからなのか「花咲かせるとさ、疲れんのよ。休みたいときは、休むわよ!!!」的な気質を感じます。

夏野菜とちがって、イチゴやバラは花がついたり実がなると、根っこは茶色く枯死していくものが多くなってきますが、培養液をためて根っこを泳がせるブクブク水耕栽培だと、根っこが枯死する程度がひどいそうです。その理屈は経験ずみなので、よくわかったツモリです。


最近でてきてしまったハダニ対策として、グロウルームには水を入れたペットボトルを置いたり、噴霧器でリン・カリ肥料やケイ酸資材を葉面散布してあげたり、加湿器をいれたりしてます。

そして意地でも薬剤は使いたくないので、今年とれた「イセヒカリ」のイナワラをココ培地の表面に敷きつめてみました。
イナワラには「ハダニ」をたべてくれる「カブリダニ」が住みつきやすいそうです。でもでも「室内で育ててるのに、そのカブリなんちゃら ってのはどこからくるの?」という疑問もありますよね。














空気中には、いろんな浮遊物がたっっっくさんまざっていて、病気や害虫のモトも飛んでますが、同時に有用菌や益虫のモトも混ざってくれてます。なので室内で育てていてもココ培地には、そのうちだんだんと有用菌が住みついたりもするんですねー。でも環境によって有用菌が少ないお部屋もあるので、水耕栽培用の有用菌資材なんかをあげると、効果的に増えてくれるんです。
農薬の使用を極力おさえたいビニールハウスの生産者さんは、ハウスのまわりに生えてくるセイタカアワダチソウをわざと抜かずに残しておいて、それに大量にわくアブラムシを補食しにくる益虫を呼びよせたりもするそうです。この方法で薬剤の使用は1/3ほどに減ったそうです。

外にでると幸いにも、このへんの地面は雑草天国です。
きっとカブリダニも来てくれるにちがいありません ? ? ?

そして収穫後まで役に立ってくれる「イセヒカリ」は、いまだネズミ襲来から完全復活していません。トホホです。