2010年12月1日水曜日

はたらく葉っぱ、はたらかない葉っぱ

週末にGETしたイチゴの苗「あかねっ娘」をさっそくココ培地に植えかえました。
今朝で植えかえてから3日目、ゲンキなご様子です。











イチゴやバラなどは、根元を深く植えこみすぎると息がつまってしまうタチのようです。

イチゴの苗の根元は王冠みたいに新芽が広がるからなのか「クラウン」っていうそうです。

イチゴの苗を植えこむときは「クラウン」に土がかぶらないようにするのがコツだそうです。







ミニバラのコーヒーオベーションは、蛍光灯からHPSランプへチェンジしたとたんにツボミがボワッと、ホントにボワッとでかくなりました。
HPSランプってのは、トンネルや高速道路でオレンジ色に光ってるランプのことです。

HPSランプだと植物の色がまるっきし変わっちゃうので蛍光灯の下で撮影しました。
HPSランプに変えて光が強くなって温度も高くなったし、先週バラにもハダニがでたのでハーピン・タンパクをスプレーしました。光合成量と養分がふえたのでツボミがでかくなったんだと思います。



ミニバラにツボミがついて、葉っぱがしげりすぎてくると、たいがい「ハダニ」がお出ましになります。ということでハダニも増やしたくないのでミニバラの「葉かきと芽かき」をしました。虫が増える前に、ちゃんとやっておけばいいものを・・・といつも思います。

 「葉かき」ってのは、ズバリ葉っぱを間引くことです。

光が当たらない影になってる葉っぱは、ほとんど光合成してないうえに、ほかの葉っぱがガンバって光合成してつくった炭水化物を食べちゃうだけの「はたらかない葉っぱ」といわれてます。









老化して茶色くなった葉っぱも葉緑素がないので光合成しない「はたらかない葉っぱ」だそうです。














はたまた、新芽から広がる新しい葉っぱも、人間でいえばまだお子ちゃまなので「はたらかない葉っぱ」で、もっぱらほかの葉っぱから養分をもらわないと大人になれません。

「芽かき」ってのは、出てきた新芽を間引くことです。

こんなふうに根元から出てきた新芽いがいにも、

ほかの枝とぶつかりそうな方向にでてきた新芽や、いっぱい出すぎてゴチャゴチャと混み合いすぎてる新芽を取りのぞいてます。







ということで、葉っぱってのは、あればあるだけ全員がフル稼働で光合成をして「はたらいてる」わけじゃないんですねー。人間や動物とおなじように幼い葉っぱは、養分をもらわないと大きくなれないし、歳をお召しになって老化すればキビキビと「はたらける」わけもないっていうことのようです。

「効率のよさ」を最大限に意識するオランダのトマト施設栽培などでは、日射の少ない冬にはわざと葉っぱを減らして光合成でできる炭水化物の「ムダ食い」をふせぐんだそうです。
日本でも「ブドウ」や「リンゴ」などの果樹では、花についた実を大きくするために、枝の先端のほうの若い葉っぱをわざと落として、実に養分が集中するようにコントロールしてるそうです。

葉っぱが多すぎるのか、少なすぎるのかの目安を数字にしたのが「葉面積指数 LAI = Leaf Area Index 」といわれてます。「LAI」は、たとえば植物に生えてる1㎡ぶんの面積の葉っぱをきりとって、その葉っぱどうしが重ならないように地面に並べたとき、葉っぱの総面積がどのくらいの広さになるかな? ということだそうで、例えば地面に葉っぱを重ならないように並べた総面積が1㎡の場合は、植物から切り取った面積と同じになるので「LAI は 1」です。

で、ベストな「 LAI 」は3〜4だそうで、植物の1㎡ぶんの葉っぱをきって地面に並べたら葉っぱの総面積が3㎡〜4㎡になるといわれてます。でも、果樹園の生産者さんたちはいちいち葉っぱを切って測定できないので「LAI測定器」みたいなもので管理してらっしゃるそうで、それはオランダの施設栽培でもおなじなようです。

こうして「はたらかない葉っぱ」をとりのぞいて収量をあげる方法は一般的ですが、「ウチは葉っぱが古くなっても、わざと残してるよ。老化した葉っぱは夜間に根元にたまる湿気を吸ってくれるからカビを押さえてくれるし、まだ緑色で厚みがあればちゃんと光合成してるんだから、ムリにとっちまう必要はないよね。」というイチゴ生産者さんも少なからずいらっしゃいます。
また、家庭でトマトなど光がイッパイいる「果菜類=かさいるい」を育てる時も、誘引して全体の枝にマンベンなくお日様がよくあたるようにしてあげれば、ムリに葉かきする必要はないんじゃないかな?と思います。なにしろ肥料が足りなくて枯らしちゃうヒトよりも肥料をあげすぎて枯らすヒトの方が多いくらいだからです。

とくに水耕栽培など「肥料はじゅうぶんにあげられる!」育て方は、ムリに葉かきなどしすぎたりして葉数がすくないと光合成運動量が少なくなってしまいます。たっっっくさん食べてるくせに運動しないと病気になるのは人も動物も、そして植物もおんなじなんですねー。


ところで、どうしても納得できないことがあります。

植物の「光合成運動」ってのは、ものすごくカンタンにいえば植物が光エネルギーと二酸化炭素と水を吸って「6コの炭素 + 12コの水素 + 6コの酸素=炭水化物(C6H12O6)」」に変えることなんですが、ワタシたちがたべてるお砂糖も、植物が光合成運動してできたものばかりです。

でもなんで、炭素と水素と水がひっついた「炭水化物」をたべただけで人間は太っちゃうんでしょうか!!! 溜まった脂肪を体内で自由自在に炭素と酸素と水素に分けられるダイエット・サプリメントを誰かに発明してほしいとつくづく思います・・・あ、植物とおなじで、運動すればいいんですねー。