2016年5月25日水曜日

フラッド&ドレイン・システム「タイタン」撤収。

つい先日、フラッド&ドレイン・システム「タイタン」のパプリカたちを撤収しました。
パプリカたちを根元からカットすると・・・



















栽培テーブル一面に、クレイペブルス培地をしきつめたので、パプリカの根っこはマット状にびっしりと張ってました。




















オレンジ・パプリカの根っこです。クレイ・ペブルスをがっちりとホールド・・・
























イエロー・パプリカは、こんな感じです。


























フラッド&ドレイン・システム「タイタン」は、日照時間内に、大きく育った時でも一日最大で5回だけ培養液をフラッドさせるので、一日のほとんどは、根が空気とダイレクトに触れています。なので、根が白く元気で、根ぐされ知らずです。パプリカは、栽培期間が長い野菜ですが、病害虫もでませんでした。一般的に、栽培期間が長くなるほど、病害虫発生リスクが高くなります。なのでコストがかかる野菜の室内栽培は、短期収穫できる野菜や早生品種が向いてます。




















根の健康が長く保たれるシステムなので、結果的に多収穫につながります。
ただ、培養液量が多めに必要になることと、有機活力剤はあまりたくさん入れることができないタイプのハイドロポニック・システムです。

リザーバータンク内の培養液は、ほとんど動かないので、有機活力剤の濃度が濃すぎると、バイオ・フィルム(微生物が繁殖してできるヌルヌルしたオリ)や、浮遊生物が、ご誕生なさいます。 
根を支えていたロックウール培地部分をカットした断面図です。根元はキレイな白です。



























夏場、室温や水温が上がりやすい時のフラッド&ドレイン・システム「タイタン」の管理方法は、根の酸欠をふせぐためにフラッド回数と時間を最小限にすることと(植物が水切れを起こしてしおれない程度)、リザーバータンクの水温が30℃以上になってしまう場合、培養液をエアレーションしたり、タンク内でジェット水流をつくるとベターです。

また、今回のパプリカのように栽培テーブル一面にクレイペブルスをしきつめず、クレイペブルスを200mm程度のネットポットにセットして栽培テーブルに並べるほうが、根に酸素が豊富になるので、夏場に向いています。1メートル以上に育った夏野菜の場合、小さなネットポットでは、培地が乾くタイミングが早すぎてしおれるリスクが高くなります。



















根がダイトレクトに培養液を吸収できるハイドロポニック栽培は、養水分吸収効率が高いので、一般的な園芸培養土や土壌栽培と比較したとき、根が張る面積が少なくてすむのですが、


狭小スペースで野菜を育てなくてはならない室内栽培の最大ルールは・・・




栽培面積が同じである以上、光や温度など環境をベストにした場合は、何株育てたとしても、収穫できる量は、さほど変わらない!



ということです。なぜなら、栽培スペースが変わらない限り、吸収できる肥料の量は変わらないからです。収穫量は吸収できた肥料量に比例します。

ハイドロポニック栽培で1メートル以上まで大きく育つ野菜は、1mスクエアの栽培スペースに5株、最大で9株までが限界で、多くなるほど管理が大変になります。

それ以上つめこんでしまうと、大きく育った植物の株どうしの葉が重なり合って、空気がよどみ、カビ病が多発したり光合成不足になるので、いずれにしても、最適な株数を育てた時との収穫量は変わらない、のです。