2022年1月24日月曜日

秋冬LEDの室内栽培。有機培地で起こりやすい肥料欠乏の理由

 いよいよ寒さの底となる時期ですが、冬至から一月あまりが経ち、日が長くなるにつれて日差しに眩しさが増してきました。


秋から冬に、あざやかなワインレッドに紅葉する「ドドナエア・プルプレア 」。耐陰性も高く、土も選ばず、水切れにも強いネイティブ・プラント、とても強靭で、鉢植えでも地植えでも、よく育ちます。

葉色が美しいだけでなく、常緑の細ながい葉は一年を通して葉に適度なスキマができるので、密植さえしなければモサッとしすぎる印象になりません。リビングやベランダの目隠しとしても、生垣としても、シンボルツリーとしてもオシャレで管理が楽な植物だと思います。




おなじく紅葉したブルーベリーには、もう花芽がたくさん出てきました。





さて、昨年暮れからスタートさせた秋冬栽培。
ファイナル・ポット(=収穫まで使う鉢)  に定植してすぐに、温度管理をせずに冬休みに入ったため、室温が20℃以下になり、寒過ぎて培地が乾くまで3週間以上かかってしまいました。




6Lサイズのポットに植えたCANNA TERRAポッティング培土と、寒さのせいで3週間培地乾かず培養液を与えられなかった17Lのポットに植えたCANNA COCO 培地では、生長に差がででしまいました。


CANNA TERRAポッティング培土は、6Lサイズのポットに植えたので寒いなりに培土が乾き、何度か培養液を水やりできたため、葉は大きく葉色もよくグングン育っています。




が! COCO A/B肥料とCANNA COCO 培地は、17Lの大きめなポットに植えたこともあり、3週間過ぎても培地が全く乾かないせいで培養液を与えるべきタイミングとならず、根元に近い葉っぱが黄変するという肥料欠乏症状が出てしまいました。寒さのせいで根の生長がとまってしまいました。






冬休みが明けてから、室温を24℃前後に保温して培養液を与えてからは新芽がたくさん展開して、元気になりました。(根元のほうの黄変した葉の色は、もとにもどりません。)

とくに、発熱量が少ないLEDシステムで、ピーマンやパプリカなど寒さが苦手な夏野菜を冬に育てた場合、培地が乾くまでに日数がかかって培養液をあげられないので、このような問題が多く発生します。LEDシステムのまえに使っていたMHランプやHPSランプは発熱量が多いので、400Wですら培地が乾かず肥料不足になるなんてことは起こったことがありませんでした。


一方で、同じ条件で育てているトマトも、室温を高くして培養液を与えてから元気に2段めの花を咲かせています。



ということで、真冬の室内栽培で生長期の苗を肥料欠乏にさせないためには、まず温度管理が大切です。
  • COCOやTERRAなど有機培地では、植えかえてから2週間以内に水やりできるように、やや小さめのサイズのファイナル・ポットをチョイスすることも、ひとつのアイデアです。


    • 最適な温度24℃前後で管理すれば、幼苗からファイナル・ポットを定植してから2週間ほどで培地がほどよく乾き、培養液を与えるべきタイミングとなります。

    • LEDシステムの場合、培地が乾かないからと言って、まちがってもLEDを苗に近づけてはいけません!!!! HPSなどHIDランプの光とは性質が全くちがって、LEDの光は作用がとても強いので、小さな苗に近づけると、光障害で葉が焼けてしまうため逆効果です!!!

    • 培地がほどよく乾く前に、培養液を与えるサイクルをくり返してしまうと、根っこの生長がとまり、大きく育つまでに時間がかかり過ぎてしまいます。コストがかかる室内栽培では、病害虫のリスクを最低限にするためにも生長期は最低限の必要日数にすることがベストです。培地が乾かず肥料が足りない状態が出てしまった場合は、まず室温をあげてから培養液を与えてみます。


    • 培養液を与えてから数日後に、新芽がちゃんと出てきたら、その次の水やりは培地が軽くなるまでしっかり待ってから培養液を与えるサイクルにもどします。