2025年6月17日火曜日

6月に咲く花々と梅雨の石灰防除

 先週梅雨入りしたばかりなのに、今日は35℃近くまで気温が上がりました。湿度が高い梅雨時期の猛暑日は、いったい誰を幸せにするのでしょうか?

昨年秋に植えて花ざかりとなったルドベキア・サハラです。それでなくてもジメジメとした気候で夏日などになると、せっかく咲いた地植えの宿根草の根元が黒く蒸れくされてダンゴムシ牧場と化すので石灰防除をしました。カルシウムは、植物も丈夫にします。


石灰資材の粉末は目に入ると危険ですが、消石灰や生石灰は特に危険です。炭酸苦土石灰やカキガラ石灰がおすすめですし、ゴーグル、手袋、ガーデンエプロンは着用したほうが安全です。冬は草木灰の加里をバラバラ葉にまいて手が真っ黒になり、夏は手を真っ白にしなから石灰をまいてますが、ざっくり施肥&防除をやるとやらないとでは草木の育ち方に大きく差が出ると思います。



ゼッタイに寒さで溶けてしまったと残念に思っていた「コロカシア・イルストリス」、植えていた場所とは全然ちがうところから再生しました。葉色が美しく、とても人気の高い観賞用サトイモです。根が太らずシュウ酸が多いので食べられません。



植えてから一年に一本ずつ主茎が増え、今年はやっとツボミが5つあがりました。リトルプリンスです。



40Lの大きめなファブリック製ポットに植えてます。真夏の水切れとカルシウムの与え方さえ注意すれば、関東でも屋外で冬越しできます。



手前はホワイトセージの花穂(かすい)です。4月ごろに3cmほどの太い花茎(かけい)がボキッと折れて地面に伏してしまいましたが、折れた花茎から見事に花が咲きました。カリフォルニアの自生地の画像を見ると、ホワイトセージの群生はクリーピング(地這い)状態で広がっているで、主茎がボキッと折れて生え広がるのが自然な姿なのかもしれません。



今年も咲きました。ハイドランジア・アムステルダム。日当たりを好む西洋アジサイは葉の色が濃くて厚みがあり、がっしりしてます。日陰でもよく育つ耐陰性が高めの日本原産のガクアジサイとヤマアジサイは葉の色も厚さも薄く、しなやかな感触です。西洋アジサイなのか日本アジサイなのかわからないときは、葉っぱで判断できるそうです。



昨年秋に植えたスカビオサ「Ace of Spade」は、思いのほかヒョロヒョロと徒長しましたがきれいに咲きました。












2025年6月10日火曜日

CANNA TERRA Professional 培土栽培のミニトマト

 今日から、いよいよ関東も梅雨入りです。梅雨明けまで、洗濯物がカラッと乾かないストレスと、日々の花の水やりタスクから解放される喜びがいりまじる日々がつづくことでしょう。

昨年秋からスタートさせたミニトマトの室内栽培は、梅雨に入っても好調です。
CANNA TERRA Professional培土TERRA Vega(生長段階)TERRA Flores(開花以降)のコンビネーションに加え、各生長段階に適したCANNAの活力剤を与えています。




誰もが、たくさんおいしく元気に育てられる1番の理由は、ひとえに CANNA TERRA Professional培土がものすごく優秀だからです。赤玉土やバーミキュライトなどの無機の園芸用土を使っていないので、軽くて保水性、保肥性、通気性が高く、根張りがずば抜けてよいからです。

CANNA TERRAのラインナップ栽培は、ハイドロポニック・システムみたいに厳密な培養液メンテナンスもいらないし、大量の培養液も使わないから栽培管理がシンプルなんだよ。赤玉土のような無機用土が配合された培養土や土壌栽培は安くすむけど、ビギナーにとって水やりのタイミングの見極めがものすごく難しい。過保護に水をやり過ぎると致命的に根が伸びなくてゼンゼン育たないで失敗してしまうことがものすごく多いし、そのうえ、土の種類ごとに保肥性や保水性がバラバラだから、バランスよく肥料を効かせることも非常にむずかしい。だから全然ビギナー向きじゃない。でも、CANNA TERRA Professional培土は、通気性だけでなく保水性も高くて専用肥料とトータルでデザインされていて最適なバランスで肥料を与えられるから、誰が育てても根がほんとによく伸びるんだよ」、

ということです。

つまりソイル栽培は、室内栽培専用にデザインされている培養土以外はまったくゼンゼン決してビギナー向きではないですし、むしろビギナーにとってDWCシステムのようなシンプルな構造のハイドロポニック・システムで数株だけ栽培するほうが圧倒的に失敗しにくいです。



さて、葉の大きさ、節間の長さ、トップから15cmまでの茎の太さがバランスよく育っています。


CANNA TERRA Professional培土でオーガニック栽培をしたい場合は、100%オーガニック肥料のBIO Vega とBIO Floresを使うこともできます。BIOCANNAシリーズCANNA TERRA Professional培土は、水やりのタイミングなど栽培管理方法はまったく同じです。ポットはエアロポット6Lを使っていますが、トマトのように大きく育つ植物や、春以降水分が乾きやすい時期はエアロポット10Lか17Lがおすすめです。





2025年6月4日水曜日

CANNA記事 「ハイドロポニック栽培: 薄膜型養液栽培(NFT)」

 CANNA日本サイトに記事がアップされました。

「ハイドロポニック栽培: 薄膜型養液栽培(NFT)」


NFTハイドロポニック・システムを構成する主なパーツは、

  1. 苗を固定するための栽培トレー(NFTチャネルや塩ビパイプ)
    細長く底が平らな「NFTチャネル(ガリーともいいます)」とよばれる栽培トレイがもっとも適していますが、このシステムを自作する人も多くDIYのNFTシステムで最も多く使われているのが塩ビパイプにネットポットと同じサイズの穴を開けた栽培トレーです。

  2. ネットポットにセットした苗と培地
    NFTシステムでは培地をほとんど使いません。DWCシステムのように根のほとんどを培養液にダイレクトに浸します。
    なのでネットポットの底から苗の根が伸び出してからNFTシステムにセットしないと根が培養液にコンタクトできず萎れてしまいます。とくにDIYのNFTシステムは、この段階でつまずくことが少なくありませんが、既製品のシステムはこの辺りの問題が起こらないよう設定されています。

  3. 培養液をためておくリザーバー
    葉もの野菜では一株につき3ℓ前後、トマトなど果菜類は一株につき5ℓ前後必要ですが、水分の蒸散などを考慮して必要な培養液量の約1.5倍容量のリザーバー容器が必要です(1〜2週に一度培養液を全て交換)
    例 : 葉もの野菜レタス10株X3ℓ=約25ℓ 必要なので30〜40ℓのリザーバータンクが必要。

  4. 培養液を栽培トレーに汲み上げる循環ポンプ +予備のポンプ=合計2つ
    NFTハイドロポニック・システムは、培養液を栽培トレーに24時間汲み上げつづけないと苗がすぐ萎れてしまいます。なので循環ポンプというパーツが故障で止まってしまうと、野菜が全滅してしまうリスクが高くなります。しかしモーターを使う電気製品は、継続使用で故障しやすくなったり、夏場はモーターの発熱で培養液の水温をあげてしまうこともあります。なのでリザーバータンク内には循環ポンプを2つセットしタイマーで交互に作動させる、などの工夫がとても大切です。

  5. リザーバー内の培養液に空気をおぎなうエアーポンプ
    培養液1リットルあたり1〜2L/minの吐出量が必要です。
    タンク容量     推奨吐出量(目安)
    20L                 20〜40 L/min
    40L                  40〜80 L/min
    100L              100〜150 L/min

  6. CANNA AQUA など 再循環システムに適した肥料
    根が常に培養液に浸っているNFTシステムでは、培養液のpH値、EC値、水温などのメンテナンスは毎日必要です。再循環システム専用に開発された
    CANNA AQUA ヴェガ(生長期または葉もの野菜専用)CANNA AQUAフローレス(開花期専用) は、培養液のpH値が最適範囲から外れにくくメンテナンスがとても簡単になります。





最後にNFTシステムでのおおまかな栽培管理ポイントです
何よりも大切なことは、欲張らないことです。特に果菜類は、
苗の頃はたやすく見えても
果実が実る頃になると1メートル以上に育ち、一般家庭で5株以上育てると手に負えなくなります。


養液が流れる厚みが ほんの1mm〜3mmになるようにNFTチャネルの傾斜角度と流量を調節します。システム本体は、完全に水平な場所で設置しなくてはなりません。NFTチャネルから排水された培養液は、再びリザーバータンクにもどりNFTチャネルへとくみ上げられます。NFTシステムは、培養液を再循環させるハイドロポニック・システムです。

一 般的なNFTシステムは、チャネル、またはガリーと呼ばれる細長く底面が平らなパーツにプラントを植え、リザーバータンク内の水中ポンプで培養液をくみあ げてチャネルに流しつづけます。プラントの根元は、スポンジ、ロックウールやクレイ・ペブルスなどとネットポット内で支えます。

プラントの根は、培養液の流れにそって、NFTチャネルの底面で平らなマット状に発達します。ごく薄い培養液の表面でプラントの根は、肥料、水分、そして空 気を豊富に吸収できるため、根の発達と生長が早く、多収穫になります。また、システム設置が複雑ではなく、栽培管理がカンタンでランニングコストが安く多収穫になるため、既製のNFTシステムならばビギナーにも向いています。

一方で、培養液の流れが深すぎたり速すぎたりすると、根に酸素と肥料の欠乏が起こり、根ぐされや収量減につながりますが、基本的なマニュアルに沿って栽培をおこなえば、栽培効率とランニングコストとにも非常に優れたハイドロポニック・ システムであるため、オーストラリアでは商業用施設栽培でさかんに取り入れられています。

培養液を流す水量は、約1リットル/毎分が一般的です。こうなるように培養液を流しつづけるためには、NFTチャネルに「1:40」の勾配(1mにつき25mm傾斜)をつけることが望ましいとされています。
培養液の水量が約2リットル/毎分を超えると、根が肥料を吸収できなくなります。また、チャネルを長くしすぎると排水口付近のプラントに肥料が欠乏します。

NFTシステムのポイントは、培養液をたいらに、ごく薄く流すことでプラントの根が酸素を豊富に吸収でき、早く生長し収穫量が豊富になることです。しかし、底の浅いチャネルでキュウリやトマトなど果実が実るプラントを育てると重みでチャネルが凹み、内部の空間がせまくなるので酸素欠乏が起こります。栽培したいプラントの種類によって、慎重にNFTチャネルのサイズを選び、あらかじめ支柱の準備や誘引方法を決めておく必要があります。

一方で、塩ビパイプなどの円筒形のパーツでつくるNFTシステムを DFTシステム(Deep Flow Technique)といいます。

底が丸いパイプでは、プラントの根がルートボール状に発達するため、根の内部で酸素欠乏が起こりやすくなります。それを防ぐためには、24時間タイマーなどで2つのポンプを時間差で作動させ一定間隔で培養液の厚みが1mmになるように流量を変化させるか、一定間隔で水中ポンプのスイッチをOFFにし培養液の流れを止めるなどして、根への酸素供給量をふやす工夫をします。


これがすべてのNFTハイドロポニック・システムにあてはまるわけではありません。たまに市販のシステムについて質問を受けますが、メーカーごとに正解が違いますので、かならずNFTシステムを購入した店舗で確認してください。


2025年5月27日火曜日

循環式ハイドロシステムGeminiとCannaBootst+CANNA PK13-14で収穫をめいっぱい楽しむ

 前回実ったミニトマトたちが登熟したので収穫しました。

循環式ハイドロシステム専用ベース肥料CANNA AQUA FLORESにくわえて、花実の付きをよくして大きくする最強コンビネーションCannaBoost+CANNA PK13-14を与えているので、しっかりとした甘みが感じられて、えぐみがなく、ウマ味も感じられます。



この時期は完熟に必要な積算温度にすぐ到達するので、フンダンに房どりができます。ミニトマトが登熟するまでに必要な積算温度は、900℃〜1000℃です(基準温度10℃以上)。真冬は気温が20℃以下がつづくため果実が完熟するまでに日数がかかり、一段ごとにしか登熟しない代わりに、ものすごく甘くなります。



葉がのびのびと力強く広がり、茎もほどよい太さをキープしています。CANNA AQUA最循環式システムGeminiなら、だれでも手軽に豊富な収穫が可能です。





2025年5月20日火曜日

循環式ハイドロシステムGeminiと循環式専用肥料のCANNA AQUA、笑えるほど豊作に。

 再循環ドリップ式ハイドロポニック・システム「GEMINI〜ジェミニ〜」とCANNA AQUA Flores 肥料のコンビネーションなら、早く大きく元気に育って、花付き豊富に、誰もがたくさんの収穫を楽しめます。

最循環式システム専用に開発された液体肥料 CANNA AQUA〜キャナ・アクアは、培養液のpH値が最適範囲から外れないので毎日のpHメンテナンスからも解放されます。さらに余分な成分のないピュアな原材料でつくられているので、吸収性がとても高く残留肥料の不安もなく、植物が早く元気に育って、安心安全な収穫が楽しめます。


GEMINI〜ジェミニ〜で育てたミニトマトを収穫しました。大きく品質の良い果実に仕上げたいなら、CANNAの活力剤シリーズ(Canna Boost, PK13/14, CannaZym, Rhizotonic)とコンビネーションで与えることををおすすめします。CANNAの活力剤は、すぐに効果がでてシャープに効くことが特徴です。

2025年5月13日火曜日

年々咲くようになってきた半日陰のバラたちと、カラスに喰われたイチゴ

 GWも終わり、初夏の気配が色濃くなる今日この頃です。

半日陰、無農薬栽培のツルバラたちは、上がったツボミの約1/3が虫に吸われて消え去るものの、年を重ねるごとにそれなりに花つきがよくなってきています。とはいえ、バラ園で管理されているツルバラのように、あふれんばかりの開花量とまではいきません。

大苗で購入したグラハム・トーマスが枯れ死んだものの、剪定のときの枝でつくった挿し木苗からここまで大きくなりました。ナイーブなようで、繁殖力の強さと花つきの良さを実感するイングリッシュ・ローズ。



このパット・オースチンもそうですが、つるバラはすべて鉢植えで育てています。鉢植えのバラをツル仕立てにすると5月過ぎから水やりでヘトヘトになりますが、肥料の効きがよくなりコンパクトで花付きがよい育ちかたになります。ボタニカルアートのようなカップ咲きのバラが好みです。



昨年の剪定と誘引の時、根張りが弱かったセプタード・アイルの仕立てを少し工夫しました。つるバラは、横方向にツルを誘引した方がツル全体に花がバランスよくつくのですが、根っこを伸ばしたかったのでオーキシン優勢になるようにツルを立たせておきました。トップの方だけに花が集中しましたが、葉の量とシュートの数がダンゼン増えました。株の勢いが弱い時や苗が若い時は、とにかく枝を直立させて根が増えるように仕立て、ツルの勢いが強すぎる時は寝かせてみようとおもいます。


このソフィーロシャスも鉢植えで根づまり気味になり昨年は新しいシュートがあまり出せませんでした。昨年末に、すべの太いツルをフェンスに直立で仕立ててみると、やはりトップの方にしか花が咲きませんが、新しいシュートが早くでました。枝を直立させて誘引する向きだけで、ホルモンバランスがかわって根が伸びてくれることを実感しました。



とてもずはらしい香りがする「エル」も、今年初めて主茎を直立させるように仕立てておきました。茎が太くなり、大きな花がつきました。何より、生き生きとしたシュートがもう出ていました。「根を伸ばしたい時は、ヒモでしばってでも枝をまっすぐ立たせる。冬の剪定では徒長枝を無理に切ると、徒長枝が養っていた根っこが消えてしまうから剪定しすぎはダメ。」という某園芸雑誌の果樹栽培アドバイスは、バラにも通ずるものがありました。



昨年秋から手塩にかけて育ててきたイチゴどもの実が、翌日消え去る、という事件が発生していました。犯人はカラスです。GW中カラスたちにイチゴの食べ放題を提供する気はないので、いくつかを自宅に持ち帰り毎日新鮮なイチゴにありつくことができました。



毎日ガサガサと葉っぱをかき分けて、付け根が茶色くなった大きな葉っぱ、シュート、ちいさなツボミ、弱いツボミしかつけない果梗(かこう)をパキポキと摘んでいます。これをやらないと優秀な花が大きな果実になりません。夏日が増えるにつれ、この作業がどんどん忙しくなってきています。




3月までは「アイベリー」が元気でしたが、最近は実生苗の「ヨツボシ」が大きな実をたくさん収穫させてくれています。





2025年5月7日水曜日

再循環ハイドロシステムに最適なCANNA AQUAとGEMINIで大きく育つ

 循環ドリップ式ハイドロポニックス・システムGEMINICANNA Aqua Flores 肥料で、ミニトマトを育てています。

とても健康に大きく育ち、たくさんの花が咲き、実がつきました。


CANNA Aqua Flores A/B肥料は、各パート1:1の割合で希釈しますが、リン酸とカリウムを多く与えたい場合があると思います。そんなときでも CANNA Aqua Flores のAとBの割合は1:1を死守してください。 AとBの割合は変えずに、PK肥料を与えることをお勧めします。

ただしPK肥料は、濃度が濃いものが多いので、与えすぎると見事に肥料バランスが崩れたりEC値が高くなりすぎて葉が焼けたりして良いことがひとつもありません。なにより、本当にマズくなります。PK肥料は一番薄い濃度からスタートさせ、推奨の濃度よりもたくさん与えることはゼッタイに避けてください。