2014年12月26日金曜日

やっぱりオモシロイ! CANNA COCO培地とCANNA TERRA培土の栽培

2014年、残すところほんのちょっぴりです。今年は冬の訪れが早かったので、季節の前倒しで早く春が来てくれたらいいな、と思います。

年末、夕暮れの東京湾岸から富士山が見えました・・・




















今年の「エコプロダクツ」で、「NPO法人棚田ネットーワーク」さんのブースを発見しました。シュノーケリングの超穴場スポットがつづく西伊豆松崎町、石部の棚田も出展なさってました。 長い間耕作放棄されていた石部の棚田が復活したのは、ほんの14年前のことだったということと、棚田の近くにあるオリーブ畑をなさってるのが、会長さんだったことも初めて知りました。































室内栽培しているイチゴ「桃薫〜とうくん〜」、クリスマスにいくつか収穫することができました。左端の列は、CANNA TERRAポッティング培土 + Bio Flores有機肥料で育てていて、真ん中の列はCANNA TERRA培土 : CANNA COCO培地を1:1でミックスしBio Flores有機肥料を与えています。右の列はCANNA COCO培地のみとCANNA COCO A/B肥料です。





























一番果までの比較では、左列のCANNA TERRA培土 + Bio Flores有機肥料が、開花も収穫も一番はやく優秀でした。意外なのは、まんなかの列のCANNA TERRA培土 CANNA COCO培地 = 1:1ミックス+ Bio Flores有機肥料のコンビと、CANNA COCO培地CANNA COCO A/B肥料の生長速度が同じくらいという結果です。



イチゴの果実は、「花の大きさが果実の大きさに比例する」ので、とにかく大きな花を咲かせることが大切といわれてます。一般的に、大きな花はガクも大きくなります。




























実際に、ガクが大きな実は、いかにも大玉になってくれそうな気配が濃厚です。
元肥がはいっていて、炭酸ガスが発生しやすいピートモスをメインに配合してあるCANNA TERRA培土を使うと開花が早くなる傾向があることは、これまでの栽培経験でよく理解しています。





























CANNA COCO培地は栽培期間が長くなるにつれ、そのメリットを実感します。










































CANNA TERRA培土CANNA COCO培地は、いずれも有機繊維質の天然素材なので、「オーガニック培地」のヒトコトで覚えてられてしまって、ごちゃ混ぜにされやすいようですが、その性質には無視できない大きなチガイがあります。


CANNA COCO培地は再利用ができます。言い換えれば、サボテンや観葉植物を植えても問題ありません。分解が遅いので数年間植えっぱなしにしても、適度な環境や肥料さえ保てれば観葉植物はゲンキに大きくなります。

一方のCANNA TERRA培土は、基本的に短期収穫植物専用です。サボテンや観葉植物を何年も植えっぱなしにすると、繊維がドロドロと細かくなって根が窒息し、いつか枯れてしまいます。とはいえ、欧州産の長繊維ピートモスを使用しているので、廉価品のピートモス培土とは品質が大きくちがい、たちまち根づまりしてしまうようなトラブルはありえません。

例えば、イチゴの場合は秋から栽培をスタートさせますが、翌年の初夏になるころには、CANNA TERRA培土に植えたイチゴは、根っこがほとんど残っておらず葉っぱが小さくなる一方です。ところが、CANNA COCO培地のイチゴの根っこはポット全体にもびっしりと張りつづけていて、植え替えをしないまま2度目の冬に収穫できたこともありました。






余談ですが、ホントに効きます!!! ミカンの皮。ホントにアブラムシが出ません。数匹アブラムシが出たイチゴの根元にミカンの皮をバサッと置いておいただけで、何日かしたらもういなくなってました。皮がカビだらけになったら新しいのと取りかえるだけですが、ホントにアブラムシがでません。すごいです、農家の方の知恵。






























さて、トルネード誘引のトマトたちも順調です。




























トマトはCANNA COCO培地栽培の株が、一番最初に色づきました。もう5段目まで花が咲いてます。





















































寒さに耐えながら、ガンバっているトウモロコシです。スペースが限られている室内で植物を栽培するうえでのマスト事項のひとつは、背が高くならない矮性(わいせい)の品種を選ぶことかと思いますが、今回チョイスした品種は「Mirai」のなかでも矮性かどうかわかりませんでした・・・「せめて2メートルは超えてくれるな! 」と願っています。
































挿し木とりから生長しつつあるオリーブたち。新芽がでてきました!!!



























Hydroponics & Organics 2015冊子、配布中です。

2015年版「HYDROPONICS & ORGANICS」、
オンラインショップでお買い上げの方限定で無料配布してます。


今回は、「挿し木」と「発芽」の実践方法の特集です。




挿し木とりの実践方法では、親株の選びかたや、
発根しやすい枝の見分け方、
枝のカット位置などなど・・・
ステップ・バイ・ステップで具体的に説明してあります。


2015年もホビーガーデニングを
「知識のシェア」
でバックアップしていけたら・・・と思います!!!

2014年12月15日月曜日

ダレもが無料で使えるパワフル・ブースター。「酸素」

イチゴ「桃薫〜とうくん〜」の初めての収穫の日を迎えました・・・が、果実が真っ赤に色づかないので、ベストな収穫タイミングを思いっきり見逃していました。

























パクパクッと食べてみると「うわぁ〜っっっ、オイシい〜!!!」、「うへぇ〜、いたんでる〜!!!」の声が、同時に発せられました。ワタシがたべた一番果は、すでに自然へ還る状態になってました。それでも、今まで食べたどのイチゴともゼンッッッゼン味がちがいます。桃のような・・・ココナッツのような・・・ほとんど酸味のない、まろやかぁ〜なテイストです。しいて例えれば、何気に好物の「不二家さんのピーチネクター」のような???



















この苗は、CANNA TERRA培土栽培で、Bio Floresオーガニック肥料タマプラントフード活力剤の培養液で育ててます(pH値5.5くらい)。10月下旬に開花した花が、いまやっと収穫です。

























CANNA TERRA培土は、ガーデンピートがメインの元肥入りのオーガニック培養土です。
何万年という、ながぁ〜い年月のあいだに、水生植物が枯れて堆積したピートモスがメインです。酸素がない状態で腐植していく途中の植物体なので、酸素や水分にふれたとたんに繊維の分解がスタートします。なので1年未満、できれば半年くらいで収穫する作物の栽培でないと、細かくドロドロ+カピカビになったピートのせいで根づまりしてしまいます。反面、すこぉ〜しずつ分解されてくおかげで、培土から「CO2」がほどよく発生します。ためしに、閉め切ったグロウルーム内のCO2をメーターで計ると、500ppmくらいキープできてます。なので、植物がコンパクトにガッシリと徒長なく、花付きが早く多く、勝手にオイシく育ちやすくなります。
オーガニック肥料との相性もいいうえ、使用量が最も少なく、室内栽培のなかでは、もっとも安心・安全。リーブナブルで手間いらず。ダレでもカンタンにオイシく育てられます。



ということで、CANNA TERRA培土も、CANNA COCO培地も植物繊維でできてるので、赤玉土などの一般的な無機園芸用土、DWCやNFT、Flood&Drain などハイドロポニック・システムよりも、根っこに空気をタクサン吸わせられるので、「手軽に、オイシく育てる」ことが最大のメリットです。


ちなみに、「酸素」は、だれもが無料でどこでも利用できる、最高で強力な「植物ブースター」です。これを最大限に与える努力を惜しむ理由は、どこにも見当たりません。

酸素がないと、すべての肥料をバランスよく吸収できなくなるし(とくにリン酸とカリウム)、開花や果実の品質を左右するホルモンが作られる根っこの先端が死にやすくなります。わかりやすくいえば、酸素が足りないと徒長ぎみで病気に弱く、収穫の乏しい結果につながりやすくなります。

「エアレーションしてる培養液に根っこが浸ってるんだから、酸欠なんてならないでしょ?」とも思いますが、いえいえ、酸素はもっともっとあったほうがいいってことです。
ただの水にエアレーションを続ければ、だいたい8〜9ppmの酸素を維持できますが、空気中なら、換気するだけで 210000ppm! にもなります(水温で溶け込める酸素の量はかわります)。




相変わらず前置きが長くなりましたが、ここで「たくさん酸素があると、発芽もよくなるよ!」という実験です。そのきっかけは、「真冬だけど、とびっきりオイシいトウモロコシが、くいてぇ〜!!!」と思い立ったことです。

「オキシドールをいれた水」と「水」に、「トウモロコシの種」を24時間、浸してみました。水は、一般的な浄水器で浄水してあります。12月4日にスタートです。




















12月5日に、種を培地へセットしました。プロパゲータにヒーターマットをしいて管理して、その4〜5日後からボチボチ発芽しはじめました。


















12月11日の様子です。オキシドール水に浸した種16コのうち、7つ発芽しました。

























同日12月11日、水のみに浸した種の発芽は、16コのうち2つ。


























今朝、12月15日の様子です。オキシドール水に浸した種16コのうち、発芽した種は10コになりました。

























同じく今朝、水のみに浸した種の発芽は、16コのうち7つになりました。
























種に吸水させる水は酸素を多くした方が、発芽がはやくタイミングもそろいやすい結果となりました。日数をかければ、オキシドールを入れても入れなくても最終的な発芽数というのは大差ないかもしれません。それでも実生栽培の場合は、バラバラに発芽してしまうより、いっせいに発芽してくれた方が、植えかえや定植などのタイミングもそろうので、メリットが大きくなります。



2014年12月11日木曜日

ココ栽培、ポッティング培土栽培での水やりトラブル

CANNA COCO培地の水やりタイミングは、ほどよく乾いたら(水やり直後の30%〜40%の軽さ)、ポット容量の約20%〜30%量の培養液を与えます。
生長期は30%、開花期は40%に軽くなってからですが、CANNA COCO培地のみの管理方法です。



























例えば、10Lのポットでココ栽培をしてる場合、水やり後の重量が、30〜40%に乾いたら、約3Lの培養液を与える・・・という感じですが、培地の乾き具合で排水量が少ないことがあるので、念のため培養液を4Lつくっておくと便利です。
※ごくたまに、いつなんどきでも1L=1Kgジャスト!!! と思ってるおヒトがいますが、それは、純粋な水だけのおハナシです。10Lのポットにココ培地をパンパンに入れても10Kgにはなりません。



























とはいえ、水やりするべきベストな軽さは、一度計ってしまえば、手で持ってみた感覚ですぐに覚えられるので、いちいち計るようなコムズカしいことは毎回しなくてもOKです。

ちなみに、CANNA TERRA培土での水やりもほぼ同じ要領ですが、COCO培地よりも、すこし早めに水やりをします。肥料がたまりやすいので、水やり3回に1回は、薄めの培養液量を多めに与えて、排水を多くするとトラブルが防げます。

水やりするタイミングは、ものすごく厳密にしなくても、あまり問題は起こりませんが、与える培養液量が少なすぎするとNGです。

↓TERRA培土10Lポットに、BIO FLORES 2Lの培養液を与えたときの排水量は、約200ccになりました。このように、ほどよく乾いたときに、ポット容量の20%〜30%培養液を水やりすると、与えた水の10%〜20%が排水されるようになります。




















ところが、ごくタマに「水やりが原因だろうなぁ」、と思われる過剰症状が出ることがあります。ほとんどの植物で、そのサインは葉っぱにあらわれます。一部がよじれたり、くしゃっとなって、ノビノビとすっきり広がらない葉っぱがでてきます。葉っぱが変色したり、フチが焼けたりもします。

























こうなってしまう原因はいろいろあって、培養液が濃すぎるとか、培養液を与えすぎるとかです。あと、とくに多い原因が、受け皿にいつまでも培養液を溜めたままにしておくことです。


いずれの場合も培地に肥料が残りすぎることが原因なので、まずは培地を洗い流すことがプライオリテーな対処方法です。これを長期間放置しておくと、病害虫がでやすくなります。

まず、葉の変形などを発見した時点で、培地が乾いてなくても、薄くした培養液で培地を洗います。

ココ培地の場合は、通常のさらに2倍希釈した培養液を与えます。培養液の量は、いつもより多めにするので、ポット容量の30%〜40%(10Lポットに3L〜4Lの薄い培養液)で培地をフラッシングします。排水された培養液を受け皿にためたりせずに、どんどんRun-Off(排水)させることも、大切なポイントです。

ポッティングミックス培土の場合、ココ培地と同じく薄くした肥料培養液か、水だけでフラッシングします。

「この葉の変色のしかたは、マグネシウム欠乏症状だ!」とか、「カルシウム欠乏だ!」と思い当たったとしても、ハイドロポニカリーな栽培は、すべての肥料成分がバランスよく配合されているので、足し算よりも、引き算が大切です。その成分をあわてて与えたりせず、まずは培地を洗い流します・・・肥料が多く残りすぎてて、そのへんが吸えなくなっているだけだからです。


フラッシングしたあと、数日間は様子を見て、新しい葉っぱに異常がなければ、解決ですが、それまでの栽培管理方法では、肥料過剰トラブルが起こりやすいということなので、肥料の濃さや、培養液の量、水やりのタイミング、光の強さ、などなどについてなど、思い返して改善した方がよいかもしれません。




以上、上記に書いたパーセンテージなどの数値は、底面給水やドリップ・イリゲーションでのココ栽培やポット栽培をするうえで、目安となるものです。これらの数値やスケジーュールのレシピよりも、ガーデナーが目で見て感じた状態を優先したほうがいいと思います。









思いもかけず桃薫の果実たちが色づきはじめてしまいました。もうすこし、ゆっくり熟してくれた方がおいしくなると思うので、まずランプを遠ざけ温度を下げました。気温が高い夏などは、あっというまに積算温度に達してしまい、あんまり甘さが乗らないうちに熟してしまうことが多々あります。そんな時は、ランプの光を弱くしたり点灯時間をすこし短くしたりします。

























一方、葉もの野菜よりも果菜類の栽培のほうがむずかしいといわれるのは、開花期(生殖生長)というステージがあって栽培期間が長く、管理方法もちがうからです。果実をとる植物では、実を大きくおいしくするために、ほどよい「葉かき」作業が欠かせません。このイチゴたちは、ツボミが見え始めた頃から、少しずつ葉かきをスタートしました。




























とくにイチゴは、葉っぱを多くつけたままにしてると果実が大きくなれないそうで・・・古い葉っぱをいくつか、葉かきしてみたあとです。




























生産者さんによって、どのくらい葉っぱを残しておくかは、もちろんちがっていて、それは豊富な経験から出たロジカルな理由なので、前提抜きでマネすればいいってもんでもないのが、むずかしいところです。ワタシは、ひとまず一番外側についてる葉っぱの付け根が茶色く変色したら、すぐにムシルようにしています。

























茎や株もとのクラウンがチラホラと見える程度に葉かきをするようにしてるので、むしる葉の数は2〜3枚程度です。




























さて、こちらはトマトたち。5段目の花が咲きました。高さを押さえるための誘引地獄のスタートです。


























下の葉っぱにも光がよくあたるように、ツルをナナメに誘引しました。4つのトマトのツルはらせん状になってます。名づけて「トルネード誘引」です。言ったもん勝ちです。

2014年12月1日月曜日

自動ドリップシステム「Run-to-Waste」のDIY

いよいよ12月となりました。晩秋の紅葉は、日本情緒がとくに深く感じられる景色です。多摩丘陵地帯にのっかった川崎市の田園地帯では、まだまだこんな丘が残っています。



























紅葉したケヤキの葉っぱは金色になりました。春に萌え出た若葉が秋になり老化すると、緑色をした色素である葉緑素が破壊され、その他の色素のアントシアニンやカロテノイドだけが残るので、紅葉した葉っぱは鮮やかな赤やオレンジ、黄色になるんだってよ、ってことと、紅葉した葉っぱは葉緑素がないからもう光合成してないんだよ、っていうプチうんちくを自慢げにだれかしらに披露する季節です。「それ聞くの、もうX回目だよ・・・」と返されることもシバシバ・・・


























ところで、5ヶ月前に産まれた子猫たちは、すっかり大きくなりました。全員カギしっぽをしているおかげで、毎日なにかしらの幸せなできごとをひっかけてきてくれます。





























猫家族のためのサラダバー「小麦若葉」、ヒーターマットなしでは小麦がなかなか発芽してくれない季節となりました。プロパゲータに入れておくと、高温多湿ぎみになるので、芽だけでなく白いホワホワした根っこも培地の表面にあがってきます。


















さて、話は変わりすぎますが、CANNA COCOなどのココ培地や、CANNA TERRAなどのポッティング培土でのハイドロポニカリーな栽培は、水耕栽培とおなじくらい生長が早く多収穫なうえ、水耕栽培よりも管理がラクで肥料の使用量を減らせます。

問題は、植物が大きく生長するにつれ、水やりがいそがしくなることです。
今回は、循環ポンプを利用した「Run-to-Waste=かけ流しドリップシステム」をDIYしてみました。


















循環ポンプの吐水口径にあわせて13mmホースをメインのドリップラインにしました(真ん中の太いホース)。このホースの終わりは13mmホースエンドでふさぎます。13mmホースに穴を開けて6mmチューブをとりつけ、4つのポットに同時にドリップできるようにしました。



















13mmホースに6mmチューブをとりつけるための穴をホースパンチで開けます。ホースパンチを垂直に持ち、まっすぐな穴を開けます。一回で開けないと、ホースに亀裂がはいり、水もれしやすくなります。


























開けた穴に「4mmドリッパー・マニホールド」のバーブぐち(=タケノコ)を差しこめば、ドリッパー2分岐ドリッパー4分岐をのせられるので、ひとつの穴から複数のドリッパーへ分岐ができるようになります。分岐しなくていい場合は、「4mmチューブジョイント」をチョイスします。(↓下図は「4mmドリッパー・マニホールド」ですが、これにも直接6mmチューブをとりつけられます。)


























栽培トレイの中央には「流入口」と「排水口」の2つの穴が必要なので、栽培トレイに27mm径の穴を2つ開けました。「流入口」のほうの穴の上下に、「13mmホース貫通ジョイント3/4"」と「13mmホース貫通ジョイント1/2"」を取りつけました。トレイの穴の上下に13mmホースを貫通させるためなので、どちらが上でもいいのですが、「13mmホース貫通ジョイント1/2"」のメネジがあまることになります。



























栽培トレイの「流入口」の裏側に「13mmホース貫通ジョイント3/4"」をとりつけたところです。
























13mmホース貫通ジョイント3/4"」と、リザーバータンク内の循環ポンプを13mmホースでつなげます。(ホースの長さは、ポンプからトレイまでの高さにします。このホースの長さX1.5倍程度の揚程パワーがある循環ポンプを使うとGoodだと思います。)
























写真はありませんが、トレイの「排水口」の穴のほうは「トレイ用貫通継手」の19mmか25mmをチョイスし、ホースをとりつけ排水タンクまでひっぱります。流入口よりも径を大きくして、スムーズな排水をさせるのが水漏れトラブル防止のコツです。
なので、内径13mm、19mm、25mmの3つのサイズの塩ビホースが手元にあるとホース延長や取りかえ時に重宝します。(もちろん6mmチューブも忘れずに。)


最初につくった自作ドリップパーツを、栽培トレイの上部につきでている「13mmホース貫通ジョイント1/2"」にとりつければ、これでOKです。ちなみにメインドリップは、トレイに対し垂直に設置するより水平に寝かせて設置する方が、水圧が落ちなくてすみます。その場合は13mmエルボをつかえばホースを水平に設置できます。











全体図です。リザーバータンクである白いバケツのなかの循環ポンプを作動させると、栽培トレイの上の各ポットへと培養液がドリップされます。栽培トレイの「排水口」から落ちる培養液の排水は、リザーバータンクではなく、もうひとつの排水用タンクに落ちるようにしてあり、これで「Run-to-Waste」システムの完成です。

























ココなどの有機培地ではなく、クレイペブルス培地にすれば、培養液をくり返し循環させて使えるので、リザーバータンクひとつですみます。


自動ドリップシステムの注意点は、なんといってもリザーバータンク内の培養液の水位です。水位が下がったとき、ポンプが空中でカラ運転してしまうと故障してしまいます。こうなるまえにポンプのスイッチをOFFにしないとなりません。
ということは、24時間タイマーで定期的にドリップさせたい場合は、さらに注意が必要になります。




・・・ということで、ささやかなクリスマスプレゼントとして、水耕栽培カテゴリーすべてが30%OFFでお買い物いただけるオンラインショッピング限定のクーポンを現在ご配布してます。このチャンスに、DIYライフをお楽しみください。

2014年11月26日水曜日

イチゴの花と、トマトの手づくりDWCシステム

この度の長野県北部を震源とする地震により、被害を被られた皆様に心からお見舞い申し上げます。冷たい雨が雪へと変わる季節の避難生活、復旧作業は、どれほどのご心労かとお察し申し上げます。


通るたびに、おもわずニコッとしてしまう道路のみぞぶたに残された小さな足あと。肉球の様子からコンクリを固めてる最中に、おそらくキャツが侵入したと思われます・・・











今年一番最初に花をつけたイチゴの苗です。来年は、開花が早かった苗と、優秀な実をつけた苗の子苗を増やしていこうと思います。プランツタグに開花時期などの情報を記しておけば、来年どれを親株にするか決めるときに、よい判断材料となります。



















TERRA培土で育てている、ほかの2つのイチゴたちは、まだ花芽が上がる気配がありません。最近は室温が20℃〜22℃くらいですが、気温が高い日は25℃ほどになります。そんな日は、葉っぱも花房もバンザイするかのようにスクッと立ち上がります。


























ランプ点灯前の湿度が高いせいもありますが、根っこが活発なので、毎朝花のガクにまで葉つゆがでます。


















イチゴの花をマクロレンズで撮ってみました。真ん中の果実となる部分から、イソギンチャクのように「雌しべ」が立ち上がっていて、さらにそのまわりから、金色のスプーンのような「雄しべ」が伸びています。


























花房からはつぎつぎにツボミが上がってきます。大きな花が咲きそろってきたら、あとから出てくる5mm以下の小さなツボミをドンドン間引いています。小さな花を摘んで着果負担を減らすことが、優秀な果実をさらに大きくするコツだそうです。




















「植物は、これほどまでに温度によって生長が変わるのか!!!」と、あらためて驚かされたトマトの挿し木苗たち。
エアロポニック・システムで発根させたトマト苗たちは、このDWC(エアレーション、バブラー)システムへ定植しましたが、培養液の水温が15℃だったので一週間ほどウンともスンとも根が伸びませんでした。「これはマズい!」と、完全防水バージョンのピタリ適温「スーパー1」をGETし、バケツの下に敷いて加温をはじめたところ、いっせいに根っこがベロベロ伸びはじめしまた。
























↑のDWCハイドロポニックシステムは、DIY製です。16Lの黒いペールバケツと、ペールバケツ用の白いフタ、「パンダ DWC システム」とでも名付けたい気分です。なぜ色をそろえないんだ? と思いますが、黒いペールバケツのフタを置いてるお店は、インターネット以外ではあまり見かけません。

140mmネットポットがハマる穴をフタに開け、6mmチューブ、約1Lのクレイペブルス、エアーポンプがすべての材料です。


培養液を交換しやすくするための排水機能を持たせたい場合は、水位インジケーターキットを取りつけるとナイスです。 ※リザーバータンクの下の方に16mmの穴を開けて取りつけます。ホールソーなどをGETすると、プラスチック容器の穴開けに便利です。このキットは20L以上のバケツにちょうどよいホースの長さですが、ホースをカットしてバケツの高さに合わせて使うこともできます。

















挿し木苗のトマトを育てているグロウルーム内の温度は21.5℃、湿度は60%でした。
ところで、温度/湿度メーターは、壁に引っかけて使いたいと思うのですが、引っ掛けるところがなくて困ることが多々多々多々多々ありました。グロウテントの支柱が13mmだったので、15-16mmホースバンドがガッツリとはまりました。S字フックを差し込んで、まんまとメーターを好きな高さでぶら下げることができました、ハッピーです。


























ココ栽培のトマトたち、挿し木苗の親株たちです。10Lポットに植えかえました。一段目の果実がついたところです。



























毛細管現象を駆使した、ローテクな非家電加湿+CO2添加システム、なにげに好調です。バケツの中には自作炭酸水がたっぷり入ってます。もしもタオルが床に落ちても、毛細管現象はつづきますので床が水浸しになります。洗濯バサミでしっかり止めておかねばなりません。


























バケツの中の炭酸水は一週間くらい変えてません。温度が逃げないようにグロウルームはほぼ閉め切りにしてますが、室温があがると炭酸ガスが発生していて600ppm前後になります。外気のCO2濃度が300ppm〜400ppmほどなので、閉め切った室内が628ppmということはバケツの水から炭酸ガスが出ていることになります。
炭酸が残っているかどうか知りたいときは、pHメーターでバケツの水のpH値を計ってみて、弱酸性ならまだ炭酸は残ってるだろうな、と判断してます。