2012年7月13日金曜日

真夏のガーデニング、本気で酸素対策


さて、「チャイブ」がダメになってしまった「エアロガーデン」に、ナニを植えようかと考える間もなく、先日スーパーの値切り品で売られていた「パクチー」を調理したあとの根っこを「エアロガーデン」にさしておいたら、まさかまさかの「再生栽培」に成功しました!




パクチーが苦手なおヒトには、アロマハラスメントとしか思えないほどに、部屋中がパクチー臭いです














しかも「 エアロガーデンで再生栽培とは、なんと邪道な! 」とも言われてしまいそうですが、欧米では、卓上エアロポニックスシステムを「クローンマシーン」としても活用するヒトがたくさんいます。


「 日本だと、そんなに挿し木を増やしても、植える場所がないよ! 」とも思いますので、ならばスーパーで売られている水耕栽培ものの香味野菜とかハーブとか、まだ根っこがのこってる状態のものや、調理後に残ったネギの根っこやら、豆苗スプラウトなんかもエアロガーデンにセットして再生栽培ができてしまいそうです・・・これはある意味現実的です。





が、水耕栽培では培養液の水温が30℃以上になると、いくらエアレーションしてあげても、空気を入れるそばから、酸素がポッポッ・・・と水の外に飛び出して逃げてしまうので、必然的に根っこに酸素が足りなくなっちゃいます。そのうえ水に肥料塩類を溶かすと、肥料と反応して、さらに酸素が減ります。植物は、真夏のように気温が高くなりすぎると「呼吸運動」が激しくなって、光合成でせっかくつくった糖分のほとんどが、呼吸運動で使われてしまって、花や果実に糖分がたまらなくなって、花は小さく果実は酸っぱく・・・という負のスパイラルに突入します。


ちなみに、培養液には8.1ppm ( =約8.1mg/L )ほどの溶存酸素量をキープするのがベストと言われてます。



培養液の水温と濃度から、溶けていられる酸素の量は、リンク先で知ることができます。
↓下のリンク先で、水温と肥料濃度から、だいたいの溶存酸素量を知ることができます。

Temperature in °C = 水温 

Salinity = 肥料濃度EC値を入力すればOKですが、ppm表示のメーターしかない場合は、ppm値を500で割れば、アバウトなEC値に変換できます。( この500という値は、HANNA社製メーターでの目安です。厳密には各メーカーによって多少ズレがあるようなので、製造メーカーに確認するか、バックリした目安と考えてください。)

Pressure in mmHg = 富士山やヒマラヤ山頂にいないかぎり、1気圧=760mmHgのままでOKです。ちなみに気圧は、1000m空に昇るごとに約76mmHgづつ下がっていきますので、万が一1000m以上高低差がある場所での培養液中の溶存酸素量が知りたいおヒトは、ご参考になすってください。

例 : 30℃でEC値2mS/cm濃度の培養液の溶存酸素量D/Oは、7.48mg/L・・・つまり7.48ppmとなります。



ということで、以前紹介したように、海外のハイドロ・ガーデナーは、夏場の培養液に「過酸化水素水」を加えて、足りない酸素を補います。オキシドールといえば、以前にこちらで紹介したように、濃度3%の過酸化水素水(H2O2)で、つまりは酸素のカタマリです。
http://desktopfarmer.blogspot.jp/2010/05/blog-post_31.html

海外では、35%過酸化水素水を使う場合もありますが、「指定激物」なので気軽に買えるものではないし、真夏だと爆発したりして危険だし、多すぎる酸素は放射性物質と同じようにフリーラジカル( 活性酸素 )となって、細胞を傷つけるので生長促進には逆効果にもなります。
それに、有機成分は酸化してしまうので、有機活力剤の効果は減ってしまいます。過酸化水素水は、無機肥料だけの培養液にしか有効ではありません。



真夏の培養液の溶存酸素量をふやすのに必要な、
35%過酸化水素(H2O2)の量は、培養液全体の0.05%前後を入れて4日ほど効果が持続する、と言われています。
H2O2濃度3%のオキシドールだっら、約10倍の50mlほどを 10Lの培養液に入れればいいことにはなりますが、ちょうどいい酸素濃度8.1ppmよりも、かなり濃いめになるかと思います。



(オキシドール1ml中には、酸素が0.014g=14mgほど含まれてるそうです。8.1ppm = 約8.1mg/Lなので、10Lの培養液にオキシドール50mlを入れると・・・酸素は約700mgあることになるから・・・暑すぎて左脳が働かなくなりました・・・)







いやいや・・・

ほかに、なにかいいモノは・・・? と探してみると、ヒトツめっかりました。
オキシデーターミニ」というアクアリウム用の酸素発生装置です。画像はないので、ググッて探し求めてください。
知ってるヒトは知ってると思いますが、電気は一切使わず、専用液をいれたオキシデーターを水中に入れておくだけで、水中の溶存酸素を増やしてくれる・・・という仕組みのようです。


オキシデーターミニ」は、活性酸素という形で酸素を発生させるので、有機活力剤は使えないかもしれませんが、消毒効果があるので根グサレ病防止にはなります。
そして、アクアリウムでは30L〜60Lの水槽用だそうで、専用液75mlで、だいたい1ヶ月の間、勝手に酸素を出し続けてくれるそうです。培養液タンクがもっと小さい場合は、専用液を水で薄めてセットすればいいそうですが、水温が高くなればなるほど、酸素発生量がふえて専用液がすぐ減るそうです・・・




・・・ということで、培養液の水温が30℃以上になっちまう真夏の溶存酸素量を増やす方法を紹介したつもりですが、心もとないので、イマイチ試すのが心配なおヒトは、てっとりばやく「溶存酸素メーター」をGETなすって、計測しながらトライすることをMAXにおすすめします。





「いやいや、無駄なお金はかけたくない・・・」というおヒトには、最後の手段があります。手動加圧式噴霧スプレーで、培養液をタンクに注ぐという、アナログで、ソノ場しのぎ的な解決策です。手動加圧式噴霧スプレーのMAXな圧力は、0.3mPa〜0.4mPaほどあります。0.3mPaは、だいたい2280mmHgとなるので・・・


もしこの圧力で培養液をタンクに注ぐと、水温30℃/EC値1.4mS/cmの培養液ならば、溶存酸素量は一時的に20ppmほどにまで上げられる計算になります・・・


が、お金がかからない分、正直メンドクサイです。







ということで、「 夏場に手動式加圧スプレーで培養液の溶存酸素量をあげる・・・」という、恐ろしくアナログな酸素量アップ作戦ですが、ココ栽培やポッティング・ソイル栽培、あとプランター栽培など固形培地への水やり方法として、イチバン現実的だと思いました。