ところで、アロエの花が咲きました。
ワタシが知るかぎりでは、「日本一アロエの栽培に適した地」といえば伊豆半島なのですが、南関東でも真冬にアロエのツボミが上がります。
そういえば、空前の「アロエブーム」が日本に巻き起こったのは、いつだったかなぁ?と思えば、それは1975年だったそうです。あの当時のアロエの扱いといったら、「ヤケドによし、肌荒れによし、便秘によし、消化不良によし、胃炎によし、とにかくアロエさえ家に生やしておけば、なんも心配もイラナイ!!! 」と、まるでアロエに取り憑かれたような有様でした。
・・・ということで、ウキウキとアロエをGETして庭に植えようものなら、またたくまにアロエの繁殖力は家庭での消費量をうわまわり、庭や石垣をアロエにオキュパイされてしまった!!!という光景も決して珍しくありませんでした。
先週末のすざまじい強風で、梅の花も強制終了となってしまいました。
梅は終わってしまいましたが、春の嵐は次から次へと花を咲かせていきます。ひっそりとニオイスミレの花が上がっていました。
ぷっくりとした「木瓜-ぼけ-」のツボミも、ほころびはじめています。
これはアジサイの新芽です。一見、枯れてしまったように見えるスカスカの枝から、しっかりと今年の葉を広げていきます。
開きはじめたバラの新芽に「アブラムシ」たちがひっついていました。多分あたたかい日にどこからか飛んできて、羽を落として居座ったんだと思います。このアブラムシは、ほっとくと枝中にびっしりと増えます。これをひとつひとつ指でしぼり取っていくと、指先が緑色に染まってしまいます。
「ほっほほ〜! なんてったって今年はアブラバチたちがいるもんね〜!!!」室内栽培のイチゴたちの葉っぱには、アブラバチたちのマミーがビッッッシリと引っついています。
アブラムシの天敵農薬のアブラバチは寒さに弱いのですが、これだけ暖かくなれば、もう外でも活動できる頃だと思います。マミーがいっぱいついたイチゴの葉っぱを何枚かバラの根元に置いておきました。
さて、アブラバチたちのすみかとなってる室内栽培のイチゴ「あかねっ娘」たち。3月になったいま、やっと本調子となりました。今年はポッティング・ミックスの配合をミスってしまい、チッ素過剰で大苦戦しました。
今年の室内栽培のイチゴたちは「墨汁」くさいです。この墨汁くささの原因は、どうやら「硝化菌」がさかんに動いているからのようです。布製ポットが黒く変色しているのも、やはり「硝化菌」が犯人のようです。
植物は、土壌中のチッ素のうち「硝酸態チッ素」をもっとも好んで吸収しますが、もしもこの「硝化菌」が動けなくなると「アンモニア態チッ素」が「硝酸態チッ素」に変身できなくなります。
アンモニア態チッ素は、根っこに浸透しやすいので即効性があるのですが、有害なアンモニアに変化しやすかったり吸収されすぎたりするせいで、根っこが肥料やけしやすくなるデメリットもあり、硝酸態チッ素よりもハイリスク、ハイリターンといった感じです。
その大切な「硝化菌」は好気性バクテリアなので酸素が足りなくなると、極端にゲンキがなくなります。なので水分が多い水耕栽培よりも、有機培地のココ栽培やポッティング・ミックス栽培のほうが「硝化菌」の働きが期待できます・・・が例えば、水やりのしすぎで培地内の酸素が常に少ない状態だと「硝化菌」がノビノビと動けなくなります。
あと、ココ培地やポッティング・ミックス培土(ピート)は、保肥性(CEC)が高いのがメリットなのですが、この保肥性ってのは陽イオンを吸着する能力のことなんですが、陽イオンのなかでも「アンモニア態チッ素」を優先的に吸着するそうです。
ココやハイドロ用ベース肥料のチッ素は、ほとんどが「硝酸態チッ素」で配合されているので、植物がゲンキで根っこが活発に動いているならすぐに吸われちゃうので、培地内に肥料が蓄積されることは、ほとんどなく心配はいりませんが、例えば低温がつづいたり植物があまりゲンキじゃないのに、培養液をガンガンあげつづけていると、培地内で吸われずに残っていく肥料が蓄積される場合があります。
そんな、「チッ素過剰+酸欠」の状態が続くと、今度は「硝酸態チッ素」を「アンモニア態チッ素」にチェンジさせてしまう「脱窒菌」が、活発になることがあります。この細菌は嫌気性なので、酸欠状態で絶好調となります。こうして「チッ素の蓄積」と「酸素欠乏」で培地内にアンモニア態チッ素がたまっていく展開もありえるそうです。
そして、このアンモニア態チッ素は、温度が高くなる+pH値が高くなりすぎる、で殺傷能力の高い有害な「アンモニア」に変化しやすくなります。
つ・ま・り ! 急にポカポカ陽気になった日には、室温が30℃ちかくになっちゃったりしますが、こんな日にはなるべく室温を25℃以下に下げたり、水やりする時には水温を18℃くらいにしてあげたり、植物の調子がなんとなく悪い時は、培地のpH値をチェックしたほうが無難かと思います。
ちなみに、「硝化菌」も「脱窒菌」も、どこにでも&いくらでもいますが、ほとんどの菌種がpH値が8くらいのときに活発になるそうなので、無理のない培養液管理をしてあげていれば、これらの細菌たちが暴走することは、あまりなさそうです。