2016年2月19日金曜日

「雨水」に色づいたパプリカ、そしてグロウランプについて。

午後から暖かくなる予報の今日、二十四節気では「雨水」です。

空から降る雪が雨に変わり、春の陽気になったり雪がチラつくような寒さにもどったり・・・三寒四温をくりかえしながら、いよいよ「春の庭じたく」を本格的にスタートする時期でもあります。よく晴れた日には、明るい日差しに似つかわしくなくなってきた枯れた草花たちを刈り取ったり、肥料をパラパラまいたりしてると、もう動きだしている小さな虫たちが見つかります。

毎朝、ご近所の畑でニョキニョキとたつ霜柱。直管パイプでこさえられた柵の影になってるラインだけ倒れずにいます。


















そんな雨水にあわせてか、カラーピーマンがやっと色づきはじめました。
「やっとかよ・・・。」そのひとことが、感動よりも先に心にわきあがります。

























カラーピーマンは樹勢がそんなに高くならなかったので、トマトとくらべると誘引はラクでしたが「わき芽かき」との戦いはシレツをきわめました。


























わき芽かきをおこたると果実が大きくなってくれないそうで、たしかに放置ぎみだった頃の果実はあまり大きくなってくれませんでした。


























ちなみに↑の色目は、修正して見やすくしておりますが、完全HPSランプ栽培なので、ホントは↓こんなオレンジ色です。トマトやピーマン、イチゴなどなど果実を収穫する果菜類を100%人工照明で育てる場合、LEDでは光と熱にまだ不満足感がつのります。
























植物にとって光とは、光合成運動するためだけのものではなく、季節を知る手段でもあります。なので光量子の数の多さだけでなく、波長(色)が、とってもとってもとってもとってもとってもとっても大切です。

青色の光は、夏へのスタートを知らせてくれる波長なので夏にさかんに生長する短日性の植物なんかは、青色波長を多く含む光が当たると「おお、シーズンがはじまったな」と花を咲かせる生殖生長に切り変わり、逆に秋から冬に開花する長日性の植物は、光に赤い波長の割合が増えると「トウ立ち」をはじめ花を咲かせるモードになるそうです。
(植物栽培用のHPSランプは、赤い波長だけでなく青い波長も強化されたデュアル・スペクトラム仕様のものが主流になってきています。)

また、光合成には効率が悪すぎるとほぼ切り捨てられてきた緑色は、病害虫への抵抗力を高める効果があるし、近紫外線をあてると植物の抗酸化成分の含有量を増やす効果があって、サプリのように食す高機能野菜として、人気が高いと聞きます。

ということで、世界の商業用栽培施設で、栽培用照明の評価を見わたすと、日照時間が短いヨーロッパを中心に「育成効果で見れば、HPSほど太陽光のように植物を効果的に育てられるランプはないよね。」ということで他のランプへの移行が思うように進まなかったり、

「HPS1000WのかわりになるLEDは、やっぱり1000W必要なんだよね。一昔前に言われてた、LED50WでHPS400W相当とかってのは、輝度についてだけだよね?」ということでいま現在は、まとまってます。
( これはあくまで一般消費者の手に届く範囲の価格での一般論です。LEDの技術は日々日々めきめきと発展しています。)

とはいっても、LEDは電力をとても効果的に光に変えられるのでHPSやMHランプのように消費する電力のほとんどが熱に変わってしまうことがありません。なので接近戦に強く葉物野菜など栽培エリアをコンパクトにまとめたい作物には、ベリーベストです。

たまに「この肥料にしたら、植物がちゃんと育たない。どうして???」という質問を受けますが、ほとんどに共通していた原因が肥料を変えたからではなく、LEDにしたから。というものでした。肥料は標準的な与え方をしている限り、大きく外すことは決してありません。そのようにつくられていますので。しかし光の質は植物の生長にダイレクトに影響します。


・・・と、いうことで理屈っぽい文字面がながくなってしまったので、最後は春にぴったりなサウンドとシュールな踊りで失礼します。