2009年12月15日火曜日

無農薬・無化学肥料のお茶〜エコプロダクツ〜

エコプロダクツの会場には、フェア・トレードやオーガニック素材をつかった化粧品、アパレル、食品などの買い物が楽しめる「グリーンストアーズ」というマーケットコーナーがありまして、エコプロダクツの会場内で、私がもっとも長い時間をすごす場所でもあります。
グリーンストアーズに出店なさっていた「 自然のわ研究会 」は、静岡県金谷町と掛川市で5年以上100%無農薬・無化学肥料のお茶づくりをなさっている生産者さんが集まってつくられた会だそうです。


数年前から「 自然のわ研究会 」のお茶をいただいてますが、ほんのりと土の香りがしてなんともいえない素朴で丸みのある味です。きっと昔の日本の人はこんな味のお茶を飲んでいたんだろうなと勝手に思っています。

「 自然のわ研究会 」の善光園さんは無施肥栽培にも取り組んでいらっしゃいます。
農薬はもちろん肥料もやらない「 無肥料栽培 」は有機栽培よりもさらに環境にも健康にもよい作物ができるそうです。
いぜんに、野菜の無肥料栽培に取り組んでいらっしゃる生産者さんのお話をうかがうチャンスがあったのですが、一朝一夕でかんたんにできるものではなく、それはそれは試練の連続のようです。
土壌の生態系のコンディションが整うまでに数年間収入ゼロということもありえますし、出荷に適した便利なF1品種は肥料ぐいなので無肥料ではそだちません。その土地の風土にあった進化をしてきた植物の固定種・在来種でないとむずかしいそうです。さらに肥料原料を生産する方々からは、営業妨害とバッシングを受けてしまうそうで・・・

また、「 自然のわ研究会 」の生産者さんたちのお茶に限らず、無農薬・無化学肥料で育てたられたお茶たちは、今現在の「おいしいとされるお茶の基準」にはそぐわず、品評会ではなかなか評価が上がらずにご苦労なさっているそうです。
でもエコプロダクツでの「 自然のわ研究会 」のお茶たちは毎年大人気なようですよ。去年のエコプロダクツでは最終日に伺ったら一番高いお茶がすでに売り切れていて買いそこねて、必死に探すはめになりました。


一方で、最近なんだか悪者あつかいの化学肥料ですが、実は現代の人口増加を支えた一番の立役者なんですよ。
化学肥料へのシフトチェンジの大きなきっかけは、17世紀にドイツ人のフンボルトさんが南米の土着農業に使われていたグアノの肥料効果にびっくりしたことから始まりまして、その後ヨーロッパに売り込んだら、国同士の戦争にまでなるほどに取り合いになっちゃいました。それから いろいろありまして、鉱物=ミネラル を溶かしてリン・カリなどが豊富に確保できるようになりました。N・P・Kの三大無機肥料が広がったら,世界の人口はたった100年で16億人から63億人にまで一気に増えたそうです!しかも田畑の面積はたったの1.2倍しか増えていないそうです。すごい変わりようですね。
-「肥料になった鉱物の物語 / 高橋英一さん著」より-

2009年12月14日月曜日

エコプロダクツ2009

「エコプロダクツ2009」に行ってきました。

年々来場者数がふえていて、昼ゴハンを食べずに行くと駐車場に入れるまでにハラペコになってしまうほどです。エコに興味があつまるのは何よりですね。

会場に入ってさっそく目を引いたのは、フードブースでした。でもすでにお弁当は売り切れでした。














喰いっぱぐれはしたものの、会場内は見どころいっぱいでした。
各都道府県のエコな取り組みや商品を紹介するブースもありました。徳島県のブースでは「植物工場」を提案する企業さんを見つけました。

エレクタのシェルフを使ったハイドロ・システムは、栽培規模に合わせやすくて導入も比較的かんたんで現実的ですね。
また、生で食べたいリーフ野菜やメインではないけど味つけのアクセントに欲しいハーブ類など出番のおおい葉もの野菜は、水耕栽培で育てると収穫サイクルも短いし養液を調整すると味もよくなるのでメリットが大きいですよね。















都道府県や企業のほかにも、環境問題の向上に取り組むNPO団体や大学の出店ブースもいっぱい出ていました。
太陽の熱だけでバーベキューができてしまう「ソーラークッカー」というオーブンが毎年紹介されているのですが、燃料を一切使わないので地震などの災害時にも調理はもちろん、温水・飲料水の確保や煮沸消毒ができるので、いつかはGETしたいと思ってしまいます。



2009年12月11日金曜日

植物園とHPSランプの補光栽培

これからの季節の楽しみのひとつは、関東近辺の「 植物園の温室めぐり 」です。夏の植物園の温室は、とてもとても蒸し暑くて「 罰ゲームか?」とも思えるほどですが、冬ならとてもとても快適です。

千葉県館山市の「 南房パラダイス植物園 」は、道の駅も兼ねているので駐車場が無料でとても広いです。( 植物園は無料じゃないです )
そのうえ売店では、めずらしい植物の苗なんかも破格値でGETできるので、訪れるたびに、まんまとトロピカルフルーツの苗をお持ち帰りとなります。
冬は管理がたいへんだってわかってるのに・・・


農業と酪農のワンダーランド「 房総半島 」ならではの見どころいっぱいの植物園です。
こちらの温室内では「 高圧ナトリウム灯 =HPSランプ」を設置して補光栽培しています。

ヨーロッパでは、切り花など花卉の流通が日本に比べとても多いですが、オランダだけでも花卉の消費量は日本の約2倍ほどあります。ところが秋から冬には日照時間が日本よりだいたい2時間くらい少ないようで、日照をHPSランプでおぎなう「 補光栽培 」がさかんなわけです。オランダは野菜も、その約80%が水耕栽培とHPSランプなんかを組み合わせた施設栽培で生産されています。


日本でも補光栽培が最近多くなってきました。
お供えの菊やポインセチアなどシーズンものは流通させたい時期がきっちり決まっているうえ需要の期間が短いので、生産地域によってはニーズがもっとも大きい時期に咲きそろわなかったり咲き終わったりして、利益がぜんぜん少なくなってしまいます。なのでHPSランプやLEDなどで日照時間を調節する補光栽培に期待が集まっているんですよ。

南房パラダイス,略して「ナンパラ」にはかわいい動物や南国の鳥たちもたくさんいます。


ナンパラのトップアイドル,「コツメカワウソ」です。


「 なんか喰うものをくれ 」と訴えてます。

2009年12月10日木曜日

トマト室内栽培「グリーン・ゼブラ」の発芽

発芽した「グリーン・ゼブラ」の本葉がちょこっとでてきたので、そろそろハイドロ・システムにセットできそうです。「 グリーン・ゼブラ 」もタイニー・ティムと同じくエアルーム・トマトです。
エアルーム品種というのは、欧米の農村や農家で長い年月をかけて固定化した野菜などが先祖代々受け継がれ、大切にされている門外不出的な品種の総称で、固定種のなかでもとくに「 家宝 」的なニュアンスがおおきいです。
しかし最近になって「 F1品種はあたりまえ、これからは遺伝子組み換え品種で大規模農場が最高 」という大企業のマーケティング戦略のあおりを受けて、米国の小規模農家・酪農家がかなり厳しい状況に追い込まれています。
さらに昨今の「オーガニック・ブーム」も手伝ってエアルーム品種が見直され、いくつかの品種が市場で手に入るようになりました。
エアルームトマトも固定種とおなじでプラントごとに個体差がおおきいです。発芽時期や、実の大きさや熟するタイミングもバラバラなので流通には向きません。
でも、見た目にも味にも風味にもそれぞれ個性があって耐病性も強く実がなるまでの期間が短いので「 コマーシャルグロウには不向き 」でも「ホビーグロウには前向き 」なんです。

2009年12月9日水曜日

グロウランプをMHランプに変えてみると

12月に入ってから冷え込む日がつづきグロウルームの室温が低くなってしまったので、先週から蛍光灯タイプのグロウランプをMHランプにチェンジしました。





MHランプに変えてからメキメキとやる気をだしたのがハイドロ・システムの「 ジャンボいちご 」です。葉がピーーンとたって新葉がどんどん大きくなってます。
この「 ジャンボいちご 」は、ランナー(子株)まで出てきてしまいました。







昨年から現役続行、プチ不耕起状態の大実イチゴもがんばってます。






ジャンボイチゴまんぷく2号です。
「 葉かき 」も「 芽かき 」もスルーしてます。ランプを変えてから葉に厚みが増してきて、とってもたのもしく見えます。



生育障害中の「 ジャンボいちご 」です。




「 オウチでイチゴ狩り 」・・・けっこうたいへんです。


2009年12月8日火曜日

秋の多摩川

ちかごろの多摩川、天気のよい休日はたくさんの人たちでにぎわい、思い思いに太陽のぬくもりを楽しんでいました。ほとんどの草木が茶色へとかわって、鳥や虫たちも冬に備えて忙しそうです。

「セイタカアワダチソウ」のうえでアクティブな動きだったテントウムシ。



いちめん枯れ草いろのしげみの中で、赤い実が目を引きました。
これは日本在来の野生のバラ「ノイバラ」です。多摩川では、この野良なバラをわりとよく目にします。


じめじめして病原菌の多い夏や雪深い冬、気候の変化が大きい日本で生き抜いてきたそのタフさをかわれて、日本の気候になじみにくい西洋品種のバラの接ぎ木用の台木としてよく使われます。
首がゾウのインドの神様、ガネーシュみたいな運命ですね。

反面、トゲが大きくちょっとやそっとじゃめげないタフさなので、勝手に生えてきたノイバラは面倒な雑草扱いされることも。
迷惑がられているノイバラですが,その昔はバラの品種改良がもてはやされた18世紀ヨーロッパに渡り交配され,現在の「フロリバンダローズ」など房咲きバラのベースになったすごいバラです。

2009年12月7日月曜日

タイニーティムのロックウール栽培

タイニー・ティムが赤く熟してきました。
実が充実するにつれ、プラント全体がたれ下がって光がしっかり当たらなくなってしまうので、誘引具でトップをぐいっと持ちあげてグロウランプに近づけてます。
根っこは、大切ですよね。
とくに、うぶ毛のような細かな「根毛-こんもう-」は、リン酸やカルシウムなどのミネラル成分や酸素をさかんに吸収してくれるので徒長や病気をふせいだり花をたくさん咲かせたり実を大きくしたりと、大切な存在です。
でも、培養液や水の温度が冷たすぎたり高すぎると根毛は一瞬で消えてしまうそうです。
このタイニー・ティムトマトは、水温を18℃〜22℃くらいにしてから培養液をあげてます。その植物がよく育つ風土や季節の雨の温度に合わせるとよいそうです。
「やっぱり植物は、環境とともに進化してきたんだなー」と再確認でした。