ちかごろの多摩川、天気のよい休日はたくさんの人たちでにぎわい、思い思いに太陽のぬくもりを楽しんでいました。ほとんどの草木が茶色へとかわって、鳥や虫たちも冬に備えて忙しそうです。
「セイタカアワダチソウ」のうえでアクティブな動きだったテントウムシ。
いちめん枯れ草いろのしげみの中で、赤い実が目を引きました。
これは日本在来の野生のバラ「ノイバラ」です。多摩川では、この野良なバラをわりとよく目にします。
じめじめして病原菌の多い夏や雪深い冬、気候の変化が大きい日本で生き抜いてきたそのタフさをかわれて、日本の気候になじみにくい西洋品種のバラの接ぎ木用の台木としてよく使われます。
首がゾウのインドの神様、ガネーシュみたいな運命ですね。
反面、トゲが大きくちょっとやそっとじゃめげないタフさなので、勝手に生えてきたノイバラは面倒な雑草扱いされることも。
迷惑がられているノイバラですが,その昔はバラの品種改良がもてはやされた18世紀ヨーロッパに渡り交配され,現在の「フロリバンダローズ」など房咲きバラのベースになったすごいバラです。