ここ数年スピリチュアル・ブームへの関心が高まるなか、ネイティブ・アメリカンが「浄化のハーブ」として使っていた「ホワイトセージ」がプチ流行となっていました。
ひとくちに「ホワイトセージ」といっても、買うヒトによっていろんなこだわりがあるようで「ヤッパシ本場の、聖地セドナ産じゃなきゃあ」とか「無農薬で育てられたホワイトセージがいい!」などなど。
ところがホワイトセージについては、生産地の米国でさえ大きな誤解があるようです。
「Juniper Ridge」というホワイトセージやスマッジなどの卸・販売をしてらっしゃる米国の会社のかたによれば・・・
「残念ですがホワイトセージは、セドナ周辺では自生も栽培もされてません。アリゾナやネバダでさえも。じつはカリフォルニア南西部やメキシコのバハなどでしか見つけられないんです。・・・さらに残念なことに、過去30年よりも以前にネイティブ・アメリカンが浄化のためにホワイトセージを使用していたという歴史的事実はないんです」
「ホワイトセージに携わる数多くのヒトから、このブームの起因を聞いたハナシをまとめると、1970年代に次世代感覚のネイティブ・アメリカンのカップルが、お祭りのダンスでホワイトセージを精神の浄化に使いはじめて、その後80年代にニューエイジ世代のあいだでオーガニック食品ブームとともに広まった・・・というストーリーが一番事実にちかいのです。」
ということでこの方によれば、ホワイトセージを浄化につかう伝統は、つい最近始まったばかりということですが、ワタシが実際に見たわけでも聞いたわけでもないので、どこまでホントかはわかりません。ただ、どんなに古い伝統文化にも「始まってホヤホヤ」という時点はあるので「歴史が古いか・新しいか」が問題じゃなくって「信じたら効く、効いたから信じた」んだと思います。
ところで、このホワイトセージですが同時に同じお店でGETした3つのプラントのうち、室内のココ培地で育ててるプラントと、屋外の培養土で育ててるプラントの様子がずいぶんちがってきました。
屋外の培養土です。
固形の元肥(もとひ)を混ぜこんであって、月に一度追肥してます。
葉っぱがノビノビ、葉っぱと葉っぱの間の茎=「節間(せっかん)」が短くてガッシリしている印象です。
室内ココ栽培で肥料は培養液です。
屋外のプラントと比べて背丈は2倍くらいあります。
屋外のものとくらべて「節間=せっかん」が長くて、葉っぱが外側にそりかえってます。
ホワイトセージは肥料グイですが、それでもちょっとチッ素過多みたいです。
ホワイトセージはカラッとした風通しのよい気候が好きなんだそうです。
屋外で育てていても、湿度が多かったり肥料をあげすぎると、大量のアブラムシがつきます。
茎の節間がながいのは、徒長気味な生長といわれます。
トマトでも水耕栽培で育てると、徒長気味な生長をすると言われてます。
これはチッ素が多いと「オーキシン」が多く分泌されて、コンパクトにガッシリと育つ作用のある「エチレン」が少なくなるからといわれてます。
以前も触れたように「エチレン」は、殺菌効果のある気体になって病害虫の発生を押さえてくれる植物ホルモンで、チッ素過多でエチレンの分泌が少なくなると抵抗力も弱くなるそうです。
ポインセチア、菊、シクラメンなどの季節の花卉は、ワイ化作用のある「合成ホルモン」をつかって、茎の徒長を押さえて、こんもりとコンパクトで花つきのよいプラントに仕上げたりします。
でも「合成ホルモンをつかっちゃうと、お客さんが買ったときは満開で見た目がよくても植物自体がじぶんで植物ホルモンをつくりだす努力をしなくなるから、花も咲かせなくなってくる。なので合成ホルモンはつかいません。その分、労力は増えるけど、ほんとにゲンキで長くかわいがってもらえる花を生産したい」という花卉生産者さんもいます。
・・・ということで、ハナシをまとめますと植物が、根っこや丈を伸ばしたり葉っぱをだしたり花を咲かせたりというシグナルは、すべて植物ホルモンの作用なんですねー。窒素・リン酸・カリウムなどの比率を変えるのも、植物ホルモンのバランスを変えていくということに直結するようです。
2010年12月14日火曜日
2010年12月13日月曜日
Get the チュー!
今朝は小雨のふる寒い月曜日・・・そして
・・・「イセヒカリ」を食い荒らしやがったネズミが、とうとうワナにひっかかりました!
クマネズミはドブネズミとちがって、濡れた場所がキライで天井裏などの乾いた暖かいところが好きです。夜おそくなって天井から、ドタッ・ドタドタッ・・・と物音がしていたら、クマネズミかもしれません。
ゲージをガジガジ・・・
コイツはその後、近くに民家のない深い、深い・・・それは深い竹やぶの中へと弾けるように旅立ちました。
・・・「イセヒカリ」を食い荒らしやがったネズミが、とうとうワナにひっかかりました!
クマネズミはドブネズミとちがって、濡れた場所がキライで天井裏などの乾いた暖かいところが好きです。夜おそくなって天井から、ドタッ・ドタドタッ・・・と物音がしていたら、クマネズミかもしれません。
ゲージをガジガジ・・・
コイツはその後、近くに民家のない深い、深い・・・それは深い竹やぶの中へと弾けるように旅立ちました。
2010年12月10日金曜日
恋の季節のイチゴたち
養液栽培用の肥料と活力剤について改めてイロイロ調べてたら、脳みそがオーバーフローでフリーズしそうになりました。
そんな残念なワタシを尻目に、室内ココ栽培のバラとイチゴたちは絶好調に「恋の季節(=生殖生長)」まっただなかです。
「植物は世話してるだけで癒されるから好き。」とは思いますが、咲いてこそのバラ、成ってこそのイチゴです。
ツボミが少ないと花がでっかくなります。HPSランプに変えてから、サラにワイドな花になりました。栄養・光量・温度・そして愛情、この要素がそろうと、植物はヤル気を出してくれるみたいです。
本命のイチゴたちです。花はかなり咲きそろってきました。
始めて咲いた花なので、ちゃんと受粉するかな?
とか
大きな実になるかな?
などなど心配はつきません。
今年は初の試みとして、イチゴやバラたちの根元にイナワラを敷きつめてマルチングしてみました。
ココ培地で育ててると、表面に根毛がいっぱいあがってくるので酸素をよく吸ってくれてナイスなんですが、根毛がすぐに乾かないようにイナワラを敷いてみました。
今年の秋に収穫した「イセヒカリ」のイナワラです。イネって、ほんとに捨てるところが少なくて、すご便利な植物だと思います。
イナワラには、バラ科と相性のいいケイ酸も豊富に含まれてるし、繊維質にはリグニンっていう根っこを頑丈にする成分もはいっていて、空気中の微生物がイナワラに付着すると、ゆ〜っくりと分解してくれて、そのプロセスで炭酸ガス=CO2もだしてくれます。
しかも、イチゴの大敵のダニをたべてくれる「カブリダニ」ってのが、このイナワラによく住みつくそうなので、まさに「ワラシベ長者」的な展開を期待してます。
そんなに都合よくいかない気もしますが・・・
そんな残念なワタシを尻目に、室内ココ栽培のバラとイチゴたちは絶好調に「恋の季節(=生殖生長)」まっただなかです。
「植物は世話してるだけで癒されるから好き。」とは思いますが、咲いてこそのバラ、成ってこそのイチゴです。
ツボミが少ないと花がでっかくなります。HPSランプに変えてから、サラにワイドな花になりました。栄養・光量・温度・そして愛情、この要素がそろうと、植物はヤル気を出してくれるみたいです。
本命のイチゴたちです。花はかなり咲きそろってきました。
始めて咲いた花なので、ちゃんと受粉するかな?
とか
大きな実になるかな?
などなど心配はつきません。
今年は初の試みとして、イチゴやバラたちの根元にイナワラを敷きつめてマルチングしてみました。
ココ培地で育ててると、表面に根毛がいっぱいあがってくるので酸素をよく吸ってくれてナイスなんですが、根毛がすぐに乾かないようにイナワラを敷いてみました。
今年の秋に収穫した「イセヒカリ」のイナワラです。イネって、ほんとに捨てるところが少なくて、すご便利な植物だと思います。
イナワラには、バラ科と相性のいいケイ酸も豊富に含まれてるし、繊維質にはリグニンっていう根っこを頑丈にする成分もはいっていて、空気中の微生物がイナワラに付着すると、ゆ〜っくりと分解してくれて、そのプロセスで炭酸ガス=CO2もだしてくれます。
しかも、イチゴの大敵のダニをたべてくれる「カブリダニ」ってのが、このイナワラによく住みつくそうなので、まさに「ワラシベ長者」的な展開を期待してます。
そんなに都合よくいかない気もしますが・・・
2010年12月9日木曜日
〜養液栽培でつかえる有機活力剤〜その3
ということで、水耕やココ培地で植物を育てる「養液栽培」でつかえる「開花促進効果のある有機活力剤」についてのおハナシです。

養液栽培用の活力剤は
数種類に別れてることが多いんですが、
その理由は・・・
いくら「効果の高い有機成分」をあげてても、植物の細胞内にとり込まれなきゃ意味ないので、「その成分を細胞内にしみこませる」効果の高い有機活力剤と「せっかく吸われても根元でモタモタしてる成分を押し上げたり代謝をよくする」効果の高い有機活力剤など、それぞれ効き目がちがってて一本にまとめると成分どうしが固まったり劣化しちゃうからなんですねー。
じゃあ、花がいっぱい咲いて「さぁ、本命の実を大きくオイシくしたいぞって時はどうしたらいいの?」ということなんですが、おウチでトマトを育てたことのあるヒトなら「花は咲くのに、実がつかずに落ちちゃう生理落花」ってのを経験されたとあると思います。また実がついても大きくならずに落ちちゃうのも「生理落果」といいます。

欧米では「 水耕栽培にも使える有機活力剤」がマストアイテム化している現在、それが当たり前のことにおもえますが、商品として流通されはじめた頃は、いろんな大失敗や試行錯誤が必要だったようです。今でも「無機/有機」のチガイや優劣などで誤解が残ってるようですが・・・
そもそも水耕などの養液栽培が、ホビーとして欧米で定着したのは「水道水に肥料を溶かして吸わせるだけで、ダレでもカンタンに植物をそだてて花もいっぱい咲いて実もスズナリになるから」という理由からだったようですが、いざカンタン・清潔な無機肥料だけで育ててると、どうしても背丈ばっかり伸びてしまう「チッ素過多の徒長気味な生長」になってしまい味もイマイチと感じたヒトが多かったらしく「これじゃ満足できん! どげんかせんといかん!」と思った奇特なオカタがやっぱし出てきたようです。
ドナタが最初に試したのかはわかりませんが、「チッ素過多で足りなくなってしまう有機成分なんかを水耕でもあげてみたら、オイシくなったよ」という効果がでたんですが、このような研究熱心な方々のやり方は、多くのヒトにとって予想外のお勉強と手間ひまが必要だったため、「ゴムチューブやエアポンプをつまらせたり、培養液がすぐに腐っちゃうような成分をパスしたり、もっと吸われやすいカタチに改良して、ダレにでも使える有機活力剤」ってのが完成されていったようです。
養液栽培用の活力剤は
数種類に別れてることが多いんですが、
その理由は・・・
いくら「効果の高い有機成分」をあげてても、植物の細胞内にとり込まれなきゃ意味ないので、「その成分を細胞内にしみこませる」効果の高い有機活力剤と「せっかく吸われても根元でモタモタしてる成分を押し上げたり代謝をよくする」効果の高い有機活力剤など、それぞれ効き目がちがってて一本にまとめると成分どうしが固まったり劣化しちゃうからなんですねー。
じゃあ、花がいっぱい咲いて「さぁ、本命の実を大きくオイシくしたいぞって時はどうしたらいいの?」ということなんですが、おウチでトマトを育てたことのあるヒトなら「花は咲くのに、実がつかずに落ちちゃう生理落花」ってのを経験されたとあると思います。また実がついても大きくならずに落ちちゃうのも「生理落果」といいます。
花や実がぽとっと落ちちゃう原因は、ヒトクチには言い切れませんが「体力不足と植物ホルモン不足」なようです。いっぱい花を咲かせても体力が足りないときには、じぶんで花を落としてしまうそうです。なので植物がガッシリとゲンキに育って植物ホルモンをバランスよくつくるには、なにはさておきゲンキな根っこをいっぱい伸ばすことが大事だそうで。ワタシの経験では、花が咲いたら開花を助ける活力剤といっしょにリン・カリ肥料を培養液にプラスしたり、てっとりばやく葉っぱにスプレーすると花が落ちずに結実してくれることが多いです。

そして、めでたく結実して果実を大きくオイシくするには・・・ですが果実を人間に例えてみると・・・
アスリートのように、しなやかな筋肉がバランスよくついて、引きしまったカラダづくりをするには、高タンパクでバランスのよい食材をたっっっくさん食べて、運動して、代謝をよくすることが必要だと思うんですが、植物にとってもおんなじです。
アスリートにとって筋肉をつける「運動」は、植物にとって「光合成運動」となります。なのでまず、日当りのよさっていうのも、ものすごく大切になってくるんです。そしてアミノ酸をはじめ糖分やら有機酸やら微量ミネラルやら酵素やら植物ホルモンやらビタミンやらを、じゅうぶんにあげると、実った果実がオイシく大きくなるといわれてます。
ということで、養液栽培用の開花促進有機活力剤には、このへんの有効成分が根っこに吸われやすいカタチで配合されている・・・ことが多いです。
ということで、養液栽培用の開花促進有機活力剤には、このへんの有効成分が根っこに吸われやすいカタチで配合されている・・・ことが多いです。
つづきます。
2010年12月6日月曜日
〜養液栽培でつかえる有機活力剤〜その2

ヤサイ類、米や麦などの穀類など果実を収穫するために育てる植物は、発芽してシッカリ根量がふえたら生長期から開花期にと、とっとと移行してくれたほうが後々ラクチンだと思います。とくに、生長と開花が同時に進行するトマトなどの果菜類は、一番最初についた実は大きくなってくれるかわりに熟して食べられるまで時間がかかるので、生長→開花をチェンジできる期間が短ければ短いほどいいようです。
おととい、ぐうぜん見つけた初冬の田んぼのイネです。
このイネはもちろん今年の春に田植えされ秋に収穫後、刈り取った株から新たにでてきた「ひこばえ」です。
春に芽生えてからほぼ1年経ったこのイネたちには、すでに「花咲きホルモン」が満ち満ちていて、ほっといてもドンドン出穂してきます。
東南アジアみたいに一年中気温があったかければ、イネを刈り取ったあとにでてきたひこばえの穂がちゃあんと登熟して「米の二期作」ができます。
ところが、まだ花が咲いたことのない若い株は、この花咲ホルモンがまだぜんっぜん足りてないので、ヒトの手で花芽の分化を助けてあげたほうが移行がスムーズに運びます。
植物の体内で「オーキシン」よりも「サイトカイニン」という植物ホルモンが多くなると生殖生長に切りかわって 「 開花体制 」に突入していくそうです。ただ植物に「花芽」をつくらせる指令をだす物質は「サイトカイニン」ではなくって「フロリゲン」っていう未知のモノで、いまだにすべての植物にマルチに効く「フロリゲン」の抽出は成功してません。この「フロリゲン」が発見できれば、発芽したての植物にも花を咲かせることができるんだそうです。
世界中の学者さんたちが血眼になって探してるのに、ナカナカ発見されないシャイな「フロリゲン」を分泌させるには、例えば「日が長い・短い」で花芽分化する「光周性植物」は、太陽がでてる時間の長さが開花条件にならないと、どんなに開花を促進するモノをあげてもゼッッッッタイに花を咲かせません。なので接ぎ木などしないかぎりは「光周性植物に関しては、花を咲かせられるものはズバリ!日の長さオンリー」なんですねー。
などなどの理由で、今のところ「開花促進作用がある」として流通している有機活力剤は、言い換えれば「花芽を分化させやすくなる有効成分がはいってるよ」というものになります。(市販されてる開花促進活力剤ぜんぶに!!! とは、いいきれませんが、)
なので開花促進有機活力剤ってのは「花が咲く前に収穫するレタスとかサラダ菜なんかの葉もの類」には、ほとんど必要ないってことになります。
なので開花促進有機活力剤ってのは「花が咲く前に収穫するレタスとかサラダ菜なんかの葉もの類」には、ほとんど必要ないってことになります。

で、花が咲きやすくなる条件は日照時間と、あと「体内にたまった無機チッ素を減らす」ってことです。無機チッ素を減らすには、まずは葉っぱにたまった硝酸を→アミノ酸や酵素などのタンパク質などの有機チッ素へどんどんチェンジさせます。一般的に「植物が無機チッ素を吸いすぎてるとサイトカイニンよりもオーキシンのほうが多くなっちゃう」そうです。
なので、葉っぱにたまった硝酸イオンを同化できるだけの炭水化物をたくさんつくらせることも大切なんだそうで。そのためには光合成量をガンガンふやさねばならないので、よくはたらく葉っぱをゲンキにキープすることが大切ですが、「サイトカイニン」には葉っぱの老化を防ぎ若々しく保つ効果もあるそうです。そしてその「サイトカイニン」自体は、根っこの先っちょで作られる植物ホルモンなので、開花の促進と光合成量をいっしょに増やすためには、同時に新しい根っこもバンバン発根させなきゃ・・・となります。
なが〜くなりましたが、そんなこんなで「開花促進作用のある活力剤」には、天然の「サイトカイニン」をはじめ、光合成でつくられる「糖分」とか「開花をたすけるタイプのアミノ酸」とか「開花を促進する作用のある女性ホルモンによく似た物質」が入っています。
そして植物の開花期になると、あげはじめる「リン・カリ肥料」というものがあるんですがリン酸・カリウムのコンビの効果のひとつは「ATP」というチョ〜重要な役割のあるエネルギーを増やすことになるので、体力を使う時期の滋養強壮剤みたいな役割をして、開花用の有機活力剤といっしよに吸わせると花芽分化するための「条件」と「体力」が補えるっちゅーことになるそうです。
そして植物の開花期になると、あげはじめる「リン・カリ肥料」というものがあるんですがリン酸・カリウムのコンビの効果のひとつは「ATP」というチョ〜重要な役割のあるエネルギーを増やすことになるので、体力を使う時期の滋養強壮剤みたいな役割をして、開花用の有機活力剤といっしよに吸わせると花芽分化するための「条件」と「体力」が補えるっちゅーことになるそうです。
・・・つづきます。
2010年12月3日金曜日
〜養液栽培でつかえる有機活力剤〜その1
ということで、「 肥料として認められるほど肥料成分は含まれてはいないんだけど、植物の生長を助けてくれるよ 」というのが、おもに水耕やココ培地など養液栽培用につくられてる「 活力剤 」です。なので養液栽培用につくられた肥料というものがかならず別に必要になります。
ほっっっとんどの有機活力剤の有効成分は、原料になる天然素材を細かくしたり微生物に食べてもらったりなどして分解したあとに、しっかり漉したりして抽出して植物の根っこが吸いやすい状態にします。
有効成分がアミノ酸や糖分などバイキンにとってもタマランごちそうになるので植物に活力剤をあげたら、根っこがとっとと吸ってくれないとバイキンを一生懸命増やしてることになっちゃうから、小さめの有機成分にしないとNGなんだそうで。
で、養液栽培用の「有機活力剤」は
「発芽・発根・生長」と
「開花促進」と
「酵素系」と
「肥料ぬき=登熟促進」
など効果別に分けられてる活力剤が多いです。
植物が発芽したり生長したり/花を咲かせたり/実を大きくオイシくしたりするには、必要になる成分が変わってくるからなんですねー。
例えば種子が「発芽」するには、光がいる種・いらない種を別にして「水分/温度/酸素/酵素」が大きなポイントだっていわれてます。なので「発芽を助けたり根っこをのばす効果のある有機活力剤」には、水分や酸素を種の中にしみこみやすくしたり炭水化物をブドウ糖にかえる酵素が含まれてるものもあります。
養液栽培用の「発芽・発根用の有機活力剤」の多くには、カラダを作る細胞のもとになる「核酸」や根っこを伸ばすタイプのアミノ酸が入ってます。根っこの細胞はとってもフレキシブルで、根っこの材料になるアミノ酸を吸うとタチマチ「ブニョ〜ッ」と伸びてでかくなれるそうです。(根っこ以外の細胞には、できないそうです。)
細胞分裂して数をふやすには時間がかかりますが、ひとつひとつの細胞をのばしちゃえば、またたくまに表面積が大きくなって酸素や養分や水分をいっぱい吸えるってえわけです。
そして根っこの種類にもいろいろあって、このブログに何度もでてくる「根毛」といわれる細かな細かな根っこは、「リン酸・微量ミネラル」なんかをイッパイ吸うので、根毛がたくさん発生すると、無機チッ素を有機チッ素へとドンドン同化できるし、さらに花をいっぱい咲かせたり結実させたり実を大きくしたり、最後にはとってもオイシくしたりと、最初から最後まで大活躍の根っこです。
ちなみに「根毛」は、まわりに酸素が豊富にないとでてきづらい根っこなので、培養液にベチャッとつかる水耕栽培システムだと「根毛」がほとんどでてこないっていわれてます。しかももし培養液の中で根毛がでてこれても、土壌とかココとかピートとか炭とか有機物質のスキマに伸びた「根毛」のほうが、養分をいっぱい吸収できるので、水耕でも無機培地とか養液オンリーよりも、有機質培地でヤサイを育てたほうが、レタスなど葉ものや果実の味がマロヤカでオイシくて日持ちするっていう結果につながるそうです。そのへんが「水耕よりも、土でそだてるほうがオイシくなる」っていう価値観につながったんだと思います。
が、ココ培地やソイルレスミックスなど、もともと肥料が入ってない有機培地と、養液栽培用の水溶性の肥料をコンビで使えば、チッ素をパツッと切りたい時に減らせるし、土だと固まっちゃう「リン酸」の効きが格段によくなったりするので、土と有機肥料で100%オーガニック栽培とおなじくらいにオイシく育てることがカンタンにできるかもしれません。
・・・実際、いまチマタで大評判の「サイコーにウマくてアマい奇跡のような某トマト」もココ培地をつかった養液栽培でつくられているとのことです。
あと、生長期用の有機活力剤の中には「オーキシン」という発芽や発根を促進する天然の植物ホルモンが入ってたりします。この「オーキシン」は植物のカラダでセッセと細胞分裂+生長してるパーツでつくられてるそうで、根っこから吸われると「 植物の茎頂部(けいちょうぶ=トップ)」に送られて茎を伸ばしたり新芽を出す作用があるアリガターイ植物ホルモンです。(流通しているすべての生長促進用活力剤にゼッタイに入ってるかどうかはワカリマセン。)
ということで「その2」につづきます・・・
2010年12月2日木曜日
「肥料」or「活力剤」チガイはナニ?
昨日の有機チッ素と無機チッ素のおハナシのながれから、本日は「肥料」と「活力剤」のチガイは何かな? をカンタンに・・・
まず「肥料」はなにか? という答えは、ほんとにイロイロあるんですが、農水省が肥料として保証してくれる条件のひとつが「植物がそだつのに必要な必須元素のうち酸素・水素・炭素を抜かした13種類 + ケイ酸などのどれか・または同時にいくつかを法律で決められた量以上ふくんでいるもの」というものです・・・
Wikiのほうが正しく説明してくれます。
さらに肥料を水と混ぜたとき「ほとんど溶けない/ナントカ溶ける/あっという間にではないけど溶けやすい/すぐ溶ける」と性質に違いがあって、それが「不溶性肥料/ク溶性肥料/可溶性肥料/水溶性肥料」ってやつです。

で、ハヤバヤと結論を申し上げますが「水耕やココなどの養液栽培で植物を育てるんなら肥料は無機肥料(=化学肥料)で、活力剤は有機がベスト・・・いまのところは」だと思います。
土壌や培養土で植物を育てるんなら、何ヶ月もかけてユ〜ックリと溶ける不溶性やク溶性の肥料を施しても、
微生物のはたらきとか根っこからでる根酸でジワジワと溶けてきて植物は肥料にありつけますが、水耕栽培だとそれがほとんどムリなんです。培養液だと微生物のヘルプが期待できないので、根っこがすぐに吸える状態まで小さくなってる肥料を与えるわけです。
そもそも水耕栽培のはじまりが「土をつかわずに清潔に植物を育てたい! だってどこの国に行っても生野菜のサラダ食べたいし」というニーズだったわけですし、微生物や昆虫、堆肥、下肥など不衛生だと考えられていたものから植物を切り離して育てるのが水耕栽培の目的だったからです。
で、一方の「活力剤」ってのは、分かりやすくいえば「必須元素などを含んでいるけど肥料として保証できる量がない」または「肥料を含んでなくても植物を活性化させて生長促進効果のあるもの」をいいます。
観葉植物だと「原液のまま与えるだけ」の低濃度の肥料をふくむアンプル剤が流通してますが、それも「活力剤」っていうカテゴリーに入ります。
で、ここ数年アンプル剤ではない後者の「活力剤」がでてきてますね。それは「植物がじぶんでガンバってつくるものを、あえて与えてあげて体力を温存させてゲンキにオイシく育つお手伝いをします」っていうカンジの活力剤で、肥料成分はほとんど入ってないので必ずベース肥料とセットで与えるタイプです。
「植物がじぶんでガンバってつくるもの」には、無機チッ素を吸ったあとにつくる「アミノ酸」とか「タンパク質」や、光合成でつくる「炭水化物」とか「有機酸」とか動物でいえば骨のかわりになる「繊維質」や、そのほかにも「ビタミン」「植物ホルモン」「酵素」などなどなどなど・・・
なので後者の「活力剤」には、上記の有機質なものが多くて、ちょっと前までは分子が大きすぎて吸えないからムダといわれたようです。
が、けっこう吸えてるし吸わしたほうがゼンゼンいい!!という結果がいっぱい出てきました。
実際ワタシも有機活力剤をあげてて「ほほーっ、葉っぱがピーンとたって厚みがでてきたよー」「根っこがすごく張ってる!」と思ったことイッパイありましたし、なによりイチゴやお米なんかは、オイシく大きくなりました!
ただ、水耕栽培で有機活力剤の効果が実証されたのはいいんですが、「有機 or 無機」というバッサリしすぎたカテゴリーばかりが先走って駆けめぐり、欧米では「有機と無機、どっちがいいの?」と、プチ混乱が起きました!
で、今日いちばん言いたかった結論にもどりまして、やっぱり「水耕栽培では、肥料は無機の化学肥料、活力剤で有機成分のよさを補ってあげるってのがベストだと思います」です。
ちなみに化学肥料も有機肥料も入れすぎれば肥料過剰になりますし、化学肥料の無機原料は石油由来のものもありますが、じつは天然の鉱石を砕いたり溶かしたりしてつくられたものが多いです。そして水耕でつかわれる水溶性の肥料は精製度が高めなので値段も高いですが、重金属などの不純物を含みにくいんだそうです。ちなみに土壌ではアルミなどの軽金属があっても植物は吸わないように自分で防御できるし、重金属があると植物は吸ってしまいますが、微生物がゲンキな土壌ならば浄化作用でじょじょに無害化されたりします。
ところで「有機活力剤」って「根っこ用/生長用/開花用/肥料ぬき用」に別れていることが多いです。
次回は、このチガイについて・・・
ちなみに今日の写真は、「あいかわらずアブラムシとかが花にいっぱいでていて、バラのツボミなんかアブラムシのだす糖分でベットベトになっちゃってるけど、植物じたいがゲンキなら、ちょっとムシが出ても大きな花がつくからヘッチャラ。」と自分に言い聞かせているものです。
まず「肥料」はなにか? という答えは、ほんとにイロイロあるんですが、農水省が肥料として保証してくれる条件のひとつが「植物がそだつのに必要な必須元素のうち酸素・水素・炭素を抜かした13種類 + ケイ酸などのどれか・または同時にいくつかを法律で決められた量以上ふくんでいるもの」というものです・・・
Wikiのほうが正しく説明してくれます。
さらに肥料を水と混ぜたとき「ほとんど溶けない/ナントカ溶ける/あっという間にではないけど溶けやすい/すぐ溶ける」と性質に違いがあって、それが「不溶性肥料/ク溶性肥料/可溶性肥料/水溶性肥料」ってやつです。

で、ハヤバヤと結論を申し上げますが「水耕やココなどの養液栽培で植物を育てるんなら肥料は無機肥料(=化学肥料)で、活力剤は有機がベスト・・・いまのところは」だと思います。
土壌や培養土で植物を育てるんなら、何ヶ月もかけてユ〜ックリと溶ける不溶性やク溶性の肥料を施しても、
微生物のはたらきとか根っこからでる根酸でジワジワと溶けてきて植物は肥料にありつけますが、水耕栽培だとそれがほとんどムリなんです。培養液だと微生物のヘルプが期待できないので、根っこがすぐに吸える状態まで小さくなってる肥料を与えるわけです。
そもそも水耕栽培のはじまりが「土をつかわずに清潔に植物を育てたい! だってどこの国に行っても生野菜のサラダ食べたいし」というニーズだったわけですし、微生物や昆虫、堆肥、下肥など不衛生だと考えられていたものから植物を切り離して育てるのが水耕栽培の目的だったからです。
なので「肥料は、水に溶ける水溶性の化学肥料がベストだね!」ってわけです。そして1930年代に米国カリフォルニア大学で現在の水耕栽培技術ができてから、かれこれ80年ちかく経っちゃった今では「水耕栽培なのに、無機チッ素よりもアミノ酸の有機チッ素で育てたほうがたくさん穫れました。」というデータもあるみたいなんですが、チッ素源をアミノ酸100%にしちゃうと、ただでさえ高い水溶性肥料よりもお高めなプライスになっちゃうし、まだまだ一般的には実用段階ではないそうです。
で、一方の「活力剤」ってのは、分かりやすくいえば「必須元素などを含んでいるけど肥料として保証できる量がない」または「肥料を含んでなくても植物を活性化させて生長促進効果のあるもの」をいいます。
観葉植物だと「原液のまま与えるだけ」の低濃度の肥料をふくむアンプル剤が流通してますが、それも「活力剤」っていうカテゴリーに入ります。
で、ここ数年アンプル剤ではない後者の「活力剤」がでてきてますね。それは「植物がじぶんでガンバってつくるものを、あえて与えてあげて体力を温存させてゲンキにオイシく育つお手伝いをします」っていうカンジの活力剤で、肥料成分はほとんど入ってないので必ずベース肥料とセットで与えるタイプです。
「植物がじぶんでガンバってつくるもの」には、無機チッ素を吸ったあとにつくる「アミノ酸」とか「タンパク質」や、光合成でつくる「炭水化物」とか「有機酸」とか動物でいえば骨のかわりになる「繊維質」や、そのほかにも「ビタミン」「植物ホルモン」「酵素」などなどなどなど・・・
なので後者の「活力剤」には、上記の有機質なものが多くて、ちょっと前までは分子が大きすぎて吸えないからムダといわれたようです。
が、けっこう吸えてるし吸わしたほうがゼンゼンいい!!という結果がいっぱい出てきました。
実際ワタシも有機活力剤をあげてて「ほほーっ、葉っぱがピーンとたって厚みがでてきたよー」「根っこがすごく張ってる!」と思ったことイッパイありましたし、なによりイチゴやお米なんかは、オイシく大きくなりました!
ただ、水耕栽培で有機活力剤の効果が実証されたのはいいんですが、「有機 or 無機」というバッサリしすぎたカテゴリーばかりが先走って駆けめぐり、欧米では「有機と無機、どっちがいいの?」と、プチ混乱が起きました!
で、今日いちばん言いたかった結論にもどりまして、やっぱり「水耕栽培では、肥料は無機の化学肥料、活力剤で有機成分のよさを補ってあげるってのがベストだと思います」です。
ちなみに化学肥料も有機肥料も入れすぎれば肥料過剰になりますし、化学肥料の無機原料は石油由来のものもありますが、じつは天然の鉱石を砕いたり溶かしたりしてつくられたものが多いです。そして水耕でつかわれる水溶性の肥料は精製度が高めなので値段も高いですが、重金属などの不純物を含みにくいんだそうです。ちなみに土壌ではアルミなどの軽金属があっても植物は吸わないように自分で防御できるし、重金属があると植物は吸ってしまいますが、微生物がゲンキな土壌ならば浄化作用でじょじょに無害化されたりします。
ところで「有機活力剤」って「根っこ用/生長用/開花用/肥料ぬき用」に別れていることが多いです。
次回は、このチガイについて・・・
ちなみに今日の写真は、「あいかわらずアブラムシとかが花にいっぱいでていて、バラのツボミなんかアブラムシのだす糖分でベットベトになっちゃってるけど、植物じたいがゲンキなら、ちょっとムシが出ても大きな花がつくからヘッチャラ。」と自分に言い聞かせているものです。
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