2011年6月28日火曜日

収穫! ポッティングソイル培土のTomaotes

さて、ムシ暑い夏日が続きます。それにつられて湿度も水温もグングン上がってくる頃なので、根っこが酸欠になりやすい頃となりました。ツタない経験から思うに、酸欠になるとチッ素がうまく消化できなくてウドンコなどカビにやられやすくなるようです。

培養液を水温20℃以下にしてから水やりしてあげると、根っこに酸素がふえて微量要素も吸えてチッ素の同化が進むので、カビなどの病気にも強くなります。(でも15℃以下の冷水だと、逆に根が傷んで病気がでやすくなります。)

培養液中の理想的な溶存酸素量だの、計算方法だの、ウラワザだのについては、いつぞや書いたこちらでどうぞ!
http://desktopfarmer.blogspot.com/2010/05/blog-post_31.html



ポッティングソイル培土栽培のミニトマトの「千果」たちです。

ソイル用のミネラル(化学)肥料「CANNA TERRA」と、有機肥料「BIO CANNA」の2種類で育てくらべています。

それぞれのトマトの第一果が、同時に赤くなってくれたので、さっそく食べてみました。








ソイル用のミネラル肥料「CANNA TERRA」をあげてるトマトです。
さすが過不足なくシャープに効くミネラル肥料!
花は、ホルモン剤なしでも結実して、実も玉がそろって均一に肥大しています。

トマトのガクが反り返り、長く先がとがってピンと立っています。これはカルシウムとカリウムがしっかり効いてる様子だそうです。

赤く熟してるトマトのガクは、長くとがって根元が太くなってます。ガクの根元が太いのは、リン酸が効いて光合成がさかんになるので肥料のチッ素がしっかり同化される様子だそうで、こんなトマトは大きくオイシくなるんだそうです。
皮はすこし固かったものの、トマトらしい風味と濃い甘さを強く感じました。無機肥料独特のエグ味はまったくなくて、おやつがわりにいくつでもイケそうなオイシさでした。養液栽培でこんなにオイシくなるのは感動です!!!


















こっちはソイル用有機肥料「BIO CANNA」をあげてる「千果」です。
このトマトたちのガクも、長く先がとがってピンと立ってます。有機肥料でもチッ素・リン酸・カリウム・カルシウムそれぞれがキチンと効いてくれています。

Terraの実とくらべると、すこし不ぞろいです。そのかわり、ミネラル肥料よりも、ひとつひとつの実がひとまわりデカく玉のびしました。

そして、なんといってもこの甘さは感動でした。
まるでハチミツのようなネットリした甘さです。







この味の濃さは、糖度だけでなくウマミを感じさせるアミノ酸がしっかりのってるんだと思います。
これは発酵原料がベースの有機肥料でなければ、出せない味だと思いました。


ということで、ソイル専用の無機肥料と有機肥料、どちらも思いのほかカンタンにオイシく育ちます。ピートがベース素材のポッティングソイルは、ものすごい吸水力があるので、乾きが遅く水やり回数も使う肥料の量も少なくてすみます。

ところでハナシは全く変わりますが、すでに花が咲いてる親株から取った挿し木の苗は、すでに体内にフロリゲンを持っているので、発根して植えてからすぐに花芽がついて短期間で実が収穫できるのがナイスだと思いました。

2011年6月24日金曜日

太陽光発電が進化してます。

やっと太陽がでた! 洗濯物が干せる〜とおもったら、嵐のような強風のせいで、またしても部屋干しな日がつづきます。しかも暑いです。こんなに暑いと「太陽の熱をエネルギーに利用しない手はないよな〜」と思います。

UFOの基地出現か??? って感じですが、スペイン南西部のセビリアに建設された「Gemasolar」という太陽光発電システムだそうです。




総面積は1.85平方キロメートル(185ha)、太陽の熱を受けとるミラー2650個が、こんな幾何学的な形に設置されていて、19.9メガワット(/毎時?)の発電ができるそうで、アンダルシア地方の25,000世帯の電気量をまかなえるそうです。ちなみに、バックリ計算で現在67万世帯をかかえる川崎市だと、Gemasolarを30個(=55.5平方キロメートル)もつくれば一般家庭の電気量はまかなえそうです・・・が、いったいどこにそんなスペースが。













この太陽光発電プラントのすごいところは、太陽がでてない時でも発電ができるってことらしいです。その秘密は、タンク内のMSESという物質が900℃ほどまでアツアツになったら、その状態が15時間もキープできるんで、夜間もその熱で水蒸気を起こしてタービンをまわせるから・・・だそうで。このMSESは「60%硝酸カリウムと40%硝酸ナトリウム」でできてるので、環境にも負荷が少ないから安心・安全ってことも「売り」だそうです。
















早く日本にもこんな発電システムができるといいなとも思いますが、いろいろいろいろ難解な問題もあるかと思いますので、ひとまずは太陽エネルギーを利用して光るこんなオサレなランプが欲しいです。
ランプに息を吹き込むと、「藻類」がCO2と光で光合成を始めて、そのエネルギーでランプが点灯するという仕組みだそうです。

http://www.miket.co.uk/

2011年6月22日水曜日

もう一息! ホップのグリーン・カーテン

今日は1年でイチバン日が長い「夏至」ですね。
関東では、昨日から一気に30℃を超えて夏日となりまして、私の仕事場では「灼熱!!!西日攻撃」がいよいよ深刻な問題となりつつあります。

西側の窓のグリーンカーテン用に植えた「ホップ」も、がんばって伸びてくれてるんですが、完全に西日をさえぎるには、まだ丈がたりてません。


それどころか・・・








ホップに花芽がついてしまいました!

ホップという植物は、日が短くなる短日条件でフロリゲンがつくられ花芽がつくはずです。

花が咲き始めたのは、「CHINOOK/シヌーク・チヌーク」という品種だけで、もうひとつの「CENTENNIAL/センテニアル」という品種の方は、花芽がつく気配すらまだありません。








ホップの正式名称は「西洋唐花草=(Humulus Lupulus L.)」といって、ホップの花の樹脂には「α酸、β酸、タンニン、精油」などを含んでいて、ホップ花の樹脂がビールのスッキリした苦みとフレーバーを醸しだすそうです。
まだ6月だというのに花芽をつけた気の早い「CHINOOK HOP」は、苦みのモトとなる成分を多く生合成するので、ビールの苦みづけに使われる「ビタリング」タイプのホップです。ちなみに「CHINOOK」とは、北米の先住民族のチヌーク族、またはフェーン風という意味だそうです。私はテッキリCHINA・・・中国原産のホップなのか勘違いしてましたが、アジアとは関係なさそうです。

一方の「CENTENNIAL HOP」の花には、グレープフルーツのような柑橘系のスッキリした香りが強い精油成分を含むので、ビールを香りづけする「フィニッシング」によく使われる「アロマホップ」に分類されているようです。


さて、早咲きのホップの花ですが、

「とりあえず、伸びるほうに集中してほしいな」とも思いますが、それは人間の勝手な都合ですね。

2011年6月20日月曜日

あやかりたい、トマトたちの生命力

ここ数年で、春から夏にかけて、おウチでトマトを育てる方がさらにドンドンふえてきてるようです。

トマトをおウチで育てる魅力といえば、まず「穫れたての完熟トマトが味わえる!」ことかなと思いますが、トマトのホビーガーデニングがここまで定着できたのは、なんといっても「トマト自体が生命力がつよくて、育てやすい」ことも大きいと思います。

今年の春に、F1品種ミニトマト「千果」の挿し木をついうっかり、地面に植えてみました。

「枯れてもいいかな」くらいの気持ちで植えつけてしまいましたが、現在はもうこんなことになっています。











花も咲いて、実が房なりになってます。

トマトは根っこが強いので、地面に植えても根っこが勝手にたくましく張ってドンドン花も咲くようです。
「じゃあ、カワいいトマトたちのためにワザワザ肥料だの培養土だのプランターだの買いそろえた意味はなっだったんだ!!!」
とも思いますが、トマトは毎年同じ場所で育てられない「連作障害」を起こしやすい植物なので、栽培スペースが広くないのなら、やっぱしプランター栽培のほうが毎年安定した収穫を楽しめます。






つづいて、半ゲリラ栽培的なトマトの様子です。
ウラの空き地スペースに落ちた実から見事発芽しまくったトマトを見つけました。














ミニトマトの「千果」をポイッと投げておいたら、ワサワサと発芽してきています。
トマトのフタバは特徴があるので、種から実生で育てたことのあるヒトなら、すぐにわかると思います。















悲しいかな、このトマトたちは「千果」のF2品種ということになるので、実つき、味、ともにミゴトに親とは正反対となると思います。一代交配のF1品種は両親のイイトコ取りですが、そのコドモのF2品種は劣性遺伝子が強くでるので、このようなことになります。

植物の品種とは? については、過去こちらでちょこっと触れました。
http://desktopfarmer.blogspot.com/2010/04/2.html
もっと詳しく知りたいヒトは、このブログでも何度かご紹介している「野口種苗」さんのサイトを是非見てください。ヤサイの品種の問題は、私たちの生活にとてもとても大きく密着している問題があったりします。

それでも、これを毎年繁殖させて、F1品種の特徴がよくでた苗だけをピックアップして、その実の種だけを蒔いて、F4、F5、F6・・・と根気よく育てていけば、めでたく「固定種」となることもあるそうです。いったん「固定種」になっちまえば、まいた種がゼンブ親ソ・ツ・ク・リに育つので、自家採種もできるし新しく種を買う必要もなくなります。
ただ、手間も時間もスペースもたっっっくさんいるので、「よし! やってみよう!!!」という気には、なかなかなれないのが悲しいところです。



そしてコリもせずに、また桃太郎ヨークから「Crazy Tomatoe」を育ててしまいました。















今回はフタバがきれいに展開しています。これもF2ってことになります。














ミニトマトの「千果」があまりにもオイシいので、ついつい大玉タイプの「桃太郎ヨーク」の収穫を怠った結果です。

2011年6月16日木曜日

Full moon babies!

昨夜はすっきりと晴れはしなかったものの、お月さまに、ほそい雲がいく重にも横切っていて、幻想的な満月が見れました。

そして今朝の町の様子は、こんなカワいいことになってました。














住宅街を流れる川で、カルガモのヒナたちがピコピコと泳ぎ回っていました。しかもなんと親子は2組もいます!
2組の親子のヒナの数を合わせると11羽もいました。

ゲンキにそだってね〜!!!

2011年6月15日水曜日

「無農薬」の意味ってナニ?

先日ふと立ち寄った新宿で、こんなナイスなレストランを見つけました。

LEDと蛍光灯のグロウランプと水耕栽培システムで、葉ものを育てて食べさせてくれるオサレなレストランでした。

お腹イッパイ食べた直後に、このレストランを見つけてしまったので、こちらのお料理は、また今度トライしてみようと思います。



そして、新宿公園のあたりをブラブラしていると、今度はこんなシーンに遭遇しました!

あの大震災と原発事故から、ちょうど3ヶ月だったこの日には、「No Nuke!」の大行進が行なわれていました。
この日はなんだか、収穫の多い1日でした。









ところで、ハナシは変わりますが、これはなんでしょうか?














もちろん見たまんま、「塩」「砂糖」「エタノール」です。
どこの家庭でも目にするものばかりですが、使い方によっては植物を害虫や病気から守ってくれるので、無農薬または減農薬栽培農家の方たちにとって強い味方でもあります。



そして、これは?  そうです。植物の精油「エッセンシャル・オイル」でっす。














植物は、害虫を寄せつけない防衛策として「芳香物質」を生合成してもいるので、このエッセンシャルオイルたちには、ある程度の害虫から植物を守ってくれる効果もあったりします。

そして、微生物資材や有機資材などにも

害虫や病気をしっかり減らす効果があります。












薬剤にたよらずに、こういった資材で病害虫対策をして育ててくれたヤサイなら、安心して食べられるからウレシイし、すこしくらいお値段が張ってもそっちを買っちゃおうかな? と私は思います。
ところが、農家さんは「お砂糖や精油などを農薬がわりにして、安心栽培をしてます。」と言ってしまうと「取り締まりの対象」になってしまうことがあるんです!




では、これはなんでしょう?


って、正解書いてあります。

「お酢」です。


でも答えは、「農薬」も正解なんです。
(特定農薬というものになります。)









なぜ、こんなヘンテコなことになってしまったのか、説明なしでは意味が分からないと思いますが、2003年に改訂された「農薬取締法」が、いまだに迷走してるからのようです。

農家さんに、安全な「農薬」を使用してもらうために改訂された「農薬法」で、登録されていない農薬を使用して作物を育ててしまうと「取り締まられてしまう」ことになりました。

そこで、問題となったのは「害虫を駆除する効果はあるものの、ほぼ人畜無害」な木酢液や焼酎、その他100%植天然原料、食品に近いものなどをつかった、農家さんの知恵の結晶「民間農薬」をどうするか? でした。

たとえば、お酢・焼酎・黒糖などでつくった「ストチュウ」という資材には、アブラムシ駆除に一定の効果がありますが、害虫駆除につかうと断定すると「農薬」ということになります。でも、「こんな安全なものまで、農薬登録せにゃならんのか?」となってしまうわけです。

そこで農水省では、「どう考えても安心・安全な民間農薬的なものは、農家さんの自己責任でつかってもよい特定農薬というカテゴリーにして、農薬登録なしに使ってもいいことにしよう! 」となりました。

なので「特定農薬」に指定されちゃった方が、今までどおりに自由に作っても使ってもいいわけなんですが、そうなると今度は「特定農薬にしてもらったほうがいいじゃん! ウチでは、あのヤサイのカスも、こんな植物の粉末も、病害虫駆除に使ってきたぞ! だから特定農薬にしてほしい」という声が当然でてきます。

しかし現在「特定農薬」に指定してもらえたのは

食酢


重曹


作物近くの天敵

この3つだけです。
なので、上記で紹介した「砂糖・塩・エタノール・微生物・微生物由来の有機物」などは「病害虫駆除の農薬」として使ったらいけないんです。その他にも「石灰」も農薬としては使ってはいけないことになってます。
ただし、肥料・活力資材・土壌改良資材として「使いました」は、もちろんOKなんです。

・・・左脳がよわい私には、「じゃあ、無農薬栽培の意味がこんがらがっちゃわないのかな?」と思いました。



ちなみに、安心・安全な「特定農薬」ですが、農薬という言葉にはネガティブなイメージが大きすぎるので「特定防除資材」というものに、言い換えられています。








2011年6月13日月曜日

バラと無農薬栽培

バラは無農薬でそだてています。
農薬をつかわなくても、それなりにバラを咲かせられるようになってきたのは、今まで枯らしてしまった苗たちのおかげだと思います。

今年の冬に挿し木にしたコーヒーオベーションが咲きました。
コーヒーオベーションのツボミには、アブラムシがビッシリと張り付いてます。アブラムシごときは、指でピピンと弾くか、噴霧器の水で弾き飛ばしてれば、そんなに増えません。(ゼロにもなりませんが。)






そのアブラムシを運んでいる犯人は、コヤツ!!! アリンコです。


やっぱり病気もでます。

バラがかかるメジャーな病気、黒星病(または黒点病)がでた葉っぱです。

害虫の食害はよくありましたが、この病気がでたのは始めてです。そして、でちまったものは仕方ありません。

どうすればいいのか、調べてみました。







結論は、「黒星病がでた葉っぱは、ほっときましょう。」

無農薬でバラを元気にそだてたい・咲かせたいヒトのためのバイブルともいえる、この本によれば、放っといてOKだそうです。
バラを育ててみたいヒトにも、育ててるヒトにも、この本はホントにおススメです。














Dr.真島さんによれば「バラ自身は、わざと黒星病にかかった葉っぱの水を弾く力を弱くして感染範囲をひろげて、感染した葉っぱがとっとと落ちるようにしてる・・・のではないかなぁ?」とのことです。その年は、一時的に黒点病が広がっても、翌年はもうでてこなくなるそうなんです。だからあわてて薬剤をふりまわさなくても、いいんだそうです。

あと、虫の幼虫に葉っぱをたべられて丸裸にされても、見た目は悲惨ですが翌年はたくさん花をつけるようになるそうです。
バラは農薬なしでは育てられない・・・というのが定説でしたがバラの性格を理解してポイントさえ押さえれば、農薬にたよらなくてもバラは花を咲かせてくれるんですね〜。

そして初心者の私がバラを理解するのに、とてもとてもとてもとてもとてもとても参考になったのが、こちらの本でした。よい「根っこと芽」を伸ばして活かして、花をたくさん咲かせる具体的なノウハウをズバッと紹介してくれています。ちなみに、こちらの本の著者の方は「バラの無農薬栽培」にこだわってらっしゃるわけではありません、薬剤の使用は最低限の量で、最大限の効果を発揮させるコツを紹介されてます。
「根力で咲かせるバラづくり」














こちらの本には、根と土づくりのキホンや用土の効果的な使い方、そして月暦など、バラ以外にも応用できるヒントがたくさん盛り込まれています。

それにしても、時折ミゴトなバラを咲かせているステキなお庭を見かけますが、例外なしにといってよいほど、完ぺきなバラ管理をされているのは「ご主人」だったりします。今日紹介した本の著者の方も、お二人とも男性です。
今でこそ「ガーデニングを楽しむステキな奥様」というイメージが大きいのですが、多肉・盆栽・菊などの講習会や品評会にうかがうと、男性の方のほうが圧倒的に多かったりします。(しかも大多数がご年配)

それもそのはず、歴史の中では、プラントハンター(植物収集家)をはじめ、ブリーダー(育種家/交配家)、グロワー(育苗家)などをひっくるめた「ガーデナー/園芸家」は、もっぱら男の人たちの世界でした。この日本でも、江戸時代に起きた空前のガーデニングブームで、もてはやされていた「朝顔」を育てていたのが「サムライ/武士」の方々で「副業として」だった、というのは有名なおハナシです。



ところで今日の題名「無農薬栽培」にハナシをもどしまして・・・

21世紀の現在、地球温暖化や食の安全性へのニーズが高まり、オーガニック志向ブームがもりあがる一方ですが、「農薬の定義」が、なんだかフニャフニャなことになってきているようで、無農薬or農薬使用のボーダーラインも、微妙になってきているんです。

つづきます。