2010年4月27日火曜日

ガーデンショーで「タネ マモル オカタ」2

明日、4月28日は満月です。

わたしのツタない経験からだと、関東地方ではゴールデン・ウィーク近辺の満月が害虫の産卵の第1ピークだと思います。外で育てているバラやミカンなどは無農薬で育てたいのですが、この時期の害虫の繁殖力はハンパないです。木酢液やニーム程度ではヘコタレませんから、タマゴが産みつけられてしまったら仕方なく薬剤を使うことがあります。

害虫がいっせいに孵化する満月の3日後なら、たった一回の薬剤散布でも効果がデカイです。明日から3日後だと5月1日です。そのためだけにGWのお出かけをガマンするヒトもいるとは思えないのですが、このタイミング以外でダラダラと薬剤をかけても害虫をイチコロにできないだけでなく虫に耐性がついてしまったりします。

昨日にひきつづき、「東京インターナショナルフラワー&ガーデンショー2010」のおはなしです。














「ネスト=鳥の巣」というオーストラリアのメーカーのデザインです。まんなかは、ベッドになってます。ゴロンと寝たら気持ち良さそうです。


どうやってベッドまでたどり着くかといえば
「入らないでください」から入ります。

「夏ここでビール飲んだらヨサゲだけど蚊取り線香がいるなぁ・・オーストラリアならゲッコーが近くに来てくれるかなぁ・・」
などと妄想はつきません。







ところで、なぜ野口種苗さんは固定種にこだわるのかといえば、こちらにヨクヨクご説明があるのですが、野口さんの講演会でお聞きしたことをバックリとまとめると、「オイシくてヒトにも環境にも安全で栄養価の高い農作物が,安くつくれるから」だそうです。

だったらF1品種は「マズくて危険、栄養がカスカスで、高くつく」のかといえば全部がそうとも言い切れませんが、「流通に便利」なことを最優先にデザインされたF1品種の作物たちに関していえば、当たらずとも遠からずだそうです。

そもそも「F1品種」というのは・・・

大きくちがう特徴をもつ親どうしが交配すると、その子どもは親の優勢遺伝子だけをいつなんどきでも引き継ぐ両親のイイトコ取り状態。ところがF1品種どうしが交配して「F2」の子どもができたら,今度は親の劣性遺伝子しかでてこない。っていう、いわゆるメンデルの法則ってやつです。

これは野菜にかぎらず動物でも人間でもおんなじで、人間の優性な遺伝子の特徴は、たとえば「色素が黒,髪はちぢれる」です。
アフリカ系の肌が黒く髪がちぢれた方と、アジアの肌が黄色く黒髪ストレートヘアの方がご結婚されると,産まれてくるお子は、肌と髪が黒く髪はちぢれます。アジアの方と北欧の金髪の巻き毛で肌が抜けるように白く瞳がブルーな方とが、ご結婚なされた場合は、髪は黒くストレートで瞳も黒・・・という遺伝子が強くでます。

例えば、流通の都合だけを優先したニンジンのF1品種をつくろうとしたら

「やたら丈夫で、でっかく育つ家畜用のニンジン」

「ちっちゃいけど、栽培期間の短くてすむニンジン」をかけあわせると・・・

「でっかく育って栽培期間が短くサイズも収穫時期もビシッとそろう、それほどオイシくないニンジン」ができるわけです。


一方で、「固定種」の特徴ですが、「エアルーム・トマト」のグリーンゼブラやタイニーティムのように、遺伝子がすっかり安定していると、穫れたタネは親とおなじ特徴を受けつぎます。つまり固定種の品種は「自家採種」ができるってことです。
固定種の品種は、その土地に適応しているので、肥料が少なくても丈夫に育つし害虫の耐性もついているので薬剤もほとんど使わずに元気に育ちます。

ただ、固定種のデメリットは「発芽の時期と収穫の時期、作物の大きさ」がそろわないことです。固定種はとっても個性的なコが多いってことですね。

厳しい自然環境のなかをたくましく生き残ってきた固定種は、台風や干ばつなどの自然災害が起きても全員が死なないように、同時に発芽させないとか、個体差を大きくして少しの養分でも生き残れるちっさなヤツもいる、という知恵をもっているそうです。

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