2024年10月30日水曜日

CANNA ROOTPLUGS Review 〜ロックウールとの比較テスト〜

挿し木と種まきに最適なロックウールミニと、キャナ・ルートプラグで挿し木苗と発芽苗の比較テストをしてみました。 


最初に種まきと挿し木をする前の準備からスタートします。

キャナ・ルートプラグロックウールミニを、CANNA Startと根の活力剤 CANNA Rhizotonicを希釈した培養液を浸して吸水させました。



まずは、発芽比較テストです。

キャナ・ルートプラグロックウールミニそれぞれの中心にある穴に、パクチー(コリアンダー)の種を蒔いたところ、ほぼ同じタイミングで発芽しました。



パクチーが発芽してから、だいたい2週間たちました。

ロックウールミニよりも、キャナ・ルートプラグのほうが根量がかなり多く、地上部を比較してみてもキャナ・ルートプラグのほうが葉数が多いことが、よくわかります。



植物のライフサイクルの中で一番ナイーブでロス率が高い発芽苗にとって、キャナ・ルートプラグは根が張りやすく、すばやく生長できることがわかります。



次に挿し木での比較テストです。

前準備はおなじです。キャナ・ルートプラグロックウールミニを、CANNA Startと根の活力剤 CANNA Rhizotonicを希釈した培養液を浸して吸水させておきました。

秋の庭を見渡すと、挿し木とりに使える枝が大葉しかなかったので、その大葉の枝をカットして挿し木にしました。つぎにキャナ・ルートプラグロックウールミニそれぞれの培地の中心にある穴にカットした大葉の枝を挿して、プロパゲーターでフタをして保湿しました。そしてLEDの光をあてて管理しました。


約1週間後、培地から根が出てきたのはキャナ・ルートプラグでした。それから1週間ほどおくれて、ロックウールミニからもやっと根が出てきました。



さらに1週間後、キャナ・ルートプラグロックウールミニの根量には、ここまで差がでました。



幼苗段階での管理ポイントです。

根の量が多ければ多い幼苗ほど、短期間で大きなポットへの植えかえや植えましができるようになり、新しい培地への活着がはやくなります。また、根量が多い苗ほど、濃い肥料濃度を与えることができて短期間で生長できます。


つまり、根量が豊富な幼苗を育てることは、病害虫リスク、時間、コスト、手間を減らすことにつながるので、幼苗段階での根量は全てを左右する大切な大切な期間である、といえます。


キャナ・ルートプラグ v.s.  ロックウールミニ

ハイドロポニック培地のなかでロックウールは、もっとも保水量が多く、もっとも根が水分を吸収しやすい培地ではあるのですが、キャナ・ルートプラグは、ほどよい保水性だけでなく酸素をたくさん含むことができます。

キャナ・ルートプラグの原料である有機質のココピートには保水性と通気性をもつセルロース、ヘミセルロース、リグニン、根をフンワリと包むペクチン、そして炭素も豊富なので、不活性で無機のロックウールよりも根の生長と発達効果が非常に高いのです。


大葉の挿し木が花を咲かせてしまいました。

ツボミがついていた枝だったようです。それでもしっかり発根します。




2024年10月24日木曜日

2024年キノコ展であふれんばかりのキノコに会う

COVIDのせいで、ここ数年行けていなかった筑波実験植物園のキノコ展に足を運びました。
(現在キノコ展は終了していますが、植物園には入場できます)



まずは園内敷地に自生していた巨大な「シロオニタケ」がお出迎えしてくれました。
この存在感は、なかなか出会えません。


栽培キノコの展示テントには、それはそれはウマそうな菌床栽培のキノコどもがずらり。圧巻でした。




ブナシメジの群れ。





ヒラタケシメジ・・・たしか、たぶん。




重厚感あふれるカーテンのようなエリンギ



モリモリとしたキノコたち。




「原木シイタケ」対「菌床シイタケ」の比較もできる。





栽培キノコ達を心ゆくまで愛でたので、園内をテクテク散策していると、なんと自生キクラゲに出会いました。室内で過保護に育てているとウンでもスンでも生えてこなかったキクラゲ菌床栽培キット。収穫をすっかりあきらめてカピカピに乾いた頃に、菌床ごと屋外追放して雨ざらしにしたらワサワサと生えてきた思い出があります。



天然のテラリウム。マイナスイオンを感じます。


浮世絵のようなカワラタケ。サルノコシカケ科のキノコ類は抗癌作用などが有名ですが、このエキスには植物の免疫力を高めるパワーも秘めています。このエキスには、真菌類が侵入してきたと誤解させる成分が含まれるからなんですねぇ。バラの免疫力も強化されるかテストしてみたいと思います。




キノコ展を堪能したので、温室に足を踏み入れてみました。

「おいおい、これはビカクシダかい?そうのなかい?」
と思わずつぶやいた巨大なビカクシダ。



ニポンジンは、ほんの数年でビカクシダ栽培をすっかり習得いたしましたね。
早く大きく育てるには、おもいのほか光が必要ですよね。おうちでビカクシダを確実に大きく美しく育てようとするならば、胞子をたくさん採取したいのならば、100W前後の栽培用LEDはマストアイテムですね。


「しゅみえん」にも出演なすったらしいビカクシダ。
「プラティケリウム・コロナリウム」






植物園でいま、本当によく目にするのがコイヤーマットを土留めとして活用している様子です。
巨大にそだつ植物は、大きくなればなるほど移植が大変になるし、頭でっかちに育つと根元がグラグラ不安定になり倒れやすくなってしまいます。さらに、鉢植えにしてしまうと、ゲリラ豪雨での流出や、植物自体が土を吸収してしまい、土がどんどん減るんですよねぇ。



このようにコイヤーマットを根のまわりにグルリと巻いけば、土を足して根元を安定させて倒伏を防いだり、根の保護もできるってわけです。

ユッカ、アガベ、オージープランツなどスタイリッシュな植栽やアジサイなどの花木類を鉢植えで育てている方も多いと思います。植えっぱなしの鉢植えは、土が減ってきたと感じたら、根元に土を足してあげると不定根が新たに伸びて安定するし、よいコンディションをずっとキープできるし、真夏でも土の乾きがゆるやかになり水やりに追われることも減るし、大きな鉢に植え増ししてあげなくてもよくなります。仕上げとして表土に市販のココチップをギッチギチにマルチングしてあげると保水効果がアップするだけでなく、見た目がリフレッシュできるのでおすすめです。無機用土の化粧砂よりも有機質のマルチング資材のほうがじっくりと土に還るので微生物層も豊かになって理想的だと感じています。



訪れるたびに新たな発見と感動がある筑波実験植物園。おすすめです。




 

2024年10月17日木曜日

待ちに待った秋晴れ! そうだ、紅葉を愛でにいこう。

 雨降りと異例の残暑がつづいた10月でしたが、やっとさわやかな秋晴れに恵まれるようになりました。待ってました!とばかりに、週末は秋の紅葉を探しにいきます。


まずは秋の植栽のヒントをGETしに、「港の見える丘公園」にうかがいました。夏の終わりを惜しむかのように蜜を吸いにきた昆虫たちが、満開のダリアを筆頭に満開の花々を舞っていしまた


山々の紅葉も美しいのですが、なんといっても身近で愛でることができるオーナメント・グラスの紅葉が大好物です。

寒さに弱いと言われるペニセタムですが、私が育てているパープルファウンテングラスはもう何年も越冬してくれています。


手前から、あざやかな紅銅色(こうどういろ)のウンシニア、紫の花を咲かせるブルーサルビア、後方のフワフワとしたピンク色の穂をなびかせるミューレンべルギアの羨ましすぎるコントラスト。ぜひ実践しようと思います。

秋にピンク色のワタガシのような穂がでる前の真夏の間は非常に雑草ぽさが色濃く漂うミューレンべルギア。グラス系の植栽の良さを理解するにつれ、夏の間、うっとおしく路肩にワッシャワッシャ生えてるイネ科の雑草にも風情を感じるようになります。





神代植物園の水生植物エリアで見つけた、天日干しされている稲と真っ赤なヒガンバナのコントラスト。日本情緒を強く感じる風情ある景色、都内近郊でも昭和にはどこでも見られたのかもしれません。


定期的に会いに行きたくなる神代植物園の多肉たちと温室エリア。


秋バラが満開になるまでは、宇宙を感じさせるダリアが花ざかりでミゴトです。


「今年は辰年だし、龍神様をお祀りするお宮様にでも足を運ぶか・・・」とってもカジュアルな気分で思い立って大山阿夫利神社にフラッと立ち寄ったのがオオマチガイでした。酷暑明けの足ならしで登るような山ではなかったのです。頂上の阿夫利神社本社にたどり着くまで何十回も引き返そうかと思いました。すれちがいざま「こんにちはー」と挨拶を投げてくださる下山者の方々が、私と目が合うと気の毒そうなお顔をなさるのです。それほどひどい面になっていたのだと思います。

それでも、ようやく辿り着いた頂上からの景色は絶景でした。




下山となると、「次はあの石に足をかけて降りるぞ!」と、いわゆる「ゾーンに入った」状態となり、うってかわって忍者のようにスタスタと下り坂を楽しめました。きちんとお参りしてお札をいただいてから入山したおかげで神様が守ってくださったのだと思います。