2013年6月5日水曜日

COCOとTERRAの再利用テストのようなもの

とある街の街路樹になっていたボトルツリーの種、落ちていた種を拾って撒いたら発芽しました。これは感動です。






















「ボトルツリー」は、日本では「木綿(キワタ)の木」という名前があり、キワタの実のなかはフワフワしたコットン状態になることから「木になる綿=キワタ」というようです。
一方、コットンの原料となる一年草の「木綿(モメン)」を「草綿」と読み、区別しているようです。

このボトルツリーの種も、前回紹介した「弱酸性水にエアレーションしつつ種に一晩じっくり吸水させる方法」で処理しておいたものです。
















さてさて、仕事場では園芸資材と栽培方法のテストをかねて、なにかしら育てつづけているのですが、そのナガレの中で「培地全体にめいっぱい根っこが張ったトマトを地上部だけカットして撤収させたあとに、小さな苗をそのまま植えたら育つもんなのだろうか?」という栽培実験のようなものをしてます。

「プランター不耕起栽培」とでもいえばいいのでしょうか? 結論から言えばおススメできません。せめて古い根っこをすべて取りのぞかないとNGデス。

↓左が「CANNA COCO ココ培地」、右がガーデンピートがメインの「CANNA TERRA ポッティング・ミックス培土」です。















↓このトマトたちをカットしたあとに古い根っこも引き抜かず、そのままミニトマトのアイコの幼苗を植えてしまいました。「一度つかった培地を再利用するには、COCO培地とTERRA培土のどちらが向いてるか? 」ということに興味があったからです。






















その結果は・・・やっぱり「COCO培地のほうが再利用には向いてる」でした。ココヤシの繊維からできてる「COCO培地」は有機質の培地ではあるんですが、ものすごく分解されにくい繊維でできていて、しかも繊維に細かな孔がたくさんあるので、肥料や水にさらされたり微生物が増えたりしても、ものすごくユックリとしか分解しないため、保水性と保肥性、含気性が長期間保てる、耐久性にすぐれた性質をしています。






















しかし「CANNA COCO培地」自体には肥料が含まれておらず、ガーデンピート主体の「TERRAポッティング・ミックス培土」よりも保水性と保肥性が劣るため、「勝手に育つ感」はあまりなく、水やりの回数はTERRAよりも多くなり、毎回肥料を溶かした培養液を水やりする必要があります。そのかわり、一度使用したCOCO培地は、繊維の角が取れて丸くなめらかになるため、再利用のCOCO培地のほうが根はりがよくなるという結果も出ています。

※市販されている「ココ培地」は、メーカーによって処理方法や成分調整のスキルに差があり、ク溶性の肥料あらかじめ入れてあるココ培地もあるため、すべての「ココ培地」に当てはまるわけではありません。




↓一方、そのガーデンピート主体の「TERRA培土」ですが、はかなく、はかなく育ってます。まだ花も咲いていません。























無酸素、無菌状態の永久凍土で形成される酸性のガーデンピートは、石灰でpH値を微弱酸性に調整したあと、やっと園芸用土として使用できるようになります。なので、pH値調整後のガーデンピートは、養分や水分,温度が加わればもちろん菌が繁殖できるようになります。
そのうえ、日本のような温暖な気温と湿度、酸素のなかでは、半年ほどで分解がはじまり根っこが目詰まりしやすくなります。

COCO培地は、古い根っこをとりのぞいたうえで水で肥料を洗い流し、最後に酵素系の活力剤をたっぷりと含ませるだけで、大きな問題が起こることなく再利用できますが、分解が早いTERRA培土は、もともと再利用に向いている性質ではありません。

「TERRA培土をどうしても再利用したい!」と思うときは、私は苦土石灰とミミズコンポストなどを「適量」追加し、水はけをよくするために「COCO培地」と「パーライト」など排水性がよくなる不活性な園芸用土を30%ほど追加してから使用しますが、それでも初回ほどの「シャープにグングンと育つ感」はうすいな、といつも感じます。