毎年勝手に芽生えるようになった「カボチャ」たち。毎日のように雨が降った先週、はじめて雄花が咲きました。花の中をのぞいてみると、ミツバチが花粉まみれになっています。この時にもし雌花が咲いてれば、このミツバチがきっと受粉してくれてたんですねぇ。
人によってスキかキライか、ものすごく好みが分かれる花「トケイソウ」。今年はたくさん咲きました。
毎朝「きもちわるい〜」を連発しながら、この花の前を通り過ぎるオトーさんもいらっしゃれば、住人であるワタシが近くで庭作業をしていても、まったく気がつかれないほど「じ〜〜〜〜っっっ」と見入ってしまってるオトーさんもいます。
耐寒性もあり、とてつもなく繁殖力が強いので、すでに5月からグリーンカーテンとして機能してくれます・・・が、梅雨の季節は地獄です。ちょっと目を離したスキに、周囲の木に手当り次第に登りはじめて、覆い尽くしてしまいます。もう剪定バサミを用意しているようでは時間が足りなさすぎるので、最近では目にとまったツルを手でブチブチとちぎってます。
自家採種のためでしょうか? プリプリの種さやがついた「大根」、もちろん三浦半島の畑の様子です。それにしても、海はやっぱり風のニオイがちがいます!
さて、今回は定番の水耕栽培システム「DWCシステム」についてです。
DWC=Deep Water Culture system、またはBubbler system などで知られていて、構造が非常にシンプルで、手軽に安くつくることもできる水耕栽培システムです。
主なパーツは、フタのついたバケツ、大きめのネットポット、クレイ・ペブルス培地、吐出パワーの大きめなエアーポンプ、エアーチューブ、そしてエアーストーン。
バケツの底にエアーストーンを、バケツの外側にはエアーポンプを設置し、このふたつのパーツをエアーチューブでつなぎます。バケツの2/3〜3/4ほどまでを培養液で満たし、バケツのフタに空けた穴に、クレイ・ペブルスをヒタヒタに入れたネットポットをはめ込みます。
栽培スタート時に植物の根がまだネットポットの底から伸びだしていないとき、培養液の水位をどのくらいにすればよいか? 悩むところですが、正解はエアーポンプで培養液にエアーを送ったとき、その水圧で培養液の表面化からシブキが飛ぶので、そのシブキがネットポットにシャバシャバとかかるくらいの水位でOKです。
その後、ネットポット全体から根っこがペロペロと伸びだしてきたら、培養液の水位を下げて、根っこが空気に触れる空間をつくります・・・つまり根っこが培養液にどっぷりと浸らないようにします。が、生長いていけば、根っこはもちろん培養液中にどっぷりと伸びだすので、DWCシステムではエアーポンプを24時間動かしつづける必要があります。
「24時間つねに」・・・英語で言うところの 「24/7」です。(24/7=24 hours/ 7days a week)
ち・な・み・に、このブログではチョコチョコと英語の言い回しをワザと入れるようにしておりまして、それはつまり、「ハイドロポニックスについてのノウハウは、日本語ではまだ入手可能な情報が乏しいときがあるのが事実で、できればガーデナー自身で英語圏から正しい情報を得ようとしてほしいところ。そんな時、ひとつでも理解できるワードが多くあれば、取っ付きやすくなるにちがいない・・・だといいな!」という、ちょっとした願いからです。
ワタシ自身、当初は「Tap Water」ですら、分からなかったため、英語圏のガーデニング専門用語には、白髪がドバッとふえるほど苦労させられた経験があって、それはもちろん、今もまだ進行形です。念のため言っておくと、Tap Water は、水を叩くのではなく「水道水」です。
では、最後にDWCシステムのメリットとデメリットを・・・
- 構造がシンプルでパーツが入手しやすいので、誰でも安くカンタンにつくれますが、pH値とEC値をほぼ毎日計測する必要があるシステムなので、フタを持ち上げた時に根っこを切ったりしないように気を使います。
栽培をスタートしてみてわかる、いくつかのデメリットを最小限にするためには、「既製品」をGETするのが無難です。 - ひとつのシステムにつき、一株を育てるのが無難です。一株以上を育ててしまうと、エアーストーンが根っこに覆われ、ルートボールが酸欠になりやすくなります。また、DWCシステムは、リザーバータンクを設けることができないので、培養液は5L〜10L程度しか使用できません。
培養液量が少なく、根っこが常に培養液にふれているので、pH値とEC値ともに変化しやすくなり、培養液のメンテナンスは忙しくなりがちです。また、トマトなど数メートル以上に育つ野菜は、マックスで一日5Lもの培養液を吸うので、水切れに対して、毎日注意しなくてはなりません。つまりDWCシステムもまた、いろんな種類やたくさんの本数の栽培をすると、大きく後悔する水耕栽培システムです。 - 1週間〜2週間に一度は、培養液をゼンブ取りかえなくてはならないのは、DWCシステムでも同じです。
- キュウリ、スイカをはじめとしたウリ科、イチゴをはじめとしたバラ科、ホップなど宿根タイプのツル性植物は、根の酸素要求量が多く、特に開花後に酸素が足りなくなって根っこが茶色くなってしまうので、DWCシステムは、すべての植物が思うように育つ水耕栽培システムではありません。
DWCシステムでは、根が低酸素状態に強い丈夫な性質の野菜や植物だけが、よく育つことを知っておくと、後々便利かなと思います。
と、いうことで、どの水耕栽培システムにも共通して言えるのは、「長くても一年以内に栽培を終えられる植物の栽培が無難ですよ」ということかと思います。