いかにも紫外線タップリの日射しがふりそそぐ初夏の6月ですが、晴れた日はヤッパリお出かけしたくなります。
真夏とちがい心地よく涼しい風が吹くので、ついつい歩きすぎてしまいます。
横須賀のソレイユの丘のハーブ園は、色とりどりの花が、真っ青な空によく映えるので、レンズをのぞいていると、まるで天国にいるようです。
カメラで撮ってると「これは、なんていう花なのかしら?」と、見知らぬ方からよく訊ねられる「アーティチョーク」、あまりに存在感がありすぎるせいです。
家のまわりに勝手に生えてきた「アザミ」の駆除に苦労されたおヒトならば、一目見て「コイツは、ものすごくアザミっぽいぞ!」と分かりますとおり、和名は「朝鮮アザミ」というそうです。いつぞや食べたことがある気がしますが、お恥ずかしながら味はすっかりさっぱり忘れました。
アーティチョークの葉っぱのなかから、こちらをにらむ「キリギリス」。エサになる虫を待ち構えているところのようです。「捕まえようとしたら、噛むからな!!!」と目が言っている・・・と思います。
タイムの花に着地したハナアブ。
「いっただっきま〜す!」タイムの花の蜜は、どんな味がするのでしょうか?
雲ひとつない青空を高くまう「トンビ」、目が合うと、ちょっとビビります。
ところで、ここはクーラーがないので、夏のあいだグロウルームをつかった室内栽培は、お休みすることにしています。「暑すぎて植物がかわいそうだし、思うように育たないから時間と肥料がムダになるだけ」、という理由です。
とはいえ、むさ苦しい暑さのこもる真夏のお部屋のなかでこそ、植物たちを愛でたいし、さらに節電が気になる夏は、窓という窓を全開にして風通しを確保したいところです。
すっきり開けた小窓に置くのに、ベンリな植物のひとつがエアープランツですよね。「造花はナチュラル感が足りないしホコリもたまる、かといって土はもっと汚れるからソウジしないといけなくなってヤダ。」というマダムも多いのですが、「着床植物」のエアープランツならば、土に植える必要もなく、水やりも忙しくないのでGoodです・・・ということで、夏の窓辺をエアープランツたちで彩ることといたしました。
ちっちゃなちっちゃなエアープランツたちは、お手ごろなお値段でGETできるのが魅力ですが、大きくリッパに育てるためには、それなりの時間とスキルが必要です。
夏の涼しくなる夜間は、週に一度ほど水や薄めの培養液にタップリ浸し、その後スッキリと水切りをして蒸れないように風通しのよいところで管理することが、無事に大きく育てていくポイントのようです。
ところで、インド製のチャイグラスは、見た目がかわいいし割れにくく長持ちして便利なのですが、容量が少なすぎて、結局マグカップで飲むことになってしまい、しまいっぱなしになってました。
「このチャイグラスのセットに、まだちっちゃいエアープランツたちを入れて、小窓に置けば、ちょうどいいかな? 」、と思いチャイグラスに入れてると、スッポリとハマってしまいます。 蒸れて枯れてしまうのが心配になったので、湿らせたココ培地をチャイグラスに詰めてから、エアープランツをあしらってみました・・・ちなみに、ココ培地は決して水を溜めっぱなしにしてはいけない培地なので、チャイグラスに水は溜めません。ココ培地が乾いたら、グラスに溜まらない程度の量の培養液を含ませていこうと思います。
ココ培地は、ロックウールとよく似た性質で保水性と含気性が高いのですが、保肥性があるので、水や培養液をためたり、再循環させる栽培には、まあっっったく向いていません。もしココ栽培で培養液を循環させてしまうと、ある程度は無事に育っても、肥料成分のバランスが崩れるので次第に生長障害がでます。
ところでココ培地は、大きく分けて乾燥圧縮タイプと、しっとり復元されたタイプの2種類が流通されています。
ココ培地の原産国は、主にインドやスリランカで、ヤシガラを細かくする粉砕加工と、塩分を抜くための真水でのフラッシング、乾燥圧縮までは、ほぼ原産国のみでおこなわれます。
ところが、この乾燥を土壌のうえでおこなってしまうとヤシガラに砂が付着してしまい、せっかく洗ったのに、砂のせいで不純物がまざったココ培地になってしまうことが多いようです。(とはいえ、土の上で乾かしたヤシガラは、最高品質のココ培地になりにくいというだけで、まったくぜんぜん使えない、という最悪のレベルではありません。日本の水道水や、日本のきれいな自然水でよく洗い流し、浸した水がEC値が0.1〜0.3mS/cmまで下がれば大丈夫です。こういうココ培地だけでココ栽培をする場合は、カルシウムとマグネシウムが足りなくなりやすいので、なるべくココ専用肥料を使うほうが無難です。)
「高品質のココ培地」とされるものは、原産国での乾燥をコンクリートの施設でおこなうので、まずその心配がありません。
そして、その後の保肥性をもたせるための「バッファリング処理」には、いくつかの肥料成分溶剤が使われます。
ところがコスト的な理由から、完璧なバッファリング処理までは原産国ではできないことが、ほとんどです。つまり、塩分やアク抜きされたココ培地は、原産国でも生産できますが、きちんとしたバッファリングは、ワタシが現時点で知るかぎりでは、オランダなどのヨーロッパでしか、ほぼ加工できない・・・つまりオランダほどの農業大国でないと、培地加工専用の工場の経営など成立しない!?ってことみたいです。
オランダは植物工場の技術の高さでも有名ですが、切り花や鉢植えなどの観葉花き類の生産もアメリカについて世界第2位で、オランダ産花き類のEU圏内でのシェアは、ほぼ1位という輸出大国でもあります。
ココ培地は、土ではないうえ清潔にもしやすいため、植物検疫もクリアしやすいことから、ココ培地をつかった鉢植えは輸出にものすごく有利っていう背景から、オランダではココ培地の加工技技術と設備がとても整っている、という事情が大きいようです。