2024年1月26日金曜日

ミニトマトの室内LED栽培と波長の効果

 例年より暖かな気温がつづき、桃のツボミがふくらむのもいつもより早い気がします。




今年もコボレ種からしっかり生長したワサビ菜。もう少し大きく育ったら葉っぱをちぎって鍋にでもしようと思います。



毎年恒例のミニトマト秋冬室内栽培ですが、寒い時期のLED栽培につきものの壁面の結露が少なく、葉の黄化がでないのも暖冬のおかげです。

第2花房がほぼ咲きそろい、第1花房には実がつき始めました。




さて、光の波長が植物におよぼす影響は、波長=光の色ごとにちがいます。
植物の種類によっても効果は変わりますが、近紫外線のUV-Aは、UV-CとUV-Bよりも人体や植物への悪影響が少なく比較的安全に植物の免疫作用を強化したり、身体によいファイトケミカル成分を増加させる効果があるため、農薬や植物成長調整剤の合成ホルモンを使わずに付加価値の高い野菜をたくさん収穫できることから植物工場を中心に導入がはじまっています。





光を吸収して光合成するのは、主に光合成色素のクロロフィルAとBです。
クロロフィルAとBの吸収がピークとなる光の波長は420nm、450m、620nm、660nmです。


光の吸収は光合成色素だけでなく、フォトトロピン、クリプトクロム、フィトクロム、この4つの光受容体タンパク質もおこなっていて、主に青、赤、赤外線を吸収することで、芽生えた場所の日当たりのよさや日照時間を感知して、フィトクロムは、赤色と赤外線のどちらを何時間吸収するかでフロリゲンを生成したり、青色波長を吸収するフォトトロピンは気孔を開き水分を蒸散させたりCO2ガスの吸収を促すなど重要な役割を持っています。





10年以上も前のこと、初期の植物育成専用のLEDの波長は、クロロフィルの光吸収ピークとなる450nmと660nmだけを放射していたため紫色に見える製品ばかりでしたが、クロロフィルAは420nmの紫色光波長もよく吸収するし、吸収効率の悪い緑色の光でさえ光合成以外にも免疫強化や果実肥大など重要な効果があることがわかり、いまではSANlight EVOのように400nmの紫色光線から780nmの赤外線まで広領域の光を放射できる高領域スペクトルLEDがメインとなりました。





紫外線から赤外線までフルスペクトルな光を放射できるCMHライトとはちがい、広領域スペクトル放射の栽培専用LEDは、紫外線の放射が得意ではありません。紫外線は殺菌効果、免疫強化、徒長防止、栄養価のアップなどメリットも高いのですが酸化力が強いので、植物だけでなくプラスチックや人体へのダメージもあり、本当に必要な時だけ安全性を確保して使うのが良いと言われています。