2014年1月20日月曜日

乾くまぎわに、よくそだつCOCO培地。

室内栽培のイチゴたち、布製ポット10リットルに植えたCOCO培地のイチゴたちは、約2週間に一度のペースで水やり。ポッティング・ミックス培土の水やりは約3週間に一度のペースです。

水やり直後のポットの重さは、だいたい3.3Kgくらいになります。これを標準重量として、生長期は30%の重さ=1Kgを切るまで、開花期は40%=1.2Kgを切るまで軽くなったら、培養液を与えています。

重さが2Kgを切ると、早朝に葉つゆが出なくなります。それから重さが1.5Kgを切って「明々後日になったら水やりかな???」と予定をたてたその2日後、「さあ、今日は水やりだ!」とウデをまくりながらイチゴを見てみると、オモシロいことが起こってます・・・実った果実のいくつかが、ぶよよよ〜んと急激に肥え太っているのです。「45%から30%に乾くまでのあいだ、たった500gが軽くなるのを待ってた2日間で、根っこがとつぜんやる気をだしやがったか・・・」とベックラ!



























たった数百グラムが乾くのを待てるか、待てないか、という差はものすごく大きいということを思い知りました。「COCO栽培は、乾かし気味に育てるのがコツ」というアドバイスを、これまでさんざっぱら口にしていたにもかかわらず・・・

※これは、根の生長が活発な生長期にもっとも大切で、根の生長がおとろえる開花期には、40%まで軽くなったら水やりをするのがベストです。また、値段が安いココ培地や、ココ・スラブなど長繊維のココ培地は、肥料焼けしたり水切れを起こしやすいので、約60%くらいになったら水やりした方が無難です。


ちなみに今は季節が冬。グロウルームの室温が20℃をなかなか超えないので、ゆったり水やりペースですが、真夏は週に一度があたりまえ、毎日水やりをしないと間に合わない、ということもあります。





























フラッド&ドレイン・システム「タイタンS」で育つミニトマト「千果」です。先週の金曜日に培養液を交換して週明け、リザーバータンクの水位が5〜6リットル減っていました。だいぶ吸うようになってきたので、これからが忙しくなるころです。




















フラッド回数は6回、とすこし多めにおこなってますが、これは根っこを温めるためです。真冬以外なら4回くらいでもOKだと思うし、自然光なら一日2回〜3回のフラッドだけで十分なようです。
一段目の花房は、半分が開花していて、2段目の花房がでてきたころです。


























コンパクトなイチゴとちがって、ジャマくさいほど丈が伸びるトマト。たまたま風を強くしたら、へなへなと倒れるトマトが出てきました。グロウ・ヨーヨーで直接枝や茎にひっかけて誘引すると、なにかの拍子でヨーヨーが宙を飛び、せっかく咲いた花や実がパッツ〜ンッッッとちぎれてしまうトラブルに幾度となく見舞われました。

すこしは賢くなり、茎にジュートヒモをむすびつけ、そこにヨーヨーをひっかけるようにしています。


2014年1月15日水曜日

あえて もりをみず。きを よく みてみる。 

川崎市から、ちょこんと見える富士山。息を切らせて坂道を登りきると、ふと目に入りました。なんとも得した気分です。
























イガグリ。




















ゴリラの背中??? いいえ、シダです。







































カイジュウっぽいソテツ。







































パツンパツンに肉肉しいセダム。








































菌糸のようなサボテンのウブ毛。























植物たちは、近づいて見れば見るほど別の顔があらわれます。























温室では、カカオノキが果実をつけていました。




































真冬の南房パラダイスでは、コツメカワウソも加温ルームをつくってもらっていました。「ゴハン、まだかな〜」と飼育員さんを待ちわびてキョロキョロ。




















手をふってアイサツすると、ピコピコとかけよって来てオリにしがみつき、手を差しだし握手を求めてくる「シロガオマーモセット」。彼のネライはおやつ、と分かっていても、人なつこさがたまりません!


























マーモセットの説明サインをば読んでみると・・・

なになに?「とても臆病なため見られないこともあります」・・・だそうです。


















・・・・・・
























ちなみに、ヤローはお気に召さないらしく、男性が近づくと「ウッウッウッ!」と威嚇の声を発していました。






小腹がすいたら、「道の駅三芳村 鄙の里」まで足を伸ばし、和牛ハンバーガーで腹ごしらえです。まろやかでツクネっぽいパテが、それはそれは絶品でした!

























神奈川県と千葉県は、東京都に隣接しているという共通点があるし、アクアラインで川崎市と木更津市でダイレクトにもつながってるし、横須賀市と富津市間をフェリーも行き来できます。

ところが、道の駅の数と満足度では、神奈川は千葉にコテンパンに負けています(そのかわり? 高速道路のサービスエリアでは神奈川県のほうが充実していると思われます)。なので、のどかな里山の風景と農産物が恋しくなったら、南房総方面へと足を伸ばすことにしています。

千葉の特産品は「ふなっしー」だけではありません。ビワも有名です。冬に開花がピークとなるビワの花を乾燥させていました。
























道の駅在住のローカル猫。ココロやさしい来園者さんからポテトをもらえたものの、喉が渇いて水をペロペロ。見かねて手のひらに水を汲んで差しだしたところ、ビシャビシャの手のひらに頭を押しつけてゴロゴロいってました。
ヌコ様に人間用の味付けはNGなので、おすそわけできなかった代わりに全身マッサージをして差し上げました!

2014年1月7日火曜日

明けまして2014。国際家族農業年

2014年、明けました。今年もよろしくお願いいたします。





さて、明けた今年は「国際家族農業」だ、そうです。
http://www.fao.or.jp/detail/article/1170.html

食料の流通量や自給率の低さから飢餓に悩むアフリカ、アジア、中南米、中近東の農村部のうち、とくに小規模農家の生産性をあげるべく、なにをどうやって助けていったらいいのか? という問題を考えてみましょう・・・という年なんだそうで。

一方の先進国では、生産された食料のうちの1/3の量が食べられもせず廃棄されてしまう「フード・ロス」問題もなんとかせねばならんところですが、まずできることは「出されたものは、残さずいただく」ということだと思われますので、ワタシが低炭水化物ダイエットに挑戦する日は永遠に来ないものと思われます。

ちなみに、食材として出荷される前に、生産性重視の無理な飼育がたたり病死してしまう家畜の数も相当な数にのぼるようで・・・

映画「ありあまるごちそう」


貧困問題の多くが食料自給率の低さと直結してしまっているのは、アフリカをはじめとした開発途上国だけの、遠い国のおハナシではなく、たとえ先進国の都市であってもスラム街やホームレスが多い地区を見れば、それは一目瞭然です。カナダやアメリカなどの都市では、経済活動がストップしてしまっている貧困地域で自力で活性化をうながす訓練としての「アーバン・ファーム」という農業サポートがおこなわれています。
Urban Farms in Vancouver B.C.

一方の我が国ニッポンでも、もちろん深刻な貧困問題は存在すると思われますが、一面アスファルトにおおわれた都内の下町などを歩いてみると、必ずといっていいほど発泡スチロールに土を入れてネギやシソなどの薬味的なものが軒先に植えてあるわけです。多摩川の河川敷では、そこに住み着いた方がいつの間にか畑をきっちり耕して「地産地消」ならぬ「ゲリラ産ゲリラ消」をなすっていたりもします(撤去されちまいますが)。

いったん農耕民族のスイッチが入ってしまうと、とどまることを知らずに作物を育てたくなるニッポン人DNAのおかげで「植えるがゆえ飢えにくい民族」なのかな?と思います。

ということで、まんまと農耕DNAスイッチが入ってしまったニッポン人が、ココにもいるわけですが、「 根っこの酸素量で生長にこんなに差が出る! 」的な結果をおひとつ・・・

↓タネからスタートさせたホワイトセージの実生苗で、ココ培地とポッティング・培土をはんぶんずつ混ぜて使っています。
























↑左側がタテにスリットが入ったポットで、右が底面に穴のあいた一般的な四角いポットです。両方とも3号くらい(約300ml)の同容量のサイズです。
左側のスリットポットの方が全体的に早く大きく育っています。正直、こんなに差が出るとは思っていませんでした。スキマの多いスリットポットのほうが根っこに酸素が豊富になるので早く育つ、そのかわり乾くのも早いので水やり回数は増えます。




ココ栽培のイチゴたちも、培養液を与えるたびに「ぎゅ〜んっっっ」と大きくなります。ポットごと手で持ち上げてみて、手応えがほとんど感じられないくらいまで軽くなってから培養液を水やりすると、翌日には目で見てわかるほど大きくなってます。
























水やり方法は、まず受け皿をポットの下に敷いてから、ポットの20%〜30%くらいの培養液量を培地の表面から与え、

30分経ったら受け皿に残った排水量をチェックして(排水量が、与えた量の10%〜15%ほどになっていれば最適です)、

受け皿を外して排水はすべて捨ててしまいます。

こうすると培地全体に培養液をムラなく吸収されるし、与えた量がベストだったかどうか毎回確認できるし、培養液を溜めたままにせずにすみます。

きちんと酸素が吸えてるイチゴは、受粉作業などせずとも、ちゃんと果実が実ります。花が咲く、実がつく、などなどは、すべて植物ホルモンの作用ですが、根っこが酸欠になるとヘロヘロと徒長しやすく花や実がつきにくいホルモンバランスになってしまうんですねぇ。培養液が冷たすぎる、温かすぎる、などなどで根っこの元気がなくなってしまうときも、同じことが起きやすくなります。




















光の量はもちろんですが、気温、水温、湿度、CO2濃度、空気の動きも、肥料に負けず劣らず大切な生長要因です。
グロウルームの室温はだいたい21℃、湿度は75%〜80%になっています。


























CO2の添加はランプ点灯中にだけおこない、だいたい650ppm〜750ppmになるようにしています。個人的には1000ppm以上はムダが多いと思っています。

朝にランプが点灯して30分たったら、その日一度目のCO2添加をするようにしてます。
そのあとは、たまにグロウルームをのぞいてみてCO2濃度が600ppm以下になったら、ペットボトルの炭酸水を加圧ポンプでくみあげてドライミスト・ノズルで10秒間ほどだけスプレーしてます。
炭酸水は自作カーボネーターでつくってますが、炭酸水を2Lつくると、CO2濃度もふくめて2〜3日ほど持つので、おもったより経済的です。電化製品が濡れないように、いろいろ工夫しながらやっているので、誰にでもおすすめできる方法ではありません。
ちなみに、スプレーをした後は、葉っぱが長い時間濡れたままだと光合成を休んでしまうので、ファンでやさしく風をあてています。





















さて、フラッド&ドレイン・システム「タイタン・S」のトマトたち、ゲンキにそだってます。フラッド回数は、だいたい4時間に一度のペースでおこなっていて、ランプ点灯30分前に1回、その後4時間ごとに5回、合計6回です。

フラッド・サイクルでは、モーター機器対応のデジタルタイマーで3分間だけ循環ポンプを作動させてまして、ポンプが止まったあとフラッド口から汲み上げた培養液すべてが排水されるまで約10分くらいかかります。これで15分間以内のフラッド・サイクル実現です。

















































冬の培養液は、最低18℃以上をキープしたいところです。気温が20℃にならない場合は、培養液を24℃以上にしてもOKかと思いますが、「エアロス」などのDWCシステムなど培養液に根っこが浸かりっぱなしのシステムでは、加温しすぎると根っこが腐りやすくなるので十分に気をつけた方がいいと思います。

ちなみに、約40Lの培養液が入っているリザーバータンクにはサーモヒーターを入れて培養液を加温してます。いまのところ50Wのヒーターで問題なさそうですが、ココ最近ものすごく冷え込んでいるので、ヒーターを70Wのものに変えようと思いました。

























と、いうのもサーモヒーターを入れてない循環式システム「ジェミニ」のトマトの苗が、寒さでへにょっと萎れるようになってきたからです。ジェミニのリザーバータンクには、培養液がだいたい10L〜15L入れてあるので、こっちに50Wのヒーターを入れて加温を始めようと思いました。ジェミニも、一日に合計6回だけドリップをおこなっていますが、15分刻みのタイマーしかないのでポンプ作動は仕方なく15分間です(ホントなら3分間くらいだけでいいと思います)。



















最近では、アクアリウム用品が高性能化しつつお手ごろプライスになって、うれしいかぎりです。便利な機能がぎっしりつまった製品もありますが、愛用しているのはこれです。
























ヒーターとサーモスタット一体式の↑をはじめ、水中専用の加温ヒーターは空中で作動させるとイッパツで壊れてしまいますので、なにかのひょうしで空中に釣りあげてしまったり、リザーバータンクの水位が低下しすぎないように、ものすごく気をつけています。
あと、プロテクターから取り外しができるヒーターは、きちんとセットしないとプロテクターに接触して焦がしてしまうことがあるので、これもまた定期的にチェックしております。


2013年12月25日水曜日

COCO栽培のイチゴと、ハイドロポニック栽培のトマト。

さて、25日の今日は、どこへいってもクリスマスの雰囲気を楽しめます。日付がかわったとたんに街がいっせいにお正月ムードへと変身するようすを見るのがスキです。


ところで・・・寒いです。

ところが・・・春のような陽気のグロウルームではイチゴが花を咲かせはじめました。

























葉っぱがじゅうぶんに大きく太ったイチゴの苗には、大きな花が咲き、順調にいけば大きな果実が実ります。


















葉っぱがまだ大きくない苗にも、花がつきましたが、さほど大きな花ではないので、さほど大きな果実にはならないと思います。

























大きな葉っぱをつけるには、なにはさておき、根っこをたくさん伸ばしておかないとなりません。10リットルの布製ポットにココ培地をセットして水をタップリ含ませた初期重量は「3.4Kg」でした。 

ココ培地での栽培は、初期重量の60%のほどまで軽くなったら培養液を与えるのが一般的ですが、根っこを思いっきり伸ばしたい場合は、初期重量の30%くらいに軽くなるまで水やりをガマンします。

























↑ ということで、大きな花を咲かせるために、もっと根っこを伸ばしたいので、初期重量3.4Kgの30% = 1Kgくらいになるまで培養液を与えないようにしてます。




イチゴは根っこがナイーブなので、根に酸素が足りないと正常に育たなくなる植物です。そのため、根っこが培養液に浸かりっぱなしの「DWCシステム(ブクブク式)」でイチゴを育てることは、やめたほうがよいです。花が咲くと、根っこがドロドロとくずれてしまうので、果実が実らないか、実っても大きくなりません。
あと、トマトみたいに濃い培養液は、イチゴにはゼッタイにあげられません。


















一方、週ごとにグングン大きく育っているトマトたちです。

























循環式システム「ジェミニ」に植えたトマト苗の両わきにあるのは、あまったトマトの苗です。同時に発芽した苗だというのに、生長にこんなに差が出てしまいます。


発芽して大きくなりつつある苗は、培地の底から根っこが伸びだしたタイミングですぐに、ひとまわり大きな培地か、栽培システムに植え増ししてあげないと、ものすごく生長がおそい苗になってしまいます。
























「発芽培地のままだと、苗が大きくならなくて都合がいいから、しばらくこのままにしておいて、気が向いたら植え増ししよう。」などとヒトサマの都合で植え増しせずにおくと・・・大した苗には育たなくなってしまうんですねぇ〜!!! 

「 あくまでも植物サマのご都合で栽培作業をせねばならんのだなぁ 」と、思い知った失敗経験はシコタマあります。





ところで、フラッド&ドレイン・システム「タイタンS」で育つトマトたち。ハイドロポニック栽培なのに、丈がコンパクトで、しっかりガッシリした育ちかたをしています。気温の低い冬は、暑い夏と比べると水分吸収が抑えられるので、ものすごく徒長しにくいということもあるのですが、根っこがたっぷりと酸素を吸えるようにフラッドしているおかげて、なかなかステキな苗に育っていると思います。



















ちなみに、培養液の肥料濃度ですが、3段目の花が咲くまでは、0.8mS/cmほどと低めで管理しています。トマトは濃い培養液でもヘッチャラな、それはそれは丈夫な植物ですが、生長期に高いEC値の培養液を与えすぎていると、生長が早くても花が咲いてから持久力がなく収穫ピークの短い苗にそだってしまいます・・・このことは、どの植物にも当てはまることだと感じています。

























そして、培養液をフラッドする回数は、ランプ点灯時間をメインに一日6回おこなってます。

モーター機器でも正常に作動させることかできるデジタル・タイマーで、ドレイン口から排水がはじまるまでの3分間だけ循環ポンプをうごかしてフラッドが続くように時間設定しています。

クレイペブルスをセットした大きめのネット・ポットの底から根っこが伸びだしてきました。

























「 根っこもはみ出してきたし、そろそろもう一回フラッドを増やしたほうがいいのかな? 」と、このところ毎日思っていたのですが、ランプ点灯前のトマトたちを観察してみると、葉っぱのフチから「葉つゆ」がでていました。 「 葉つゆがでてるんだから、夜のあいだも培養液が足りてるんだな。ならフラッドはまだ増やさなくても大丈夫だな 」と判断してみました。

明け方に葉っぱのフチに水滴がつく「葉つゆ」は、根っこがゲンキな証拠です。水分や養分を吸い上げるパワーの強い根っこは「浸透圧」が高いので、光合成をしない夜間も、なかば勝手に根っこから水分が吸われてしまうので、過剰になった水分を葉っぱの「水孔」からペペッと吐き出している現象と言われてます。



なので明け方に「葉つゆ」のありなしで、植物が正常にそだっているかどうかの健康診断もできるんですねぇ。ただ、風が強く吹いていたりすると水分が蒸散するので、正常に育っていても「葉つゆ」がつかないこともありますし、花が咲きすすんでいくと次第に葉つゆは少なくなっていきます。

また、「葉つゆ」からは、培養液の肥料濃度がベストかどうか? ということも分かります。例えば、濃い肥料が大キライなイチゴだと、「葉つゆ」がでて乾いたあと、葉のフチにそって茶色く焼けてしまう時は、「 培養液の肥料濃度が濃すぎるよっっっ!!! 」という合図です。



2013年12月19日木曜日

循環式ハイドロポニック・システムでのトマト栽培

昨日の予報は午後から雨か雪、の関東でした。川崎ではかろうじて雪は降りませんでしたが、目がうつろになるほどの凍える寒さとなりました。

室内栽培で育てはじめたミニトマト「千果」ですが、本日は「循環式ハイドロポニック・システムGEMINI」で育つ苗のご紹介です。肥料は循環式システム用に開発されたCANNA AQUAをつかってます。




























循環式ハイドロポニック・システムってのは、リザーバータンク内の培養液をくり返しドリップして植物に水分と肥料を吸わせる原理で、培養液をドリップするので「ドリップ・システム」に分類されます。


ドリップ・システムに分類される代表的なものには「循環式システム」と、「かけ流し式システム」の2種類があります。

GEMINIのように、循環ポンプで培養液をくみあげて培地にドリッブし、培養液がリザーバータンクへ落ち、そこから再び培養液を循環させるか、または、エアーポンプの空気圧で培養液を押し上げてドリップするエアーリフトタイプの「 循環式システム」と・・・

培養液を培地にドリップしたあと、リザーバータンクに戻さず捨ててしまう「かけ流し式システム」があります。

循環式システムには、スキマが多くて保水性が低く培養液を劣化させたり肥料バランスをくずさない培地・・・つまり、クレイペブルス培地がベリーベストです。




かけ流し式システムは、同じ培養液を二度と使わないので、保水性と保肥性が高い培地・・・ココ培地でもポッティング・ミックス培土でも・・・そして実はロックウール培地もかけ流し式システムがベリーベストです。









さて、クレイ・ペブルス培地をつかった循環式ハイドロポニック・システムでの管理のコツは、なんといっても「ドリップするのは一日でほんの数回」ということで、これはフラッド&ドレイン・システムと同じです。

というのも、植物の根っこは「培養液のドリップがとまって、ほどよく培地が湿っている + 空気がたくさんある状態」のときに、肥料と水分をいっぱい吸える、からです。


なぜかといえば、根っこが水分と養分を吸うためには酸素が必要なので、水に浸っていると圧倒的に酸素が吸えないので、ドリップがとまって培地が少しずつ乾きつつつある時に培養液の吸収量がマックスになる、からです。


そんなこんなで循環式システムの栽培ポイントをまとめると・・・



保水性の少ないクレイペブルスをチョイスすることがベストなので、循環システムで発芽からスタートさせることは困難です。ちいさなロックウール培地で発芽させて、根っこが培地の底からはみ出してきたら、5cm角か10cm角のひとまわり大きなロックウール培地に植えまししてから、循環式システムにセットします。これがイチバン確実でカンタンだと思います。

苗が小さなころは、1日にたったの1回、15分間だけ培養液をドリップ、でOKです。しかし、夏場などで培地の乾燥が早すぎて苗がシオれてしまう時は、ランプ点灯時間帯にドリップ回数をもう1回ふやしたほうがよいと思います。


だんだん大きくなってきたら、1時間おきに15分間だけドリップするのが一般的ではありますが、クレイペブルスをたくさん使う大きい循環式システムの場合は「4時間〜5時間にたった1〜2分間だけのドリップがイチバンいいんだ」、というガーデナーもいます。

このあたりの、なんともアイマイな説明に関しては、「クレイ・ペブルスの量と乾く早さと植物のコンディションを見ながら、最終的には自分で決めてください」ってことです。




























たとえば、ドリップ回数を少なくしていて、水切れで苗がシオれてしまうならドリップ回数を増やした方がいいし、ドリップ回数を多めにしていたら、根っこが茶色くなったり花が咲いても実がならないなどの酸欠症状がでれば、ドリップ回数を減らした方がいい・・・って感じで判断したらいいと思います。

ところで、葉っぱがシオれた時はいつでも水が足りないとはかぎりません。根っこが傷んだり腐ったりして水分を吸えなくなった時も葉っぱはシオれてしまうので、水切れだと思ってドリップ回数を増やすと逆効果です。水切れでシオれるときは、葉っぱだけでなく茎も一緒にシオれます。





培養液の管理は、1週間〜2週間ごとにリザーバータンク内をすべて取りかえるか、数日ごとに2リットルずつ培養液を入れかえるか、どちらかをおこないます。
培養液を取りかえた翌日は、生長がさかんな時ほど老廃物でEC値がすこしだけ上がるはずだし、肥料バランスがすぐに崩れるのでpH値も変化しやすくなります。リザーバータンクの容量が大きくなるほどpH値とEC値は安定しやすくなりますが、EC値がおなじでも肥料バランスは崩れているので、定期的に培養液を交換した方が無難です。
また、培養液を交換してから一週間経っていないとしても、pH値が5.5〜6.5くらい(これは肥料メーカーによってちがいます。)から2回目に外れたら培養液をすべて交換した方がいいです。

あと、クレイペブルスの表面に白く肥料が固まってしまうような時は、培養液でクレイ・ペブルスをいったん洗い流します。んがっ!!! 培地に肥料が固まってしまう時は、植物が肥料を食べ残しているってことも原因のひとつなので、肥料濃度を濃く与えすぎてないかも、チェックしなおした方がよいかと思います。

循環システムには循環ポンプをつかうので、ポンプが空中で空回りしてしまうことがないように、培養液の量をまめにチェックして継ぎ足しをおこないます。



気温が10℃以下になってしまうような場所では、サーモヒーターなどで培養液を温めてからドリップしたほうがいいです。低温障害で葉っぱが紫色になってしまうような場合は、夜のあいだも温めた培養液を1時間ごとに15分間ドリップをくり返す、という解決策もありますが、ドリップ回数が多すぎると根ぐされなどが起こりやすくなります。

一般的に、植物は花を咲かせると根っこの生長が衰えます。この時に根っこに酸素が足りなくなると急激に根っこが茶色くなり、ボロボロとちぎれたりしてしまいます。

ドリップ回数が多すぎると根が傷みやすいケースは、水温が高くなる夏場ですが、植物の種類でも起こりやすくなります。
例えば、キュウリなどのウリ科、イチゴなどのバラ科は、根っこのまわりに空間があって酸素がたくさん吸える状態じゃないと花が咲いてからドロドロと根っこが老化しやすいです。なので、個人的にはイチゴ栽培はココ培地がイチバンお気に入りです。

トマトは根が酸素欠乏にわりと強いのでドリップ回数がすこし多くても、根っこが培養液に浸かりっぱなしのエアロスなどのDWCシステムでも問題なく育てやすいです。
なので、育てたい植物は、酸素がいっぱいないと正常に育ちにくいのかどうか? ということをあらかじめ調べてから、どのハイドロポニック・システムがベストか? ココ培地なのか? いやいやポッティング・ソイルなのか? などの栽培方法を選ぶと、あとあとラクチンだと思います。




2013年12月16日月曜日

フラッド&ドレイン・システム栽培のトマト

エジプトでは100年ぶりの雪がふるほどの寒波が襲来した週末でした。「プラプラと、どこへでも半袖で歩けていた夏がなつかしい・・・」と、なんとも身勝手な気持ちで寒そうに歩く人々を見つめてしまいます。

さて先週はビッグサイトで恒例の「エコプロダクツ」が開催されていました。年をかさねるごとに名だたる大企業のブース面積が増えている気がするなかで、各都道府県や大学によるマニアックにエコロジカルな出展ブースで、ついつい時間を費やしてしまいます。


















日本土壌肥料学会さんのブースでめっけた、ステキなステキな土壌の断面図の展示です・・・右端の川崎でもよく見かける黒ぼく土(=くろぼくど)の地層断面図は、縄文時代に降りつもった火山灰に植物などが枯れて、ものすごい数の昆虫、そして微生物が分解して堆積し、ながぁ〜い年月をかけて黒く腐植がすすんだ土壌です、と教えてくださいました。
虫は健康な土の友達!


























さて、身近な土壌をきちんと知ってしっかり活かして、肥料も農薬もなるべく使わないエコな循環型ガーデニングが、ワタシの理想でありゴールでもありますが・・・

欲をはらず、今はハイドロポニック・システムで楽しくガーデニングです。


















MHランプで育てていたミニトマト「千果」たちでしたが、昼間の室温が20℃をこえなくなってしまったので、光量が大きいHPSランプへとチェンジして40cmくらいまで近づけたら、あっというまに2段目の葉っぱが展開しグイグイ大きくなってます。

フラッド&ドレイン・システムの「タイタン・S」と、ワンプラント栽培用の再循環式システム「ジェミニ」で育ててますが、いまのところ生長スピードはおなじです。





フラッド&ドレイン・システムはリザーバータンクにサーモヒーターを入れて培養液を加温しています。ランプ点灯30分ほどまえに一回、ランプ消灯前に一回、そして夜中に一回、というように、一日に計3回培養液をフラッドさせてます。

ポットの底から根っこがはみだしてきたので、そろそろフラッド回数をもう一回増やすころだと考えています。ランプ点灯時間帯に増やします。
培養液をフラッドさせる水位は、培地のトップから1cm以下までが限界で、その水位よりも上まで培養液を溜めてしまうと、トマトの苗たちが横だおしになり、ぷっかぷっかと漂流し、培養液が排水された後はまるで台風の後の田んぼのようになってしまいます。

























ちなみに、フラッド&ドレイン・システムは培養液のフラッド側(IN)よりも、ドレイン側(OUT)のほうの径を大きくするとGOODです。

ドレイン口のスクリーンが、ちぎれた根っこや培地などで目づまりを起こして排水スピードが遅くなり栽培テーブルから培養液があふれてしまうトラブルがなきにしもあらずなので、ドレイン口を19mmや25mmの大きめな径にしておくとよい、ってぇことです。

※あたりまえですが、ポンプがとまったあと栽培トレイにたまった培養液がゼンブ排水されるのは「フラッドぐち」からとなります。なのでリザーバータンクにもどってくる培養液中の異物をことしるインライン・フィルターは、ポンプのすぐ上=フラッドぐちのほうにつけておきます。

























つぎに、フラッド時に使う循環ポンプの大きさですが、「リザーバータンク」から「栽培トレイのフラッドぐち」までの高さを汲み上げられればOKなので、揚程の高さでポンプのサイズを選びます(基本的には)。

リザーバータンクの大きさは、最低でも栽培テーブル体積の1.5倍以上の培養液量が入れられるサイズが必要で、既製品のフラッド&ドレイン・システムはそのへんの計算がいらないことと、排水がスムーズにできることが最大のメリットです。





発芽したホワイトセージたちも、すこしずつ「ホワイトセージらしく」なってきました。
























ココ栽培のイチゴたち。ココ培地の表面はすっかり乾いてますが、持ち上げてみるとずっしりと重いので、まだ水やりはしません。

























6リットルのポットにココ培地とイチゴの苗をうえ水やりした直後は、重さが3.4Kgくらいありました。葉っぱがまだ小さいので、大きな葉っぱがでてくるまでは、もうしばらく根っこを伸ばしたいところです。なので重量が1Kgを切るまで水やりを待ちます。

左側のイチゴにツボミがつきましたがまだ葉っぱが小さいので、たいした実にはなりません。葉っぱが小さいうちについたツボミはプチプチと摘花しています。
右側の葉っぱが大きい苗だけツボミを取らずに咲かせるつもりです。




















今年は室内栽培のスタートが遅れたので、このイチゴたちは先月まで屋外で管理していました。室内にいれて急に春のような暖かさになったので、葉っぱの裏で「アブラムシ」たちがビッシリと目をさましはじめてしまいました・・・んがっ!

↓ぷう〜ん、ぷう〜んっっっと飛び交うハムシが!!!  去年アブラムシ対策にGETした天敵農薬「アブラバチ」たちも復活してくれました! 
焦ってケミカルな農薬をまき散らかさなくて、ホントによかったと思いました。





















そして今年は、もうひとつ「ギークでおバカ」なヒミツ兵器が!
















ドライミスト・ノズルを利用した「炭酸水のドライ・ミスト」で保湿作戦です。
炭酸水ミストの生長促進効果のほどは、この寒さでハッキリしませんが、炭酸水ミストを入れた日には、低温に強いレタスの苗が一日でギュンッッッと大きくなってビックリしたことがあります。

※室内でおこなう場合は電化製品が濡れないようにしないといけないので、おススメはしません。