2018年5月2日水曜日

スーパースライブと発根剤で挿し木苗を成功させよう。

 さて、気がつけばもう5月、本格的なガーデニングシーズンの到来です。撒いたり植えたり増やしたり!  



ホビーガーデナーのみなさまは、きっと毎週末お忙しく過ごされているかと思います。そこで今回は、種まき、芽挿し、そして芽吹き、さまざまざまな植物たちのスタートをパワフルにサポートしてくれる資材をピックアップしてみました。



発芽、芽挿しや、挿し木のための資材。



苗のはん殖をサポートしてくれる資材を大きく分けると


  • 発根剤
  • 根の活力剤
  • 活性ビタミン剤
  • 幼苗期専用肥料


上の4種類の資材たちゼンブが、春になって活動しはじめた植物たちの根っこを伸ばして生長を早めたり、発芽を促進したり、小さな苗の根を生長促進します。「根っこを伸ばすためのものなんだから、使い方なんてゼンブおなじでしょ?」と思いがちですが、実は少しずつ違います。







発 根 剤




発根剤:
まず「挿し木、芽挿し」など、まだ根を持たないカット苗に使う「ROOT!T ジェル」は、発根剤にカテゴライズされます。発根剤は、カットした切り口の細胞壁をこわすためのものです。 そして発根作用のある成分を細胞内部にダイレクトに吸収させて、根に変わるカルスをつくるメカニズム。 発根剤は、あくまで切り口にのみ作用するので、切り口をジェルに浸してからクローンマシーンにセットするのが正しい使い方です。 しかし、根っこがでた苗や発芽苗には必要ありませんし、葉面スプレーで与えることには意味がありません。


発根促進スプレー:
これらの苗に葉面スプレーで与える「ROOT!T カッティングミスト」と、「スーパースライブ(SUPERthrive)」は、気温の変化や植えかえによるダメージやストレスから植物を守り、活着をはやめて植物の健康をトータルでサポートするビタミン剤です。 
ROOT!T カッティングミスト」は、挿し木枝や芽挿しの葉っぱにスプレーして葉や茎に含まれる余分なチッ素成分を減らすことで、発根率をアップさせます。
濃縮ビタミン剤スーパースライブ」は、葉面スプレーはもちろん、希釈してクローンマシーンの培養液として与えると発根が早くなります。





根 の 活 力 剤

根の活力剤である「ルート・スティミュレイター」、「リゾトニック」、「フィッシュボーン」は、根っこや葉っぱから吸収させることで、根の細胞を大きくしたり分裂させたりして根を増やす効果があります。根の活力剤たちの有効成分は、根っこ、または、葉面からしか吸収できないので、発根するまでは葉面スプレーで与えないと植物は吸収できません。






つまり根の活力剤は、クローンマシーンの培養液に入れても、あんまり意味がないのです。カット苗が発根するまでは、根の活力剤の希釈液を毎日葉面スプレーするのがベストです。 そして、根出たく発根したら、培養液として与えるのが正解です。

一方、発芽苗は、すでに根っこを持っているので、葉面スプレーだけでなく水やりで与えることができます。






挿し木、挿し芽での基本的な使い方

STEP : 1

まず水1ℓに「キャナ・スタート1ml」、「スーパースライブ0.25ml」、「リゾトニック4ml」をくわえ、pHダウン剤でpH値を5.5〜5.8に調整した培養液に、カットした新芽か横枝を浸し、枝に吸収させます。(リゾトニック以外の根の活力剤でも大丈夫です。)




STEP : 2

STEP : 1と同じ培養液を、発根培地にたっぷりと含ませます。




STEP : 3

つぎに、新芽や挿し木の切り口を発根剤ROOT!T ジェル」に浸したら、手際よく培地にセットしていきます。培地に挿した面を指で軽くおさえて枝や芽がグラグラしないように固定します。


















STEP : 4 

根っこがでるまでの約1〜2週間は、湿度を高めに、しかし蒸れないように見守り、1日数回、「ルート・スティミュレイター」、「リゾトニック」、「フィッシュボーン」いずれかの根の活力剤と「スーパースライブ」を加えた希釈液を葉面スプレーします。







暑い季節や発根しにくい植物の場合は :
発根しにくい部位や植物の場合は、発根するまで長丁場となります。STEP : 3まで同じですが、気温が30℃くらいになる季節は、室内で管理すると蒸れて腐りやすくなってしまいます。

関東では5月以降は、このような大きなプランターや植木鉢の土の上で、半日陰になって風通しの良い場所に挿し木のポットを置いて、培地がカラカラに乾かないように毎日見ててあげると、一定の湿度、光、酸素が保たれて発根しやすくなります。








湿度を高めに保つと、よい理由
挿し木や発芽苗の管理で、湿度を80%〜90%と高めに保ったほうがよい理由はいくつもあります。挿し木の場合は、葉や苗の細胞を乾燥から守るためですが、湿度が高いと細胞の分裂がさかんになる、細胞の老化を防ぐ、傷口の修復が早まる、といった効果があります。

さらに、湿度が高いと葉うらの気孔が開きます。

気孔が開いている時に活力剤を葉の裏にスプレーすると、養分が気孔からさかんに吸収され根元に送られて根がつくられます。葉面スプレーされた養分は、クチクラ層からも吸収できますが、気孔の数が多い若い葉っぱからは、多くの養分を吸収できるので、新芽や若葉を中心に葉面スプレーしたほうが効果的です。




















2018年5月1日火曜日

初夏に強いLEDと横浜フラワー&ガーデンショー

いよいよいよいよ5月に突入しました。初日から暑いです。
ゴールデンウィークといえば、毎年夏日がやってきて留守中の庭をことごとくカラカラにしてしまうタイミングです。

毎年の秋からスタートさせる室内栽培も、例年ならゴールデンウィークで終了させてしまいます。なぜならHPSランプを点灯させていると、ランプ熱と光が暑すぎてウザすぎて仕事に差し支えるからです。


しかし今年は、フルスペクトラムのLEDで育てています。
PLESSY ハイペリオンLED400Wで育つパプリカたち。
























LEDは、HPSランプのように環境温度が上がりすぎないので、植物は呼吸のための糖分の浪費をせずにすみ、従来のHPSランプよりも糖度、栄養価、果肉、重量、すべてのクオリティーがあがります。







SANlight LED S2W(62W)ひとつと、SANlight S4W(140W)で育てているミニトマトの挿し木たちは、現在一番最初に咲いた第一果房が房なりに実り、8段目の花房が咲きはじめました。
























それもこれもフルスペクトラム放射のLEDと、GoGo自動底面吸水システム & エアロポット、という栽培効率がマックスになるコンビネーションのおかげです。








LEDのグロウランプを使うと、グロウルーム内は外の温度とほぼ同じ28℃。必要以上に室温が上がりすぎないし、フルスペクトラムのLED光色は、仕事中に視界に入っても「なんか夏っぽい光だな〜。」と感じるだけで、まあっっったく気にもなりません。なにより、強い光が必須な夏野菜どもを、高品質で高収穫に育てるためのグロウランプは、「フルスペクトラム放射!!!」であることが新常識となりました。






さて、話は変わって「日本フラワー&ガーデンショー2018」に行ってきていました。 はっっっと気がつけば、開催された日から、すでにもう半月も経っています。今年のテーマは「あじさい」。



















「これはまずい、かたっぱしから欲しくなりそうだ」と、ウキウキして会場に向かいましたが、日本有数の観光名所である「ヨコハマ・みなとみらい」をナメきっていたせいで、会場から植木鉢を抱え込んでたどり着ける距離の駐車場はすべて満車に次ぐ満車。アジサイはおろか、花一輪すらGETできず帰るはこびとなりました。どおりで、来場されたマダムたちの多くが、キャリーカートをご持参あそばされるわけです。




水彩画のような色彩を持つガクアジサイに・・・


















やさしいやさしい水色のガクアジサイ「空色のしずく・ブルー」




















「イチゴが、さっぱり育たないぞ〜!!!」という叫びが聞こえてくるほど、栽培の難易度がをあげてしまう「ストロベリーポット」。下段の小さなポケット部分だけが、先にカラカラに乾いてしまうのに、水やりすると滝のように流れ出す水とともに土も流れてしまいます。
「ああ、そうか!!! 多肉の寄せ植えなら、水やりもそんなにいらないから、ストロベリーポットがステキにデコレーションできるなぁ!!!」と納得。























ちなみに、私のストロベリーポットのイチゴたちですが、先週末から1日で水切れを起こすようになったので、受け皿を下に置いて水をためておき、底面吸水にすることで大正解となりました。1日でしおれてしまうような陽気になったら、ポットの下に「スクエアソーサー」や「ラウンドソーサー」のような底が深めな受け皿たちをしいて水を溜め、底面吸水すると安心です(1日ですぐに乾くような状態でないと、底面吸水は根腐れの原因になります)。























毎年新しい発見がある「日本フラワー&ガーデンショー」、来年も訪れたいと思います。



















2018年4月24日火曜日

ミツバチがくる庭。無農薬or減農薬で育てつづけたい。

桜の開花が例年よりも1週間以上も早かった今年の春、バラのツボミも早めに開きそうです。 今年はスーパースライブを葉面スプレー中心で与え続けているおかげか、庭の花々の調子がことごとくベストです。


















 そんな庭先に毎日やってくるキジバトを、家の中からバラごしに熱心に見つめているウチの次男ネコです。「ゼッタイいつか、あいつをつかまえてやる・・・オレの縄張りででかいツラしやがって!!!」という意気込みは感じますが、直接対決する時には、おそらく一目散に逃げ出すことになるでしょう。






ウサギになるとポーズを決めてくれるムスメネコ。何ヶ月ものあいだ、ガチャガチャをさがしまくり、最近になってやっとこのウサギ耳をGETしました。




















長男ネコは、マイペースなトッピングハンターです(全員分のご飯のトッピングを食べてまわる)。

















オモチャ箱のなかにしまっておいてあるマタタビの実をかぎつけた母ネコ。植物にもネコにも一番すごしやすい季節になり、朝起きてから仕事に出かけるまで、寝坊して一度も顔を見せないときもあります。























新芽がでて葉が展開するこの季節は、害虫も動き出すので、できるだけ農薬のお世話にならないためにも、いかに根っこをたくさん伸ばして丈夫に育てるかが、とても大切ですよね。

























ストロベリーポットに何年も植えっぱなしのイチゴどもも・・・生態系にいっさいの悪影響を与えることなく、植物の根を伸ばして養分吸収量豊富なプラントに育ててくれるスーパースライブを葉面スプレーしてます。




























天気のよい日には、イチゴの近くで満開になっている蜜源植物のひとつ「ボリジ」に、ハナバチたちがたくさんやってきます。すばしっこく飛び回るヒゲナガバチと・・・



















すきあらば、人の指先に止まって毛づくろいを始める、ひとなつっこい西洋ミツバチは常連の顔ぶれです。



















ラビットアイ系のブルーベリーも、大量に咲いた花がことごとく受粉しています。
























それもこれも、毎年ここに蜜を吸いにやってきてくれるクマバチのおかげです。蜂たちのためにも、イチゴやブルーベリーには農薬をつかっていません。




















新苗や大苗でGETしたバラたちも、3年目を迎え、そろそろ「農薬必須」な段階をすぎました。


















バラだけでなく、すべての植物は水やりのタイミングをまちがえないことが大切です。 土の乾きが遅い気温だった3月までは、水やりでスーパースライブを与えるチャンスがとても少なかったので、3日に一度のペースでスーパースライブを葉面スプレーしていました・・・なるほど、プランター内でひろく根が伸びるからチッ素以外の肥料もバランスよく吸収できるようになるようです。テリのある厚い葉がでるだけでなく、ガッシリした茎が育つようになりました。



























しかしツボミを出し始めてからは、バラに大きなストレスがかかるのと同時に、害虫たちの活動もますます活発になる時期です。
























風通しの悪い場所に展開していた葉に、ウドンコがでました。カビ病には、まずはあせらず55℃温湯をスプレーしながらカビ菌を指でこそげおとしてから、病気がでた葉を中心に、クリスタルアップ1000倍希釈液をスプレーすると、葉中のpH値をあげることができるので、カビ病の原因となっている亜硝酸チッ素が流転されやすくなり、葉の細胞壁を丈夫にできます。
























そして、グングン育てたい新芽に不足しやすい肥料が「カルシウム」と「マグネシウム」、そして「微量要素」です。これらの肥料成分は根から吸収されても新芽まで届きにくいので、「カルシウムとマグネシウム」が不足してもウドンコなどカビ病が出やすくなったり、害虫に食べられやすくなったり・・・と、さまざまざまなトラブルが出やすくなります。

カルシウムとマグネシウムを効果的に補うことができるのが「カルマグルト」、そして吸収率が高い微量ミネラル資材が、「トラッキン'」です。 日本の水道水は欧米諸国と比較すると「カルシウムとマグネシウム」の含有量が低いので、普段の水やりにはカルマグルトをコンスタントに1000倍希釈で与えてます。


























新芽に不足しやすいこれらの成分を、速攻で吸収させるには、葉面スプレーがベリーベストです。「カルマグルト」と「トラッキン'」は、それぞれを1000倍希釈で、朝か夕方の直射日光が当たらない時間や場所で、3日に一度ほど新芽の葉ウラを中心にスプレーしています。クロロシスやカビ病などが出ている場合は、もちろん「スーパースライブ」もプラスするとベターです。(1000倍希釈は厳守です。)





















ところで、今年も咲かなかったロウバイの根元に違和感を感じて目を移すと・・・リーフレタスが育ってます!!! 「葉もの野菜は、毎年欠かさず花を咲かせるまで放置してきたかいがあったなぁ。」とズボラな性格を反省することもなく、ラッキーな気持ちになりました。



























さて、庭の花々や果樹がGWまでせっかくいい感じで育ってきたのに、夏日の水切れでダメにしてしまった経験が少なからずあります。 そこで、エアロポットで育てているブルーベリーは、底が深く水が張りやすいスクエアソーサーで底面吸水栽培にチェンジしました。ブルーベリーは水が大好きなので、受粉してから夏日の暑さで水切れをおこして果実がしぼんでダメになってしまうということが多いからです。

























ブルーベリーの花々は、大部分が受粉してしまったので、せっかくクマバチたちが蜜を吸いにきても、開いた花が少なくなってきてしまいました。

























そんなタイミングで、去年の秋に蒔いた「クリムゾン・クローバー」が赤くかわいらしい花を咲かせ始めてくれました。これで蜂たちをガッカリさせずにすみそうです。緑地全体に一面に咲きそろった赤いクローバーの花は、みごとです。




















「クリムゾン・クローバー」は、マメ科で緑肥になります。よぶんな肥料や農薬をばらまかなくても、自然と花木が健康に育つ土壌になるといいなと思います。

2018年4月17日火曜日

フルスペクトル白色LED「プレッシー製ハイペリオン・ホワイト402W」

現在LED照明は、植物育成用ランプとしての性能がグングンあがり、施設栽培だけでなくホビーガーデニングでも、ますます定着してきています。「とりあえず、なにもランプがない状態よりはマシなLED」というレベルは、遠い過去のこととなりました。

そもそもLEDレンズは、HPSランプやMHランプよりも長寿命なうえ、光るしくみが従来の照明とは違うので発熱量が少なくてすみます。 発熱が少ないと、植物に接近して当てられるので、スペース面では高さの節約にもなるし、光のムダも少なくなります。

つまり栽培用LEDは、HPSランプのようにトップの葉っぱが焼けてしまうといった熱によるダメージの心配もなく、しかも省エネ・・・ということが一番のメリットでした。

しかし、最新のハイエンドな栽培用LEDのメリットは、省エネだけにとどまりません。性能も値段も高いLEDほど、実はコストパフォーマンスに優れているのです。
HPSランプよりも少ないワット数なのに「収穫量と品質をグレードアップさせることができる!」からです。








その理由は、「光合成に有効な光の波長 〜PAR〜 の範囲をすべて放射できるフル・スペクトル」だからです。ムダとされてきた緑色周辺の色の光もふくめた光を放射できるランプのほうが、植物の光合成効率が高くなるので「収穫量と品質のグレードアップ」できます。 


さて、SANlight LED  S2WとS4Wは、どちらともあたたかみを感じる温白色をしたフルスペクトルの光放射です。










そして、新登場の「PLESSEY Hyperion Full Spectrum White 402W」は、白色の光を放射するLEDですが、この白色光にも「光合成に有効な範囲の光の波長 〜PAR〜 」すべての光の色がふくまれたフルスペクトルになっています。 







ということで現在、栽培用ランプの世界的な最新スタンダードは、

フルスペクトル放射できるランプ

となりました。





ということで、プレッシー製ハイペリオン」の1.8μmol/Jという数値は、MHランプのPPF効率とほぼ同じはあるのですが、ここで注意しなくてはならないことは、光合成効率のよさは「スペクトル=分光分布」で変わってしまう、ということです。HPSやMHはPPF値が高くても、特定の波長だけを強く放射するので、PAR範囲の中でほとんど放射していない波長ができてしまいます。

そのため、従来のMHやHPSとPPF効率が同じだとしても、ランプが放射するスペクトルが違うと、光合成効果の高さも変わってしまいます。







一般的なインテリア用の高演色白色も同じ白色に見えますが、「プレッシー」の分光分布と比較してみると、「プレッシー」は650nm〜700nmの範囲の赤色の放射が豊富で光合成効率が高いといえます。







人の目にうつる印象で言うと、「プレッシー・ハイペリオン」は、
MHランプのような青みの強い光の色で・・・






SANlight LEDの光の色は、温かみを感じるHPSに似ています。










・・・ところで、SANlight LED S2WとS4Wで育てているミニトマトのツルがあばれています。 今日こそ誘引せねばなりません。 誘引は、栽培ランプの光を最大限に活かすために、とても大切な管理です。








タテ方向にのみ、コンパクトなボデーのワタシが最近重宝しているグッズ「ロングSカン」です。このように、天井部分にわたしたメッシュパネルからカタツムリのようにぶら下げてある誘引具「グロウ・ヨーヨー」。 ステップ台や脚立をズリズリと持ってこなくてもロングSカンで、手の届かないところにあるグロウ・ヨーヨーをひっかけて手元に引き寄せて、トマトを誘引できます。




手が届かない場所に伸びてしまったトマトのツルを引きよせたい時も、ロングSカンが強い味方です。ちなみにMade in Holland のグロウ・ヨーヨーは、テンションが強めで、しっかりしたつくりになってます。





そして先日、グロウ・ヨーヨーを使った、こんなステキなディスプレイをめっけました。