ということで、前回の
に引きつづいて、いよいよ米ぬかを使った
Bug Frosta の拡大培養ステップのご紹介です。
米ぬかの個体発酵になれている方ならば
バグ・フロスタ80g 一袋から・・・
手間と時間をいとわなければ、最終的に3Kgくらいまで 拡大培養ができます。
まずは、
バグ・フロスタ80g を 1リットルまで拡大培養します。 これ以上だと失敗しやすいので、欲を張らずに 1リットルまでにとどめてください。
材料は :
- 米ぬか 1リットル
( 鮮度が大切なので、ご近所の精米所で入手できる米ぬかがベストです。)
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- 水 250ml
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- 1.5リットル前後のプラスチック容器
( 量が多い場合、紙袋を使うことが多いようですが、米ぬかの量が少ない場合は、保水性が高いプラ容器の方が、確実に活性化します。)
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STEP : 1
発酵に使うプラスチック容器は、食器用洗剤で洗ってください。
油分を含んだ米ぬかは、水分をはじいてしまうので、水は少しずつ加えては混ぜ、全体になじませてください。
このときの水加減は、とても とても とても とても 大切です。
手でにぎった時に、指から水分はしみでないけど 米ぬかは ほぐれない・・・くらいがベストな水分量です。 水分が多すぎると、青カビなどが優勢となりやすいので失敗します。
できあがるまでの間は、直射日光があたらない場所で 酸欠にならないように保管します。 プラ容器は、かならずフタを外した状態で ダンボール箱や木箱のなかに置いてください。
STEP : 2
それから数日後(この時は5日目でした)、紙袋の上に 目安で置いたフタに水滴がつきはじめました。
バグ・フロスタの活性化が本格的にスタートして温度が上がり、水蒸気が上がりはじめたサインです。 容器は、あたたかくなります。
中をのぞいてみると、
バグ・フロスタの菌糸が白く張っています。
いったん菌糸が張りはじめたら、発酵はまったなしで進むので、1日一回は のぞくようにしたほうがいいです
STEP : 3
翌日か、翌々日になると、
バグ・フロスタだけでなく、米ぬかにもともと着いていた こうじ菌なども活性化しだします。 米ぬかは、どんどんゴロゴロとしたコロニー化が進みます。
この時、じつはプラ容器の底のほうが、醗酵がぐんぐん進んでいる状態です。 底の部分は水分が多いからですが、そのままにしておくと、過発酵で酸欠になってしまいます。
一方、空気に触れている表面の米ぬかは、水分の蒸発がすすみ、カピカピに乾いてきます。 米ぬか全体の 酸素量と水分量を均等にしないと、発酵がバラバラに進んでしまうため、ここで水分補給と 米ぬかの切り返しをおこないます。
まず、手で触った時に、表面がパリパリに乾いていたら、少量の水をスプレーして水分を補給します。 たくさんスプレーしすぎると、腐りやすいので、表面がしっとり湿る程度にとどめます。 スプレーは、この時の一度だけです。
スプレーしたあとは、底の部分を表面に持ってくる要領で 切り返しをしておきます。
これから毎日、底の部分の色をチェックしてみて、湿った色になってきたら、底の四すみを表面に持ってくる要領で 切り返してください。 「湿った色って、よくわからないな? 」の場合は、1日一回切り返しをすれば、まちがいないです。
STEP : 4
スプレーしてから、5日たちました。
米ぬかは、さらに大きなゴロッとした かたまり に変化してきます。
バグ・フロスタの活性化がすすむと、もともと米ぬかに住んでいた こうじ菌、乳酸菌、酵母などの有用菌もさらに活性化するので、黄色やピンク、黒など菌糸がカラフルになります。
- すぐに使う場合は、ここで活性化を終わらせます。
- 活性化させた バグ・フロスタ を長期間保存したい場合は、STEP : 5 にうつります。
土壌や培地の深さ10cm以内に、活性化した
バグ・フロスタ を
カタマリのまま入れて、必ず土をかぶせて直射日光から守ってあげれば、1週間から10日で菌糸が現れます。 カタマリは、有用菌のカタマリなので崩さずに土に入れることがポイントです。
この菌糸は、数日で消えますが、共生菌のコロニーをはじめ、病害菌をおさえる拮抗成分や 植物ホルモン、養分、酵素群は残るので、土壌も植物もパワーアップできます。 月に一度ほど、親指大を2〜3個入れつづけます。 多く入れすぎると害が出ることはありませんが、少しずつ継続して与えた方が、土の健康を保つことができます。
STEP : 5
活性化させた
バグ・フロスタ を長期間保存するための最終ステップです。
全体を乾燥させて、
バグ・フロスタ を休眠状態にします。
紙袋に入れて、完全に乾燥したら、ガラス瓶やビニール袋に入れて酸素に触れない状態で保存します。 高温や直射日光をさけて、だいたい1年以内に使い切るのが、ベストです。
おまけのステップ
今回は、拡大培養後に休眠させておいた
バグ・フロスタ をさらにふやしてみました。ここからは、「分量とか手順は、ほぼ経験値にたよることになり、やってみないとわからない」領域です。
タフぶねに、米ぬかを3Kgくらい、休眠させた
バグ・フロスタ を500g〜1Kg、水を600ccくらい よく混ぜ合わせてから、通気性のある紙でフタをしておきました。
菌糸が張りはじめてから、油断して切り返しを忘れると、水分が多い部分で過発酵が起こり、酸欠のせいで変色させてしまいましたが、だいたい2週間くらいで使える状態になりました。 このバグ・フロスタどもは、先月のうちに、ホップだのバラだの根元に、ザクザクと使うことができました。
栄養価が高い米ぬかには、もともと菌類がたくさん付着していますが、
バグ・フロスタの有用菌は、とてもとても強いので
バグ・フロスタ80g からスタートさせれば、毎回同じ効果の拡大培養ができます。拡大培養するたびに菌類の顔ぶれが、少しずつ変化してしまうので、
バグ・フロスタ80g の拡大培養を確実に種つぎできるのは、2回ほどまでが限度です。
発酵のスターターは、
バグ・フロスタがつとめますが、その後プロセスが進むにつれて、コウジ菌、乳酸菌、酵母などが活性化をはじめるので、最終的に共生菌と有効成分のカタマリへと進化します。
植物へのメリットは、土壌中、培地中の菌類の顔ぶれを豊富にして、過剰な有機物質や肥料を低分子化して、さまざまざまな養分、ホルモン、酵素群を作り出すうえに、様々な病原菌や連作障害のリスクを根絶するので、農薬や肥料を乱用せずとも、健康でおいしくたくさん美しい花や果実が楽しめる、生態系を豊富にするメリットにもつながるってことです。
さらに、米ぬかなどを使った「固形培養」のメリットは、液体培養では(なぜか)絶対につくられない、固形培養特有の有用成分を 酵母が作るんだそうです。