2010年12月2日木曜日

「肥料」or「活力剤」チガイはナニ?

昨日の有機チッ素と無機チッ素のおハナシのながれから、本日は「肥料」と「活力剤」のチガイは何かな? をカンタンに・・・

まず「肥料」はなにか? という答えは、ほんとにイロイロあるんですが、農水省が肥料として保証してくれる条件のひとつが「植物がそだつのに必要な必須元素のうち酸素・水素・炭素を抜かした13種類 + ケイ酸などのどれか・または同時にいくつかを法律で決められた量以上ふくんでいるもの」というものです・・・
Wikiのほうが正しく説明してくれます。

さらに肥料を水と混ぜたとき「ほとんど溶けない/ナントカ溶ける/あっという間にではないけど溶けやすい/すぐ溶ける」と性質に違いがあって、それが「不溶性肥料/ク溶性肥料/可溶性肥料/水溶性肥料」ってやつです。




で、ハヤバヤと結論を申し上げますが「水耕やココなどの養液栽培で植物を育てるんなら肥料は無機肥料(=化学肥料)で、活力剤は有機がベスト・・・いまのところは」だと思います。

 土壌や培養土で植物を育てるんなら、何ヶ月もかけてユ〜ックリと溶ける不溶性やク溶性の肥料を施しても、

微生物のはたらきとか根っこからでる根酸でジワジワと溶けてきて植物は肥料にありつけますが、水耕栽培だとそれがほとんどムリなんです。培養液だと微生物のヘルプが期待できないので、根っこがすぐに吸える状態まで小さくなってる肥料を与えるわけです。




そもそも水耕栽培のはじまりが「土をつかわずに清潔に植物を育てたい! だってどこの国に行っても生野菜のサラダ食べたいし」というニーズだったわけですし、微生物や昆虫、堆肥、下肥など不衛生だと考えられていたものから植物を切り離して育てるのが水耕栽培の目的だったからです。


なので「肥料は、水に溶ける水溶性の化学肥料がベストだね!」ってわけです。そして1930年代に米国カリフォルニア大学で現在の水耕栽培技術ができてから、かれこれ80年ちかく経っちゃった今では「水耕栽培なのに、無機チッ素よりもアミノ酸の有機チッ素で育てたほうがたくさん穫れました。」というデータもあるみたいなんですが、チッ素源をアミノ酸100%にしちゃうと、ただでさえ高い水溶性肥料よりもお高めなプライスになっちゃうし、まだまだ一般的には実用段階ではないそうです。















で、一方の「活力剤」ってのは、分かりやすくいえば「必須元素などを含んでいるけど肥料として保証できる量がない」または「肥料を含んでなくても植物を活性化させて生長促進効果のあるもの」をいいます。

観葉植物だと「原液のまま与えるだけ」の低濃度の肥料をふくむアンプル剤が流通してますが、それも「活力剤」っていうカテゴリーに入ります。














で、ここ数年アンプル剤ではない後者の「活力剤」がでてきてますね。それは「植物がじぶんでガンバってつくるものを、あえて与えてあげて体力を温存させてゲンキにオイシく育つお手伝いをします」っていうカンジの活力剤で、肥料成分はほとんど入ってないので必ずベース肥料とセットで与えるタイプです。



「植物がじぶんでガンバってつくるもの」には、無機チッ素を吸ったあとにつくる「アミノ酸」とか「タンパク質」や、光合成でつくる「炭水化物」とか「有機酸」とか動物でいえば骨のかわりになる「繊維質」や、そのほかにも「ビタミン」「植物ホルモン」「酵素」などなどなどなど・・・
 なので後者の「活力剤」には、上記の有機質なものが多くて、ちょっと前までは分子が大きすぎて吸えないからムダといわれたようです。

が、けっこう吸えてるし吸わしたほうがゼンゼンいい!!という結果がいっぱい出てきました。







実際ワタシも有機活力剤をあげてて「ほほーっ、葉っぱがピーンとたって厚みがでてきたよー」「根っこがすごく張ってる!」と思ったことイッパイありましたし、なによりイチゴやお米なんかは、オイシく大きくなりました!

ただ、水耕栽培で有機活力剤の効果が実証されたのはいいんですが、「有機 or 無機」というバッサリしすぎたカテゴリーばかりが先走って駆けめぐり、欧米では「有機と無機、どっちがいいの?」と、プチ混乱が起きました!

で、今日いちばん言いたかった結論にもどりまして、やっぱり「水耕栽培では、肥料は無機の化学肥料、活力剤で有機成分のよさを補ってあげるってのがベストだと思います」です。

ちなみに化学肥料も有機肥料も入れすぎれば肥料過剰になりますし、化学肥料の無機原料は石油由来のものもありますが、じつは天然の鉱石を砕いたり溶かしたりしてつくられたものが多いです。そして水耕でつかわれる水溶性の肥料は精製度が高めなので値段も高いですが、重金属などの不純物を含みにくいんだそうです。ちなみに土壌ではアルミなどの軽金属があっても植物は吸わないように自分で防御できるし、重金属があると植物は吸ってしまいますが、微生物がゲンキな土壌ならば浄化作用でじょじょに無害化されたりします。

ところで「有機活力剤」って「根っこ用/生長用/開花用/肥料ぬき用」に別れていることが多いです。

次回は、このチガイについて・・・












ちなみに今日の写真は、「あいかわらずアブラムシとかが花にいっぱいでていて、バラのツボミなんかアブラムシのだす糖分でベットベトになっちゃってるけど、植物じたいがゲンキなら、ちょっとムシが出ても大きな花がつくからヘッチャラ。」と自分に言い聞かせているものです。

2010年12月1日水曜日

はたらく葉っぱ、はたらかない葉っぱ

週末にGETしたイチゴの苗「あかねっ娘」をさっそくココ培地に植えかえました。
今朝で植えかえてから3日目、ゲンキなご様子です。











イチゴやバラなどは、根元を深く植えこみすぎると息がつまってしまうタチのようです。

イチゴの苗の根元は王冠みたいに新芽が広がるからなのか「クラウン」っていうそうです。

イチゴの苗を植えこむときは「クラウン」に土がかぶらないようにするのがコツだそうです。







ミニバラのコーヒーオベーションは、蛍光灯からHPSランプへチェンジしたとたんにツボミがボワッと、ホントにボワッとでかくなりました。
HPSランプってのは、トンネルや高速道路でオレンジ色に光ってるランプのことです。

HPSランプだと植物の色がまるっきし変わっちゃうので蛍光灯の下で撮影しました。
HPSランプに変えて光が強くなって温度も高くなったし、先週バラにもハダニがでたのでハーピン・タンパクをスプレーしました。光合成量と養分がふえたのでツボミがでかくなったんだと思います。



ミニバラにツボミがついて、葉っぱがしげりすぎてくると、たいがい「ハダニ」がお出ましになります。ということでハダニも増やしたくないのでミニバラの「葉かきと芽かき」をしました。虫が増える前に、ちゃんとやっておけばいいものを・・・といつも思います。

 「葉かき」ってのは、ズバリ葉っぱを間引くことです。

光が当たらない影になってる葉っぱは、ほとんど光合成してないうえに、ほかの葉っぱがガンバって光合成してつくった炭水化物を食べちゃうだけの「はたらかない葉っぱ」といわれてます。









老化して茶色くなった葉っぱも葉緑素がないので光合成しない「はたらかない葉っぱ」だそうです。














はたまた、新芽から広がる新しい葉っぱも、人間でいえばまだお子ちゃまなので「はたらかない葉っぱ」で、もっぱらほかの葉っぱから養分をもらわないと大人になれません。

「芽かき」ってのは、出てきた新芽を間引くことです。

こんなふうに根元から出てきた新芽いがいにも、

ほかの枝とぶつかりそうな方向にでてきた新芽や、いっぱい出すぎてゴチャゴチャと混み合いすぎてる新芽を取りのぞいてます。







ということで、葉っぱってのは、あればあるだけ全員がフル稼働で光合成をして「はたらいてる」わけじゃないんですねー。人間や動物とおなじように幼い葉っぱは、養分をもらわないと大きくなれないし、歳をお召しになって老化すればキビキビと「はたらける」わけもないっていうことのようです。

「効率のよさ」を最大限に意識するオランダのトマト施設栽培などでは、日射の少ない冬にはわざと葉っぱを減らして光合成でできる炭水化物の「ムダ食い」をふせぐんだそうです。
日本でも「ブドウ」や「リンゴ」などの果樹では、花についた実を大きくするために、枝の先端のほうの若い葉っぱをわざと落として、実に養分が集中するようにコントロールしてるそうです。

葉っぱが多すぎるのか、少なすぎるのかの目安を数字にしたのが「葉面積指数 LAI = Leaf Area Index 」といわれてます。「LAI」は、たとえば植物に生えてる1㎡ぶんの面積の葉っぱをきりとって、その葉っぱどうしが重ならないように地面に並べたとき、葉っぱの総面積がどのくらいの広さになるかな? ということだそうで、例えば地面に葉っぱを重ならないように並べた総面積が1㎡の場合は、植物から切り取った面積と同じになるので「LAI は 1」です。

で、ベストな「 LAI 」は3〜4だそうで、植物の1㎡ぶんの葉っぱをきって地面に並べたら葉っぱの総面積が3㎡〜4㎡になるといわれてます。でも、果樹園の生産者さんたちはいちいち葉っぱを切って測定できないので「LAI測定器」みたいなもので管理してらっしゃるそうで、それはオランダの施設栽培でもおなじなようです。

こうして「はたらかない葉っぱ」をとりのぞいて収量をあげる方法は一般的ですが、「ウチは葉っぱが古くなっても、わざと残してるよ。老化した葉っぱは夜間に根元にたまる湿気を吸ってくれるからカビを押さえてくれるし、まだ緑色で厚みがあればちゃんと光合成してるんだから、ムリにとっちまう必要はないよね。」というイチゴ生産者さんも少なからずいらっしゃいます。
また、家庭でトマトなど光がイッパイいる「果菜類=かさいるい」を育てる時も、誘引して全体の枝にマンベンなくお日様がよくあたるようにしてあげれば、ムリに葉かきする必要はないんじゃないかな?と思います。なにしろ肥料が足りなくて枯らしちゃうヒトよりも肥料をあげすぎて枯らすヒトの方が多いくらいだからです。

とくに水耕栽培など「肥料はじゅうぶんにあげられる!」育て方は、ムリに葉かきなどしすぎたりして葉数がすくないと光合成運動量が少なくなってしまいます。たっっっくさん食べてるくせに運動しないと病気になるのは人も動物も、そして植物もおんなじなんですねー。


ところで、どうしても納得できないことがあります。

植物の「光合成運動」ってのは、ものすごくカンタンにいえば植物が光エネルギーと二酸化炭素と水を吸って「6コの炭素 + 12コの水素 + 6コの酸素=炭水化物(C6H12O6)」」に変えることなんですが、ワタシたちがたべてるお砂糖も、植物が光合成運動してできたものばかりです。

でもなんで、炭素と水素と水がひっついた「炭水化物」をたべただけで人間は太っちゃうんでしょうか!!! 溜まった脂肪を体内で自由自在に炭素と酸素と水素に分けられるダイエット・サプリメントを誰かに発明してほしいとつくづく思います・・・あ、植物とおなじで、運動すればいいんですねー。

2010年11月30日火曜日

有機チッ素と無機チッ素

先週末からイチゴの「花房=かぼう」に、またまたアブラムシだのコナジラミだのがフワフワとまとわりつきはじめたので、ハーピン・タンパクという「害虫忌避剤」を葉っぱに散布してみました。


ハーピン・タンパクってのは、農作物に発生した害虫が合成するタンパク質のことで、植物がこのタンパク質を感じると、免疫力を強くするディフェンス・スイッチをONにします。ついた虫を殺す効果はありません。
















なので、ホントは「害虫が発生するまえに定期的にスプレーすると、虫がついたと勘違いした植物が免疫を高めるので虫がつかなくなりますよ」というものなので、害虫が発生する前に定期的にスプレーしておくというのが、つかい方としては正解です。














ですが、タンパク質やアミノ酸なんかの「有機チッ素」は根っこから吸わせるよりも「葉面散布=ようめんさんぷ」したほうが植物はよく吸えて、それはハーピン・タンパクも同じで、ハーピンを吸えば植物にとって養分として使えます。植物からしたら有機窒素を吸った方が、のちのち自分でやらなきゃイケナイ手間がはぶけてラクなんですが、無機チッ素よりもでっかくて根っこからは吸いにくいので「しかたなく無機チッ素を吸ってる」感もあるそうです。
そして今回スプレーした「ハーピン・タンパク」資材には鉄なんかの「微量元素群」も入っていて、実はこっちの成分の方が本命だったりなんかします。


植物がいっちばんタクサン必要な肥料はチッ素なのに、植物には空気中に80%もある気体チッ素は固まりすぎてて吸えないので、土壌中の微生物や菌が「気体のチッ素」を「無機チッ素」にチェンジしてくれてはじめて、植物は肥料としてのチッ素をGETできるんです。
この微生物の働きのプロセスを「チッ素固定」っていいます。

「気体チッ素」を「無機チッ素」へと固定してくれるアリガターイ菌で有名なのは、マメ科の根っこにすみつく「根粒菌」です。なので肥料を減らしたい生産者さんは、クローバーやレンゲなどのマメ科植物を畑に植えてチッ素代を節約したり土をフカフカにキープしてりできてます。ただ、悲しいことに「根粒菌」は肥料過剰な土や農薬の散布で、いともカンタンにメキメキと減ってしまうので、「肥料の過剰施肥や農薬散布は、有用菌も減っちゃうから、ますます肥料と農薬がいるようになって悪循環のはじまりだよ」という説もでてくるわけです。


で、水耕やココなどの養液栽培では、硝酸態やアンモニア態の無機チッ素を水に溶かして根っこから吸わせてます。

ものすごく乱暴にいうと、植物は吸った「無機チッ素」に炭素だのアレコレとひっつけて、さまざまな「アミノ酸」や「タンパク質」の「有機チッ素」を合成してまして、これを「チッ素同化」というそうです。







植物の体内で同化された有機チッ素は、新しい葉っぱや根っこや花や実など植物のカラダのもとになったり、「オーキシン」「サイトカイニン」などの大事な大事な植物ホルモンにもなります。

なので植物が「チッ素の同化」をすればするほど早くゲンキに育つしたくさん花も咲いて実もおっきくオイシくなるので、ものすごぉ〜く大切なんですが、無機チッ素をグングンと同化するのにはイロイロと材料が必要なわけで、その材料とはズ・バ・リ!!
「リン・モリブデン・ホウ素・鉄・マンガン・亜鉛・銅・カルシウム・カリウム・塩素・酸素・水素・炭素などチッ素以外の必須元素ぜんぶ+最近ではケイ素・ナトリウム」ってぇことです。(ホントはもっと複雑な複雑なおハナシですが。)

ちなみにこの「必須元素」の「元素」は、あたまりえのことですが「ミネラル」とか「要素」とかに置きかえられたりもします。


植物はその材料をつかって・・・なかでも主に微量ミネラルたちで「酵素」をこしらえてます。ヒトでも植物でも微生物でも、み〜んな食べたものを消化するのに「酵素」が必須なことは有名だと思います。年末になるとよく流れるCM「食べすぎ・飲み過ぎ・胃もたれにはXX製薬の○○!」という胃腸薬も消化を助ける酵素をつかってます。

ハナシはもどって、ナゼいろんな種類の酵素が必要なの? は、ヒトツの酵素ができるお仕事はヒトツだけだからです。なのでチッ素を同化するには、アタマがいたくなる複雑で多くのプロセスがあるので、そのプロセスの数だけ「酵素の種類」が必要になります。

そんな理由から、チッ素をタップリ&マンゾクに吸わせられる水耕栽培で逆に足りなくなっちゃうのが、光合成でつくられる「炭水化物」、そして微量ミネラルでつくられた「酵素群」です。

なかでもリン酸・カルシウム・微量元素群は「培養液にあっても、すぐに固まって吸われにくかったり、吸われても根っこでジ〜ッと動かないヤツがいて、一番必要な新芽に届かない」なんてことも実はよく起きています。そうなると葉っぱでは「消化待ちの硝酸」がふえていっちゃって、葉ものや果実であれば硝酸チッ素が多くてニガマズくなったり、葉っぱがうすくなって害虫がよってきたりデメリットがボロボロでてきてしまうようです。


ということで、前置きが長くなりましたが「微量ミネラルがはいってるハーピン・タンパクを葉面散布すると免疫力がアップして、そのうえ葉っぱにたまった硝酸も同化されて虫もよらなくなるからメリットいろいろ」

・・・なんだそうです。








そしてそんなわけで水耕栽培用の「活力剤」には、水耕栽培で不足しやすい酵素や糖分そして有機酸に天然の植物ホルモンなどがはいっているわけです。



水耕栽培でつかえる「微量ミネラル資材」はチマタでイロイロでてますが、もし葉面散布して効かせたい時の注意点は、「直射日光に弱いし、鉄とかは酸化すると葉っぱが傷むから、スプレーするなら、日が照らない夕方か曇りの日にドーゾ」ということのようです。

2010年11月29日月曜日

Farmer's Market @青山

お天気がよかった先週末、オサレな青山通りを歩いていると「ファーマーズ・マーケット」が開催されてました。














会場のフードワゴンで販売してらしたウマウマなロコモコ弁当をガッツリ・バッチシいただいた後に、出店者さんたちの丹誠こめられた新鮮なおヤサイや果物、ジャムにジュース、そして切り花、ショッピングバッグなどなどをゆっくり拝見しました。
果汁100%のリンゴジュースや、オーガニックなハチミツにジャム、パッツパツにみずみずしい大根に、焼けば蜜があふれる種子島の「安納イモ」などなど・・・
ゼッタイにウマいにきまってる農産物がてんこ盛りでした。

ヤサイたちは車で来た時にめいっぱい買うことにして、

それはそれはカワイらしいビオラをGETいたしました。

この夕焼けのようなチャーミングな花色にホレました。










徳島県の「ももいちご」でチョー話題沸騰の「あかねっ娘」の苗も売られていたので、もちろんGETしました。

去年枯らして、一個もたべられなかった品種のイチゴです。






「寒い・暑い」でしか季節を感じにくいビルの群れのド・ど真ん中で開催されている「ファーマーズ・マーケット」は、季節や自然の美しさや厳しさとともにヤサイやお花を育てている生産者さんと直接お話ししながらお買物ができる貴重な市場です。
育てた方の収穫の喜びや、オイシイ食べ方のコツなどの会話が、おウチでいただく時に最高の調味料になるのかもしれません。



ハナシはすっかり変わりますが、10月下旬に種まきした「松」がようやく発芽しました。

「松の種」は、もちろん「松ぼっくり」に実るんですが、種が古くなるほど発芽見込みは低くなるそうです。

この種は4年ほど前に海岸で拾ったものです。
ゼッタイに発芽しないだろうなと思ったいたら、一ヶ月経った今さら発芽しました。

カワいいです。






これは9月に剪定したミニバラの枝を挿し木にしたものです。
バラやイチゴって、根っこがちゃんと伸びる前に葉っぱがどんどんでてきます。なので、もし根っこが傷んだりしてても、気がつきにくかったりします。
バラの挿し木も、発根する前に新芽がドンドン出てくる思わせぶりな性格で、まんまと安心してると枝が茶色く腐ったりしちゃいます。






9月に挿し木にしてから、ようやく発根しました。

もちろん、適温に保温してあげればもっと早く発根するんだと思います。








たとえば古い種ほど発芽しにくくなるのは、酵素力が弱まったり酸化しちゃったりするからだそうですが、酸素と酵素をちゃあんと補ってあげれば発芽しやすくなるそうです。なので今回は、資材のテストがてらに松の種とバラの挿し木には、発芽や発根促進効果のある「菌根金」や「枯草菌」「トリコデルマ」などがはいった水耕用の「有用菌資材」をあげてみていました。
どうやらヤッパシ、発芽・発根効果はあるみたいです。

たとえば「トリコデルマ」が優先的にふえると、ばい菌が繁殖するのをふせいだり古い根っこを分解する酵素を出してくれたりします。発芽や発根の速度がちょっと遅くなりますが、そのぶん根量がしっかり増えたり丈夫になったりとメリット盛りだくさんです。「トリコデルマ」は「繊維質」が大好きなので、ココ培地でよく増えますす。シイタケなど「キノコの栽培」にとっては有害菌ですが、ヤサイの根っこには悪影響がありません。ココ培地には植物の根っこを丈夫にする「リグニン」っていう成分も含まれてるので、さらにさらに根っこの生長にいいんだそうです。

2010年11月26日金曜日

GOPANが受注停止!「ソノ発想ハ、ナカッタワ」

わざわざ米粉をGETしなくとも、おウチにある精米した米粒からダイレクトにパンが焼けちゃうライスブレッドクッカーの「GOPAN」が人気沸騰で受注中止という事態にまでなっちまったそうです。








お米を挽いた「米粉」でパンやスイーツを作ると、小麦粉よりもモチモチ・シットリとした食感がタノシめるし、小麦粉アレルギーのヒトでも食べられるし、過剰な備蓄米の解消にもバッチシだね!ということで「米粉」の可能性に注目が集まっていました。

ワタシは数年前からホームベーカリーで食パンを焼いてます。材料を放り込んでスイッチ押せば数時間後にはパンが焼けてるというズボラなワタシにはベストなシロモノです。
なので「米粉」でパンを焼いてみようかとも思いましたが、小麦粉をすでに買い置きしてあるので、さらに「米粉」を買うのは気が引けてましたし、かといって新たに「GOPAN」をGETするのは現役のブレッドメーカーがカワイそうです。

そしたらぬわぁんと「GOPANじゃなくっても、あったかいゴハンを使えば、いつものホームベーカリーでライスブレッドが焼けちゃうよ!!!」という耳を疑うような記事を目にしたのです。
いつも焼くパンの小麦粉の20%〜40%くらいをホッカホカのゴハンに変えて自動パン焼き機に放り込んじゃえば、モッチモチ・シットリの「ライスブレッド」ができちまうというのです。
これは朗報!と、さっそくトライしてみました。

ワタシのホームベーカリーはチョーがつく「ローエンド・モデル」なうえに、コゲコゲで年期がはいってるので全体イメージは差しひかえます。

要は「大昔のホームベーカリーだって、ライスブレッドはできちゃうよ」ということをお伝えしたいのです。


100%お米のパンではありませんが、たとえば中途ハンパな量のゴハンが余っちゃったときなどに、ゴハンの分量だけ小麦粉をへらしてパンにしちゃえばOKなのでかなりヨサゲです。



・・・ということで、ナニヒトツ新しい材料や器具をGETしなくとも「ライスブレッド」が焼けてしまいました。パンをとりだす時にトップが分離して凹んでしまいましたが、メデタシ・メデタシ。














実は記事をちゃんと読まなかったワタシは「冷や飯」を仕込んでしまいました。冷たいご飯だと生地にうまくなじまず焼き上がったパンにゴハン粒が残ったりするので、炊きたてゴハンか、チンしてホッカホカにしてから仕込むことを強くおススメします。そして5%〜10%くらい仕込む水分を減らした方がシッカリふくらむみたいです。

・・・で、カンジンのお味ですが、小麦粉100%のいままでのパンは、バターや油を入れてもパサツキがあって口の中の水分が吸い取られるカンジがするのでバターやジャムをつけないとガシガシ食べにくい感がありましたが、ゴハンが入ったパンはシットリして朝からスルスル食べられます。

いままではクルミやレーズン、チーズなどを具にしてパンを仕込んでましたが、ゴハンを入れたパンなら小豆なんかも合うかもしれません。

そして今日、ご近所の方から柿やリンゴ、そしてカリン・・・

こんなステキな秋の味覚をいただいたので、

食べきれない分があったら

天然酵母をとったりジャムにして

ゴハンのパンに仕込んでみようかな・・・と思ってます。

2010年11月24日水曜日

月暦でユッタリ栽培

今年の柿は、幅9cmと例年よりもひとまわりデカイのが収穫できました。この夏の猛暑でほとんどの柿が落ちちまったので、残った柿たちは大きくなれたようです。














それに昨日の満月にあわせて柿を収穫してみました。地上部に実る果実やヤサイは満月の時に収穫すると重量がふえてオイシくなるそうです。

逆に地下部に実るイモ系なんかの根菜類は、満月の収穫は逆効果で、地下部に水分が集まる新月のころに収穫するといいそうです。さらに細かく見てくと、収穫したら貯蔵用に乾燥させて使うドライフルーツや薬草などなど、ベストな収穫時期はちょこっとずつ違うようなので、興味のあるヒトはコチラの本をどうぞ!

満月といえば、植物は生殖生長型=開花期に傾いた生長をするそうです。新月から月が満ちるまでは、新芽の出や伸びがとまり花芽がつきやすくなるそうです。

・・・が「室内で植物を育てても月の満ち引きは関係あるのかな??? 」という疑問はず〜っとつきまとってました。でも室内栽培ココ培地の6つのイチゴたちのうち、5つのイチゴには、いっせいにツボミがついて花が咲きました。「思いこみなんじゃない?」とも感じますが、「思いこみ」も植物にうつるような気がしなくもないです。














「地面から離れたところで育てる室内栽培にも月暦はあてはまるのかな?」というハテナは、キチンとデータをとらないとハッキリしないとは思いますが、「月暦」で植物を育てるメリットは「 四角四面にキッチリとした環境で植物を育てればサイコーによい結果が得られる!!! 」というよりも、「ちょっとくらいテキトーに育てちゃっても、ポイントさえ押さえれば、ちゃんと育つよ。気楽に行きましょー。」的なことかなと思いました。

大変にモノ覚えのよろしくないワタシとしては、ある日思いつきのように種を蒔いて、あとあと「あれ? この種いつ蒔いたっけな?」となってしまいます。でも「種まきは満月のあたりの休日」と決めておけば、何ヶ月か経ったあとでも、いつ種を蒔いたのかラクラク思い出せるってえわけです。














「種まきや収穫は満月・植えかえや剪定は新月」とはいっても、ズバリ満月の日・新月の日だけにしかやってはイケナイのではなくって、その4・5日前後くらいの期間を目安にやればOKなようです。「植物じたい、みんな個性があるのでキチキチッと管理しても必ずしも育ちぐあいは同じじゃないよ」ということらしいです。

たとえば、水耕栽培の培養液には植物の生長に必要な必須元素16種類の「チッ素・リン酸・カリウム・カルシウム・マグネシウム・イオウ・鉄・ホウ素・マンガン・亜鉛・銅・モリブデン・塩素・酸素・炭素・水素」がぜぇ〜んぶ入ってますが、植物の根っこは16種類の必須元素ぜんぶを同時にバランスよく吸ってるわけじゃないんですねー。まずはイチバンたくさん必要な酸性の「チッ素・リン酸」あたりをガツガツ吸って体内のpH値が酸性に傾いちゃったら、アルカリ性の必須元素を吸ってバランスをとってるようです。

なので、4〜5日かけて必須元素を吸っては消化するようなので、一度新しい培養液に取りかえたら毎日毎日キッチリカッチリpH値を5.5にあわせなくってもいいんですねー。それよりも一週間に一度は確実に培養液を取りかえた方が植物にとってはアリガタイんだそうです。







と、いうことで「月の満ち欠けで育てたり・暮らしたりする月暦」ってのは、ついついキチキチ・数値データ重視になってしまいがちな現代社会で「そんなに気を張っても結果はたいして変わんないかもよ? もうちょっと肩の力を抜いてタノシく行こうよ! 」という先人の知恵なのかなと思いました。








2010年11月22日月曜日

「小雪〜しょうせつ〜」とイチゴの花

今日は「小雪」です。晩秋というより初冬という気配が濃くなってきました。とはいうものの、晴れた暖かい日には、まだモンシロチョウがヒラヒラと飛ぶのを見かける今日のこのごろです。


ココ培地&室内栽培のイチゴに、いよいよ花が咲きました。




花はおっきめで3.5cmほどあります。

おっきな花には、おっきな実がつきます。



でもアップで見てみると・・・







アブラムシが、なんか夢中で吸ってやがります。栄養満点でしかも無農薬栽培です「さぞ、ウマかろうよ! 」とクヤシいかぎり。














こちらは、ツボミがやっとついたものの、ふたつの花がくっついちゃってるし花びらが広がっちゃってる「乱形花」です。このツボミは、残念ですが摘みました。














こちらにはマトモなカタチのツボミがついてくれました。














イチゴは作物のなかでも、秋から春まで半年以上と栽培期間がながく、生産者のかたがたは、この長いあいだに少しでも大きくてキレイでオイシいイチゴをたっっっくさん収穫するために、十人十色のさまざまな工夫をなさってるようです。