2024年6月21日金曜日

UV-A近紫外線ブラックライトLEDで、無農薬栽培のバラみごと回復

今年もブッドレアが咲きました。アゲハ蝶、モンシロチョウ、いろいろな蝶々がこの花の蜜を吸いにやってきます。


今年初めてカシグルミが実りました。クルミの木は思いのほか生長が早く、定期的に主幹を切り戻して低樹高で育てようと思います。



さて,植物の性質として花を咲かせる生殖生長(開花期)に入ると、花や果実に養分のほとんどを使ってしまうので根の生長が止まります。そのため、花が咲き終わると、必ずと言っていいほど黒星病が出て多くの葉を失います。しかし、ハナバチたちをこよなく愛する私としては、意地でもバラを無農薬で育てたいので、新しい葉っぱや根の生長を促進しつつ、葉っぱのカビ病を殺菌できる(と言われている)紫外線を活用することにしました。




380nm付近を中心とした、いわゆるブラックライトの光は紫外線A波とも呼ばれる近紫外線のUV-Aが多く含まれ、植物に対しては、「徒長抑制、抗酸化成分の増加  コンパクト化。クチクラ層を肥大させ葉を厚くしてカビ病の侵入を防ぐ。UV-Bよりも安全に免疫を強化させる」といった効果があります。






雨ざらしでもへっちゃらで、しかも太陽光でバッテリーをチャージできるガーデンソーラーLEDライトですが、日本では手頃な価格のブラックライトソーラーLEDがなかなか見つかりませんでしたが、ハロウィンがさかんな海外諸国では、蛍光色のデコレーションを際立たせるためにブラックライトLEDがたくさん流通していました。


このブラックライトLEDは、日没後センサーで点灯します。そうとう怪しい光景になりますが、その効果は期待以上でした。ブラックライトの光が照射されている茎から新芽がたくさん出てきたのです。



このバラは今月はじめのブラックティーローズです。シーズンスタートの大切な時期に新芽のすべてをバラゾウムシにくわれ、花が一つしか咲きませんでした。葉数が少なくなりすぎると苗自体がダメになってしまうので、ブラックライトLEDを当ててみました。


日没後にブラックライトLEDを照射するようになってから数週間で、ここまで復活し、花芽がスプレー状につきました。バラゾウムシが減る時期でもありますが、正直ここまで回復するとは思っていませんでした。日没後のブラックライト自動点灯で、紫外線の効果と日照時間の延長のダブル効果が出たのだと思います。



近紫外線の波長を放射するブラックライトがバラの生長促進に有効なのではないか、と思った理由はアフリカのケニアで生産される農作物の品質の高さです。アフリカのケニアは、赤道直下で昼夜の長さがほぼ同じ12時間となり、昼夜の寒暖差が10℃以上です。また、標高が1800m以上になるエリアに生産地が多く、平地に比べると紫外線が10%強くなります。

日照時間の長さ、昼夜の寒暖差、そして紫外線の強さなどの好条件で、ケニアで生産される農産物、特にニエリ地区のコーヒー豆は世界に類を見ないほど味と香りのクオリティーが高いうえに、健康に良いポリフェノールを豊富に含むので大変注目されています。以前には、ニエリ地区のコーヒー豆が全く買えなくなるほど人気が高騰しました。実際、ケニアのコーヒーを愛飲していますが、生豆には驚くほど欠点豆が少なくピッキングの手間がほとんどかかりません

そしてケニアのコーヒーと同じく、品質の高さで世界中で高い人気となっている農産物が、バラの切り花、ケニア・ローズです。日照時間が長く紫外線の強いケニアで育つバラは、太い茎と照りと厚みがある葉、独特のうつくしい色に育ちます。完全無農薬栽培で育てれば、美容サプリや美白コスメにできるほど豊富にファイトケミカルを含んでいるのではないかと思います。



(ところでアジサイに一番安い食酢を100倍希釈くらいで水やりしていたら、花弁の色がより鮮やかになりました)



近紫外線に対する植物の反応は、植物の種類、生長段階などで大きく変わるので活用方法はまだ確立されていませんので、光周性の反応に注意が必要ですが、例えば病害虫に弱い苗の段階や、カビ病に弱い葉ものやブドウなどフルーツの家庭菜園で近紫外線を当てれば、徒長防止、免疫力アップ、カビ病の予防、抗酸化成分やビタミンなどの栄養価がアップするなど、メリットは少なくないと思います。

2024年6月11日火曜日

香港 – アーバン・ファームを備えたコンドミニアムで「ファームトゥテーブル」の実践

 香港で話題となった究極の「地産地消マンション」では、CANNAの肥料、活力剤、培地が採用されています。



 

レタスやハーブなどの葉もの野菜は、CANNA AQUA肥料CANNA RHIZOTONICと垂直型ハイドロポニック・システムのコンビネーションで栽培されてます。 



栽培期間が長く、栽培難易度が高い果菜類は CANNA COCO肥料と培地が採用され、高い安全性と安定した生産性を確保しています。



スター・プロパティーズが手がけたな都市開発プロジェクト「アフター・ザ・レイン(ATR)」コンドミニアムで生産されたフレッシュで安全な農作物は、ATRの居住者たちに提供されています。


 



 


2024年5月31日金曜日

キング・プロテアの開花とブルベリーの収穫


 


育てはじめてから今年で3年目のキング・プロテア。今年は主茎が3本になりツボミも3つつきました。一本の茎からはひとつの花しか咲きません。そして生長がとてもおそい植物なので、一年に一本しか茎が増えません・・・いまのところ。


サザンハイブッシュ系のブルーベリーの果実が熟しはじめました。ブルーベリーの果実は、ひとつひとつ甘く熟すタイミングが違うので色づいた実をすべて収穫してしまうと、まだスッパイ果実もあります。触ると簡単にポロッと取れる果実は甘く熟していますが、ひっぱらないと取れない果実は未完熟です。





バラの開花ピークが終われば、次はアジサイの開花シーズンです。毎年咲くたびに花色に見惚れてしまうハイドロランジア「アムステルダム」。秋色アジサイになる品種です。かれこれ3年以上たいした手入れも植えかえもしていませんが、たまに肥料を与えるだけで見事に咲いてくれます。




本当にアジサイが大好きなのですが植える場所がもうないので、これ以上増やさないためにも「最優秀賞受賞のアジサイ」だの「殿堂アジサイ」だの「新品種アジサイ」だの「日本人育種家のアジサイ」などのキーワードを検索しないことにしました。ということで「はじめて育てるならレアで個性的なアジサイ」と思うマダムは、このキーワードで画像検索することをお勧めします。

2024年5月24日金曜日

4年ぶりの花菜ガーデンと、土壌を鮮やかに守るリビングマルチたち

花菜ガーデンを訪れるのは4年ぶりです。



バラのアーチは「お見事!」のひとことにつきます。



カップ咲きのつるバラ「ポンポネッラ」。ウチでも育てていますが、病害虫だけでなく半日陰にも強く育てやすいうえ、コロンとした小さめの花が房咲きでこぼれんばかりに咲きます。しかも、同じカップ咲きのイングリッシュローズとはちがい、花持ちがとてもよいので毎朝あわてて散りそうな花をカットしまくるという手間もかかりません。コロコロとうつむき加減で咲くので、高めのアーチで誘引して仕立てると、花の形がものすごく引き立ち、うらやましがられます。




マダムに大人気のイングリッシュ・ボーダーガーデン。トライしてみて実感するのは「気を抜くと雑草に占領されて手抜きがバレる庭」ということです。



そびえ立つ「エキウム・ウィルドプレッティ」


このブルーの花もエキウムです。


同じエキウムでも、まるっきり別世界のフォルムの花を咲かせます。



ところで今年もそびえ立ちはじめたホワイトセージの花茎たち。



となりの桃の木と一体化してしまいました。ちなみに花茎が長く伸びはじめる今頃からアロマがぐんぐん強くなります。水やりの時、着ているものが葉っぱにフワッとふれただけで「ホワイトセージの近くに行ったね!」と気が付かれるほどです。



育てはじめてから、かれこれ13年目になるカスケード・ホップとチヌーク・ホップ。毛花がではじめました。昨年は酷暑で立ち枯れしてしまったので、今年はしっかり水やりをしたいと思います。




酷暑が当たり前となってしまった夏。地温の上昇を抑えて、土壌をフカフカ、肥沃にして作物や庭の花々を高温や渇水から守ってくれるのが「リビング・マルチ-生きた被覆植物」です。大木が伐採されて、すっかり日当たりがよくなった斜面ですが、土をむき出しのままにしておくと、風の強い日には部屋の床中が砂だらけでザラザラになってしまうので窓を開けられなくなります。
緑肥で地面をおおうために、昨年の秋に「フラックスフラワー」、今年の2月ごろに「クリムゾン・クローバー」「ハゼリソウ」の種を撒いたところ、3ヶ月ほどですべて花をつけはじめました。


イチゴのような赤くかわいいクリムゾン・クローバーの花は、秋になるまで咲かないと思っていたので、たった3ヶ月でいっせいに咲きはじめてくれて、非常に幸せです。



ハゼリソウ「アンジェリア」は2月に種まきしてから、たった3ヶ月で紫色のかわいい花を群生で咲かせはじめました。一面に花が咲くだけでなく、アメリカセンダングサ、ヤブガラシ、クズ、ヘクソカズラなど手強い雑草たちを見事に抑えてくれています。



緑肥や牧草などに使われる植物で土壌をおおうリビング・マルチは、根で土を耕してくれたり、チッ素を固定して土壌を豊かにしてくれるだけでなく、雑草よけになるので草むしりなどの手間も不要で、花が咲けば昆虫たちの蜜源になったり、虫が集まれば益虫の狩場になって育てている花木の害虫も食べてくれて農薬もいらなくなるし、根が深く張るので土の排水性を高めながら土壌をホールドするので、土の流出を防いで斜面崩壊から家屋を守ってくれたり、35℃ごえの酷暑でも地温を24℃ほどに涼しく保ってくれて花木や作物を高温から守ってくれたり、秋になれば種が野鳥や野生の小動物の食糧になったりとメリットは数え切れません。


ただ、惜しむらくは緑肥のほとんどが一年草なので、毎年種を蒔き続けなくてはなりません。
ということで、マメ科の宿根草「クラウン・ベッチ」なら、日当たりさえよければ、毎春から小型のエンドウ豆のような葉つるをグングンと伸ばしはじめ、ものすごい繁殖力で空気中のチッ素を固定しながら雑草も抑えてくれます。しかも、ピンクのかわいい花がたくさん咲きます。

コスパ最重視でリビング・マルチの恩恵にあずかりたい人には「クラウン・ベッチ」がピッタリです。








2024年5月15日水曜日

春の野原と花とアオダイショウ

 昨年にコロナが5類に移行されてから初となる今年のゴールデンウィークでしたが、円安が祟り国内にとどまる人も多かったようです。

私の連休のほとんどは、ほぼほぼDIYパーゴラ作りで消化となりました。なにしろ晴れた日はのっぴきならない夏日となるので、日除けのためのパーゴラを作ってしまう必要があったのです。

やっつけパーゴラが完成したので、室内で冬越しさせていたビカクシダだのフペルジアだのエアプランツだのをやっと外に追い出すことができました。



シロアリ被害で腐ってしまったウッドデッキを撤去したあと、一番強く感じたことは「なぜもっと早く撤去しなかったのだろう・・・」でした。土はやっぱりいい! 昨今では土を嫌う人も多いのですが、土がもつ寛容性のおかげで生ごみは減らせるし、宿根草は植えっぱなしで花が咲きます。

鉢植えのバラは、水切れが一番の大敵ですが、土の上に直置きすると水分量が長く保たれて、水やりの回数も少なくなります。

緑肥を刈り取って土を覆ったりグランドカバー植物を生やしておくだけで、酷暑でも地温が30℃以下に保たれて野菜が夏バテせず収量が落ちなかったという農家さんも。庭に土があると、いいことづくめ!


パーゴラ作りで連休が消化されていく日々のなか、春の野原で展開するドラマチックな出来事の数々を経験しました。毎年シジュウカラが巣をかける巣箱が古くなったため、昨年の秋に新しい巣箱をセットしておき、この古い巣箱は低いフェンスにかけておきました。ところが4月になって親鶏がこの古い巣箱にエサを運びはじめたので、ひなが孵化したんだなと喜んでおりました。


ある日のこと、親鳥がけたたましい鳴き声をあげ警戒音を発していました。「もしや!」と思い、急いで外に出てみると・・・

3匹のアオダイショウが巣箱に侵入しようとしていたのです。慌てて巣箱を外し、ヘビの尻尾をつかんで引っ張り出そうとしましたが、ヘビは巣箱の中にスッポリ入ってしまい、ヒナは全て食べられてしまいました。

それにしても同時に3匹くるとは! 


ヒナを救うことができず、非常に落ち込みましたが、ヘビだってそれはそれは可愛い存在です。巣箱の中からキラキラした目で恐々とコチラをのぞき、チョロチョロと舌を出して気配を伺っています。邪魔したことをよくよく謝ってから、離れた場所で観察していると巣箱からスルスルっと出て土留めの水抜きパイプに隠れてしまいました。



ところで、ウラの大きな木が伐採されると、庭全体に日がよく当たるようになりました。


バラの完全無農薬栽培をはじめて5年以上経ちますが「やっぱり無農薬栽培だと花つきを諦めないといけないのかな」と落ち込む年の方が多かったのです。

日当たりがよくなった今年、心の底から思い知りました。「バラは、耐病性だの品種だの手入れだのスキルだの、ではなく日当たりがよければ勝手にたくさん咲く!!! 」


15cm足らずの挿し木でスタートさせた3年目のグラハム・トーマス。半日陰の悪条件でもよく咲きます。大苗でGETした親株は、2年前に枯れ腐ったというのに。



イングリッシュ・ローズは高温多湿な日本の夏が苦手だとよく言われますが、この英国製のテラコッタ・ポットに植えたすべてのイングリッシュ・ローズが、つるバラにできるほど大きく大きく育ちました。

しかし、植物がよく育つ鉢ほど、よく乾く! 

4月であっても夏日になると、たった1日で鉢が乾いて、バラが萎れてしまうことが何度かありました。ということで40cmほどの鉢皿をGETして水を溜めて底面給水にしました。酷暑が当たり前となってしまった昨今の夏は、問答無用で鉢皿に水を溜めるようにしたほうが正解だと思います。



ということで日当たりが良くなったおかげで我が家のバラどもは、どれも良く咲きました。めでたしめでたし。


緑肥として毎年種まきをしているクリムゾン・クローバーと宿根草のエキウム・ブルーベッターの青と赤のコントラストを見ていると、とても幸せな気分になります。


どんなにパラの葉っぱが虫に喰われてボロボロにされても無農薬栽培を続けていますが、人にも植物にも益虫である蜂やクモたちを見つけると、安易に農薬を撒き散らさずにいて良かったなと心から思います。



無農薬栽培の実践に大切なのは「無農薬で育てやすい植物や品種を選ぶこと」につきます。

桜や桃よりも梅! ミカンやオレンジよりもレモン!ですよね。



日本ミツバチを呼ぶと言われているキンリョウヘン。毎年咲くようになりました。それでも日本ミツバチの巣を見つけたことがないのは、5月に入って咲くので分蜂のピーク時期に間に合ってないようです。



連休中に訪れた城ヶ崎。海岸沿いのハイキングコースは大勢の観光客たちで大渋滞でした。しかも聞こえてくるのは、ほぼほぼ中国語!!


岸壁沿いの岩場に自然に芽生えた赤松たちは、まるで盆栽でした。
土がほとんどない岩場に生える松は、根っこから出す根酸で岩をじわじわと溶かしてミネラル養分を吸収して育つんだそうです。





ハイキングコースには、巨大なクワズイモが転がっていました。クワズイモといえば、人気もお値段も高い観葉植物です。

見上げれば巨大なクワズイモが斜面に生息しておりました。
「そういえば、横須賀の城ヶ崎公園にも巨大なクワズイモが自生していたよねぇ! 城ヶ崎?城ヶ島? 今歩いてるのはどっちだっけ?」