2009年12月28日月曜日

ハーピン・タンパクの葉面散布

いよいよ今年もあと4日です。月並みですが、一年はあっという間ですね。

先週「 ハーピン・タンパク〜 Harpin Protein 〜 」というちょっと変わった植物活力資材を試してみました。泥がはねたように茶色くシミになって残っているのが、そのハーピン・タンバク散布跡です。














ハーピン・タンパクは病原菌が合成するタンパク質で、これを葉に散布されるとプラントは病原菌の侵入と勘違いして、免疫システムを強化しはじめるそうです。環境や人体への害は一切ないので、安全な農薬の代替品として期待されているそうです。

葉面散布されたハーピン・タンパクは、プラントの免疫システムを刺激するだけでなく、ほとんどが根っこに送られます。根っこの細胞は茎や葉っぱとちがって、タンパク質を受けとると、ひとつひとつの細胞がみょーーんと伸びてでかくなれるんです。なので一番先によい変化がでるのは根っこです。


病気も予防できて、根がふやせて花つきもよくなって実も大きくなります。
・・・とメリットいろいろ。
先週の金曜日にハーピン・タンパクを葉面散布して帰宅しました。花つきや実がでかくなる作用を実感するには一週間以上必要ですが、翌日にはイチゴたちの葉っぱがピーーンと立ってました。
「 なんかやる気だしてるね 」って感じました。






こちらは収穫間近のタイニー・ティムトマトです。先週から肥料抜きをしてます。年越しは「エアルーム・トマトサラダ」でってことにもなりそうです。
2009年、今年もいろんな植物をたくさん育ててちょっとだけ(!?)枯らしました。2010年も、なにげない日常の出来事にたくさん感動して楽しんでいこうと思います。

2009年12月25日金曜日

〜FARM AID〜ウィリー・ネルソンからの手紙

毎年クリスマスが近づく頃になると、さまざまな慈善団体からの募金の呼びかけがありますね。今年もアメリカの農業支援活動団体
「 FARM AID 」の主催者ウィリー・ネルソンからのメールが届きました。

" かれこれ24年前、私はこの国の家族経営農家の人々が大変にきびしい経営状態に直面し奮闘している現実を知り「FARM AID」を立ち上げました。

ジョン・メレンキャンプ、ニール・ヤング、ディヴ・マシューズがこの活動に賛同し、ともに家族経営農家への支援を支えてきてくれました。














FARM AIDをはじめた1985年以来、小規模農家にとって厳しい現実はいまも変わりありませんが、今日にいたるまで我々はかれらへの緊急援助、資金援助、心のこもったエールを送りつづけています。

安全でおいしい食材にあふれたテーブルをかこめる毎日は、かれら農民の献身的なハードワークによって支えられています。彼らはヘルシーでおいしい食材をつくり続けるために土壌を安全に保ち続けてくれています。しかし、今年はとくに小規模農家に人々にとって厳しい一年でした。資金の貸し渋り、農作物価格の下落とコスト高、洪水や干ばつなど自然災害による不作、彼らはつねに多くの不安材料と隣りあわせでありながら、政府の援助の矛先は大きな経済効果を生みだす大企業にしか向いていません。
いまこそ私たちが立ち上がるときです。
あなたがたの心のこもった援助は、困っているファミリー農家に直接届けられます。

昨年われわれとサポーターたちは米農務省に、ファミリー農家や酪農家たちをさらに困窮に追いやる「ファクトリー・ファーム」大規模農場経営への資金貸し付け援助をやめて自然災害で被害を被ったファミリー農家を救済するよう要請しました。”
・・・・ 省略 ・・・

Stay Strong and Positive,
Willie Nelson





食料自給率128%を誇るアメリカで、このような草の根的な農業支援活動が、しかもミュージシャン達によって24年間も続けられていることはすごいことですね。



日本は現在、食料自給率40%でじょじょに上がってきてはいます。
昨年農水省が「 植物工場 」への資金援助を提案しました。しかし、たとえば閉店が相次ぎ「 シャッター街 」と化してしまった商店街の店舗を「 植物工場 」として活用しようとしても農地として扱われないので税金が安くなったりはしませんし、規模的には農水省の資金援助対象外となってしまいます。
一方、日本各地で問題となっている「 荒廃農地 」は大規模な海外企業が大きな資本で買い取り「 ファクトリーファーム 」化しているというニュースを見ました。大規模な農地は、生産性最優先とコスト削減のために環境に負荷がかかることが少なくありません。

でもネガティブな現実ばかりではありません。日本でも安全でおいしい農作物が生産者さんとお話ししながら購入できる「 Farmer's Market」という草の根的な活動がはじまってます。毎週末に渋谷を中心に農産物の直売マーケットが開かれています。

一歩一歩、地道な積みかさねが、なによりも大切ですよね。


2009年12月24日木曜日

冬の散歩

近所には整備された小川の遊歩道があります。


















5・6年ほど前にこのお散歩コースが完成したときには、目につく生き物といえば、ちいさなコイがぽつぽつと・・くらいでしたが、今ではもうこんなにウジャウジャと・・・

ちょっとコワイ。














住宅街のどまんなかというロケーションにもかかわらず、この小川には冬になるといろんな野鳥がエサを求めてやってきます。

ザリガニをGETしたコサギです。

このコまでは、ほんの数歩の近距離ですが人がいたっておかまいなしです。
チョー至近距離で野鳥が見られるのも魅力のひとつです。










しばらく歩くとまたコサギがいました。
「 必死で知らんぷりしてます!! 」というチラ見目線を感じたので、そそくさと立ち去りました。














ぷっくりとふくらんでお昼寝中のカモです。
左足のかかとが若干あがり気味です。














歩道沿いには、近所の方々や学校などいろんなかたがたかボランティアで思い思いにお花を植えられています。植える方によって花の傾向がバックリと変わるので、その統一感のないユルさがまた良くて、地域に愛されているんだなと感じるところでもあります。
まだヒマワリが咲いていて、ちょっとびっくりしました。

2009年12月22日火曜日

冬の景色 〜 冬至ですね 〜

今日は一年でもっとも夜がながい日「 冬至 」です。
これからじょじょに昼の時間がながくなります。寒いのは苦手ですが日がのびるのはうれしいです。


この頃になると毎年かってに咲いてくれる
「 日本水仙 」です。
香りがとってもつよいので、水仙が咲くと目よりも先に鼻が開花したことに気づきます。

でも水仙の球根には毒があります。たまにジャガイモとまちがえて食べてしまった方が亡くなってしまってニュースになることもありますね。






それでも田畑の沿道に水仙がよく植えられているのは、作物の根を切ってダメにしてしまうモグラ対策です。モグラは水仙の根があると、いやがって近寄らないそうです。これも昔からの大切な知恵といえますよね。



自宅でそだてているイチゴです。品種は忘れました。

最近夜の気温が5℃をしたまわる日がつづきました。
外のイチゴたちは、もう寒さに耐える気まんまんの「 ロゼッタ型 」になってきました。葉柄がのびずにタンポポのように葉がペタッと広がりつつあります。








日本の在来種のたんぽぽの「 カントウタンポポ 」です。花びらの下のガクブチがまっすぐになっています。
「 セイヨウタンポポ 」とよく似ていますが、セイヨウタンポポはガクブチがそりかえっているので見分けがつきます。「 セイヨウタンポポ 」におされて数が減ってきている貴重な「 カントウタンポポ 」です。


ちなみに「 カンサイタンポポ 」も
「 トウカイタンポポ 」もちゃんとありますよ。
でも違いはよく知りません。











仕事場にあそびにくる( というよりエサをねだりにくる )スズメです。

寒さが厳しくなるにつれ,私への「 なんかよこせ 」アピールが激しくなってきました。
これも冬らしい景色といえます。

2009年12月21日月曜日

無農薬でがんばる

なにかとメリット面だけが強調される水耕栽培ですが、正直やっぱり病気や虫も、でるときはでます。しかも一度出てしまうと屋内では天敵がいないので、かれらの天国となって手に負えなくなってしまいますよね。・・・でも農薬は使いたくない。

「ウドンコ病」に、はびこられていた室内栽培の「 ロマンティック・レース 」です。一週間前にココ培地に植えかえましたが、昨日また葉っぱがすこし白くかびていました。
売られている苗ものは薬剤で病気をおさえているものも少なくないので、薬剤の効果が切れる頃に、ちらほら病気がでてしまうことがめずらしくありません。

生分解性の農薬も、夜の間に出てくる葉やツボミには散布できないので、なかなか効きません。

そこで「苦土石灰」を葉にまいて殺菌する強硬手段にでました。
この葉面の白いのが、苦土石灰です。
ふつうなら石灰は、自宅の庭や畑などの屋外でしかつかいません。






またはイチゴやトマトなど、なるべく無農薬で育てたい苗をお店で買ってきた時に苦土石灰をたっぷり葉面にまいて一日置いておきます。こうすると連れてきた病害菌を殺菌できるんです。その後は石灰をきれいに払ったあとグロウルームにいれるようにしています。
ところが油断していたので、このバラは石灰で消毒せずにグロウルームに入れてしまいました。そのうえ冬は加湿しているので、ウドンコ病が発病して、ひどくなってしまったようです。


ウドンコ病っていうのは、カビ菌がはびこって葉やツボミや実をだめにしてしまう病気ですが、このカビは同じ種類の植物にしかつきません。バラにはバラ科だけ、ナスにはナス科だけ、といった具合です。
イヤな予感は的中し、ハイドロ・システムの「ジャンボいちご」にも、ポツポツとウドンコ病がうつっていたので、こちらも苦土石灰をまいた様子です。
ちなみにイチゴもバラ科です。





ところでこの石灰ですが、これまた生産者さんたちの間で静かなブームをおこしているのです。「 石灰で農薬代も肥料代も節約できちゃう!! 」なのです。

石灰の主成分はカルシウムで、強いアルカリ性です。強アルカリは殺菌力がとても強いので、ひと昔前に大問題となった「 鳥インフルエンザ 」が出てしまった養鶏場には、まっ白い粉が撒かれていましたが、あれも石灰です。

石灰で病気を駆除するやり方はいたって簡単で、苦土石灰を葉にまんべんなくパラパラッと振りかけるだけです。苦土石灰を水に溶かして、その上澄み液を葉面散布しても効果がありますよ。
根からカルシウムを吸わせるのは、なかなかむずかしいので、石灰を葉に振りかけるとカルシウムも吸わせられるし殺菌もしてくれるし葉に溜まったよぶんな窒素も消化して実が大きくなるし一石三鳥なんです。

でも人やペットの目に石灰が入ってしまうと失明する場合もあって、とっても危険です。室内栽培ではファンなどをまわして常に風がまわっていることが多いので、目に入ってしまう可能性はありますよ。そのうえ、石灰が養液タンクや培養土に混ざってしまうと栄養バランスがくずれてしまいますから、室内栽培や水耕栽培でこの手を使う場合は、ほんとうに注意が必要です。

ひとくちに石灰資材といっても色々種類があります。
病気がでてしまってから葉に振りかけるなら「 カキガラ石灰 」や「 苦土石灰 」がいいみたいですよ。「 生石灰 」は、水にふれると発熱してゴボゴボゴボっと噴火するので飛び散ってしまい手に負えないのでおすすめできません。「 消石灰 」は値段が安いので使う方もいるようですが「 葉がしおれてしまった! 」という方もいるようです。

※もしやってみようと思う方は、絶対に以下のことに注意してください。
「 苦土石灰 」は2種類ありますよ。主成分が「 炭酸石灰 」なものと「 消石灰 」のものがあります。「 炭酸石灰 」が主成分の「 苦土石灰 」がいいです。「消石灰」が主成分の苦土石灰はちょっと扱いがむずかしいです。また、たくさん撒きすぎると逆効果です。くれぐれも自己責任でお願いします。

2009年12月18日金曜日

農業ブーム到来!!


先日こんな特集の雑誌をみつけました。
「 植物工場 」のビジネスとしての可能性や、若くして農業への道を選んだかたがたなどを紹介する楽しい内容でした。

そういえば、園芸学部のある高校への入学希望者がとても多くなっていて競争率が高くなっているそうです。
これからの園芸・農業シーンの発展がたのしみですよね。






この雑誌の中でとくにお気に入りの特集を(私なりに勝手に編集して)ご紹介してみます。


〜「 田面ライダーV3 」がさっそうと突っぱしる横では「 ヒラリーV.S.ジョージ・ブッシュ 」の熱い闘いがくりひろげられる。それを横目でながめる「 草刈機まさお 」と「立ち乗りひろしです」〜

なんのことかわかります?
これは「 丸山製作所 」さんと「 筑水キャニコム 」さんが製造されている農業機械たちのことです。
この雑誌をうかつに開いたところ、いきなりこのネーミングたちが目に飛び込んできてしまい、かなりスキをつかれました。
しかもすべてかなりのヒット商品だそうですよ。

・・・やりますね、やられました。

2009年12月17日木曜日

イチゴのココ栽培と水耕栽培

ここのところ関東では、雪でもふりそうなくらいに寒い日がつづいてます。早くも夏の青い海が恋しくなってます。

それでもイチゴたちは、さまざまな表情をしながらがんばってくれてます。けなげに実をつけてくれている大実イチゴとジャンボいちご。














昨年からココ培地でプチ不耕起のおふたりです。
年は取ってますが、ちょっとやそっとじゃビクともしない安定感があります。



今年やってきた新苗の「 ジャンボいちご 」 は、ハイドロ・システムで育ててます。

やっちまいました。
ついつい欲ばって、肥料を濃くあげてしまい、ちょっぴりぐったり。
ごめんなさーい!!
( なんとなく復活してきてます )










おとなりは同じハイドロ・システムにいるのに、なんともない・・
葉がピーンとたってます。なぜ?

水耕栽培は培養液がプラントの根にダイレクトに影響するので無理がききません・・・
と、頭ではわかっているのについつい世話をやきすぎていままでいくつのプラントを枯らしたことでしょうか。










ズボラな私は、やっぱりココ培地が好きです。

イチゴの葉っぱのすぐ下に、ちょこんと小さな葉っぱがおまけのようについています。
「 副葉-ふくば- 」というそうですが、この副葉でイチゴの状態がいろいろわかるそうですよ。

副葉が茎のまん中くらいに左右そろってついていれば、イチゴでもっともこわい「炭疽病−たんそびょう−」に、かかりにくく花芽がつきやすいベストなコンディションだそうです。





これはハイドロ・システムのイチゴです。副葉がないです。

こんなふうに、副葉がでてこなかったり、茎のまんなかよりも上についている時は、その葉には硝酸イオン( 無機窒素 )が多くありすぎて花がつきにくく,病気にもなりやすいので窒素を控えるといいそうですよ。
なのでここしばらく、このコには窒素の量を極力ひかえた「 開花後期 の液肥レシピ 」にしています。








ちなみに「副葉で健康診断」は、いちばん新しくでてきた葉の副葉の位置をみるのがベストだそうですよ。



2009年12月16日水曜日

バラのココ栽培 - 今日は新月 -

今日は新月ですね。
「 ロマンティック・レース 」のココ培地への植えかえを3日前のお休みの日にやっと実行できました。

バラ好きな方はよくご存知だとおもいますが、バラは水を吸い上げる役目の太い根が地面の深くまでもぐって張り、栄養分を吸収する細かな根は乾燥が苦手なので「 ローゼンポット 」とよばれるバラ用のポットは、口がせまく底深いデザインとなってます。

乾燥圧縮されたココ培地は、水でもどしてから使うので、植え込みの最中に底からボタボタと水が落ちてそこらじゅうが水びたしになってしまいます。そこで水切りの上にポットを置いて流し台で植えかえてます。
こうすれば立ったまま作業できるし後かたづけもラクチンです。

ちなみにこの水切りトレイは、
「 ホビーグロワーの宝島!? I K E A  」
のキッチン用品です。
標準的な流し台にピタッと収まるこの水切りトレイはほんとうに便利で重宝してます。










植えかえ直後のプラントには強い光をあててはかわいそうなので、グロウランプから離れたところに1日ほどおいてあげてます。ココ培地は保水性がつよく水切りに時間がかかるので、あらかた水が落ちたところでこんなふうに水受けの上に水切りトレイごとおいてます。



このかわいいグリーンのトレイも「 I K E A 」だったりします。カラフルだったりタフだったりする「 I K E A 」の収納トレイは、工夫しだいでいろんなシステムもつくれそうですね。











新月のころは、「 生長期 ( =栄養生長 ) 」の傾向が強くなるそうです。窒素をたくさんあげてしまうと徒長気味になるので,私はうっすーいリン・カリの液肥を葉面散布してます。

また新月の頃は、カビなどの病気が出やすいそうなのでカルシウム資材など葉を丈夫にするものを葉面散布して予防するといいそうです。
( 害虫がつきやすいタイミングは、新月ではなくて満月だそうですよ。 )



2009年12月15日火曜日

無農薬・無化学肥料のお茶〜エコプロダクツ〜

エコプロダクツの会場には、フェア・トレードやオーガニック素材をつかった化粧品、アパレル、食品などの買い物が楽しめる「グリーンストアーズ」というマーケットコーナーがありまして、エコプロダクツの会場内で、私がもっとも長い時間をすごす場所でもあります。
グリーンストアーズに出店なさっていた「 自然のわ研究会 」は、静岡県金谷町と掛川市で5年以上100%無農薬・無化学肥料のお茶づくりをなさっている生産者さんが集まってつくられた会だそうです。


数年前から「 自然のわ研究会 」のお茶をいただいてますが、ほんのりと土の香りがしてなんともいえない素朴で丸みのある味です。きっと昔の日本の人はこんな味のお茶を飲んでいたんだろうなと勝手に思っています。

「 自然のわ研究会 」の善光園さんは無施肥栽培にも取り組んでいらっしゃいます。
農薬はもちろん肥料もやらない「 無肥料栽培 」は有機栽培よりもさらに環境にも健康にもよい作物ができるそうです。
いぜんに、野菜の無肥料栽培に取り組んでいらっしゃる生産者さんのお話をうかがうチャンスがあったのですが、一朝一夕でかんたんにできるものではなく、それはそれは試練の連続のようです。
土壌の生態系のコンディションが整うまでに数年間収入ゼロということもありえますし、出荷に適した便利なF1品種は肥料ぐいなので無肥料ではそだちません。その土地の風土にあった進化をしてきた植物の固定種・在来種でないとむずかしいそうです。さらに肥料原料を生産する方々からは、営業妨害とバッシングを受けてしまうそうで・・・

また、「 自然のわ研究会 」の生産者さんたちのお茶に限らず、無農薬・無化学肥料で育てたられたお茶たちは、今現在の「おいしいとされるお茶の基準」にはそぐわず、品評会ではなかなか評価が上がらずにご苦労なさっているそうです。
でもエコプロダクツでの「 自然のわ研究会 」のお茶たちは毎年大人気なようですよ。去年のエコプロダクツでは最終日に伺ったら一番高いお茶がすでに売り切れていて買いそこねて、必死に探すはめになりました。


一方で、最近なんだか悪者あつかいの化学肥料ですが、実は現代の人口増加を支えた一番の立役者なんですよ。
化学肥料へのシフトチェンジの大きなきっかけは、17世紀にドイツ人のフンボルトさんが南米の土着農業に使われていたグアノの肥料効果にびっくりしたことから始まりまして、その後ヨーロッパに売り込んだら、国同士の戦争にまでなるほどに取り合いになっちゃいました。それから いろいろありまして、鉱物=ミネラル を溶かしてリン・カリなどが豊富に確保できるようになりました。N・P・Kの三大無機肥料が広がったら,世界の人口はたった100年で16億人から63億人にまで一気に増えたそうです!しかも田畑の面積はたったの1.2倍しか増えていないそうです。すごい変わりようですね。
-「肥料になった鉱物の物語 / 高橋英一さん著」より-

2009年12月14日月曜日

エコプロダクツ2009

「エコプロダクツ2009」に行ってきました。

年々来場者数がふえていて、昼ゴハンを食べずに行くと駐車場に入れるまでにハラペコになってしまうほどです。エコに興味があつまるのは何よりですね。

会場に入ってさっそく目を引いたのは、フードブースでした。でもすでにお弁当は売り切れでした。














喰いっぱぐれはしたものの、会場内は見どころいっぱいでした。
各都道府県のエコな取り組みや商品を紹介するブースもありました。徳島県のブースでは「植物工場」を提案する企業さんを見つけました。

エレクタのシェルフを使ったハイドロ・システムは、栽培規模に合わせやすくて導入も比較的かんたんで現実的ですね。
また、生で食べたいリーフ野菜やメインではないけど味つけのアクセントに欲しいハーブ類など出番のおおい葉もの野菜は、水耕栽培で育てると収穫サイクルも短いし養液を調整すると味もよくなるのでメリットが大きいですよね。















都道府県や企業のほかにも、環境問題の向上に取り組むNPO団体や大学の出店ブースもいっぱい出ていました。
太陽の熱だけでバーベキューができてしまう「ソーラークッカー」というオーブンが毎年紹介されているのですが、燃料を一切使わないので地震などの災害時にも調理はもちろん、温水・飲料水の確保や煮沸消毒ができるので、いつかはGETしたいと思ってしまいます。



2009年12月11日金曜日

植物園とHPSランプの補光栽培

これからの季節の楽しみのひとつは、関東近辺の「 植物園の温室めぐり 」です。夏の植物園の温室は、とてもとても蒸し暑くて「 罰ゲームか?」とも思えるほどですが、冬ならとてもとても快適です。

千葉県館山市の「 南房パラダイス植物園 」は、道の駅も兼ねているので駐車場が無料でとても広いです。( 植物園は無料じゃないです )
そのうえ売店では、めずらしい植物の苗なんかも破格値でGETできるので、訪れるたびに、まんまとトロピカルフルーツの苗をお持ち帰りとなります。
冬は管理がたいへんだってわかってるのに・・・


農業と酪農のワンダーランド「 房総半島 」ならではの見どころいっぱいの植物園です。
こちらの温室内では「 高圧ナトリウム灯 =HPSランプ」を設置して補光栽培しています。

ヨーロッパでは、切り花など花卉の流通が日本に比べとても多いですが、オランダだけでも花卉の消費量は日本の約2倍ほどあります。ところが秋から冬には日照時間が日本よりだいたい2時間くらい少ないようで、日照をHPSランプでおぎなう「 補光栽培 」がさかんなわけです。オランダは野菜も、その約80%が水耕栽培とHPSランプなんかを組み合わせた施設栽培で生産されています。


日本でも補光栽培が最近多くなってきました。
お供えの菊やポインセチアなどシーズンものは流通させたい時期がきっちり決まっているうえ需要の期間が短いので、生産地域によってはニーズがもっとも大きい時期に咲きそろわなかったり咲き終わったりして、利益がぜんぜん少なくなってしまいます。なのでHPSランプやLEDなどで日照時間を調節する補光栽培に期待が集まっているんですよ。

南房パラダイス,略して「ナンパラ」にはかわいい動物や南国の鳥たちもたくさんいます。


ナンパラのトップアイドル,「コツメカワウソ」です。


「 なんか喰うものをくれ 」と訴えてます。

2009年12月10日木曜日

トマト室内栽培「グリーン・ゼブラ」の発芽

発芽した「グリーン・ゼブラ」の本葉がちょこっとでてきたので、そろそろハイドロ・システムにセットできそうです。「 グリーン・ゼブラ 」もタイニー・ティムと同じくエアルーム・トマトです。
エアルーム品種というのは、欧米の農村や農家で長い年月をかけて固定化した野菜などが先祖代々受け継がれ、大切にされている門外不出的な品種の総称で、固定種のなかでもとくに「 家宝 」的なニュアンスがおおきいです。
しかし最近になって「 F1品種はあたりまえ、これからは遺伝子組み換え品種で大規模農場が最高 」という大企業のマーケティング戦略のあおりを受けて、米国の小規模農家・酪農家がかなり厳しい状況に追い込まれています。
さらに昨今の「オーガニック・ブーム」も手伝ってエアルーム品種が見直され、いくつかの品種が市場で手に入るようになりました。
エアルームトマトも固定種とおなじでプラントごとに個体差がおおきいです。発芽時期や、実の大きさや熟するタイミングもバラバラなので流通には向きません。
でも、見た目にも味にも風味にもそれぞれ個性があって耐病性も強く実がなるまでの期間が短いので「 コマーシャルグロウには不向き 」でも「ホビーグロウには前向き 」なんです。

2009年12月9日水曜日

グロウランプをMHランプに変えてみると

12月に入ってから冷え込む日がつづきグロウルームの室温が低くなってしまったので、先週から蛍光灯タイプのグロウランプをMHランプにチェンジしました。





MHランプに変えてからメキメキとやる気をだしたのがハイドロ・システムの「 ジャンボいちご 」です。葉がピーーンとたって新葉がどんどん大きくなってます。
この「 ジャンボいちご 」は、ランナー(子株)まで出てきてしまいました。







昨年から現役続行、プチ不耕起状態の大実イチゴもがんばってます。






ジャンボイチゴまんぷく2号です。
「 葉かき 」も「 芽かき 」もスルーしてます。ランプを変えてから葉に厚みが増してきて、とってもたのもしく見えます。



生育障害中の「 ジャンボいちご 」です。




「 オウチでイチゴ狩り 」・・・けっこうたいへんです。


2009年12月8日火曜日

秋の多摩川

ちかごろの多摩川、天気のよい休日はたくさんの人たちでにぎわい、思い思いに太陽のぬくもりを楽しんでいました。ほとんどの草木が茶色へとかわって、鳥や虫たちも冬に備えて忙しそうです。

「セイタカアワダチソウ」のうえでアクティブな動きだったテントウムシ。



いちめん枯れ草いろのしげみの中で、赤い実が目を引きました。
これは日本在来の野生のバラ「ノイバラ」です。多摩川では、この野良なバラをわりとよく目にします。


じめじめして病原菌の多い夏や雪深い冬、気候の変化が大きい日本で生き抜いてきたそのタフさをかわれて、日本の気候になじみにくい西洋品種のバラの接ぎ木用の台木としてよく使われます。
首がゾウのインドの神様、ガネーシュみたいな運命ですね。

反面、トゲが大きくちょっとやそっとじゃめげないタフさなので、勝手に生えてきたノイバラは面倒な雑草扱いされることも。
迷惑がられているノイバラですが,その昔はバラの品種改良がもてはやされた18世紀ヨーロッパに渡り交配され,現在の「フロリバンダローズ」など房咲きバラのベースになったすごいバラです。

2009年12月7日月曜日

タイニーティムのロックウール栽培

タイニー・ティムが赤く熟してきました。
実が充実するにつれ、プラント全体がたれ下がって光がしっかり当たらなくなってしまうので、誘引具でトップをぐいっと持ちあげてグロウランプに近づけてます。
根っこは、大切ですよね。
とくに、うぶ毛のような細かな「根毛-こんもう-」は、リン酸やカルシウムなどのミネラル成分や酸素をさかんに吸収してくれるので徒長や病気をふせいだり花をたくさん咲かせたり実を大きくしたりと、大切な存在です。
でも、培養液や水の温度が冷たすぎたり高すぎると根毛は一瞬で消えてしまうそうです。
このタイニー・ティムトマトは、水温を18℃〜22℃くらいにしてから培養液をあげてます。その植物がよく育つ風土や季節の雨の温度に合わせるとよいそうです。
「やっぱり植物は、環境とともに進化してきたんだなー」と再確認でした。

2009年12月4日金曜日

収穫を楽しむ-その2-

今年、我が家でとれた「ミカン」・・・これでぜんぶです。
ほんとは、9月頃には10コくらいのミカンが実ったんですが、熟するのをゆっくり待ってたら先週には、たったの2コにまで減っていました。
アレレ?
「ひとんちで勝手に地産地消」されてしまいましたー。
うちのミカンの木はもうお年寄りで、6年くらい前から手入れを始める前は花さえ咲きませんでした。やっとピンポン玉くらいのミカンが1コだけ実った年はうれしかったです。
ようやく「これはだれが見てもミカンの木です」といえるくらいまで復活したら、なんと思わぬ敵が・・・チョー人気のお散歩コースに面して実っているで仕方ないですね。
糖度は10でした。味はひいき目に評価して、すっきりとした風味でとてもおいしかったです。
毎年だいたい2月ごろに元肥をあげてます。
プラス・気が向いたときに収穫までコンスタントにうっすーいリン・カリ肥料やカルシウム成分なんかを水に溶かしたものを葉面散布してます。
リン酸・カリウム・カルシウムは葉面散布したほうが、だんぜん肥料成分の効きがいいですよね。肥料成分のなかで、とくにリン酸・カルシウムは根が吸いやすい状態であげても、土壌中でみるみる固まってク溶性になってしまいます。
そのうちの60%が,なんと1分後には土に撒いてからすぐに固まっちゃうんですよ。
( 土のコンディションにもよりますが )
根から吸えたとしても、ほとんどが肝心の葉っぱにたどり着く前に根のなかで「リン酸となんかがくっついて塩基」にかわってしまうみたいです。
葉っぱにリン・カリ・カルシウムが行きわたれば、元気に生長したり花がいっぱい咲いたり実が大きくなるのでこのへんをどうするかは農家さんも腕の見せどころのようです。
葉から吸わせてしまうのが一番てっとりばやいようです。
でもイチゴなんかは、せっかく咲いた花に水滴がかかると台無しなので花や実を手でカバーしながら気をつけてスプレーしてます。