2009年12月21日月曜日

無農薬でがんばる

なにかとメリット面だけが強調される水耕栽培ですが、正直やっぱり病気や虫も、でるときはでます。しかも一度出てしまうと屋内では天敵がいないので、かれらの天国となって手に負えなくなってしまいますよね。・・・でも農薬は使いたくない。

「ウドンコ病」に、はびこられていた室内栽培の「 ロマンティック・レース 」です。一週間前にココ培地に植えかえましたが、昨日また葉っぱがすこし白くかびていました。
売られている苗ものは薬剤で病気をおさえているものも少なくないので、薬剤の効果が切れる頃に、ちらほら病気がでてしまうことがめずらしくありません。

生分解性の農薬も、夜の間に出てくる葉やツボミには散布できないので、なかなか効きません。

そこで「苦土石灰」を葉にまいて殺菌する強硬手段にでました。
この葉面の白いのが、苦土石灰です。
ふつうなら石灰は、自宅の庭や畑などの屋外でしかつかいません。






またはイチゴやトマトなど、なるべく無農薬で育てたい苗をお店で買ってきた時に苦土石灰をたっぷり葉面にまいて一日置いておきます。こうすると連れてきた病害菌を殺菌できるんです。その後は石灰をきれいに払ったあとグロウルームにいれるようにしています。
ところが油断していたので、このバラは石灰で消毒せずにグロウルームに入れてしまいました。そのうえ冬は加湿しているので、ウドンコ病が発病して、ひどくなってしまったようです。


ウドンコ病っていうのは、カビ菌がはびこって葉やツボミや実をだめにしてしまう病気ですが、このカビは同じ種類の植物にしかつきません。バラにはバラ科だけ、ナスにはナス科だけ、といった具合です。
イヤな予感は的中し、ハイドロ・システムの「ジャンボいちご」にも、ポツポツとウドンコ病がうつっていたので、こちらも苦土石灰をまいた様子です。
ちなみにイチゴもバラ科です。





ところでこの石灰ですが、これまた生産者さんたちの間で静かなブームをおこしているのです。「 石灰で農薬代も肥料代も節約できちゃう!! 」なのです。

石灰の主成分はカルシウムで、強いアルカリ性です。強アルカリは殺菌力がとても強いので、ひと昔前に大問題となった「 鳥インフルエンザ 」が出てしまった養鶏場には、まっ白い粉が撒かれていましたが、あれも石灰です。

石灰で病気を駆除するやり方はいたって簡単で、苦土石灰を葉にまんべんなくパラパラッと振りかけるだけです。苦土石灰を水に溶かして、その上澄み液を葉面散布しても効果がありますよ。
根からカルシウムを吸わせるのは、なかなかむずかしいので、石灰を葉に振りかけるとカルシウムも吸わせられるし殺菌もしてくれるし葉に溜まったよぶんな窒素も消化して実が大きくなるし一石三鳥なんです。

でも人やペットの目に石灰が入ってしまうと失明する場合もあって、とっても危険です。室内栽培ではファンなどをまわして常に風がまわっていることが多いので、目に入ってしまう可能性はありますよ。そのうえ、石灰が養液タンクや培養土に混ざってしまうと栄養バランスがくずれてしまいますから、室内栽培や水耕栽培でこの手を使う場合は、ほんとうに注意が必要です。

ひとくちに石灰資材といっても色々種類があります。
病気がでてしまってから葉に振りかけるなら「 カキガラ石灰 」や「 苦土石灰 」がいいみたいですよ。「 生石灰 」は、水にふれると発熱してゴボゴボゴボっと噴火するので飛び散ってしまい手に負えないのでおすすめできません。「 消石灰 」は値段が安いので使う方もいるようですが「 葉がしおれてしまった! 」という方もいるようです。

※もしやってみようと思う方は、絶対に以下のことに注意してください。
「 苦土石灰 」は2種類ありますよ。主成分が「 炭酸石灰 」なものと「 消石灰 」のものがあります。「 炭酸石灰 」が主成分の「 苦土石灰 」がいいです。「消石灰」が主成分の苦土石灰はちょっと扱いがむずかしいです。また、たくさん撒きすぎると逆効果です。くれぐれも自己責任でお願いします。