2013年5月24日金曜日

青い季節と、ホップの開花

5月になってから、カスケードホップは急に生長しはじめ、3メートルほどの高さにまで伸びていました。

イチバン奥のツルがカスケードホップ、まん中がセンテニアル・ホップ、手前の小さなヤツがチヌーク・ホップです。
















固形の有機肥料をたくさんあげすぎて、チヌーク・ホップはやや肥料焼けを起こしました。葉のフチが黄色く焼けてきた時点で、土壌のpH値を計ってみるとアルカリ性に傾きすぎていたので、根元のまわりの土を入れかえてから弱酸性にした水でジャージャーと洗い流しましたが、その後2週間ほどは変化がみられず、生長ストップ。週末の雨でやっと新芽が伸びてきました。
























春になってから、新芽の生長がイチバン早かったセンテニアル・ホップです。このホップは、ウチで育てているホップのマザープラント(親株)ですが、ウチのほうのは葉っぱが人の顔ほどにもデカクなっています。






















↓ウチで育てているセンテニアルホップです。葉っぱが異常にデッカく育ちました。ヤツデの葉っぱかと思うほどの大きさです。























このホップを地植えしたすぐ近くに,野菜クズなどを処理するためのミミズコンポストが置いてあります。そのため養分、水分、そして落ち葉などの腐植質がものすごく豊富にある土になっているため、葉っぱが巨大化したようです。しかし、常にシットリと湿った土のため,水やりはしていません。
















本来ホップは、砂質土など水はけのよい土壌が適した植物ですが、水分、養分、腐植質がたっぷりある土壌では、根っこが太くながく伸びやすくなるので、シュートもたくさんでで早く大きく育つようです。ただし、このような土壌環境でホップを育てる場合は、葉っぱが萎れないかぎり、水やりをガマンしたほうがよいかと思います。

ちなみに日本の蒸し暑い夏でも、水やりさえウマく管理できればホップはちゃんと育ちます。うまく育たない場合は、水を与えすぎて根っこが伸びなくなってたり、蒸れて傷んだりしているのではないでしょうか?
















「 早く大きく育ってほしい! 」と強く思うほど、ヒンパンに水をあげたくなりますが、ホップをはじめ多くの植物は、土がちょっと乾いてきたタイミングで根っこがイチバン伸びるので、葉っぱがやや萎れるまで水やりを控えたほうが活着がよくなりますし、気温が高くなれば数日で1〜2メートルは平気でのびます。

なので、ホップの苗をグリーンカーテンにする場合,植え込んだ時にたっぷりと水をあげたら、次の水やりは葉っぱがしおれ気味になるまでガマンします。しおれる前に、水やりしすぎると、ヘロヘロとした2〜3mmほどの細さのツルしか伸びなくなります。

↓5mm以上の太さがあるツルがでてくるようになれば、葉っぱが手のひらほどになり、大きな花が、たくさんつきます。






















ホップを地植えにするにしても、プランターで育てるにしても、土の表面にマルチングすることをおススメします。マルチング材は腐葉土やバーク材などの有機質のものが無難です。

しかし、尿素や油かすなど有機肥料をホップの肥料にする場合、土が酸欠になるとアンモニア態窒素やアンモニアガスの障害が出やすくなるので(↑まさに一番上の写真です。)、有機酸をたくさん含むピートモスや、空気をたくさん含めるココ培地などをマルチング材にするとGoodかと思います。

固形や粉末の化学肥料は、土が徐々に酸性へ傾くので、アルカリ性のモミガラくん炭や完熟堆肥を腐葉土にまぜてマルチング材にして、その上から化学肥料を追肥していくと、すべての肥料成分がまんべんなく吸収されやすくなります。

水耕栽培用の肥料を土壌栽培に使う場合は、土壌のpH値が5.8〜6.8の範囲になるように培養液を与えます。

どんな肥料を使うにしても、水やりしてから30分くらい経った時の根っこの深さの土のpH値が6.8くらいなら問題は起きないと思いますが、もしpH値が酸性になりすぎていれば、モミガラくん炭(主にカリウムとケイ酸)、カキガラ石灰(主に炭酸カルシウム)などをマルチング材に混ぜ込めば、pH値を改良するだけでなく病気にも強くなります。

一方、土のpH値が上がりすぎていれば、pH値を5.5ほどにした水をタップリと含ませるか、成分無調整のピートモス(pH3ほど)をマルチング材に多めに混ぜ込んでもOKです。



一週間で2メートルのびたカスケード・ホップの根元です。左側のポットは40cmほどの高さです。






















根茎からスタートしたホップは、1年目でも7メートルくらいは余裕で伸びるそうです・・・わずかな根っこの切れ端だけでオニのように伸びるとは、ドクダミなみの生命力です。しかし、挿し木苗のホップだと本格的な収穫は2年以降となることが多いです。(管理次第ではありますが)























カスケードホップのひとつのツルにはもう「毛花」が出はじめていました。
根元からだいたい1.5メートルのびた所で展開した葉っぱの付け根から左右対称に「毛花」が出はじめています。















毛花が咲き始めたツルのトップ(茎頂部)です。一定の間隔で主茎からペアの葉っぱが展開し、葉っぱの付け根から毛花が咲き始めていますが、すべてのツルがそうではありません。















↓右側が「毛花」が咲き始めたツルです。このツルに展開した葉っぱの付け根からは、すべて「毛花」だけです。「横枝」はでてきません。
↓左側のツルでは、葉っぱの付け根から発生しているのは「横枝」です。「毛花」ではありません。















↓今シーズンに、もっとも早く出て伸びた新芽のツルは、どの葉っぱの付け根からも「横枝」しかのびていません・・・が!!!























根元から1.5メートルほどの位置では、葉っぱの付け根から出た「横枝」から、「毛花」が咲き始めています。















↑のアップです。先端にヒゲのような雌しべが見えたら「毛花」で、ヒゲが見当たらなかったら「横枝」です。このようにホップの花は、新たに伸びたツルにしか咲きません。
なので、低い位置で花を咲かせつづけたい場合は、手に負えなくなった高さでツルを切るか、えんえんと横方向へと誘引するしかありません。そして新しい横枝か、根元から登ってくる新しいツルを活かして花を咲かせるということになります。
(苗が一年目だったり、ツルが数本しか出てこないうちは、横方向に誘引がおススメです。)















ということで、いちばん早くのびた新芽のツルたちは、天に向かってひたすら伸びる「生長期型」の生長傾向が強く、5月になってからやっと伸びはじめたツルは、すぐに花を咲かせる「開花期型」の生長傾向が強かったのですが、それには太陽光に含まれる波長の変化にも大きな理由があるのでは ? ? ? と思っています。

5月になると,そこかしこで「 紫外線が増える季節です。そろそろUV対策をはじめましょう!!! 」という紫外線警報をよく耳にするようになります。「5月には、太陽光のなかに紫外線UV-AとUV-Bが急に増えるから、UV対策をしないと肌や髪がダメージを受けますよ」ということは,多くの人がすでに知ってることだと思います。

ところで、波長が短い紫外線が増えるのだから、その近くにある青色の光も同じようにふえるわけで、反対に長い波長の赤色の光が弱まります・・・ってことは、多くの人が「5月は、風と青空がサワヤカだ!」と感じるのは、「紫外線と青い光が増えてるから! 」なんでしょうか???

んで、この紫外線〜青色の短い波長の光(290nm〜480nm)とは、夏を中心に繁殖する夏野菜や短日植物の茎の伸長や、開花を促進する結果がでています。(秋から冬にかけて育つ植物では、逆の効果がでています。)