2014年2月12日水曜日

真冬ですので、HPSランプを600Wへ変えました。

「関東にも、今週末は雪が降りますよ。しかも大雪になるかもですよ。十分なご注意とご準備を・・・」

というニュースを「どーせ降らん!」と、毎年他人事のように聞いて、結局は降りしきる雪をボーゼンと眺めつづけ、慣れない雪かき作業の休日となるわけです。

なんてことをいいながら、降雪予報へのグロウルームの準備はカンペキにすませておいたのです。トマトたちを育てているHPSランプを400Wから600Wへチェンジしました。
400Wでは室内の温度が17℃を超えなくなっていたのもあって、600Wへ変えたところ、なんとも明るい! 室温も20℃ほどまで上がるようになりました。
























フラッド and ドレイン・システム「タイタンS」でそだつミニトマトたちの花房には、果実もつきはじめ、ランプを変えたおかげで明るくなって暖かくなって調子が良いようです。




























こちらは再循環システム「ジェミニ」で育つミニトマト。植物育成ランプのベスト照射範囲からすこし外れた光の弱い場所にあるので、「タイタン」よりも、花が咲きはじめたスピードは、少し遅れましたが絶好調です。



























さて、ここで「タイタン」と「ジェミニ」のリザーバータンク内の培養液の「溶存酸素量=DO」を計ってみましょう。「Dissolve Oxygen=溶存酸素量」ってのは、液体中に溶けている酸素の量で「mg/L=ppm」単位で表示をするDOメーターが多いです。



↓汲んだばかりの水道水の溶存酸素量は「11ppm」でした。ハイドロポニックスでは、培養液の溶存酸素量が8ppmあるとベストだと言われていますが、水に肥料を溶かした時点で自然と6ppmくらいに下がってしまいます。





















「タイタン」のリザーバータンク内の溶存酸素量を量ってみると、「4ppm」でした。トマトの根っこは、低酸素状態に強いといわれていますが、それでも培養液中の溶存酸素量が「3ppm」以下になってしまうと、酸素欠乏で吸えなくなる肥料成分がでてきます。



「ならば、タイタンのリザーバータンクにはブクブクのエアレーションを入れて、酸素を増やした方がいいのでは? 」と焦る必要はありません。
フラッド&ドレイン・システムは、一日のほとんどが根っこが空気中にさらされています。なので、酸素はたっぷりと吸えるのです。



















というのも、空気の20.9%は酸素で、それを「ppm」にすると・・・
空気中には「約210,000ppm」の酸素があるので、空気に触れられている根っこは、新鮮な培養液の、約26,000倍の酸素量・・・つまりケタ違いな酸素にありつけるわけです。

そんなことからも、フラッド&ドレイン・システムや循環式システムなどのハイドロポニック・システムは、根っこに培養液が浸る時間を、数時間にたった数分間だけ・・・と短くする必要があるんですねぇ。






ところが、再循環式システム「ジェミニ」は、下段のリザーバータンクに根っこが伸びだして培養液のなかに浸ってしまう根っこが出はじめましたので、こういう場合は、リザーバータンク内にエアーストーンを入れて、エアレーションをしています。






























エアレーションをしている培養液の溶存酸素量は「6.5ppm」、やはりエアレーションなしの培養液よりも酸素量が多くなっています。
























「ジェミム」は、約4時間ごとにほんの数分間だけ循環ポンプを作動させて、クレイ・ペブルス培地の上から培養液を上面ドリップしています。真冬の間は培養液をサーモヒーターで22℃くらいに加温しています。





ところで、「ジェミニ」は、培養液の調整や交換がカンタンにできます。
↓この「メンテナンス・カバー」を・・・



















↓カバッ・・・と外して・・・ダジャレ大好き!





















ここからリザーバー・タンク内のpH値やEC値を計ったり、培養液を抜くことができます。



















ちなみに、「再循環式システム」の培養液メンテナンスは、2〜3日ごとに培養液を2リットルずつ取りかえるか、1〜2週間に一度、すべての培養液を取りかえるか、どちらかの方法で培養液を取りかえますが、その時のポイントは「新しい培養液でクレイペブルス培地を洗い流す感じで、培地の表面からザバザバと継ぎ足す」ってえことです。

植物の根元やクレイペブルス培地の表面に肥料成分が白く固まってきたら、それに触れてる部分が焼けてしまうので、白い結晶を洗い流す要領で、新しい培養液を注ぎ足してください。でも、肥料の固まりがたくさんできてしまう時は、「培養液の肥料濃度が濃すぎるぞ〜。食べきれていませんから、すこし薄くしてくださいっっっ!!!」という植物からのサインです。




ちなみに、「ジェミニ」のリザーバータンクには、ポンプだのサーモヒーターだのエアーチューブだのをスッキリ通せる「コード溝」があってGoodです。