2021年5月28日金曜日

初夏の花々と昆虫ホテル

5月にしては雨降りが多い今年、生い茂った葉っぱをかき分けてみると、摘果をさぼっていたオオダマアカツキの桃がグイグイ大きく肥大していました。




5月に咲く花のなかで、思いがけず存在感をます植物のひとつは、なんといっても「セリ科」ではないでしょうか? 冬の間、薬味やハーブとして活用してきたパクチーやイタリアンセロリ、そしてフェンネルなどセリ科の植物は、プランターや限られたスペースでは脅威を感じるほど、縦にも横にも広がって線香花火のような可憐な花を咲かせます。


欠点といえば、セリ科の花は、ガツガツ消費できるほど食べやすいものではないということでしょうか・・・勝手にタネが落ちて、勝手に翌年芽生えることを期待します。

 

そして今年のホワイトセージ は、花茎が一層デカく長く伸びました。花茎の長さは、どれも1メートル以上あります。





昨日までの雨で、四方八方にしだれまくっていたホワイトセージ の花茎をなんとか立たせて誘引していると、アシブトハナアブがホワイトセージの花にしがみついていました。



一方で、これは2年前にGETしたアジサイ「アムステルダム」。10cm足らずの草丈だったアジサイは、立派に大きくたくさんの花を咲かせてくれました。




「あれはなぁに?」とよく尋ねられる木製のノッポな家は、ハナアブなどのためが越冬するための避難場所、「バグ・ハウス」とか「ビー・ホテル」とかそんな名前で呼ばれています。




そしてこれはヘアリーベッチの花、土を耕して肥やすために育てる緑肥とよばれる植物のひとつです。






「ハナアブ」「ビー・ホテル」「アムステルダム」そして「緑肥」。
農業大国オランダでは、ミツバチをはじめとした野生のハナアブの個体数が減少、絶滅する速度が加速していて、農作物の生産量に深刻な打撃となりつつあったそうです。



そこで、何らかの理由で巣を失った孤独なミツバチのために「ビー・ホテル」を設置しようという活動や・・・




バス停の屋根の上にワイルドフラワーを植栽し、ミツバチたちが疲れたら羽を休めることができる「ビー・ストップ」を設置したり・・・



街中を飛んでいるミツバチたちが、ふんだんに蜜にありつくための「ハニー・ハイウェイ」とよばれる花の植栽を街中に増やす活動によって・・・



今年の春「ミツバチを数えよう!」というボランティアの活動を通して、1940年代から減少の一途をたどっていたミツバチの個体数が、安定したということがわかったそうです!





ということで、今からでもヘアリーベッチやクローバーなどの緑肥の種をまけば、雑草の抑制にもなるし、これから花数が少なくなる真夏に向けてハナアブたちのレストランにもなります。SDGsが叫ばれる昨今、除草剤を撒き散らすよりも未来志向なのではないかと思います。