2010年4月16日金曜日

グリーンゼブラと偉大な園芸家

エアルーム・トマトのグリーンゼブラ、とうとう収穫しました。



挿し木からはじめたほうが、

収穫までの期間はぜったい短いとも思うのですが、

実生には ( 種から育てる )

実生のたのしさがあります。





一番はじめに結実したモンスターゼブラ1号です。

自分で育てでもしないと、こんなブサイクトマトとはスーパーでは出会えません。

つまり商品価値はありません。

なにしろ4つのトマトが合体してます。








モンスターゼブラ1号は、晴れてボスニャンコの顔くらいの大きさになりました。ノーマルな大きさのゼブラたちと比べると、だれよりも栄養をひとりじめしたことが、ひとめで分かります。













ところで、こんなたのしいトマトをつくったのは、どなたでしょう??

グリーンゼブラの種がはじめて売り出されたのは、

1983年です。わりと最近のことです。

米国カリフォルニアのトマトとポテトのブリーダー
「トム・ワグナー」さんによって世に送り出されました。







ワグナーさんは現在もご健在です。
ワグナーさんのブログを拝見すると、グリーンゼブラはエアルーム・トマトのなかでもずば抜けて人気者になったことが分かります。

ところで、近代的農業が大発展したきっかけは18世紀に化学肥料農法へとシフトチェンジしたからなのですが、天才的園芸家もぐうぜん18世紀にたくさん誕生していたようです。

以前ふれたカーヴァー農業博士も、そのうちのお一人で、化学肥料多施肥でぼろぼろになっていたコットン畑にピーナッツやサツマイモを植えて南部の農業を救いました。

「 園芸の魔法使い 」と評された「 ルーサー・バーバンク 」さんも18世紀に夢のような新品種を生み出し、アメリカで大センセーションを巻き起こしたそうです。アメリカでは現在でも園芸で偉業をなし遂げることを「バーバンクする」と表現するそうです。

一番有名なのは「 バーバンク種 」とよばれるジャガイモの新品種ですが、バーバンクさんについて知るまでは,ジャガイモの花にトマトそっくりな種子ができることを私は知りませんでした。ジャガイモの花についた実を見てはじめて、トマトとジャガイモがおなじナス属だということに納得しました。

植物に精通することに天才的才能をお持ちだったカーヴァー博士とバーバンクさんのおふたりには、共通していた「なにか」がありました・・・長くなりますので、またいつか。

2010年4月15日木曜日

グリーンゼブラ、そろそろ収穫

最近のグリーンゼブラ・トマトのようすです。

おしりのほうが黄色くなってきたので、もうそろそろ食べてもOKなんです。

が、

緑色だし、さわるとまだ固いし、

いまひとつ収穫のタイミングがつかめません。










ついつい収穫するのを「明日、明日」と、先延ばしにしてしまってました。でも最近ウドンコ病がでてきたので、実を穫ってあげないままで体力を消耗してしまってるかもしれません。



根っこも元気です。写りきれてませんが、この下のタンクでとぐろを巻いてます。














「 根毛 」は、じつは根っこの表面にある細胞のひとつひとつが、ビヨビヨ〜ンと伸びてできるんだそうです。葉っぱや茎は細胞分裂しないと背丈や面積を広げることができませんが、根っこの細胞は伸縮自在なんですねー。














もしも人間が根毛と同じように皮膚の細胞ひとつひとつをビロローンと伸ばせたら、ちょっとコワいなと思っていたら、実は人間も同じことできていました。

体内の小腸には、根毛みたいなヒダがいっぱいあって、やっぱり食べたものの養分をたくさん吸収できる仕組みになってるそうです。















ちなみに、海藻資材なんかは葉面散布すると効果がはやいといわれてます。実は、葉っぱから吸収された成分は根っこに送られてるので、結果的には根っこを増やすことになります。

2010年4月14日水曜日

Grow Your own Rice! お米の水耕栽培

この春から「 お米の水耕栽培 」にトライしています。

無類のコメ好きなワタクシとしては、「 お米の室内・二期作栽培 」あわよくば「 三期作 」をば実現してゆきたいと思ってます。稲は「 シリカ = ケイ素 」が好きな植物なので、お米の水耕栽培培地には玄武岩が原料のロックウールにしてみました。














ロックウール培地中のシリカは、ク溶性でなので、ゆーっくりとしか溶けませんが、根っこはすこしづつ吸収できます。シリカは植物によって,いっぱいいる・そんなにいらない、に分かれますが、お米はシリカが足りていると病気につよく頑丈に育ちます。

そんなわけで、水耕栽培の生産現場から大量にでる古いロックウールは、細かく粉砕されてから田んぼにすき込んで貴重なシリカ源として役立っているそうです。


お米の品種は「イセヒカリ」です。


うそかほんとか「人を選ぶお米」だとか・・・


おいおい、きいてないよー! って感じです。







先週末から、根っこもトップもグングンと伸びてます。
それにしてもお米は世話のしがいがあります。2日に一度、アミノ酸たっぷりの根の活力剤をあげるたびに、目に見えて根が伸び・背が伸び・葉が伸びます。
私のようなおセッカイ好きなガーデナーと相性がよさそうです。



丈夫でぶっとい苗にしたいので、ファンで風をあてて、日に何度も苗のトップを手でブンブンとなでています。

農家のかたは、でっかい板や運動場に使うローラーやトンボを駆使してギューッとプレスしたりナデたりとあの手この手で、お米の苗たちを鍛えてたりします。








オイシくて農薬に頼らない安心なお米を作るには、病気や虫に負けない苗づくりが大切だそうです。

お米の苗は、高温と強い光ですぐに焼けてしまうそうです。

なので、

蛍光灯タイプのグロウランプで育ててます。










いまは、本葉が1〜2枚ほど展開したところです。

本葉が3〜4枚程度になったら、大きなロックウールに

定植して、薄めの培養液をあげようと思います。










ちなみにお米はアンモニア態窒素しか吸えないそうです。なので手持ちの水耕栽培肥料でアンモニア態窒素が入ってる肥料をチョイスしてみます。

2010年4月13日火曜日

春に咲く、あんな花・こんな花

桜が開花してから、肌寒い日が続いたりしたので今年の桜は長持ちしてくれてます。
ひとめでも多く桜を満喫しようとブラブラしていると、春にしか、お目にかかれない花がいろいろと咲いています。


はずかしながら、生まれてはじめて「アケビの花」に出会いました。

へぇ、こんな花が咲くんだーって感じです。
アケビの花には、雄花と雌花があります。











左のボワボワッと房咲きさているのが雄花(♂)で、
右のパカッと咲いてるのが雌花(♀)です。 この雌花が受粉すると、あの紫色のサツマイモようなバナナのような独特なカタチのアケビの実ができるってぇわけです。














アケビの生えてるトコロは、犬のフンがとても早く分解されるそうです。
散歩コースになってる我が家のまわりには、近頃のペットブームで「ワンちゃんの落とし物」つまり、フンが増えてきたのですが交番に届けるわけにもいかず、とっととアケビを植えてみた次第です。



これは松の花です。

雄花と雌花があるそうで、これは雄花です。











モミジの花もささやかに満開となっていました。

モミジの実は風にのってヘリコプターみたいにクルクルまわって飛ぶので、人気者ですね。










おっっ、いました、野良な木イチゴです。
田園調布を通る第三京浜道路のカベ沿いに、たくましく自生してました。

この時期、木イチゴの花はよくみかけますが、数ヶ月後に実がなってるトコロはあんまり見かけません。

結実しにくいのか、喰われているのか・・・?

「 枝垂桜 (シダレザクラ)」の花は、もう実になっていました。

桜も木イチゴとおんなじバラ科です。

ちなみにサクランボは、「オウトウ」という西洋桜になる桜の実だそうです。









春はいろんな花が一度に咲くので,うっかり見過ごすと来年までおアズケになってしまいます。首にぶら下げたカメラがどんなに重たくても、そのせいでプチむち打ちになって整体に通うハメになったけど,それでもいろんな花に会いにいこうと思います。

2010年4月12日月曜日

たった6cmでも実がなるタイニー・ティム

室内栽培のロックウール培地で育てていた

「タイニー・ティム」は

現在ベランダで余生をお過ごしです。












このタイニー・ティムからとった挿し木です。
ちなみに今週の水曜日は「新月」なので、剪定や挿し木取り、植えかえと定植にナイスな週ですね。昨日は、バラの茶色く枯れた枝を剪定してみました。











丈は6cmほどです。

咲いた花が結実しました。










タイニー・ティムは、エアルーム品種の矮性トマトです。

実生から育てても丈が15cmほどになったら、

さっさと花を咲かせて実がなるチョーコンパクトなトマトです。







エアルーム品種を育てると、いろいろなハプニングに出くわすのでオモシロいです。
奇想天外なふるまいは固定種ならではだなぁと、つくづく思います。

2010年4月9日金曜日

イチゴ水耕栽培。ブクブクは、おキライ?

ココ培地で育てている大実イチゴもジャンボいちごもジャンボいちご・まんぷく2号も、どんどん花が咲くようになりました。















秋には、短日処理したり・冷温処理したり・窒素を控えたり、あの手この手で花芽をつかせようとほんとに必死でしたが、この時期になると、もうほっといても花咲きホルモンが足りてるようです。


植物を育てるのって、なんだかんだ手がかかるうちが一番かわいかったりもします。


なので今はコメの「イセヒカリ」に夢中だったりします。








少しずつですが、毎週コンスタントにイチゴが食べられるようになってきました。

部屋のなかでイチゴのあまい香りがしていると、ほんとにシアワセな気分になります。






「行者ニンニク」は、去年の秋から「アブラムシ」対策にと、イチゴと同居してもらってます。イチゴはニンニクと混植すると虫がつきにくくなるそうです。

結局、先月くらいからやっと生長しはじめました。すでにイチゴたちには悪い虫(アブラムシ)がつきはじめているので、ニンニクには早く大きくなってもらいたいものです。





ところで!!

培養液に根っこを浸してエアレーションで酸素を供給する水耕栽培システムで育てていた「ジャンボいちご」たちですが・・・とうの昔に枯らしてしまってました。
在りし日の姿、とほほ・・・です。
どんなにケアしてあげても、実がつくと根っこが真っ黒く木化してしまいベチャッと分解してしまいました。

あわてて調べてみるとイチゴの根っこは、老化すると黒く木化するんですが、空気に直接触れてる部分がないと新しく発根しないそうです。








培養液に浸かっている根っこでは、いくらエアレーションしてあげても、酸素が足りなさすぎるんだそうで。

つまりイチゴは、エアレーション式のハイドロ・システムで育ててしまうと、どんなにがんばっても根っこが黒く老化したあと新しい根っこが出てこれないので養分吸収ができなくなって、ちゃんと育たないっちゅうことです!! 


生き残っていた「あかねっ娘」をしれっと循環式のハイドロ・システムに避難させたのがひと月前。

まだまだ本調子ではないものの・・・









エアレーション式ハイドロ・システムでは見たことがなかったほど、根っこが長く白く伸びてくれました。

ひとまず循環システムで育ててる「あかねっ娘」のイチゴが食べられるまでは、気を抜かずにジッと見守ってみます。

つくづくココ培地のほうがラクなんですけど。







「栽培は、枯らして覚える」脳内マニュアルに、また新たな1ページが加わりました。

めでたし、めでたし。

2010年4月8日木曜日

発芽したら、ことごとく強い苗に

今年始めて「ヒラタあぶ」が、お目見えです。ジャメスブリタニアの花にひしっと張りついてました。ひさしぶりー!!















「ヒラタあぶ」の幼虫は、アブラムシをたっくさん食べてくれて食害しないし人を刺したりもしません。なのでこのアブは無農薬でガーデニングしたいひとの強い味方です。
プーーンとホバーリングしている蜂のフリしたハエって感じなので、すぐ分かります。














ヒラタあぶお君も出てきたことだし、そろそろ夏野菜の種を蒔きはじめて発芽する頃だと思います。お米の種もみの発芽にもコツがありますが、植物はそれぞれ発芽する温度や光のアリ・ナシなど条件が違います。


温度管理や水分管理など、かいがいしく世話をして種が発芽してくれたら、丈夫で強い苗に育ってほしいと思うのが親ごごろ。どんな植物でも、優秀な苗に育てるコツには共通していることがあります。それは土壌の中でくり広げられる生き物の循環が教えてくれるようです。

冬のあいだ、秋に枯れ落ちた草木や落ち葉を分解してジリジリと増えてきた微生物が、春になって寒さがゆるみ、雨が降るといっきに増えて土の中でひしめき合ってる状態になります。
そこに、秋に落ちた種子が発芽します。でも土の無機窒素は微生物がガシガシ食べてしまっているので、幼い苗は窒素にありつくために必死に根っこを伸ばさなきゃならなくなります。










でも土の中には微生物のおかげで、炭素やミネラル、酵素に有機窒素なんかが豊富にあるので、幼い苗はこまかな根毛をびっしりと張れるし、土奥深くまで元気に根っこをのばせます。根量の多い苗は徒長せず、抵抗力も強いのでよい苗に育ちます。

小さい苗をやさしく踏んだりなでたり低温にあてたりして適度なストレスをあたえると、植物ホルモンのエチレンを分泌するので、茎がぶっとく強くなります。

いまお米を育ててますが、噴霧器で水やりする時に、わざと強めに葉っぱに水をあてるようにしてます。








ただ、葉っぱや茎がちぎれるような致命傷ストレスは、もちろん問題外です。
タネまき・挿し木専用の培養土の成分表をみると、無機窒素がほとんど入ってないのは、そういう理由だからです。